ヒロベです。ようやく試験が落ち着きました。結果は穏やかではないですが。
さて、以前に中村さんが投稿なさった「艇速ってどうやって感じるの?」について、京医ボート部がいつもお世話になっている武良誠コーチからアドバイスをいただきました。コーチのお言葉を引用させていただきながら、僕の所感も連ねていこうと思います。皆さんもぜひコメント・投稿お願いします。
まずドライブ中についてですが、やはり中村さんもおっしゃるように、艇とのつながり・力強い姿勢というのは重要なファクターなようです。ただもちろんその感覚を言葉にするのは難しく、指導だけでなく意思統一の面でもよく困らされます。
これについて武良コーチは
体幹に負荷がかかることによって艇速を感じることができるのなら、逆に言えば、体幹に負荷がかからなければ艇速を感じることができない
というアプローチから、逆に負荷がかからない漕ぎを「ボート漕ぎ運動」という言葉で表しているそうです。
ふねはふね、人は人、オールはオールでバラバラの状態です。でも一応、ボートを漕ぐ動作をしています。もっと言えば、ボートを漕ぐ「ような」動作をしています。これは見た目はロウイングですが、僕に言わせれば、ただのボート漕ぎ運動です。
僕個人としましては、この表現は非常にしっくりきました。他のスポーツに比べ「如何にロス無く動くか」というボートの性質もあり、良くないときがどのような状態なのかを意識すると、かえって視野が広がる場合もあります。僕のローイングに対する感覚はほとんど、たった数ヶ月のシングルで得たちんけなものですが、艇の進みが悪いときに必死にブレードワークなどに意識を向けても奏功しなかったときは、たしかに「ボートを漕ぐような動作」に終始してしまっていた感じがあります。エルゴが苦手なことも同様の理由かもしれません。
具体的な要因としてはやはり、キャッチ時に力を出す準備ができていないせいで押し始めでロスが生じ、推進力として働かない、という状況が多いでしょう。秋シーズンは部全体でフィニッシュの統一感を目標にしていましたが、だからこそ最後にネックになったのはキャッチの押し始めでの進みだと思います。
では実際に理想として目指すべきは何なのでしょうか?
艇速を感じようとするならば、力を出せる姿勢を作ってキャッチし、ドライブを始めなければならない、ということでしょうか。力を出す準備ができている状態というのは、リラックスしながらも、けっして脱力しているわけでなく、体がグニャグニャしていない状態のことだと僕は考えています。このカッチリとした状態(僕は「つながった状態」と言います)でキャッチし、ドライブすることができれば、主体的にふねを動かす感覚が得やすいと思います。つまりそれが「ふねと一体化する」ということですね。
難しいですね。力を抜きすぎるわけでもなく固くなりすぎるわけでもなく。それでも脚は確実に力を伝えている。はじめてシングルに乗ったときはこれがあまりにダイレクトに伝わるため感動と絶望に包まれました。コックスとしては、バトンではなくブレードの先、水中の感覚に視点を向けようと漕手に伝えています。単純にオールの動きがどうこうというわけではなく、一体化出来ていればつかんだ水の重さが適切に身体全体に伝わる、と考えているからです。また、この一体化という視点で速いクルーの漕ぎを見てみると多くの発見があるのではないか、とアドバイスをいただきました。体格やブレードワークに眼を奪われがちですが、それを生み出す身体はやはり洗練されたものです。この前の筋トレ講習会でも玉城が言っていましたが、こういったことを意識した上で身体作りを行うのもよいでしょう。
次にフォワード中ですが、やはりフォワードのしやすさというのは重要な指標のようです。スムーズに押し切り、ブレードを抜き上げ、滑らかに端点を返していくという一連の流れは、艇を減速させないことにつながります。クルー間の動きを揃えて艇の進みを妨げない、これは秋から冬シーズンに掛けて狙ってきたので、1回生も少しはイメージが浮かぶでしょうか。
さて、こうした艇速に対する感覚を養う練習として、武良コーチから「ブラインドロー」なるものを教えていただきました。目をつぶって漕ぐだけだそうですが、視覚以外の感覚でどのように艇から情報が伝わってくるのかを実感し鍛えることのできるドリルです。いきなりは難しそうですが、確かに鋭敏な感覚をつかめそうです。
僕はシングルであったため自分の動きさえ考えていればよかったのですが、それでもエルゴ上で「一体化する感覚」を掴み始めたのは西医体後の自主トレ期間中でした。「ドライブ押し始めはコアで支えてハンギング」とよく言われたのですが、個人的には「上体も使いつつ一気に引ききる」と意識したほうがより身体全体でドライブする感覚をつかみやすかったです。
いかがだったでしょうか。かいつまんだ要点としては以上です。全文掲載は控えましたが、非常に丁寧にアドバイスをいただきました。コーチには本当にいつもお世話になっています。あらためて、僕達の練習環境がとても恵まれているのだなと実感しました。
読み直してみると、中村さんのおっしゃっていることはかなり的確なようですね。さすがです。アプローチの仕方は個々人様々だと思うので、皆さんのご意見もいただければ幸いです。
