舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

ハワイアンズ夜ショー「オハナ・こころひとつに」

2014-06-26 05:01:33 | ダンス話&スタジオM
本日は、現在ハワイアンズで演じられている夜のショーをご紹介したいと思います

ハワイアンズでは昼と夜に1回ずつダンシングチームによる常設ショーが行われています。
昼と夜では内容が全く異なっておりますので、是非一度は両方観る事をお勧めします。
特に夜のショーはメインの位置づけであり、ボリュームのある内容で照明などの演出にも力が入っていますので、8時半からと遅めの開演ですが、せっかくハワイアンズに来たならば一見の価値アリです。


最新ショーのタイトルは「オハナ・こころひとつに」。
今年の1月から始まったばかりのショーです。
実は私も最前列で観られたのは今回が初めてでした。




最初はオープニングのBGMとともに無人のステージににさまざまな照明が当てられて、何やらプロジェクションマッピング状態(違)です。
前回まで映像や歌詞が映し出されていた上方のスクリーンは今回は使用しないんですね。


やがて音楽が変わり、いよいよダンサーの皆さんの登場です。




……って、え、ちょ、バ、バ、バレエ???
しかもBGMは『ケセラセラ』!?!?



おおお、何ということ。初っ端から予想の斜め上を行く展開に度肝を抜かれます。
ま、まさかポリネシアンレビューと銘打たれたショーの冒頭でバレエを観る事になろうとは、一体誰が想像出来たでしょうか。

しかし実はハワイアンズの夜ショーはオープニングで度肝を抜かれる事がとても多かったりします。
ほとんどベリーダンスのヴェールにしか見えない虹色の布をひらめかせたダンサーがこれまたベリーダンサーと見紛う走り方で登場したり、いきなり若干フラっぽい動作の入る炭坑節から始まったり、ほっかむりに腰ミノで炭坑節とタヒチアンのハイブリッドのような踊りが始まったり、極めつけは前回のショーのオープニングで行われた謎のイリュージョンなんてのもありました。
特に映画『フラガール』公開以降にオープニングのトビっぷりが凄まじくなったような気がするのは私だけでしょうか。




そんな過去に想いを馳せつつ目の前で展開されるバレエ(服装も動きもどこからどう見てもバレエ)を見守っていると、やがてもう少しフラらしい装いのダンサーさん達が登場しました。
この方達は服装に相応しくフラの動作をするのですが、曲は相変わらずケセラセラ(インスト)なので、特に歌詞の意味は関係なくカホロなどをなさいます。
そうかと思うとバレエ担当の人達と一緒に跳んだり跳ねたリが始まったりもし、要するに舞台上がかなりカオスな事になります。




一連のオープニングの合間にこういうウリウリを持ったダンサーさん達を見た時は少し安堵しました。
でも、振付からはあすこのタフアフアイのニオイがするんだけど、曲を聞くとこれまた歌詞には特に合致してない感じです。


多分このシーンは、歌詞と踊りが一致している事が大前提のフラとして観るんじゃなくて、一種のオープニングムービーのような感覚で観るのが正解なんだと思います。
よくドラマやアニメのオープニングでテーマソングに合わせて登場人物を紹介したり作品の目玉シーンが出て来たりするアレみたいな感じなのでしょう。




そんなわけでオープニングにはタヒチアンも出て来ます。
このパウを吹き流し状にタテに割いたようなスカートは、さっきのウリウリの時のオレンジ色のスカートの下からチラ見えしていたのと同じようなので、早変りしてタヒチアンモードに変身したのですね。




ファイヤーナイフダンサーのお二人もオープニングに登場です。
これまた某大手男性アイドル専門事務所の皆さんがコンサートで着用してても違和感が無い種類の衣装です(※あくまでイメージ)。




と思ってたら、彼らの後ろから女性ダンサーが登場するところが某事務所とは大きく異なりました。
夢と魔法の王国の神登場時のようなものものしさで現れたのは現リーダーさんです。




