万葉集ブログ・1 まんえふしふ 巻一~巻八

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0846 小野田守

2008-04-25 | 巻五 雑歌
可須美多都 那我岐波流卑乎 可謝勢例杼 伊野那都可子岐 烏梅能波那可毛 ≪小野氏淡理≫

霞立つ 長き春日(はるひ)を かざせれど いやなつかしき 梅の花かも ≪小野氏淡理≫


「霞がかかる、長い春の一日。(ウメの枝を)髪に挿して。しかし(私が)心惹かれるのは、ウメの花である」 ≪小野田守≫

0845 門部石足

2008-04-24 | 巻五 雑歌
宇具比須能 麻知迦弖尓勢斯 宇米我波奈 知良須阿利許曽 意母布故我多米 ≪筑前拯門氏石足≫

鴬の 待ちかてにせし 梅が花 散らずありこそ 思ふ子がため ≪筑前拯門氏石足≫


「ウグイスが、待ちかねていた、ウメの花よ。どうか散らないで。惚れたあの娘のためにも」 ≪筑前拯・門部石足≫

0844 小野国堅

2008-04-23 | 巻五 雑歌
伊母我陛邇 由岐可母不流登 弥流麻提尓 許々陀母麻我不 烏梅能波奈可毛 ≪小野氏國堅≫

妹が家に 雪かも降ると 見るまでに ここだもまがふ 梅の花かも ≪小野氏國堅≫


「妻の家に、雪が降ったのかと、見間違えるほど、一面に咲きほこる、ウメの花よ」 ≪小野国堅≫

0843 土師御道

2008-04-22 | 巻五 雑歌
宇梅能波奈 乎理加射之都々 毛呂比登能 阿蘇夫遠美礼婆 弥夜古之叙毛布 ≪土師氏御道≫

梅の花 折りかざしつつ 諸人(もろひと)の 遊ぶを見れば 都しぞ思ふ ≪土師氏御道≫


「ウメの花を、手折って(髪に)かざした、人々が、(春の一日を)楽しむのを見れば、(遠い)都が思い出されます」 ≪土師御道≫

0842 高氏海人

2008-04-21 | 巻五 雑歌
和我夜度能 烏梅能之豆延尓 阿蘇□都々 宇具比須奈久毛 知良麻久乎之美 ≪薩摩目高氏海人≫

我がやどの 梅の下枝(しづえ)に 遊びつつ 鴬鳴くも 散らまく惜しみ ≪薩摩目高氏海人≫


「我が家の、ウメの下のほうの枝で、飛び回りながら、ウグイスが鳴くよ。(花が)散るのを惜しみつつ」 ≪薩摩目・高氏海人≫