新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

つい読みたくなる三浦しをんのエッセイ集「お友だちからお願いします」

2018年11月10日 | 新刊書
お友だちからお願いします (だいわ文庫)
著者 : 三浦しをん
大和書房 (2018年11月10日発売)


ダ・ヴィンチの紹介インタビューがよく内容を表している。
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さて、早速ページを開いてみよう。まずは、『お友だちからお願いします』から。エッセイ集は意外なことに3年ぶり。『人生激場』など数々の名著を世に送り出し、現代を代表するエッセイストの一人でもある三浦だが、今回は少し逡巡があった。
「エッセイは難しいなと改めて思いました。以前はあまり何も考えずに書いていたんですが。今はネット文化も発達して、日常を綴った文章は巷にあふれている。敢えてお金を出して読んでいただくほどの価値が私のエッセイにあるのか? そのジャッジがすごく難しいですよね。まあ、私は自分に対するジャッジはユルユルなので本にしちゃったわけですが(笑)」

 ユルユルなんてとんでもない。世の中の隠れたマナーや三浦流の旅行のこだわりなど、厳選されたネタばかりが盛りだくさんに並んでいる。本人曰く、コンセプトは“よそゆき仕様”!
「新聞などに掲載されたものを集めているので、当時の読者層に合わせてオタク話は少し控えめだったりします。でも結局、以前とあまり変わらない仕上がりですね。いつもシモがかったこと考えてるし(笑)」 

 このエッセイ集、電車の中で読んだら危険だ。絶対に爆笑を抑えられない。保阪尚希を知らないという女子大生の会話に自らの加齢を実感し、世にはびこる相づち“そうなんですね”の功罪を考察。『THEワイド』観たさに蕎麦屋を行脚する……。ヴィゴ・モーテンセンへの恋など、おなじみの“妄想”も健在だ。“私も!”と激しく共感し、同時に“なるほど!”と鋭い視点に感心する。三浦作品は初めてという人にも読みやすく、以前からのファンにも愛される。そんな美味しい一冊なのだ。
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三浦しをんの小説はどれも読みやすく、楽しいものだし
エッセイ集もぜひ読んでみたい。



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