さて、以前に中村さんが投稿なさった「艇速ってどうやって感じるの?」について、京医ボート部がいつもお世話になっている武良誠コーチからアドバイスをいただきました。コーチのお言葉を引用させていただきながら、僕の所感も連ねていこうと思います。皆さんもぜひコメント・投稿お願いします。
まずドライブ中についてですが、やはり中村さんもおっしゃるように、艇とのつながり・力強い姿勢というのは重要なファクターなようです。ただもちろんその感覚を言葉にするのは難しく、指導だけでなく意思統一の面でもよく困らされます。
これについて武良コーチは
体幹に負荷がかかることによって艇速を感じることができるのなら、逆に言えば、体幹に負荷がかからなければ艇速を感じることができない
というアプローチから、逆に負荷がかからない漕ぎを「ボート漕ぎ運動」という言葉で表しているそうです。
ふねはふね、人は人、オールはオールでバラバラの状態です。でも一応、ボートを漕ぐ動作をしています。もっと言えば、ボートを漕ぐ「ような」動作をしています。これは見た目はロウイングですが、僕に言わせれば、ただのボート漕ぎ運動です。
僕個人としましては、この表現は非常にしっくりきました。他のスポーツに比べ「如何にロス無く動くか」というボートの性質もあり、良くないときがどのような状態なのかを意識すると、かえって視野が広がる場合もあります。僕のローイングに対する感覚はほとんど、たった数ヶ月のシングルで得たちんけなものですが、艇の進みが悪いときに必死にブレードワークなどに意識を向けても奏功しなかったときは、たしかに「ボートを漕ぐような動作」に終始してしまっていた感じがあります。エルゴが苦手なことも同様の理由かもしれません。
具体的な要因としてはやはり、キャッチ時に力を出す準備ができていないせいで押し始めでロスが生じ、推進力として働かない、という状況が多いでしょう。秋シーズンは部全体でフィニッシュの統一感を目標にしていましたが、だからこそ最後にネックになったのはキャッチの押し始めでの進みだと思います。
では実際に理想として目指すべきは何なのでしょうか?
艇速を感じようとするならば、力を出せる姿勢を作ってキャッチし、ドライブを始めなければならない、ということでしょうか。力を出す準備ができている状態というのは、リラックスしながらも、けっして脱力しているわけでなく、体がグニャグニャしていない状態のことだと僕は考えています。このカッチリとした状態(僕は「つながった状態」と言います)でキャッチし、ドライブすることができれば、主体的にふねを動かす感覚が得やすいと思います。つまりそれが「ふねと一体化する」ということですね。
難しいですね。力を抜きすぎるわけでもなく固くなりすぎるわけでもなく。それでも脚は確実に力を伝えている。はじめてシングルに乗ったときはこれがあまりにダイレクトに伝わるため感動と絶望に包まれました。コックスとしては、バトンではなくブレードの先、水中の感覚に視点を向けようと漕手に伝えています。単純にオールの動きがどうこうというわけではなく、一体化出来ていればつかんだ水の重さが適切に身体全体に伝わる、と考えているからです。また、この一体化という視点で速いクルーの漕ぎを見てみると多くの発見があるのではないか、とアドバイスをいただきました。体格やブレードワークに眼を奪われがちですが、それを生み出す身体はやはり洗練されたものです。この前の筋トレ講習会でも玉城が言っていましたが、こういったことを意識した上で身体作りを行うのもよいでしょう。
次にフォワード中ですが、やはりフォワードのしやすさというのは重要な指標のようです。スムーズに押し切り、ブレードを抜き上げ、滑らかに端点を返していくという一連の流れは、艇を減速させないことにつながります。クルー間の動きを揃えて艇の進みを妨げない、これは秋から冬シーズンに掛けて狙ってきたので、1回生も少しはイメージが浮かぶでしょうか。
さて、こうした艇速に対する感覚を養う練習として、武良コーチから「ブラインドロー」なるものを教えていただきました。目をつぶって漕ぐだけだそうですが、視覚以外の感覚でどのように艇から情報が伝わってくるのかを実感し鍛えることのできるドリルです。いきなりは難しそうですが、確かに鋭敏な感覚をつかめそうです。
僕はシングルであったため自分の動きさえ考えていればよかったのですが、それでもエルゴ上で「一体化する感覚」を掴み始めたのは西医体後の自主トレ期間中でした。「ドライブ押し始めはコアで支えてハンギング」とよく言われたのですが、個人的には「上体も使いつつ一気に引ききる」と意識したほうがより身体全体でドライブする感覚をつかみやすかったです。
いかがだったでしょうか。かいつまんだ要点としては以上です。全文掲載は控えましたが、非常に丁寧にアドバイスをいただきました。コーチには本当にいつもお世話になっています。あらためて、僕達の練習環境がとても恵まれているのだなと実感しました。
読み直してみると、中村さんのおっしゃっていることはかなり的確なようですね。さすがです。アプローチの仕方は個々人様々だと思うので、皆さんのご意見もいただければ幸いです。