衣笠山の河津桜が満開を迎えています。
8年程前のちょうどこの頃、衣笠山で犬の散歩中にりりまむさんと出会いました。我家と同じように、りりまむさんは保護犬を里子に迎えていて、当時は二頭のビーグル犬のりりーちゃんとライラちゃんを伴っていました。
その後、新しく開設する施設で迎える保護犬達のボランティアを私が依頼された際、りりまむさんはお友達を伴い、とても大きな協力者となってくれました。
お友達 りりまむさん 私
りりまむさんはエアロビのインストラクターで、ヨガやSAPも愛するスポーツウーマン。絵も得意で、おさんぽ隊Tシャツやトレーナーを作ってくれたり...
私が目をそむけてしまうような酷い動物虐待などにも、その阻止のために監視の目を向け、命の尊さを世の中に訴える人でした。
なのにこの頃から間もなく病魔が忍び寄り...。
タフな心身の持ち主であるため、数年に渡り負けずに闘い抜いてきましたが、この一年程は徐々に日常や犬散歩にも支障が出てきました。半年程前からは下半身の麻痺が強くなり...。
福祉施設の犬ボランティアでたくさん協力下さり、とてもお世話になったりりまむさん。高齢の父親と二人暮らしであったために、私も出来うる可能なサポートをと、犬散歩や毎週末の買物のお手伝いをしてきました。
最後のSAP日となった昨年の10月
しかしとうとう昨年末に緊急入院、その後は一時安定した際に彼女が望んだホスピスへ移動。
そして翌日が満月という大潮の引き始め、午前5時半頃にりりまむさんは夜明けの空へと旅立ちました。
それまでの痛みや苦しみから解放され、とても穏やかに永久の眠りへとついたのだそうです。
ママとお別れをしたサリーちゃん
このホスピスは飼犬を病室内に入れることが可能。
ママと最期のお別れをしたサリーちゃんは、帰り間際に看護師さんに依頼され、私と一緒に犬好きの患者さんの病室へ招かれました。
すでに目の力も失っていたこの方は、サリーちゃんを見て僅かに頬笑み、自ら手を伸ばしてきました。
サリーちゃんもかつては人の身勝手さゆえにセンターに収容された犬。当時、飼っていた二頭のビーグル犬を相次いで亡くしていたりりまむさんは、県外の遠い愛護センターに長く収容されていたサリーちゃんを見つけ、お父さんと一緒に迎えに行きました。
犬は酷い虐待を受けたり、死の恐怖を味わったりしても人を恨んだりせず、再び人の側にいることを望み、ときに人の心に光を灯し、こうして生きるためのエネルギーを与えたりする不思議な能力をも持ち合わせているのだと感じています。
彼女が旅立ってから早くも一週間....。
りりまむさんは遠い空の上からもきっと変わらず、犬猫の無駄な殺処分や虐待の無い世の中になることを見守り続けていることでしょう。
衣笠山からはいつもの朝を迎え、そして声をかければ、彼女が傍らで返事をしてくれるような気がしてなりません。
あなたが犬を愛し、この世で最期まで強く生き続けた足跡を、ここにこうして残しておくよ。