熱性けいれんの話
★熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、発熱に伴って生じたけいれん発作のことです。
一般には単純性または良性の熱性けいれんを指します。
☆熱性けいれんの特徴
◇ 熱性けいれんは通常生後6ヵ月から2才まで(遅くとも4才までの)に始まり、6才過ぎたら起きなくなります。
◇ こどもの内8~12%の子が熱性けいれんを起こします。
◇ 一般には両親のどちらかにこどもの頃熱性けいれんを起こしたことがあることが多く、また兄弟にあることが多い。両親共にあると、そのこどもの80%に起きます。親にあって1人の子にあると、次の子には80~90%起きます。一人の子に、1~2回熱性けいれんがあると兄弟には18%、3回あると兄弟には29%の確率で熱性けいれんが起きます。
◇ 熱性けいれんを起こすこどもの3分の2は1回で終り、3回までで終わるのが90%で、その後は熱が出てもけいれんを起こさなくなります。多くても大人になるまでに6回以内で終ります。もちろんそれ以上のことも、極くまれにあります。
◇ 通常熱が急上昇する時に、ひきつけることが多いです。だから、ひきつける前は熱がなく、ひきつけた時には、熱が高かったということが多いようです。熱が高い程起こし易く、大脳に何らかの侵襲が起きるからなると考えられています。
◇ けいれん発作の型は左右対称性で、両腕をクックックッと屈曲させ、その直後に手足をのばして固くつっぱり、その後ピクピクふるえますが、固くつっぱっただけで終ることもあります。ひきつけの特徴は、意識がなくなることですから、すぐに目を見れば分ります。けいれんの後は麻痺は起きません。(麻痺が起きるのは別の病気です)
◇ 持続時間は通常5~15分以内で終ります。1回の発熱する病気(1~3日間)でけいれんは1回が普通ですが、まれに2回くり返すこともあります。解熱剤を使って、一旦熱が下がり、しばらくしてまた熱が上がってくる時に、ひきつけやすいです。
◇ こどもに精神や運動発達の異常のないことが良性熱性けいれんの条件です。
◇ 繰り返し起こしていると、稀に(1%以下)てんかんに移行することがあります。
☆ひきつけた時の処置
①けがをしないように周囲の危険物を取り除くことです。
②安静にし、刺激をさけ、抱きしめたりしない。刺激で、ひきつけが長引きます。
③顔を横に向け、口内の唾液をガーゼかティッシュペーパー でふきとります。
吐き気がある時は、吐いたものを気管に吸い込まないように、顔を下に向けて吐かせます。
④衣服をゆるめ、呼吸を楽にしてあげます。
⑤高熱があれば、氷枕やタオルで冷やします。下熱剤は使わないこと。
⑥口に何も(割り箸、タオル、指、スプーンなど)入れてはいけません。舌が後ろに落ちて呼吸が止まることはありませんから。
⑦10~15分以上続いている時は抗けいれん剤を注射してひきつけを止める為に、小児科医のいる病院へ救急車でつれて行きましょう。けいれん止めの坐 薬を入れて様子を見てもよいです。大抵はそれでおさまります。ひきつけが止まれば、あわてて行く必要はありません。
☆熱性けいれんの予防
通常は3回以上熱性けいれんを繰返した場合に、予防を始めます。普通4~5才まで、年長ではじまった場合は6才まで続けます。
〇予防として下熱剤を薦める医者も多いですが、実際にはひきつけてから熱に気付くことが多く、間に合わないことが多いです。下熱剤に副作用があることや、熱が出るのは人間の身体が病気と闘っている為で、下熱剤は闘う力を薬で抑えてしまうため、使わない方がよいです。
〇予防の方法は、
最近はジアゼパム(ホリゾン、ダイアップ)という抗けいれん剤(精神安定剤)の予防投薬で、発熱時に間欠的に坐薬または飲み薬で、使用する方法がアメリカのNIHから1980年に熱性けいれんの管理に関する見解として出され、日本でも普及しています。(0.3~0.5㎎/㎏/日)しかし、この量だと多すぎて、翌日にも残り、ふらふらすることが多く、私は、もう少し少なめに使っています。坐薬を希望の方は申し出て下さい。
そのやり方は、熱が37.5゜C前後になったり、寒気や頭痛がして熱が出そうだったりした時に、すぐ薬(1回目)を飲ませるか、坐薬を入れます。その後5~10分後には効き始めます。
