舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

マレフィセント鑑賞記【ネタバレ】

2014-08-02 01:14:01 | Disney (パーク、映画&テレビ)
水曜日のレディースデーに、話題の映画『マレフィセント』を観て参りました


マレフィセント(以下マレ様)といえば、ディズニー映画『眠れる森の美女』に登場する悪役です。
数々の魅力的な悪役を生み出しているディズニー作品の中でも、特に人気の高いキャラクターの一人です。
もちろん私も大好きだ。というか幼少時に買い与えられた絵本を読んだ時から、一番のお気に入りはずっとマレ様がオーロラ姫の誕生祝いの席で呪いを掛けるあのシーンです。


そもそも、何故マレ様はオーロラ姫に呪いを掛けたのか。
アニメにおける理由は「一人だけオーロラ姫の誕生パーティーに招待されなかったから」です。
ほんとアッタマ来るよね。そら呪いかけたくなっちゃうわ。

しかしマレ様は仲間はずれにされた事をクヨクヨするのではなく、単身城へ乗り込み、恐怖におののく人々に余裕の笑みをくれてやりつつ、「誕生祝い」としてどえらい呪いをお見舞いしたのです。
マジかっちょいい。彼女の生き様は私のお手本です。
たった一人アウェーの状況下におかれようとも、あくまでも誇り高く、アウェーの空気を楽しみさえするこのシーンでのマレ様の姿が、今まで何度私の心の支えになって来た事でしょうか。


ちなみに母マミちゃんも『眠れる森の美女』が好きです。
彼女がちょうど四代目くらいの頃に映画館でやっていたため、祖母にせがんで2回も上映を観に行ったそうな。
なぜならばオーロラ姫の麗しすぎるヴィジュアルが超ツボだったからだとさ。
まーあの人は私みたいに誇りがどうのとか生き様がどうのとか、めんどくさい理屈をこねくり回したりしないヴィジュアルが全ての人間よ。三つ子の魂百までよ。


ともあれ、母娘揃って(理由はだいぶ違いますが)大好きな作品を新解釈した作品とあらば、観に行かないわけにはいかんでしょう。


『マレフィセント』は眠れる森の美女とは真逆に、マレ様の側に焦点を当てた作品です。
ですから物語もマレ様の暮らす「ムーア国」から始まります。
ムーア国はマレ様のような妖精(アニメでは魔女でしたが、この作品では原作に近い「妖精」という設定)、や、不思議な生き物たちが自然と共存している豊かな国です。
争いの絶えない人間の国とは違い、誰にも支配されず、平和に暮らしています。


ムーア国の美しさにウットリしていると、やがてある巨木の上で眠る少女がクローズアップされます。
彼女こそが幼き日のマレ様。
っていうか幼いマレ様、幼女の時点で麗しすぎます。




愛くるしく利発そうな顔立ち、しかしメルヘンチックなホワホワした可愛さではなく、頭の角とか鷲っぽい翼とかはそうとう強そうです。
じっさいマレ様は幼くしてすでにムーア国でもかなり強い力を持っているようですが、本人は至って優しい心の持主で、他の妖精や精霊とも仲良しです。
それに、豊かな黒髪と艶やかに紅い唇も何とも魅惑的だわ~


そんなマレ様はある日、ムーア国にやって来た人間の少年と出会います。
彼の名はステファン。若干陰気そうながら、子供らしい無邪気さも持ち合わせており、意気投合した彼らはよく一緒に遊ぶようになりました。

やがて成長した二人は恋愛っぽい関係になってゆきます。とはいってもこれはディズニー映画ですので「真実の愛のキス」(とステファンが称するもの)くらいの非常に清らかな間柄です。

一方で、ステファンは大きくなるにつれて野心が芽生えてゆき、マレ様の元に姿を現さなくなりました。
しかし人間の汚い野心などとは無縁のマレ様は、彼の心境の変化が理解できぬまま、一途に彼の訪れを待っていました。

その頃のマレ様は既に最強の妖精へと成長を遂げており、ムーア国の守護者となっていました。
この辺りからマレ様をアンジェリーナ・ジョリー様が演じます。アンジー様のマレ様、カッコ良すぎ。っていうか「様」付け過ぎ(笑)。


