オオウミヒルモは水中で花を咲かせます・・・
オオウミヒルモは当地沖縄県本部半島では砂地で良く見かける普通種です。ウミヒルモの仲間は2005年ごろまで日本では、ウミヒルモとヒメウミヒルモという2種類でしたが、その後研究が進み、ウミヒルモは本州産のものをヤマトウミヒルモ、南西諸島産のものをオオウミヒルモというように分類されました。そしてさらに従来のウミヒルモは別種ということになったようです。 ここで紹介しているウミヒルモは厳密にはオオウミヒルモのようで、その特徴として、葉っぱの柄の部分が紫がかっています。(下の写真)
オオウミヒルモの雄花のツボミです。 可愛いですよね、こんな風に砂から飛び出しているものもあれば、砂に埋まってしまっているものもあります。 二つの葉っぱの間に雄花ができます。 (撮影日は2019年6月7日 瀬底島クマノミ山 -15m 25℃ 葉の大きさ18mm)
ウミヒルモの仲間はジュゴンが好む海草としても知られ、葉は小判形で2枚ずつ地下茎から立ち上がり、6月~7月に花が咲き実がなります。花は雄花と雌花があり、雄花は陸上の花と同じように見えます。(下の写真参照)
雄花が開花した直後の状態です。 花粉が糸を引いたように見えていますね。
アップするとこのように見えます。 水の流れやウネリにまかせてゆらゆらと流れていってしまいます。
こちらは花粉がなくなってしまった状態です。 うっすらと紫がかったとっても可愛い可憐な花ですよね。
そして、こちらが雌花です。 ここでは2本に見えますが、くっついてしまっているようですね。 本当は3本になっています。先ほどの雄花の花粉をこれで受粉します。
6~7月の花を観察できる時期に重要なことは、ウミヒルモの仲間は雌雄異株だということでしょう。 雄花は見た目にも小さな花に見えますが、雌花は一見花には見えません。 ですので、思い描いた花(雄花)を探す場合、雌株の場所をいくら探してみ見つからないということになります。 雄株が繁茂する場所を見つけなければなりません。
オオウミヒルモのツボミが並んで付いています。 つまりこれは雄株ということです。
オオウミヒルモは葉っぱの形では雄株か雌株か判別することはできません。 しかし、花が咲くころになると、雌株は上記のように糸のような雌花(糸のようなもの)が目立つようになります。 このような雌花が多くある場所は雌株の可能性が高く、雄花を見つける事はできません。
こちらは後日雌花の根元を確認した写真・・・実がしっかり付いていました。
*上記の内容はフィールドワーク、図鑑や論文、ネット情報を元に作成したものであり、正確性を保障するものではなりません、誤記がある場合指摘していただければ幸いです。(筆者:木村俊明)
次にホソウミヒルモです。
2019年6月8日 水納島(ポートサイド) 12m 25℃ 20mm ホソウミヒルモ
水納島の東側の砂地は水深10mより深い場所が多く、ホソウミヒルモを多く見かけます。 オオウミヒルモもあります。
ホソウミヒルモの雌花です。 ここまでは私でも分かるんですが・・・
これはなんだろうな? 可能性としては①雄花のツボミ ②受粉した雌花の実 ③ 葉っぱ? 触った感じでは非常に硬くて軽く触ったぐらいでは潰れることがありませんでした。 そして、さらに次の写真でなぞが深まってしまった。
種らしきものから葉っぱが出ているのと、その間には雌花があり、さらに先端には雄花のツボミのようなものが? どうゆうことなのでしょうかね? まだ観察する必要がありますね。
そして下記の写真は水納島の別の場所で撮影したものです、花のつぼみも撮影できました。
2019年6月12日 水納島(灯台下とイエローフィッシュロックの間) -15m 26℃ 2cm ホソウミヒルモ
2019年6月12日 水納島(灯台下とイエローフィッシュロックの間) -15m 26℃ 2cm ホソウミヒルモのツボミ
木村俊明