笛吹きひゃらりのひゃらひゃら日記

器用貧乏系OLひゃらりが平穏な日常の中でフルート吹いたり歴史に夢中になったりしている日記です。

上野にてアンサンブルの楽しさに胸キュンした件

2010-10-31 13:30:33 | フルート【イベント参加】
昨日は上野はパールフルートギャラリーにて開催された『アンサンブル倶楽部』にまたも参加して参りましたヽ(´▽`)/


今回の参加者は前回よりも多い5人。
アンサンブルするにも楽しい人数で、ワクワクです。
最初の30分はまず姿勢や息のあて方、高音をキンキンさせないコツ、低音を響かせるためのコツなど。
現状で先生についていないひゃらりなので、すべてが貴重なアドバイスです。
ひとりでしているとつまらない音階練習も仲間がいると楽しいよ!


さて、今回のために事前に頂いていた楽譜は2曲。
讃美歌『最初のノエル』とウェーバーの『オベロン』より、『人魚の歌』です。

『最初のノエル』は、もしかしたら『まきびとひつじを』というタイトルのほうが浸透しているかも知れないクリスマスソング。
幼小中高大とキリスト教の学校に通っていたひゃらりにとって讃美歌は心のふるさとです。
うれしくてたまらなく、ウキウキしながら吹きました。
3部に分かれているので、パートを移行しながら3回リピート。
ふだんの礼拝でよく歌う讃美歌の場合、音域がそう広くないし曲としても短いからかんたんに見えるけど、
それだけにひとつひとつのフレーズを大切に吹かないといけないなぁと思いました。

『人魚の歌』はソロフルート&1番~3番フルート、アルト&バスというなかなかの大規模編成。
アルト&バスはギャラリーのスタッフさん方が参加してくださり、ソロと1~3番を参加者で割り振ることに。
てなわけで先生が
「ソロやりたいひとー?」
と立候補者を募りました。
…しーん。
「じゃあ、指名しますよー」


目が合っちゃったよ(´Д`)


かような流れでソロを吹かせていただいた訳ですが、
やってみれば5部の伴奏に乗っかって吹くなんてめったにある機会じゃないし間違いなく気持ちいいわけですよ。
指名してもらえてよかったかも(≧ω≦)


とまあ1時間半のアンサンブル倶楽部、今回も堪能させていただいたわけですが。
レッスンが終わってからひゃらり、先生にこそこそナイショのお話。
実は、12月に始まる先生の講座に通いたいと相談させていただいたのでした(^ω^)
音を重ねる面白さを実感して、
教えていただく先生も決まって、
台風の空模様とは正反対の楽しい嬉しい土曜日となりました。

渋谷にてクマテツマジックに魅了されてきた件

2010-10-29 23:45:36 | 感激!観劇!
さて、昨日は文化村オーチャードホールにてKバレエカンパニーの『コッペリア』を観て参りました。
しかもフランツ役は熊川芸術監督自ら踊るというまたとない機会!
今回の席は1階の真ん中、ちょい後ろぐらい。
舞台全体が見通せるいいロケーションです。

実はコッペリア序曲は中学のころ私が所属していた管弦楽部で演奏した演目だったのでした。
けどそのときまだ一軍ではなかったひゃらりは参加することができず、
お姉さま方の晴れ姿を舞台の裏手から見ていたという切ない思い出の曲。
木管がオイシイ、かわいい曲だから、いつか演奏してみたかったんだよね…(結局取り組めないまま引退)
あぁ、甘酸っぱい記憶(笑)

コッペリアという演目は悲劇とか悲恋とかとにかく美しく哀しいお話が人気の高いバレエ業界において、
珍しくポピュラーなコメディーです。
主役のスワニルダを踊った荒井祐子さんも可憐で勝気な村娘を元気いっぱいに演じていて、とってもかわいい!
もちろんその恋人、お調子者のフランツ役の熊川さんも最高です。
熊川さん、御年38歳のはずなんだけど、
踊っているところを見てると10代の設定のフランツとしか思えない。
すごい。