ある日、ムーア国の豊かさを妬んだ人間の国王がムーア国に攻めてきます。
マレ様は仲間達とともに戦ってこれを撃退し、王にも瀕死の重傷を負わせました。

今際の床で、国王は臣下たちに「あの女(=マレ様)を倒した者に、国王の座と自分の娘を譲る」と宣言。
臣下の中にはあのステファンの姿もありました。
ステファンは単身ムーア国へ行き、マレ様と再会します。

彼の訪れを無邪気に喜び、今までの彼の不誠実を許すマレ様(※もちろん身体は許しませんよディズニー映画ですから)。
安心し切ってステファンの差し出した水筒を飲みましたが、そこにはステファンによって眠り薬が仕込まれていました。
すぐに寝てしまったマレ様を、ステファンは早速手にかけようとします。
しかし流石に殺す事は出来ず、彼女の見事な翼を切り取って、殺した証拠として国王に献上するため持ち去りました。

やがてマレ様は目を醒まし、自分の翼が無惨にもぎ取られている事に気づいて、それはそれは悲痛な叫び声を上げます。
翼を失った悲しみと、信じていた人に裏切られた悲しみに苛まれ、彼女の心痛は如何ばかりであったでしょうか


マレ様の翼をもって手柄を認められ、まんまと王座に就いたステファン。
しかしその顔から喜色は読み取れず、それどころかドップリと老け込んでいます。そりゃそうだ。一度は愛を誓った相手に酷い事したわ、殺したと言ったのもホントは嘘だわ、どれをとっても最悪な王座のつき方なんですから。


その頃、マレ様はカラスのディアヴァルに城の様子を偵察させて、ステファン王即位の顛末を知ります。
あ、ディアヴァルは人間の罠にかかったところをマレ様に助けられて以来、マレ様の「翼」となる事を約束したナイスガイなカラスです。マレ様の魔法によって人間や他の動物にも変身出来ます。
そのディアヴァルの報告を聞き、怒りに緑の炎を燃やすマレ様。さながらダークサイドに堕ちたジェダイの騎士といったところです。
マレ様によって守られていたムーア国の様相も一変し、人間の国との間をイバラが断絶し、マレ様の「玉座」も作り上げられました。


ほどなくして、ステファン王に王女誕生の報がマレ様の耳にもたらされます。
もちろんマレ様が黙っているわけが無く、あのおなじみの衣装を身に纏い(今までは髪をおろした幾分ソフトな装いだったのね)、ディアヴァルだけをお供に城へ乗り込むのです。


城の大広間に颯爽と登場したマレ様。
これまでもずっと麗しかったけれど、ここへもってきて燃える怒りにより凄みが増し、これぞマレ様という迫力です。

それにしてもこの衣装、明らかにイッセイミヤケじゃないかね。
細かくプリーツの入った黒い生地自体イッセイミヤケの香りがプンプンしますが(でもプリーツプリーズじゃなくてイッセイミヤケなのよね)、袖の形とかX型のシルエットとか、どこからどうみてもイッセイミヤケ以外の何物でもありません。
イッセイミヤケのデザインでないのだったら、よほどそれを研究して作られたのでしょう。

ともかく、イッセイミヤケなマレ様は最高に麗しく、そして最高に邪悪でした。
恐怖で凍りつく人々を余裕の笑みで一瞥し、恐慌状態のステファンに対しても決して不実をなじったりせず、凄みのある笑顔を浮かべたまま、例の呪いを掛けるのです。

「王女は16歳の誕生日の日没前に糸車の針に刺され、死のような眠りに落ちるだろう。真実の愛のキス以外に目覚めさせる方法は無い」というものです。
ちなみに、アニメでは真実の愛云々の付加条件は善良な妖精によって加えられましたが、この映画ではマレ様自身が付け加えています。
なぜならば、「真実の愛など無い」=「呪いは永遠に解けない」から!!!
あのようにして裏切ったステファンに対し、このうえなく見事な意趣返し!!!
しかも「この呪いはいかなる方法をもってしても取り消せない」というダメ押しの強化を加えたところで、マレ様の呪いは完了しました。


