大好きがいっぱい

女・四十代半ば。残りの人生「大好き」で満たされたいもんだ

『パンズ・ラビリンス』を観る

2009年01月14日 | 映画・ドラマ・芸能人
やっと借りられた。
期待通りの後味の悪さ・・・とでも言うのだろうか。

夢と希望に満ちた所謂フツウのファンタジーを観たいなら、
これは間違いなく観ちゃいけない映画だろうな。
R-12だそうですが、子供は絶対に観ちゃいかん映画でもある。

辛く過酷な運命の先に、希望の光が見えるのがファンタジーだと思うけれど、
冒頭のシーンの通り、この映画には絶望があるだけだ。

悲しいまでの現実が、これでもかと言うほど描かれ胸を締め付けられる。

戦争で狂った残虐な大人と、過酷な環境にただ耐えるしかない子供の話。
子供を守れない弱い母親と、その母親を慕いひたすら求める娘の話。
望まれて尊ばれる弟と、不要な者として蔑まれる姉の話。
僅かな希望さえも奪われる話。
光を求めながら、闇に取り残される話。
母の命を奪った弟の命を守った後、継父に命を奪われる少女の話・・・。

とにかく、内容を思い出せば思い出すほど、
ファンタジーの要素は少々トッピングされているだけ、としか思えない。
しかも全編を通してホラーやスプラッタのようなエグイ映像が流れる。

それでも、
主人公である少女オフェリアが行きたいと願った平和な世界と、
残酷な現実とのギャップが大き過ぎて、
最後のシーンは号泣・・・。
ちくしょう~!!

何であんなに可愛いオフェリアが命を奪われなくちゃいけないのさぁ!!

最後の地下王国のシーンが現実なのか幻なのかで評価が分かれているようだけれど、
これはファンタジーを描いた映画じゃないと思うので、
私は「オフェリアが見た最後の夢」に1票。

それでも、夢の中に生きたオフェリアにとっては、
それが現実なのだから良いのかもしれない。
笑顔で逝けたのだから。
・・・たぶんね。