で、もちろん笛吹きのハシクレですから、
オケピの中の笛にもミミを欹てるわけですが。
コッペリアからはチャルダッシュだワルツだマズルカだとフルート用に書き直されているものも多いですし、
からくり人形のダンスシーンでは持ち替えのピッコロも多用されていて、
音楽だけとってみても笛吹きさんたちには楽しい演目ですよね!
「をを、こう吹いた音にこんな踊りが…」
と感心しきり。
ピッコロが難しくて音が高くて血管が切れそうなシーン(いや、私だったら、ですよ)とかもあって、
思わず顔をしかめちゃった。

ダンサーさんたちがみんな精力的なKバレエ。
エネルギッシュでパワフルで、観ているこちらまで元気になります。
村の若者達が陽気に騒ぐシーンなんて、なんとも愉快。
すべてのシーンに関わる人すべての気持ちがぎゅっと詰まっているのが感じられる、
素敵なバレエを楽しませていただきました。

ナタリー・パレ【お気に入り人物伝】

2010-10-28 01:42:30 | ロシア史なお話
ナタリー・パレという女性がいます。
ロマノフ王朝には時としてびっくりするほどの美女が登場しますが、
その中でも際立って美しく、悲しく、運命に翻弄された悲劇のプリンセス。
そういうお話がダイスキな日本でなんでこの方が無名なのか、
残念に思っているひゃらりです。


ナタリー・パレ、
ロシア語での正式な名前はナターリヤ・パヴロヴナ・パーレィ公爵令嬢は1905年にパリで生まれました。
父はロシア皇帝アレクサンドル2世の第6皇子パーヴェル、
母はハンガリー系移民の一族出身で平民のオリガ・カルノヴィチ。
パーヴェルとオリガが恋に落ちたとき、
身分違いな上にオリガは有夫の身でしたので(パーヴェルは数年前に妻を亡くしていました)、
宮廷とロシア教会から攻撃されました。
オリガは苦労して離婚を勝ち取った後、逃げるように国外へ移住します。
そしてイタリアで2人は合流し、
当時の皇帝であったパーヴェルの甥、ニコライ2世の許しを得ないまま結婚。
皇帝の怒りを買った夫妻は国外追放処分の憂き目に合います。
ロシアに戻れない二人はパリに新居を構え、
3人の子宝に恵まれました。
ナタリーはその末子です。


ほら、身分違いの恋、やんごとなき血筋、駆け落ち、国外追放。
もう出自からしてロマンティック、少女マンガ要素てんこもり。
こちらがパーヴェル大公一家の家族写真です。
パリ在住の頃と推察されます。

その後第一次世界大戦の勃発に伴い、
皇室の結束の必要性を感じたニコライ2世によって一家はロシアへの帰国が許され、
また母オリガにはパーレィ公妃の称号を与えられることになりました。
これによりナタリーら子供達も、父パーヴェルの嫡出子としての立場が認められることになったのでした。

しかし喜びもつかの間、
ナタリーにとって、いや、皇室にとって最悪の事態が起こります。
ロシア革命です。
父パーヴェル、兄ウラジーミルは皇帝一家と同様にボリシェビキによって殺害され、ナタリーは母と姉イリーナと3人、命からがら国外に脱出し、フィンランド経由で生まれ育ったフランスに亡命しました。
革命に関する一連の記憶はこの後長年に亘ってナタリーを苦しめることになりますが、とりわけ若くして惨殺された兄ウラジーミルへの想いは特別だったようです。
ウラジーミルは若手士官として勲功を立てる一方、
10代の頃から詩集や戯曲を著したり、フランス語劇をロシア語に翻訳したりと文才を発揮していました。
また2人の妹達には優しい兄でもありました。
こちらがそのウラジーミルです。