これに慌てたのはステファンです。
決して呪いどおりにはさせまいと、祝いに来ていたムーア国出身の3人の妖精(これがまた揃いも揃ってアホなんだ)に王女を森の奥深くに隠して育てるよう命じました。
さらに国中の糸車を全て焼き払い、地下牢の奥深くに封印。
今度こそマレ様を倒すべく、何かに取り憑かれたかのように攻撃の準備を急ぎます。


ステファン王は王女を遠くに隔離するなり王女の存在を忘れてしまったようですが、マレ様とディアヴァルは違いました。
すぐに隠れ家を突き止めると、遠くから様子をうかがいます。
そしたら世話係(のはず)の3人の妖精のアホな事、アホな事(笑)。
生まれたての赤ん坊に泥のついた生野菜を喰わそうとするようなアホ妖精達をとても見ていられず、アホ妖精が寝静まった頃合いに、こっそりディアヴァルがミルク代わりになる花の蜜?を与えてやったりします。
ディアヴァル、なかなかイクメンじゃないか。カラスだけど。


そしてマレ様はと言うと…。




ものすげー見守ってます。
マリア様じゃなくてマレ様がみてる状態です。


もちろん呪いを掛けた子ですから、ディアヴァルのように表立って世話をしてやったりはしません。
それどころか、窓から王女の姿を覗き見ては、「ああ、なんて醜い子。大っ嫌い」などと毒づきます。

しかしその視線は確かに「監視」ではなく「見守り」です。その証拠に、アホ妖精が目を離した隙に崖に転落しそうになれば、素知らぬ顔をしつつもちゃんと助けたりしています。


とはいえそこは流石にマレ様と言うべきか、決して穏やかに見守るだけでは済ませません。
王女の育児に四苦八苦しているアホ妖精に魔法でイタズラして、ただでさえハプニングとパニックばかりのアホ妖精たちにさらなる騒ぎを起こさせては、物陰でいかにもワルそうにほくそ笑むマレ様のなんと魅力的なこと!
私もああいうイタズラが出来る魔力が欲しい!(笑)


そんなマレ様の存在を、王女はどうもかなり幼い頃から認識しているらしい。
生後間もない頃から、マレ様がおっかない顔で脅しても、ひるむどころか却って喜んでいました。
そして5歳くらいになった頃(ちなみにこの時の王女を演じているのはアンジー様のご息女です)、いつものように遠巻きに見守っていたマレ様の元に無邪気というか無謀にも駆け寄り、「だっこ」とせがんだのです。

もちろん「あっちへ行って。私子供は嫌いなの」と冷たくあしらうマレ様ですが、それでもめげずに「だっこ」「だっこ」と繰り返す王女。
渋々と言った風情で王女を抱き上げるマレ様…。


あれ。このシーン、どこかで見た事あるぞ。
ああそうだ、自分だ。自分と我が子だ!!!!!

マレ様の見守り方は私が我が子に向ける視線と酷似しており、王女のマレ様に対する屈託の無い慕い方も、まるで私に対する我が子の態度を見ているかのようなのです。


ご存知の方もいらっしゃいますように、私は決して「愛情溢れるお母さん」ではありません。
一応虐待レベルの放棄はしないよう心がけていますが(笑)、それでも世間一般の日本人のお母さんと比べると、自分は明らかに母性本能とか欠如しているよなぁ、と日々思っとります。

一方の子供は、およそフレンドリーでない母親の態度などものともせず、全力で母親に甘えてきます。
我が子を見ていても、よく「親から子への無償の愛」などと言うけれど、本当に無償の愛を持っているのは子供の方だとつくづく思います。

「そんなに甘ったれてばかりいると甘いタレかけて食べちゃうぞ!」と脅しても、懲りずにめげずに「だっこ」を繰り返す我が子をしぶしぶ抱き上げる自分と、しぶしぶ王女を抱き上げたマレ様の姿が完全に一致しました。
あんなに麗しいマレ様と己の姿が重なるとは夢にも思わなかったよ!もちろんヴィジュアルは雲泥の差だけど!!(笑)


