「こんにちは~。どうですか?」
そう言って入ってきたのは、車椅子に乗った、おそらく30代半ばの男性。誰や・・・、この人・・・。あっ、後ろにもう一人誰かいる。ん? なんか学生っぽいなあ。
「僕はね、言語のリハビリを担当する、Tって言います。どう? しゃべる感じは?」
「ゆっくり話せば何とか会話できます。」と私。
「十分しゃべれてるやん。まあ、明日からゆっくりリハビリしていきましょう。」
そう言って、学生らしき人に車椅子を押されて部屋をあとにしたのでした。
へえ、あの先生が言語のリハビリを担当してくれる先生かあ。足、どうしたんやろ。怪我でもしてんのかなあ。だから今だけやろうな、車椅子は。
フツーにそう思っていました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/usagi.gif)
翌日、昨日の学生さんが「リハビリの時間です。」と部屋まで呼びに来てくれました。へ? 先生は? そう思いつつも、車椅子に腰掛け、学生さんに押してもらって言語のリハビリ室へ向かいました。言葉のリハビリということで、手足のリハビリルームとは離れた静かな階に部屋はありました。
学生さんがノックをして部屋に入ると、昨日のT先生が車椅子に座って待っていました。
「こんにちは。」お互いにそう言うと、私はテーブルをはさんでT先生の正面に座りました。
「京都の大学やったんやね。僕もや。」
「えっ、そうなんですか?」
いきなり世間話です。
「35歳ゆうたら、えらい若いのに・・・。正直めずらしいで。この歳で脳内出血は。ちなみに僕は39歳やけどな。」
へえ。私より、たった4つ上なだけなんや。なんか親近感感じるなあ。学校も京都やし・・・。
という具合に、いろーんな、ホントにいろんな世間話をしました。
その話の中でわかった衝撃的な事実・・・。
T先生は、大学時代に京都から姫路(厳密にいうと神崎郡)の実家へ帰る際、友人のバイクの後ろに乗っていて事故に遭い、その結果脊椎損傷を負い、下肢(つまり両足)と両手が不自由になってしまったのです。車椅子に乗っていたのはそのせいだったんです。
もちろん、障害者手帳も交付されているとのこと。
言葉は悪いかもしれないけれど、障害を持っていながら、リハビリの先生をしているなんて!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
すごい衝撃でした。話によると、事故直後、この石川病院に運ばれ、応急処置をした後、加西の大きな病院で手術をしたそうです。その後、4年間のリハビリの後、言語聴覚士の資格を取るために専門学校に通い、29歳のときにこの石川病院に言語聴覚士として就職したということです。
私なんてしれてる・・・。これが正直な気持ちでした。
T先生のように、ひどい状態でも、長い年月をかけて頑張って社会復帰できたわけやから、私にだってできるはず。そう思いました。本当にそう思いました。
入院してから、はじめて前向きになれた瞬間でした。
こうやって、この日の言語のリハビリは約30分間の世間話で終わりました。
これホンマにリハビリなん?
そう言って入ってきたのは、車椅子に乗った、おそらく30代半ばの男性。誰や・・・、この人・・・。あっ、後ろにもう一人誰かいる。ん? なんか学生っぽいなあ。
「僕はね、言語のリハビリを担当する、Tって言います。どう? しゃべる感じは?」
「ゆっくり話せば何とか会話できます。」と私。
「十分しゃべれてるやん。まあ、明日からゆっくりリハビリしていきましょう。」
そう言って、学生らしき人に車椅子を押されて部屋をあとにしたのでした。
へえ、あの先生が言語のリハビリを担当してくれる先生かあ。足、どうしたんやろ。怪我でもしてんのかなあ。だから今だけやろうな、車椅子は。
フツーにそう思っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/usagi.gif)
翌日、昨日の学生さんが「リハビリの時間です。」と部屋まで呼びに来てくれました。へ? 先生は? そう思いつつも、車椅子に腰掛け、学生さんに押してもらって言語のリハビリ室へ向かいました。言葉のリハビリということで、手足のリハビリルームとは離れた静かな階に部屋はありました。
学生さんがノックをして部屋に入ると、昨日のT先生が車椅子に座って待っていました。
「こんにちは。」お互いにそう言うと、私はテーブルをはさんでT先生の正面に座りました。
「京都の大学やったんやね。僕もや。」
「えっ、そうなんですか?」
いきなり世間話です。
「35歳ゆうたら、えらい若いのに・・・。正直めずらしいで。この歳で脳内出血は。ちなみに僕は39歳やけどな。」
へえ。私より、たった4つ上なだけなんや。なんか親近感感じるなあ。学校も京都やし・・・。
という具合に、いろーんな、ホントにいろんな世間話をしました。
その話の中でわかった衝撃的な事実・・・。
T先生は、大学時代に京都から姫路(厳密にいうと神崎郡)の実家へ帰る際、友人のバイクの後ろに乗っていて事故に遭い、その結果脊椎損傷を負い、下肢(つまり両足)と両手が不自由になってしまったのです。車椅子に乗っていたのはそのせいだったんです。
もちろん、障害者手帳も交付されているとのこと。
言葉は悪いかもしれないけれど、障害を持っていながら、リハビリの先生をしているなんて!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_2.gif)
すごい衝撃でした。話によると、事故直後、この石川病院に運ばれ、応急処置をした後、加西の大きな病院で手術をしたそうです。その後、4年間のリハビリの後、言語聴覚士の資格を取るために専門学校に通い、29歳のときにこの石川病院に言語聴覚士として就職したということです。
私なんてしれてる・・・。これが正直な気持ちでした。
T先生のように、ひどい状態でも、長い年月をかけて頑張って社会復帰できたわけやから、私にだってできるはず。そう思いました。本当にそう思いました。
入院してから、はじめて前向きになれた瞬間でした。
こうやって、この日の言語のリハビリは約30分間の世間話で終わりました。
これホンマにリハビリなん?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)