万葉集ブログ・1 まんえふしふ 巻一~巻八

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0841 高氏老

2008-04-20 | 巻五 雑歌
于遇比須能 於登企久奈倍尓 烏梅能波奈 和企弊能曽能尓 佐伎弖知流美由 ≪對馬目高氏老≫

鴬の 音聞くなへに 梅の花 我家(わぎへ)の園に 咲きて散る見ゆ ≪對馬目高氏老≫


「ウグイスの、さえずりを聞きながら。ウメの花が、自宅の庭園で、咲いては散りゆくのをこの目で見て」 ≪対馬目・高氏老≫

0840 村氏彼方

2008-04-19 | 巻五 雑歌
波流楊那宜 可豆良尓乎利志 烏梅能波奈 多礼可有可倍志 佐加豆岐能倍尓 ≪壹岐目村氏彼方≫

春柳 かづらに折りし 梅の花 誰れか浮かべし 酒坏(さかづき)の上(へ)に ≪壹岐目村氏彼方≫


「“春柳”髪飾りに(するべく)手折った、ウメの花を、だれかが浮かべたよ、酒盃の上に」 ≪壱岐目・村氏彼方≫

0839 田氏真上

2008-04-18 | 巻五 雑歌
波流能努尓 紀理多知和多利 布流由岐得 比得能美流麻提 烏梅能波奈知流 ≪筑前目田氏真上≫

春の野に 霧立ちわたり 降る雪と 人の見るまで 梅の花散る ≪筑前目田氏真上≫


「春の野に、霧が立ち渡る。降雪と、人が見間違うまでに、ウメの花が散る」 ≪筑前目・田氏真上≫

0838 榎氏鉢麻呂

2008-04-17 | 巻五 雑歌
烏梅能波奈 知利麻我比多流 乎加肥尓波 宇具比須奈久母 波流加多麻氣弖 ≪大隅目榎氏鉢麻呂≫

梅の花 散り乱(まが)ひたる 岡びには 鴬鳴くも 春かたまけて ≪大隅目榎氏鉢麻呂≫


「ウメの花が、散り乱れる、丘の周辺で、ウグイスが鳴くよ。春はすぐそこまで」 ≪大隅目・榎氏鉢麻呂≫

0837 志氏大道

2008-04-16 | 巻五 雑歌
波流能努尓 奈久夜□隅比須 奈都氣牟得 和何弊能曽能尓 □米何波奈佐久 ≪□師志氏大道≫

春の野に 鳴くや鴬 なつけむと 我が家(へ)の園に 梅が花咲く ≪□師志氏大道≫


「春の野原に、鳴くウグイスを、呼ぼうと、我が家の庭園に、ウメの花が咲きました」 ≪□師・志氏大道≫