そこからはもう、物陰から王女を見守るマレ様に感情移入しまくりでした。
あああ、私もマレ様のように、ちょっと離れたとこから我が子を見ていたい。
私は遠くから見守っているんで、その間アホ妖精でも良いから誰か面倒を見てくれないかしら(ヲイ)。


マレ様にこっそりと見守られ、マレ様よりだいぶ素直に愛情を持っているディアヴァルと一緒に遊んだりしながら、王女は美しい15歳の娘に成長しました。




って、私の知る(マミちゃんが愛して止まない)あの気絶するほど麗しいアニメのオーロラ姫とだいぶイメージが違うんですが。

う~ん…まあこのオーロラ姫も可愛いっちゃ可愛いですけど、なんというか非常にいとけない感じで、超然とした麗質を備えるアニメ版のオーロラ姫とはほぼ別人です。
そりゃ、アニメ版のオーロラに対してじゃ、いくらツンデレ発言とはいえ「醜い子」呼ばわりは出来ないもんなぁ、流石のマレ様でも(笑)。
オーロラのキャスティングをこういう親しみやすい可愛らしさの持主にする事によって、マレ様=アンジー様の麗しさをさらに際立たせようという狙いが感じられます。


王女が間もなく16歳の誕生日=呪いが発動する時を迎えようとする頃には、マレ様にもすっかり王女への愛情が生まれていました。まあ愛し方は相変わらずツンデレですが。
すでに物陰に隠れて見守るのではなく、夜な夜な魔法で眠らせた王女をイバラの向こうのムーア国に連れてゆき、不思議な生き物と無邪気に触れ合う王女とともに楽しい時間を過ごしています。
もちろんディアヴァルも常に一緒です。この3人の戯れ方が何とも楽しそうで微笑ましい。うむ、マレ様とこのナイスガイなカラスとの間に色恋関係を描かなかったのは、この作品の成功点の一つと言えるな。


しかしそうなってくると、問題になるのはマレ様が自ら掛けた王女の呪いです。
何とかして取り消そうと試みましたが、「いかなる方法でも取り消せない」という強力な縛りに跳ね返され、自分の力をもってしても消すことが出来ませんでした。

そんなことなど露ほども気づかない王女。
マレ様を自分のフェアリーゴッドマザーだと信じて疑わず、マレ様とともにムーア国で暮らすことを望んでいます。
ああ、この辺りの展開から百合の気配を感じたがる人も多いようですが、私はこれはもっと親子愛に近い愛情だと思いますよ。


とはいえ、残念ながら王女も色恋と無縁でばかりはいられません。元ネタのアニメ版がああだから、まあしょうがないんだけど。
出会ってしまいました、運命の王子に。




だがこの王子、モブキャラ臭が半端ないです。
トッテツケ感満載。完全に空気です。
一応悪役(と呼ぶには弱すぎましたが)の役割を担っていたアナ雪のハンスよりもさらに空気です。

この王子の存在自体も王女の恋も要らぬモノでしかありませんし、私がマレ様の立場だったらさっさと排除したいところですが(ちなみに私は我が子が結婚相手を連れて来たらウニの殻を投げつけて追い返すことに決めています)、この時のマレ様はそうはいきませんでした。
何しろ間もなく王女の呪いが発動してしまうのです。呪いを打ち破るためには、空気な王子を使ってでも何でも、王女に「真実の愛のキス」をさせなければなりません。
マレ様自身は真実の愛など無いと思っているけれど、それでもその望みに縋るしか無いのです。


さらに悪いことに、城では着々と打倒マレ様の準備が進められていました。
もちろん指揮を執るのはステファンです。彼のマレ様に対する執着はもはや狂気の域です。

しかしその執着ぶりは、どうも「マレフィセントが憎いから殺す」という単純な感情ではなさそうです。
ステファンはなんと昔もぎ取ったマレ様の翼を未だに大事に保管してあり、翼のある狭い一室に閉じこもって、マレ様との「会話」に耽っているのです。キモッ。

