他者の影――ジェンダーの戦争はなぜ終わらないのか
著者 : ジェシカ・ベンジャミン
制作 : 北村 婦美
みすず書房 (2018年11月10日発売)
====作品紹介・あらすじ
〈他者は「私」の影でしかないのでも、「私」が他者の影でしかないのでもない。他者はその人自身の影を持つ、もう一人の人間なのだ〉
フロイトのエディプス・コンプレックス論にも見られるとおり、草創期の精神分析では、男性を主体(=能動)とし、女性を客体(=受動)とする構図で理論が積み上げられた。しかし、時代とともに女性をとりまく環境と女性のあり方が変化し、フロイトの女性論は今日まで多くの対立を生んできた。
ベンジャミンはこうした精神分析の男性中心主義の乗り越えに、女性固有の優位点を謳い上げ、女性の権利を振りかざすことはない。問題の根源は、精神分析の「一人の人間がどのように環境や周囲の人間を利用し、うまく折り合いをつけ、最終的に自分の欲望を満たすか」という一者心理学的な基本姿勢にあるのである。
フロイトの女性論、そしてそれに向けられたフェミニズム思想の批判的言説を再検討し、対立を乗り越える共通の基盤を切り開く。精神分析における「ジェンダーの戦争」の終結への序章となる重要書。
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「愛の拘束」(青土社 , 1996.5)の訳書のあるジェシカ・ベンジャミンの二冊目の訳書。
「愛の拘束」は精神分析の立場から人間の愛について掘り下げた好著だった。
精神分析によって「ジェンダー戦争」が終わるとも思えないが、この問題に関心のある人には、必読書だろう。
著者 : ジェシカ・ベンジャミン
制作 : 北村 婦美
みすず書房 (2018年11月10日発売)
====作品紹介・あらすじ
〈他者は「私」の影でしかないのでも、「私」が他者の影でしかないのでもない。他者はその人自身の影を持つ、もう一人の人間なのだ〉
フロイトのエディプス・コンプレックス論にも見られるとおり、草創期の精神分析では、男性を主体(=能動)とし、女性を客体(=受動)とする構図で理論が積み上げられた。しかし、時代とともに女性をとりまく環境と女性のあり方が変化し、フロイトの女性論は今日まで多くの対立を生んできた。
ベンジャミンはこうした精神分析の男性中心主義の乗り越えに、女性固有の優位点を謳い上げ、女性の権利を振りかざすことはない。問題の根源は、精神分析の「一人の人間がどのように環境や周囲の人間を利用し、うまく折り合いをつけ、最終的に自分の欲望を満たすか」という一者心理学的な基本姿勢にあるのである。
フロイトの女性論、そしてそれに向けられたフェミニズム思想の批判的言説を再検討し、対立を乗り越える共通の基盤を切り開く。精神分析における「ジェンダーの戦争」の終結への序章となる重要書。
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「愛の拘束」(青土社 , 1996.5)の訳書のあるジェシカ・ベンジャミンの二冊目の訳書。
「愛の拘束」は精神分析の立場から人間の愛について掘り下げた好著だった。
精神分析によって「ジェンダー戦争」が終わるとも思えないが、この問題に関心のある人には、必読書だろう。
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