このところ、拾い食いや昆虫等の捕食に関してかなり気を使っていたが、
あいかわらず動くものに飛び付き、あっという間に口に入れてしまうバレンシアちゃん。
鳥が近くにいないときは、絶えず何かを探し歩いているバレンシア
そのように警戒していたはずのさなか、今夜の寝る前散歩時に事件は起きた。
暗闇の道を歩いていると、石のように見えた黒い塊に注視したバレンシア。
大きさは人間の子供のこぶしよりやや大きめだろうか。
昆虫や食物ではないだろうと思ったとたん、パクッと口に入れてしまった。
慌てて出そうと思っていたら、突然、ヘンな顔をして自ら放りだした。
その後、間もなく口から大量のヨダレとも泡とも付かぬものが出続けた。
しかも頭を左右に振り続け、その泡を勢い良く飛ばしている。
よほどマズかったのね......
V「クエッ!クェッ!クェ~!!」
放りだしたものを確認すると蛙だった。アマガエルではない。
日本の蛙に毒があるわけないなと思い、しかし万が一に備え散歩を切り上げ家路についた。
ところが帰り道にも、さきほど放りだした蛙がバレンシアの方へ跳ねてきたのを見つけ、再び口に入れてしまった。
なんておバカ。暗闇とはいえ、防げなかったBJAmomも愚か。
暫く咥えていたものの、またすぐに自ら放りだした。
しかし今度は先程よりも狂ったように頭を振り続け、ヨダレもひどく大量。
慌てて自宅に戻り、まずは口を洗浄。なんとなく全身的に様子がおかしくなり、
目を見ると、白目をむいていた。硬直したように立ったまま身体が左右に揺れている。
毒キノコでも食べたかのような症状。
すぐに家族を呼び、バレンシアをリビングに入れ、取り急ぎ、雨で濡れた身体を拭いてもらった。
その間にボブとジェッシーの足を洗いながら、獣医に連絡することを考えていた。
が、フト見ると、バレンシアがリビングで走りまわっている。
一瞬、頭もおかしくなったかと思ったが、どうやら回復した様子。
Webでさっそく蛙の毒について調べると、意外な事実がわかった。
アマガエル以外の蛙は天敵から身を守るために毒を持っていることが多いとのこと。
特にヒキガエルはブフォトキシンという毒を持っていることが明らかになっている。
ブフォトキシンは数種の成分が含まれ、アミン系の毒を持ち、幻覚作用がある。
他にブフォタリンというステロイド系の猛毒成分も含まれ、口腔や粘膜に付着すると
心筋や神経中枢に作用、もし生きたままのヒキガエルを皮ごと食べたり口に入ると、
吐き気や全身の軽い痺れなどを感じ、目に入るとひどい痛みを起こすらしい。
バレンシアは蛙毒に遭ったに間違いない。
なんと恐ろしい。
実は私は証拠として、その蛙を袋に入れて持ち帰ろうと試みた。
が、再び口に入れそうな勢いのバレンシアを見て諦めたのだ。
持ち帰らないで良かった。
結局、すっかりと何ごともないように回復したため獣医には連絡せず。
そして今は、ボブに張り付いて既に眠りに就いている。