それは妻である王妃が危篤状態でも変わりません。「今夜が山だから王妃のもとへ」と訴える臣下の者に対し、「私が誰と話しているか分らぬのか!」と言い放った挙句、唇に人差し指を当てる「シーッ」の仕草で追い払います。
ってその仕草、まさしくあの王女の誕生パーティーでマレ様がやったのとそっくり同じじゃないですか。キモッキモッ。

ステファン改めキモ王は真夜中に鍛冶職人を叩き起こし、今すぐ金属の武器を作れと命じました。
というのも、マレ様をはじめとした妖精たちは金属に触れただけで火傷してしまうので、それがマレ様唯一の弱点なのです。


もちろんマレ様の胸中にはそんなキモ王など一切ありません。ただ王女の身を案じるのみです。
それなのに、王女はいよいよ16歳の誕生日当日になって、アホ妖精たちから自分の本当の生い立ちを聞かされます。
両親に先立たれたというのは嘘であり、父は城に居る国王であること。
生まれた時に「悪い妖精」によって呪いをかけられたせいで、森の隠れ家で育てられたこと。


「悪い妖精」というのがマレ様のことだと知ってしまった王女は、裏切られた思いになり、一人で城へ駆け戻ります。
城で15年ぶりに父と再会する王女。しかし、顔いっぱいに喜びの色を浮かべる王女の方などロクに見ようともせず、父であるキモ王は王女を部屋に閉じ込めてしまいました。
まあ、野放しにしておいて呪いが発動してはたまらないと思ってのことなのでしょうが…。それにしても酷いよね。

いよいよ呪いが発動する日没前が近づいてきました。
王女は必死で部屋から出ようとしているうちに、ふとした拍子にするりと外へ出ることに成功します。
そしてこれが呪いの持つ力なのか、何かに導かれるようにして城内の複雑な道筋を辿り、地下の奥深く閉じ込められた糸車まで辿り着いて、呪いのとおりに針で指を刺して倒れてしまいました。


全速力で城へ向かっている途中で、呪いの発動を察知したマレ様。
絶望にうちひしがれますが、それでも王子のキスに僅かな望みを託し、眠らせた王子(これがまたマヌケなんだ人形みたいで)を馬に載せて一緒に城へ駆けつけました。


王子は王女が横たえられた部屋の前で目覚めました。
運び込んだ当人であるマレ様は身を隠していますが、王女のそばについていたアホ妖精たちもキスで呪いが解けることを知っているので、王子に早くキスをしろとけしかけます。
しかしこの期に及んで「え、いや、でもそんなまだ」などと尻込みする王子。お前どんだけ草食なんだよ!
もちろんそんな王子じゃダメっつーか、そもそもほんのちょっと前にバッタリ出くわしただけの関係の二人の間に真実の愛などあるハズも無く、王子のキスでは呪いが解けませんでした。あーやっぱりダメ王子。空気は所詮空気でしかなかった。


部屋に王女ひとりが残された頃合いに、マレ様が物陰から姿を現しました。
王女の枕元に立ったマレ様は瞳に深い悲しみをたたえ、涙を流しながら「可愛い子」と呼び、初めて素直に彼女への愛情を言葉にして、「これからもずっとあなたを見守り続ける」と語りかけて、王女の額にキスしました。


★ここで「真実の愛」判定が発動!!!★


そうです、エルサ様とアナに引き続き、この映画においても「真実の愛は必ずしも色恋とはかぎらない」のです!!!!!(歓喜)
16年間王女を見守り続け、彼女を愛するようになって呪いを掛けたことを悔いるようになったマレ様の思いは、まごうことなき「真実の愛」なのでした


何事も無かったかのように目を醒まし、枕元で涙を流しているマレ様に「こんにちは、フェアリーゴッドマザー」と微笑みかける王女。
涙を浮かべたまま「こんにちは、醜い子」と応じるマレ様。
おいおいおいおい、ここでもなおツンデレかよマレ様ァァァ
可愛すぎるよこのこのこのッ



もちろん、王女ももうマレ様が騙していたなどとは思っていません。
共にムーア国へ帰るべく、城からの脱出を試みましたが、今度こそマレ様を滅ぼそうとしていたキモ王が軍勢を率いて立ちはだかりました。
マレ様は鎖の罠に捉えられ、ダメージを負いながらも王女を逃がしつつディアヴァルをドラゴンに変身させました。
おお、あのかっちょいい黒いドラゴン(ファンタズミックでミッキーが戦っているドラゴンね)の正体はカラスだったのか!!


