舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラ on TV

2007-08-21 23:58:42 | ダンス話&スタジオM
我々がいかんべ祭に出ていた土日、日本テレビの恒例番組「24時間テレビ」が放映されてました。
目玉は何といっても欽ちゃん走り、じゃなかった欽ちゃんのマラソンでしたね(似たような言葉なのに意味が違っちゃうなあ)。

欽ちゃん、すごいです。素晴らしいです。
いえ、完走したことがではありません。私はあの番組の「資金集めのために無意味にきついことを無理強いする企画」にはおよそ感動できないのですが、欽ちゃんのプロ根性にはただただ感動しました。

あれだけ辛い状況におかれながら、走っている間じゅう応援する人に対して笑顔を見せ続け、握手を求められれば快く応え、満身創痍でゴールしたにもかかわらず、勧められた椅子にもろくに座らずに共演者の言葉に応じる欽ちゃん。最高にカッコイイ芸人の鑑です。
まして、「まだ生放送している」と聞いたときの欽ちゃんの反応!!!息も絶え絶えだったというのにただちに居住まいを正し、声には張りがよみがえり、芸人らしく気の利いた受け答えがいっそう冴え渡ったのです。
うわあ、これでこそプロだ。真の芸人だ。いえ、ここまでできる人じゃなきゃ、本当はプロと言ってはいけないのかもしれません。


その欽ちゃんが走っている間、日曜日の午後に「40年目のフラガール再結成」という企画も放送されました。
す、すごい。24時間テレビが始まって30年目にして、ついにフラが踊られる時が来たんですね。
30年前ったらあなた、母マミちゃんがハワイにダンス留学した後くらいですよ。マミちゃんがいくらフラ教室を開いてても、「フラって何ですかフラメンコですか」とかいわれてた時代じゃないですか。

しかもこのコーナーに日本のフラの第一人者・早川先生がご出演されたのです!!
『フラガール』絡みの企画だからそうなったのだと思いますが、しかし30年目にようやく組まれたフラ特集にパイオニアの先生が出演するというのはとてもうれしいことですね。

特集ではまず映画でも語られたフラガール誕生秘話が紹介され、続いて創設期のメンバーが再集結して練習に励むシーンが流されて、最後に生放送で踊るという構成でした。
メンバーの中には、なんと今もハワイアンズで働き続けている方もいらっしゃるのだとか。でも、せっかくだから小野えみちゃん(って今のハワイアンズの先生です)も踊ってくれたら良かったのになあ。


ハワイアンズOBの皆さんの踊りが終わると、驚くべきことに黒木瞳さんまで踊り出しました。
なんと黒木さん、去年だかそこらからフラを習いはじめたのだとか!!(注:この企画のための突貫工事だった可能性もあり。)

黒木さんの装いは完璧に....あ~、なんと申しますか...えー、普段の「カッコイイ大人の女性」「理想の上司」的なイメージを見事に崩壊させる装いでした(汗)。
いってみればシップ剤のCMの松坂慶子さんと同じラインのセンスです。

ドレスとレイと髪飾りのすべてにおいて「フラはこういうイメージ!!」というのを寄せ集めちゃうと、かなり重たくて野暮ったい状態が出来上がります。
でも、フラの装いをそういうもんだと思ってる人、いまだに多いよなあ。黒木さんの衣装のセンスが残念なのも、きっと彼女自身がダサイからではないのです。
だから残念なことにフラ=安っぽくてダサイものという印象を持っちゃう人も出てくると思います(ちなみに、装飾が多いすなわちゴージャス、ではありません。断じて)。
本当は、しかるべきセンスで装えばいくらでも素敵になれるんですけどね。

黒木さんのフラはまさしくフラ歴1~2年の新人さんの踊りでした。
この事実からわかることは二つ。
第一に、黒木さんは宝塚出身ゆえ、当然ほかのダンスについては長いキャリアをお持ちのはずですが、それらとフラとはまったく別物だということです。
ということは、どんなダンスのキャリアを持っていようと、フラのスタート時点においてそれは「ダンスを何も知らない人」と比べて有利には働かないのです。
逆にいえば、ことフラに関してはダンスの経験がひとつもなくてもまったく無問題というわけですね。

第二に、その今までのキャリアをやみくもにフラに活かそうとしない黒木さんは偉いということです。
ほかのダンスの経験がある人がフラを始めると、どうしてもその美意識をフラに投影したくなりがちです。
本当はフラには「フラ独特の踊り方」というのが物凄くありまして、それを崩すとフラではなくなってしまうのですが、前に身に付いた踊りの特徴が(意識・無意識を問わず)どうしても出したくなります。
そういう意味でほかの踊りの経験者の方が初期段階ではむしろ難しいかもしれません。しかし自分の経験に鑑みれば、きちんとダンスごとの棲み分けができるようになった後は、却ってそれぞれのダンスの特徴が客観的につかめるようになります。

黒木さんは少なくとも今の初歩段階においても自分の今までのダンス経験を無闇に活かそうとせず、できるだけ素直にフラを見に付けようという姿勢が感じられます。
だから、このままいけばきっと良いフラの踊り手となれるはずです。どうか無駄な自主研究など行わず素直に吸収し続けて、本物のフラを身に付けてください。


ちなみに私はフラ歴10年目=10歳くらいの頃にケイキ(子供)ダンサーとしてのピークを迎え、その後大人の踊り方に切り替えるのにけっこう苦労して、キャリア20年目くらいでようやく自分の踊りに納得がいくようになり、そして自分の踊りのアイデンティティーを見つけるのに四半世紀かかりました。
それでもマミちゃんは「フン、私に比べりゃ大雑把ね」と娘の踊りをけなします。自分自身、一人で人様に教えられるレベルに達したとはとうてい思っていません。
つまりそれだけ奥が深いってことです。だからこそ楽しいとも思いますけどね。

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