秋といえば、かぼちゃ、栗。ほんのり甘味のある秋の作物は大好き。
わが家には栗の木があります。この土地を買うとき、栗の木があることがうれしかった。
今年の春枝払いをしたけど、この秋、大きめバケツに山盛り分くらいの栗を収穫。
『きゃ~栗ごはん!いいですねぇ』などと安易な感嘆をするような人には腹が立つ!
まず、春はボウボウの、細長い綿毛のような代物が垂れ下がってきて、枯れるとそこらじゅうに落ちる。気持ち悪い。これを鍬をつかって掃除してごみ袋につめる。
そして秋、毎朝出勤前に栗をひろう。トングを使って栗をひろいながら、イガも片付ける。時折イガのなかに入ったままの栗はイガの端をくつで押さえトングでほじくりだす。
栗はいっぺんに落ちるわけじゃないから、この作業を毎朝2週間ほど続ける。
落ちたままにしておくと腐っちゃうので、とにかく毎朝ひろう。
かぜに吹かれるとイガでさえ隣の敷地に落ちる。不法侵入して片付けに行く。
そして集めたくりを洗い、選別する。言っておきますが、ほとんど虫食い。
大粒かきれいなのは、全体の9分の1くらいかな。
きれいな栗はそのままゆでてスプーンでほじくって食べます。
虫食いのあるのは、ひとにもあげられない。虫食い部分を切り取って皮をむきます。
延々と、二日三日かけて。
(今年はひとりだと手に負えないので実家に半分以上おいてきた。これ人海戦術以外に方法はないから)
手や指先が痛くなるなんてもんじゃない。
よほどの栗好きじゃなければ栗はあげても喜ばれない。
魚をさばけないと、釣ってきた魚もらっても困るでしょ。そういう感じ。
剥いた栗はさっと、硬めにゆでて、小分けして冷凍します。
それを一パックずつ出して、栗おこわにして食べます。
それで終わりじゃないっ!
駄目押しは落ち葉の片付け。いっぺんに落ちるわけじゃないから、これも何度となくすっかり葉が落ちるまで繰り返し、ごみ袋につめる。もちろん、葉っぱはうちの敷地だけにおちてはくれないからご近所3軒の庭に侵入し落ち葉を片付ける。ただひたすら、掃いて集めて、ごみ袋につめる。雨がふると葉っぱが地面にひっついてやっかい。
そして月に一度の枝回収日に、落ち葉の袋を出す。たいてい雨が何度かふるから落ち葉のごみ袋は水をすってとてつもなく重い。一袋ずつしか持てないと裏庭からごみステーションまで10往復もするんだっ、ヨタヨタとね。
そうしてやっといただく栗おこわなんだよ~っ!!
この苦労をわからんやつに、安易に栗を語ってほしくないっ!
栗ご飯というものがどれほどの手間ひまかけてできたものか、真のありがたさをわからんやつに、つくってなんかあげるもんか。『おいしかったありがとー』程度の軽い麗句などききたくもないわっ!
栗暦6年。この意固地具合、栗ばばぁと呼ぶにふさわしい。
-新篠津の秋の空-