戦いの舞台から逃げ出した王女は、偶然マレ様の翼が置かれている部屋に辿り着きます。
翼は主の存在を察知して、王女によって助け出されるや否や、自ら飛び出してマレ様のもとに羽ばたいていきました。

多勢に無勢の中で苦戦を強いられるマレ様のところに翼が飛んで来て、あるべき場所に戻りました。

マレ様、完全復活です!!!

自由に翼を羽ばたかせ、敵を蹴散らして、ついにはキモ王にもトドメを刺しました。
というか、マレ様は本当は命までは奪わないでやろうとしていたのに、キモ王が未練がましくも這々の体で襲いかかって来たので、やむなく倒した格好です。


ともあれ敵は滅ぼされて、マレ様にも王女にも平和が戻りました。
ムーア国との間を隔てていたイバラは取り去られ、再び人間の国と接するようになりましたし、ムーア国も本来の明るさを取り戻して、マレ様が幼かった頃のような美しい場所になりました。


王女は人間の国の新たな統治者となるようですが、エンディングではムーア国でマレ様やディアヴァル、そして16年間一応世話になったアホ妖精たちに囲まれて幸せそうです。
あ、ちゃっかりあの空気王子もいました。お前何も役立ってないのになんでここにいるんだ。


マレ様とはそんな人々の輪を離れ、久しぶりに雲よりも高く飛んでいます。
傍らにはカラスモードのディアヴァルの姿も。一緒に飛べるようになって良かったねえ。
さっきも言ったけど、この二人を安易に恋愛関係にせず、共に王女を見守る同志というか盟友のような間柄にしたのはとても賢明な選択でした。
たぶん現実の母親と父親もそういう関係の方が子供のために良いと思うなあ。まあ自分にも我が子にも父親ってモノが居たためしがないので想像ですが(笑)。


そもそも私が思うに、この物語で重要なメッセージの一つは「必ずしも真実の愛=恋愛ではない」って事だからねえ。
マレ様とディアヴァルとか、マレ様と王女の間に恋愛感情じみたモノが介入してしまったら、そのメッセージがぼやけてしまいます。
不要としか思えない(実際まったく役に立たなかった)空気王子をわざわざ物語に入れたのさえ、それを強調したいがためのように思えてなりません。

『アナと雪の女王』だってそうだと私は思います。
アナは「真実の愛」といえばロマンスだとハナから思い込んでいたようですが、真実の愛はそこではなく姉妹の間にあった、というのが結論ですので、エルサとアナの間柄を色恋と解釈してしまうとまるで意味が無くなっちゃう。まあもちろん妄想の翼を羽ばたかせるのは個人の自由ですけどね(笑)。


アナ雪で姉妹の間の「真実の愛」を描き、今度のマレフィセントでは「真実の愛」が血縁も無く家族ですらない、恋愛感情も介入しない間柄にも生まれ得るという物語を描いたディズニー。
今までさんっざんプリンセスの物語の中で「真実の愛イコール恋愛!女の子の幸せは素敵な王子様と結婚すること!!」という刷り込みをしまくって来たディズニーが、21世紀も10年以上過ぎた時点でようやく良い方に向いて来たなあと嬉しく思っている次第です。
真実の愛のカタチも、幸せのカタチも決して一つではないもんね。と、我が子に対して限りなくマレ様っぽい異端の母は思うのであります。