ナタリーが人生において愛した男性達の多くが芸術家と呼ばれる人たちであったことなどを考えると、
彼女は終生男性の中に兄の姿を追い求めていたのかなとも思えます。

亡命先のパリで美しく成長したナタリーは、その美貌を生かしてモデルとして活躍します。
そして18歳の若さでデザイナーのリュシアン・ルロンと結婚します。
ルロンはかのクリスチャン・ディオールの師匠であり、当時トップデザイナーとしてパリファッション界を席巻していました。
ナタリーは夫の影響力のもとトップモデルに上り詰めます。Vogue誌の表紙を何度も飾っていたのもちょうどこの頃。


しかしそんな中、ナタリーは作家のジャン・コクトーと出逢います。


このコクトーという人、ほんとに多情でめんどくさくて身勝手で、
私にはどーしよーもないオトコにしか見えないんですが。
バイセクシャルで男女問わず多くの相手と関係を持ち、
関係するに至らない崇拝者の気持ちも惹きつけておかずには気が済まず、
自分の恋人たちや崇拝者たちを支配下に置きたがり、
また彼ら彼女らが仲良くすることを求める、という。。。。
しかしこういう恋愛モンスターのような人、実際に出逢ってしまうとたまらなく魅力的なんでしょうね。
夫リュシアンとの関係もとうに冷え切っていたナタリーもまた、その魅力にとらわれます。
コクトーのほうも、多くの恋人の中でもナタリーを特別な存在と思っていたようです。
後にコクトーの大姪であるドミニクはこう語っています。

公女(ナタリー)はジャン・マレーと並んでコクトーが最も愛した存在で、唯一の、変え難い地位を占めていました。

しかし、2人の関係はナタリーの妊娠をきっかけに崩壊します。
ナタリーはスイスに渡り堕胎。
ナタリーの自発的なものとも、コクトーに強要されてのこととも、様々伝えられていますが事実は判りません。
ただコクトーの情人である詩人、ジャン・デボルト(一時期ナタリー本人とも関係があったと言われています)と「兄妹のように」打ち解けることを求められたり、
ずっとコクトーに恋心を持っていた共通の友人、マリー=ロールから陰湿ないじめを受けたり、
このときのナタリーは疲弊しきっていたのだと思われます。
それが堕胎をきっかけに、修復しようのない決裂に結実してしまったのではないでしょうか。
どこまでいっても哀しい影が付きまとうナタリー、
その美貌ゆえにいっそう哀しさが胸に迫ります。

コクトーとの別離したからといってリュシアンとの仲が戻るはずもなく、
籍は入れたまま別居。
ナタリーが再婚を決意する5年後まで、仮面夫婦を続けることになります。
女優として何本かの映画に出演するうちにブロードウェイのプロデューサー、ジョン・チャップマン・ウィルソンと知り合ったナタリーはそのプロポーズを受け、
リュシアンとの離婚成立後に再婚。
アメリカに居を移します。
流転を重ねたナタリーでしたが、NYでの暮らしは比較的平穏だったようです。
オートクチュールメーカーの広報部に所属し、時として自らモデルも務めました。

穏やかな後半生において、ナタリーは自分の人生を語ることはほとんどしませんでした。
それは母オリガが回想録を著し、姉イリーナがジャーナリストのインタビューにたびたび応じているのとは対照的です。
しかしその沈黙によって彼女の生涯はよりいっそう不思議で哀しいものとして、
私たち後世の人間の興味をかきたてるのです。


そして1981年、ナタリーはニューヨークでその生涯を閉じます。
ロシア正教の保護者であるロマノフ家のプリンセスであったそのひとは、ニュージャージー州の長老派教会に葬られました。

参考文献:
『ロマノフ家の最期』アンソニー・ サマーズ、トム・マンゴールド著 高橋正訳 中央公論社
『コクトーが愛した美女たち』 ドミニク・マルニィ著 高橋洋一訳 講談社
(*コクトーの大姪、ドミニクによる著書)
日本語版/英語版/ロシア語版 wikipedia
ウェブサイト『ALEXANDRE PALACE TIME MACHINE』より、”Memories of Russia”
http://www.alexanderpalace.org/memoriesrussia/
(*ナタリーの母、オリガ公妃の回顧録のウェブ版)

