京医ボート部ブログ

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COXのコール

2014-08-23 03:12:18 | 日記
梶本です。


玉城のご指摘通り、僕は体の動きのコールよりも、ドライブのコールの方が好きです。

バランスが崩れている原因、
もちろんその一つは、体の動きです。
今回の対校もコーチに「シンプルに動け」と教わりました。
確かに僕は、COXとして体の動きについての意識が薄いと自分でも思っていて、そこは反省しているところです。
ですが、僕がドライブのコールを多用するのは、「誤魔化し」ではなく一応僕なりにちゃんとした考えをもってのことですので、
それを以下に書いていきます。


バランスが崩れる原因は、体の動き以外にもにも考えられます。

例えば
1. 艇が立っていない
2. リズムがくずれている
のようなものです。
(特に2.のリズムは、バランスが崩れる主原因じゃないかと個人的に思っています。)
これら二つについて、ドライブのコールの観点から意見を述べた後、3.コールの効率性という観点からも述べたいと思います。
また最後に4.足けり について述べます。


あくまでも、漕手経験がほぼ0の僕の全く個人的な意見です。
間違っているところも多々あると思います。


1. 艇が立っていない

もちろん体の動きをくずさないことも大事です。
しかしハイレートでしかも疲れてきているときに、完璧に動きを崩さないのは不可能ではないでしょうか。

僕のバランスに対するイメージは次のようなものです。


____
|___
|___
|___
|___
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|
|
_________________________
finish            catch (縦軸が安定度)

フィニッシュ(およびそこからセットまで)の安定度から、
クラッチの重さのずれ、フォワードスピードのずれ、おかしな動き、などの様々なバランスを崩すファクターが加わった結果、フォワード時、キャッチ時の安定度となる、
というイメージです。

バランスが崩れたときに、体の動きを意識するのは、
このバランスを崩すファクターを減らしていき、
フィニッシュ時の安定度に、キャッチ時の安定度を少しでも近づけよう、というアプローチです。

ですが、もう一つのアプローチとして、しっかりドライブして艇を立て、フィニッシュ時の安定度を高める、というアプローチも考えられるのではないでしょうか。

(数値の意味は全くないですが、
例えば、きれいなキャッチができるためのキャッチ時の安定度が50とします。
今、フィニッシュ時の安定度60から、崩すファクターが20あって、結果キャッチ時の安定度が40になってしまっているとします。

このとき前者のアプローチは60→40になっているものを、体の動きを意識して崩すファクターを10減らし、60→50にするものです。
一方、後者のアプローチは60→40になっているものを、艇を立てることを意識してフィニッシュの安定度を10高め、70→50にするものです。)

そもそも疲れで体の動きが歪んでしまっているときは、間違いなくドライブも落ちてしまっています。
まっすぐ押せなくなってきているかもしれません。

バランスが崩れているときに、体の動きやバトンコントロールを意識して、崩さないようにするのも絶対大事なことです。
ですが、それと同じくらい、ドライブの強さや方向、タイミングをもう一度意識し、艇を立てて、安定度を高めることも大事だと僕は思っています。

これがドライブのコールが好きな理由の一つです。


2. リズムがくずれている

個人的に、バランスが崩れる主原因はこれじゃないかと思っています。
リズムがくずれているときは、
ファワードダッシュでフォワードスピードがずれるだけでバランスくずれますし、フォワードダッシュのせいでキャッチが止まってまたバランスが崩れますし……

ボートにおいてもっとも重要なのはリズムだ、ということは、
色々なコーチのブログなどを拝見しても、多くのコーチがおっしゃっていることです。

武良コーチも、リズムに乗ることを「手拍子」で表現なさっていました。

では、ボートに限らず、一般的にいいリズム、すなわち乗れるリズムとはなんなのか。
僕は「しなやか」で「緩急のある」リズムのことだと思います。
実際手拍子でリズムに乗ろうとすると、自然と体はしなやかに動いていると思います。
またドラムのリズムを口ずさむと、拍には強弱があり、つまり「緩急がある」ことがわかると思います。
(脱線ですが、ドラムをMIDIで打ち込むときに、人間らしさを出すために重要なポイントとして、「拍の強弱」と「ゴーストノート」がしばしばあげられます。
 それぞれ「緩急」と「しなやかさ」に対応していて、やっぱりこの二つが重要なのだなと、最近MIDIの打ち込みをやっていて再認識しました。)

