甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

風と雲と虹と 1976

2018年07月09日 21時43分45秒 | 空を見上げて

 今日、妻から加藤剛さんが亡くなられたと教えてもらいました。80歳だったそうです。平均より少し若い。何だか残念です。でも、きっとまわりの人たちには最後まで加藤剛さんとしての風を吹かせていたのではないかと思うのです。どんなに病気で苦しんでおられたとしても、あれだけの方だから、きっとまわりのみんなはいつも風をもらっていたはずです。

 うちの父だって、うちの父らしい、穏やかで時々はわからないけど、
「あれこれと考えてはいるんですよ。口には出さないけどね。だからまあ、あれこれ聞いておくれ。またはあれこれ話しておくれ。それが無理なら、黙ってそばにいておくれ。」みたいなハンナリした風がありましたよ。

 そんなに苦しい顔もせず、いつも一歩引いた感じで私たちにも接していましたよ。それなのに、母にはあれこれと話していたみたいで、後から母に教えてもらうと、ガクゼンとしたりしましたっけ。ちっともお父さんのこと、私はわかっていなかった。弟はもう少しわかっていたのかもしれない。

 私は、いつもボンヤリボンクラで、家族の気持ちさえしっかりと受け止めることができない。どうしてこんなにトンマな私なのでしょう。もうこれは死ぬまで治らないでしょう。

 ええい、もういいや、死ぬまでとことんボンクラだい! 自分の言いたいことだけ言って、他人のことなんか、教えてもらわないとわかんないや!

 変な方向に行きました。失礼しました。つい居直ってしまう。

 とにかく、加藤さんには加藤さんの風、父には父の風、私は? うちにこもっていて風も吹かないかも、何だか悲しいな。せいぜいみんなに嫌がられても、私なりの風を吹かせたいですね。


 というわけで、加藤剛さんの代表作はいろいろあるんでしょうけど、たとえば「砂の器」という映画もありましたよ。それと時期的には重なりますが(少し後になるのかな?)、NHKの大河で「風と雲と虹と」という平将門を演じた作品がありました。1976年の大河だったそうです。

 私は、ほとんど見ていなかったけれど、後になって海音寺潮五郎さんの「平将門」を読んだ時、ものすごく疾走する感じを受け取りました。もう猛然と走っていくのです。ドラマの断片は見たのかもしれません。



 世の中にはとても許せないようなモヤモヤがいっぱいありました。何度もそれに抵抗し、反発し、自己弁護もした。でも、どうしても世の中は変わらなかった。ものすごく正直に世の中に向き合い、逆に世の中からあれこれと拒否され続けていた。

 そして、将門さんは敢然と世の中の不条理に立ち向かい、自分の言い分を聞いてくれない公権力に抵抗した。それは成功するかに見えたが、いつしかじわじわとまわりから押さえつける勢力がやってきて、やがて滅ぼされてしまう。

 あの将門さんを加藤剛さんが演じていた。ものすごくシンクロしていて、大岡越前の加藤剛さんもはまり役だったかもしれないけど、あれはもう日常的なお仕事でしたけど、時々、「砂の器」みたいな怒涛の役柄がやってきて、猛然として演ずる時の加藤剛さんもあったのでした。

 私は見ていないけど、チラッと見たり、たまたまNHKが見えたり、知らんぷりして見たりして目撃することはありました。だから、緒形拳さんが藤原純友役で出ているところも見たような記憶があります。

 純友と将門が都で出会うとか、そういう場面もあったような感じです。記憶違いかもしれないけれど……。

 そして、お二人ともお亡くなりになった。あの時加藤剛さんは38歳だったんですね。役者としても疾走している時だったんだ。それから40何年が経過している。そりゃ、私も加藤さんも年をとるわけです。


 そこに吉永小百合さんも出ておられたそうです。この写真は31歳くらいだそうです。ものすごく若々しくキレイで、少しゾクゾクとするものがあります。今とはだいぶ違う。

 吉永さんは、まだまだキャリアを重ねていくんでしょうけど、加藤さんは長いようで短い、短いようで長い役者人生を、太くたくましく過ごして来られた。

 それがオッチャンになった私にも、余風が吹いてきて、これからも時々はその風にあたることでしょう。「砂の器」もいつか再び見てみたいな。「風と雲と虹と」は原作はうちにありますけど、ビデオは絶対に買わないと思うけど、その気分だけは味わいたいな。

 何しろ私は、吉永さんが出ていたなんて、全く知らないわけですから。いつかチャンスがあれば……。

 それと、加藤さんのご冥福を祈り、今回の災害に合われた人々のこともお願いして、いつかいい風が吹くことを祈って、本日はこれでおしまいにしますね。

 40年前から加藤さんはさわやかで、40年前の吉永さんはびっくりするくらいキレイです。もどれないけど、そういう時間を私だって過ごさせてもらったのかもしれない。


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