銀座で魔法の笛にノックアウトされてきた件

2010-10-22 22:37:39 | フルート【楽器選び】
銀座という街はほんとーにブランドもののお店とか高そーな百貨店とかが多くて、
オラがこんなトコ歩いてていいだべか?とついつい挙動不審になってしまいます。
で、今回訪問したのは、マテキフルートの関東唯一の取扱店、
ラモサウンドさんに行くためです。
普段は公式HPで電話予約をしてからの来店を呼びかけているラモサウンドさんですが、
今週はフェアで予約なしでも大丈夫!とのことでした。
チキンなひゃらりには願ってもない事態。
会社を定時で上がってお店に伺うことにしました。

まずはお店の方に、私の今回のお買い物の方針をお伝えしました。
この数ヶ月、楽器屋さんに行くたびに名乗り口上のように言っているよーな気がします。
ふんふんと頷きつつ出してくださったのは、Ag943のバラード。
バラードってのはトーンホール引き上げ&カップはフラットアームということで、マテキ的な廉価スタイル(って言ったって高いですがな)だそうです。
初めて吹くマテキフルートですが、音の立ち上がりがよくて低音がよく響いて、ひゃらり好み。
マテキは鳴らしづらいと聞いていたけれど、そんなことなくて安心。
気持ちスマートなつくりでキィタッチも軽く、持ちやすいのもツボです。
これが工房系ってやつかぁ。
するとお店の方が、
「まだ余裕ありそうですね?これなんてどうでしょうか」
と出してくださったのは、Ag943の、今度はハンダ付け&巻き管。
音を出してみました。
…すごいすごいすごい。
構造的に巻き管ってのがどーゆーもんかこれっぽっちも知らないのだけれど、巻き管ブラボーです。
存在感というか輪郭が立ってるというか、迫力があります。
音量もあるし音色も艶があるし、ふわっと拡がる低音と芯があるのにキンキンしない高音。
スキだなぁ。
けどざっくりと見積もりを作っていただいたところ、ハンダ&巻き管、やっぱりお高いです。
今まで検討の俎上に上がった楽器の中で、正直お値段もナンバーワン。

そんなわけで、
帰りの地下鉄に揺られるひゃらりの脳内ではちょっと前のCMソングがヘビロテしておりました。

よーく考えよー♪
お金は大事だよー♪

御茶ノ水にて、廃盤になったムラマツADに挑んできた件

2010-10-07 20:39:29 | フルート【楽器選び】
昨日は仕事帰りにトランペット吹きの友達と2人で御茶ノ水を徘徊。
時間も遅かったのでもう閉店してしまっている楽器屋さんもちらほらだったのですが、
クロサワ楽器のウインド専門店舗がまだ開いていたのでふらりと入ってみました。
こちらはサックスやトランペットが多く、フルートの在庫はあまりないみたい。
友達がサブ楽器になるお手ごろトランペットを探している間、
私はUSEDのムラマツADを試奏させて頂きました。
ADって、DSの前身モデルなんだっけ。
「状態はとてもいいですよー」とお店の方がおっしゃっていたけど、
んー、この間西新宿で吹いたDSの方が吹きやすいのはなんでかな。
やっぱり新品とUSEDで違うのかな。
でもうちのさんちゃん(YFL-311)、中古だけどな。(あ、格が違う?)
友達は「けっこういい音出てたよ?」なんて言ってたけど、
やっぱり初めての総銀は新品を求めるということで心が決まりました。
で、ついでと言ってはなんですがワタクシの今回の楽器選びの方針を説明し、
ムラマツDSとパールマエスタプリスティーンシルバーの見積もりを出してもらってきました。
やっぱり仕事帰りの調査活動は時間的にいろいろ制限があるなぁ。
土日みたいに時間のあるときにがっつり動かないとダメみたい。