ボートで言うと、「なめらかに動く(特に端点)」、「メリハリのある漕ぎ」にそれぞれなります。

ここでは後者について。
「緩急」において大事なことはなにか。

それは「緩」にあると思っています。
力を出すことはまだ簡単ですが、それをふっと抜くことの方が難しい

ですが、僕がここから言いたいことはむしろ逆のことです。
「緩」とは、「急」があって初めて「緩」があるのです。
「急」があるからこそ「緩」がいきる。「緩」だけではただだれているだけです。

メリハリが足りていないとき、確かにそのときはフォワードは力んでいます。
しかし、それ以上にドライブが出ていないことの方が問題だと思っています。
ドライブが出ていないのに、無理にレート維持しようとしてフォワードする結果、フォワードが力んでしまうのです。
COXとして乗っていて、そのことはすごく感じたことでした。

もしその状態で、仮にフォワードの力みをとったとして、見かけ上メリハリはついても、全然船は進んでいません。

それよりも、多少フォワードが力んでいる、4人の動きがずれている、それでも僕は「急」つまりドライブを狙い続けるべきだと思っています。
(ドライブの強さだけでなく、レンジであったり「けりこまない」(←重要)であったりを含めてです。)
ドライブ(「急」)を狙い続けて漕ぎこんでいけば、そのうち疲れから適度に力が抜けて「緩」も自ずと出てくるでしょう、そうしたら4人の動きも徐々にあってくるでしょう。
すると、先ほどの船が進んでいないメリハリとは違い、高いレベルでメリハリがついてきます。
(ドライブを狙い続けることによってドライブの力みも出てくるかもしれませんが、それもあくまで「急」を狙えた後でとっていけばいいと個人的に思います。)

「緩急」において大事なのは「緩」であることは僕も認めます。
しかしあくまでもそれは「急」ができているうえでの話であって、「急」ができていないうちはあくまで「急」を狙い続けるべきではないでしょうか。

だから、僕は多少バランスに問題があったとしても、ドライブのコールを入れるのが好きなのです。

バランスが崩れている原因がリズムであるとき、足けりなどのコールからドライブによってリズムを立て直すことができるのではないでしょうか。

(ここでは後者の「緩急」から述べましたが、
ドライブがうまくいっていないときに、finishでひっかかったりして端点でなめらかに動きにくくなる傾向があるような印象を受けるので、
ドライブのアプローチは、前者の「なめらかさ(端点)」につながるところもあると思います。)


3. コールの効率性

ドライブのコールからは、絶対に完全なバランスは実現できません。
当然、体の動きのコールも必要になります。

ですが、バランスを取るアプローチとして、ドライブのコールで代用できるところは、積極的にドライブのコールを使用すべきだと思います。

体の動きのコールは、どうしても入れるとドライブじゃないところに意識が行ってしまいますので、無意識のうちにドライブが弱くなってしまいます。
(人間、一度に複数のことを意識するのはなかなか難しいものですし、ハイレートになるとなおさらです。)
ネガティブフォースがなくなるという意味では艇速につながりますが、積極的に艇速には結びつきません。

一方、ドライブのコールは積極的に艇速に結びつきます。
もしそれでバランスも狙えるのなら、一石二鳥です。


体の動きを意識しないと絶対治らないバランスもあり、その時は体の動きのコールが必要不可欠ですが、
ドライブのコールでも体の動きのコールでもどちらでもいいのであれば、コールの効率性の観点から積極的にドライブのコールを使えばいいのではないでしょうか。

特に1000mのレースは、わずか120ストロークでレースが終わってしまいます。
あまり色々なコールを入れ過ぎると混乱させてしまうので、新しいコールは正直10ストロークに1回でも多いくらいではないかと思います。

そうするとレース中にたった10回しかコールを入れられないことになります。

たった10回のコール、その貴重なコールを、積極的に艇速につながらないコールに使うのはもったいないような気が僕はしています。
もちろん、それ以外のコールも必要不可欠ですので、入れてはいきますが。


4. 足けり

レースにおいて、コールの大きな役割として、クルーの意識の統一があると考えています。

「よっしゃ、今からキャッチ前バランスとるぞ~~!!!!」 と、
「よっしゃ、今から足から艇進めたるぞ~~!!!!」 とだったら、
後者の方がクルーは盛り上がり、団結するのではないでしょうか。