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4 Comments

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Unknown (りりママ)
2014-08-02 22:53:39
はじめまして。 いつも楽しみに拝読させて頂いてます。
フラを始めて3年になります。最初は何もわからず、自分の教室がフラの世界の全てで、後は雑誌を読んだり…。
でも最近???って感じる事もあったりして。そんな時にラナさんのブログに出会いました。
「そう、そう。それ、それ」って思わず大納得な事ばかり。
自主トレ、やるんです。もちろん先生抜きで。 で、1人で踊らされて先輩達からダメ出しの嵐です。
凹みますよ(ー ー;) でもラナさんのブログを見て、少し気が楽になりました。
言わせておけばいいやって思ってます(笑)。

書きたい事沢山あるのですが、えーと、まずハワイアンズの私の推しメンはラナさんと同じ!
松本さんです。先日行った時に記念写真撮る事ができました。
ハワイアンズもベテランさんが相次いで引退してしまい、寂しいですね。松本さんには長く頑張って欲しいです。

それから私も子供の頃から、オーロラ姫大好きです。 マミちゃんさんと一緒。
ディズニー史上最強の美女だと思っています。

訳の分からないコメントでU+1F64Fなさい。
よかったら裏部屋のパスワード、教えて頂けませんか?
宜しくお願いします。
返信する
ありがとうございます! (lanarana)
2014-08-03 00:59:20
りりママ様

いつも当ブログをお読み下さいましてありがとうございます!
しかもご共感いただけて、何よりも嬉しいです♪

自主トレ、ホント困りますよねえ(笑)。
りりママさんもかなり自主トレで迷惑を被っていらっしゃるようですね…
まさしくそういう「先輩達からダメ出しの嵐」な自主トレをする人達は結構居まして、そういう事はしないで欲しいと再三言っても、なかなか理解して貰えないのです…。
ホント凹みますが、おっしゃるとおり「言わせておけばいいや」のココロで乗り切ってくださいまし!

私と同じくハワイアンズの松本さんが推しメンとは嬉しいです!
私も先日記念撮影が偶然松本さんに当たりまして、とてもとても正面からお顔を見られませんでした(おいおい)。
ついに最も長かったティアレるりかさんもお辞めになってしまったようですし、昔から存じ上げている方々が少なくなるのは寂しいですが、これからも応援して参る所存です!

オーロラ姫、素敵ですよね
私ももちろんあのアニメを見る度にあまりの美しさにウットリします。
最近のプリンセス達も可愛いけれど、オーロラ姫のようなカリスマ的な美貌とはちょっと違いますよね~。

そうそう裏部屋のパスワードですが、よろしければlanaranamail.goo.ne.jpまでメールをお願い致します!(はアットマークで)
お返事にてパスワードをお知らせ申し上げます♪
返信する
Unknown (りりママ)
2014-08-03 02:28:14
お返事ありがとうございます。

メール送らせて頂きますね。
ディズニーのヒロインのお顔が変わったのは、どの作品からでしょうね?
オーロラがスタンダードだと思っていた私などは、腰が抜ける程たまげました。
ポカホンタス辺りでしたっけ?

さすがに最近は見慣れまして、アリエルもジャスミンも大好きです。

ただ、これは年代な物でしょうが、所謂ディズニークラシックと言われる作品が好きですね。
ピーターパン、バンビ、わんわん物語、ファンタジア…
今の四代目ちゃん位の時に観たらしいのですが(母談)、その時の感動とか衝撃は今でも覚えています。

それまではゴジラ対モスラとかクレイジーキャッツとかを観せられていたようなので、初めてファンタジーの世界に触れた訳です。
返信する
ご無沙汰しております~!! (lanarana)
2014-08-10 20:08:06
ブログにも書いておりましたロバート・カジメロ様ご降臨の件でバタバタしてしまい、すっかりお返事が遅れてしまいましたm(__)m

私もディズニークラシックの方がずっと好きです♪
もちろんCGなど無い時代ですし、テクノロジーの点では今の方が進んでいるのかもしれませんが、すべて手描きでこのうえなく精緻に描き込まれた当時の作品の方が遥かに豪華であり魅力を感じます。
オーロラ姫もマレ様も、今のキャラクターには無い高貴な麗しさを備えていますし、バンビや101匹わんちゃんの愛くるしさも格別でした♪

そういえば私の母も、劇場のゴジラやクレイジーキャッツを家族で観に行っていたようです
返信する