このオープニング~続くカヒコでのリーダーさんは完全にプリマドンナの立ち位置であり、他のダンサーと一線も二線も画した扱われ方はもはやいつ「ハハッ」というアノ笑い声が聞こえてもおかしくないレベルです。

唯一無二の神が君臨する夢の国とは異なり、ハワイアンズのダンサーさん達の中でここまで一人のダンサーがプリマ扱いされる演出は、過去の例にもちょっと覚えがありません(そりゃ私より詳しい方は前例をご存知かもしれないけど、少なくとも毎回そういう演出はされていない)。
オープニングシーンなどで誰か一人だけ衣装の違う人が他のダンサーとは違う役回りを演じる事は時たまあるけれど、今回ほどザ・主役!な立ち位置になる事は珍しいと言っていいんじゃないでしょうか。




このようにソロで踊る時間も長く、他のダンサー達と一緒に踊るシーンでも、彼女だけ振付が全然異なっていたりしました。




中でも一番印象的だったのがこのシーンです。
他ダンサー達がこういう脚と腹の筋肉に効きそうなポーズで寝そべっている中、スーフィーダンスよろしく(スピンネックがついてたので正確にはアレとは違いますが)中央でグルグルグルグルと回転するリーダー。




このシーンの前にはカヒコのアイアラオペレが踊られていたので、リーダーさんの衣装も立ち位置もペレのイメージなのではないかと推察されます。




カヒコと言えば「直線的・笑わない・力強い」というイメージなんだなという事がたいへん分りやすいアイアラオペレでした。




これまたオーソドックスなウリウリです。
今度は本当に曲に合わせて踊られていました。




安堵したのも束の間、またまたバレエ色の濃厚なダンサーさん達の登場です。
ああ…、これは前回のショーでも踊られていたKa Pilinaですね。
なぜかこのカピリナではバレエが中心に据えられているのです。




曲が後半に差し掛かってフラ担当のダンサーが出て来ても、彼女達の間をぬってバレエ的な動作を続けるバレエ担当のお二人。
曲の意味に合わせた動きをしている気配もないので、このお二人はもしかするとカピリナに登場する鳥達を象徴しているのではないでしょうか。
カピリナで歌われているのが鳥のさえずりに誘われて起きた出来事(※どんな出来事かはR指定につき自粛)だって事を考えると、これも一種の「意味を表現している状態」と言えましょう。うん。




続いて登場したのは、この完全にどこかで見た事のあるデザインの衣装です。




しかも途中、伴奏なしで「ヘイ!ヘイ!」などと掛け声を掛けつつプイリを鳴らす演出もやはりどこかで見た事ありまくりです。


このどこかで見た事のある無伴奏プイリをハワイアンズのダンサーさん達が初めて披露した時は、そらもう元ネタとは似ても似つかぬほどゆっくりしか出来なかったのですが、最近はかなりスキルが上がって来て元ネタと遜色ない速度でこなせるようになり、完全にどこかで見た事のある仕上がりになっています。




次はスローナンバー…と思ったら、これも前回のショーから続投の「見上げてごらん夜の星を」でした。
ハワイアンズは場所柄「日本語の曲で踊って欲しい」というお客さんの声があったとしても不思議は無いんで止むを得ないと思いますが、なんでそういう必要にかられているわけでもないのにこの曲をフラで踊ろうとする人が後を絶たないんだろう。
べつにフラ向けだったりハワイらしい要素は無いような気がするんだけどなあ。星は北国でも出てるわけだし(笑)。
まあ瀬戸の花嫁あたりよりはまだコジツケようがあると強引に自分を納得させるしかないわね。




今度はウェルドンさんのヒット曲「Lei Ho'oheno」です。
公式ガイドに「恋人に捧げるラブソング」と書かれているのがチョッチ気になりますが(笑)、ダンサーさんに非はありません。とりあえず、めくるめくフォーメーションを堪能しましょう。