その意味で、「足けり」というコールは、クルーを盛り上げ統一させる最高のコールだと僕は思っています。

去年も今年もスパートが早いクルーでした。
それはもちろん漕手のポテンシャルの高さに尽きるのですが、
もし無理やりコールとこじつけて考えるなら、
僕が必ずスパートを入れる5~10本前に足けりを入れるようにしていたのが、少し役立ったのかな、と思ったりします。
スパートも足けりも似た性質のコールですので、それを連続させるのは無駄なようにも思えるのですが、
足けりによってクルーの意識が統一されたあとスパートを入れることによって、よりスパートが決まりやすくなってたのかなー、と……わからないですが……

足けりの多用はマンネリ化というリスクがあり、また非常に漠然としたコールではあるのですが、
前者は1000mという短いレースだしそんなに気にしなくてもよく、後者は事前にクルー内で足けりのときのドライブイメージを話し合っておけばいいのかな、と思います。

これが僕の足けりを多用する理由です。




以上が、ドライブのコールが好きな理由ですが、
やはり、僕は体の動きのコールが少ないのは、反省している点です。

去年の対校は、ドライブからバランスをつくるという上で述べたようなイメージがうまくつくれましたが、
今年は、それがあまりうまくいきませんでした。
そのことが、もっと体の動きのコールを入れるべきだったという僕の反省につながっています。



ところで、ドライブのコールが好きな理由は上に述べたとおりですが、
体の動きのコールが少なくなってしまっているのは、やはり玉城が述べたように、漕手とコックスの立場の違いもあると思います。

ただ、玉城は
COXは水中を感じられず漕手は水中を感じられる、と言っていましたが、それは全くの逆だと思います。

COXは水中を一番よく感じられます。
加速感も結構敏感に感じられますし、けりこみやフォワード中の艇の加減速なども敏感に感じられます。
ドライブの方向なども敏感に感じられます。

ですが、逆に水上の動きを感じにくいのです。

例えば、ドライブの方向がまっすぐじゃないのはわかるのですが、
漕手がどういう動きをしている結果水中まっすぐじゃなくなっているのか、が感じにくいのです。




ぐだぐだと書きましたが、あくまで僕の個人的な意見です。
間違っている点は多々あると思います。

中身がないだけの文章長々とすみませんでした。

それでは失礼します。

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2 コメント

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Unknown (中村)
2014-08-23 20:51:17
分かりやすい説明、さすがです。緩急の話は納得が行きました。やはり急ありきでの緩であってこそ艇速につながると僕も感じました。新人艇でコックスをしていて、メリハリのあるリズムが作れていたのに、順位決定での艇速がいまいちだったのは、やはりドライブスピードが足りなかったということでしょう。むしろやや暴れ気味でもしっかり押せていれば進みますし、かじぽんの言うとおり疲れてきて丁度よいリズムになるということだと思いました。

そこで、一つ質問です。
①足けりと足けりを繋ぐコールで特にかじぽんが心掛けていたことや多用したものなどはありますか?

もちろん僕の力不足であり経験不足なのですが、僕はそれが難しかったので、漕手から自発的にコールをかけるように促していました。そのほうがクルーにも強い影響を与えられると思っていたからです。そこで、

②持続的にこーるを入れるコックスの一言の重みをより効果的に揚げる方法などがあればぜひおしえて欲しいです。
よろしくお願いします。
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Unknown (○らい)
2014-08-24 20:32:48
マッチングが終わって久々にブログを見たら、激熱な記事が続いていて驚いています、、、

一度もcoxをしてないので何もいいことは言えないですが、

足けりのコールについて、一回生とエルゴ1000t.tを引いた時に、大槻と木下に足けりをいれてもらいました。エルゴではタイムが全てな雰囲気があるので、足けりonlyのコールでも全然かまわないですし、今までに経験したことがないタイミングでの足けりでしたが、生まれて初めてエルゴ1000mの最後まで渾身の集中が続きました。
この経験を踏まえて、いい集中を作る以外にも、いい集中を継続するコールも重要であると感じました。
秋は2000がメインになると思いますが、練習でも試合でも、心が折れそうになる前に、いい集中が保てるようなコールが、coxを筆頭に、rowerからも出ることを期待しています。

あと、そういえば緩急という言葉で、カジポンが一回生の秋か二回生の春かに、同じクルーのF冨先生に「もっとリラックス」ということを常に言われていたことを思い出しました。。。。懐かしいです(笑)
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