そこに前の曲に出ていたメンバーも加わり、何種類かの衣装で「アイナふくしま」という新しいテーマソングが踊られました。
う~む、この新曲があるのだから、さっきの「見上げて(略)」みたいな他の日本語曲は要らないと思うんだけど…やっぱフラを知らないカタギのお客さんからは日本語曲の人気が根強いのかなあ。
フラや他のポリネシアの踊りを知らなくても、歌詞が何を言っているか分らなくても、ハワイ語や英語で歌われるハワイのトラディショナルソングの方が異国情緒を楽しめるんじゃないかと思うんだけどねえ。
「曲の意味を知りたい方は公式プログラムに載ってます!」の方がプログラムも売れるだろうし(笑)。




ここでインターミッション。パイナップルジュースの宣伝ソングが入ります。冗談みたいな服装ですが結構カワイイです。
ちょっと前まで宣伝ソングを踊らせるだけでは飽き足らず「お泊りの方はサインひとつでお買い求めいただけます!」などというあからさま過ぎるアナウンスに合わせてダンサーさんにオーバーアクションをさせていたのですが、アレは流石に止めたようです(笑)。




体験コーナーを挟んで、後半に演じられるのはハワイ以外のポリネシアの踊りです。
サモアの踊り可愛いなぁ。私はサモアの踊りも言葉も学んだ事が無いのでさっぱりわかりませんが。
どうもサモア辺りになると元々持ちネタが少ないらしく、同じ曲が数年サイクルで使い回されてるっぽいです。

そして実をいうと、そのうちの一曲は夢の国のポリネシアンテラスでミニーちゃんも踊っている曲だったりします。
「ハワイアンと言えば青竹珊瑚」みたいに、サモアにおける昔ながらのベタな有名曲なのかもしれませぬ。




サモア繋がりでファイヤーナイフダンスに突入です。




二刀流とかやっちゃうもんね。凄いよね。
両手にそれぞれ持って自在に回すのも素晴らしいですし、この2本を繋げて長い1本にして回すのも迫力です。


ここのファイヤーナイフダンサーの皆さんは全員上手いですね。ハワイのちょっとしたルアウショーのダンサーよりレベル高いです。
ただ私の推しメンは今でもKEN青木さんが至高です。青木さんは震災休業中に定年を迎えられたそうで、ひっそりと退職してしまわれましたが、あの方ほど会場のボルテージを上げてゆくワザに長けた方はまだ現れませんね。もっと続けていただきたかったなあ。




いよいよ佳境、最後はタヒチアンです。
今回のタヒチアンの中ではこの最初の曲が一番好きです。衣装の色合いも良いし、振付もドラマチックです。




最後の決めポーズも野性的で良いねえ。




ヴィジュアル的に好きなのはこの衣装ですね。フルレングスが好きなもんで。
ただブラをもう少し立体的に作れなかったのかなあというのが残念です。胸を潰しちゃってる感じがどうもね。




ここからの流れは前回と同じ(というか映画公開以来ずっと同じ)。
白い衣装のソロダンサーが映画と同じタネイムアを踊ります。




からのオテア。振付けも同じですからそろそろ覚えそうです(笑)。
この白と赤の衣装がものすごく昔懐かしい感じなのは、あくまでも映画の(=ハワイアンセンター初期の)再現のために敢えてそうしているからですね。




このタッセルの感じとか、私も四半世紀前を思い出して懐かしさで泣けてきます。
あの頃はアクセサリーもシェルや羽根じゃなくて花だったんだよね。フラじゃ有り得ないレベルの大きいレイポオ被って、レイを幾重にも掛けてさあ。もちろん20年前だから当然のように造花だし(笑)。
そもそも踊り自体もタヒチのタヒチアンじゃなくて、ハワイのルアウショーで踊られてたようなのが主流だったものね。
要するにいろんなものが未熟で発展途上だった訳だけど、いろんな事が単純で楽しくて、それはそれで良い時代だったなあ。




…と私みたいな古参は昔の思い出に耽る事が出来るし、最近の人は「おお、映画と同じ!」という感動があるし、まあまだまだしばらくはショーが変わってもこのエンディングで行くんじゃないでしょうか。





人気ブログランキングへ

ひっそりと参加中のブログランキングに、よろしければクリックをお願い致します。

最新の画像もっと見る