その後38゜C以上の熱が出たら、1回目から8時間後に2回目の坐薬を入れるか、薬を飲ませます。もし熱が出なかったならば、2回目は使わずに終ります。
熱が続いても、2回で終りにし、2回薬を使えば2回目から36時間以上効いていますので、その間ひきつけません。熱性けいれんは、熱の出始めに多いので、ある程度時間がたてば、ひきつけないことが多いです。
普通の病気で、48時間以上熱が続くことは稀ですし、熱が長引く時は熱の原因を確かめる必要があります。
★熱性けいれんを繰返した時に、脳波検査が必要な場合は
①熱性けいれんを3~4回以上起こした時
②1回の発熱する病気で2回以上起こした時
③無熱か、38.5゜C未満でひきつけた時
④症状が、対称的でない時や持続時間が20分以上と長い時、
⑤ひきつけ後入眠したり、麻痺が残ったりした時
★熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、発熱に伴って生じたけいれん発作のことです。
一般には単純性または良性の熱性けいれんを指します。
☆熱性けいれんの特徴
◇ 熱性けいれんは通常生後6ヵ月から2才まで(遅くとも4才までの)に始まり、6才過ぎたら起きなくなります。
◇ こどもの内8~12%の子が熱性けいれんを起こします。
◇ 一般には両親のどちらかにこどもの頃熱性けいれんを起こしたことがあることが多く、また兄弟にあることが多い。両親共にあると、そのこどもの80%に起きます。親にあって1人の子にあると、次の子には80~90%起きます。一人の子に、1~2回熱性けいれんがあると兄弟には18%、3回あると兄弟には29%の確率で熱性けいれんが起きます。
◇ 熱性けいれんを起こすこどもの3分の2は1回で終り、3回までで終わるのが90%で、その後は熱が出てもけいれんを起こさなくなります。多くても大人になるまでに6回以内で終ります。もちろんそれ以上のことも、極くまれにあります。
◇ 通常熱が急上昇する時に、ひきつけることが多いです。だから、ひきつける前は熱がなく、ひきつけた時には、熱が高かったということが多いようです。熱が高い程起こし易く、大脳に何らかの侵襲が起きるからなると考えられています。
◇ けいれん発作の型は左右対称性で、両腕をクックックッと屈曲させ、その直後に手足をのばして固くつっぱり、その後ピクピクふるえますが、固くつっぱっただけで終ることもあります。ひきつけの特徴は、意識がなくなることですから、すぐに目を見れば分ります。けいれんの後は麻痺は起きません。(麻痺が起きるのは別の病気です)
◇ 持続時間は通常5~15分以内で終ります。1回の発熱する病気(1~3日間)でけいれんは1回が普通ですが、まれに2回くり返すこともあります。解熱剤を使って、一旦熱が下がり、しばらくしてまた熱が上がってくる時に、ひきつけやすいです。
◇ こどもに精神や運動発達の異常のないことが良性熱性けいれんの条件です。
◇ 繰り返し起こしていると、稀に(1%以下)てんかんに移行することがあります。
☆ひきつけた時の処置
①けがをしないように周囲の危険物を取り除くことです。
②安静にし、刺激をさけ、抱きしめたりしない。刺激で、ひきつけが長引きます。
③顔を横に向け、口内の唾液をガーゼかティッシュペーパー でふきとります。
吐き気がある時は、吐いたものを気管に吸い込まないように、顔を下に向けて吐かせます。
④衣服をゆるめ、呼吸を楽にしてあげます。
⑤高熱があれば、氷枕やタオルで冷やします。下熱剤は使わないこと。
⑥口に何も(割り箸、タオル、指、スプーンなど)入れてはいけません。舌が後ろに落ちて呼吸が止まることはありませんから。
⑦10~15分以上続いている時は抗けいれん剤を注射してひきつけを止める為に、小児科医のいる病院へ救急車でつれて行きましょう。けいれん止めの坐 薬を入れて様子を見てもよいです。大抵はそれでおさまります。ひきつけが止まれば、あわてて行く必要はありません。
☆熱性けいれんの予防
通常は3回以上熱性けいれんを繰返した場合に、予防を始めます。普通4~5才まで、年長ではじまった場合は6才まで続けます。
〇予防として下熱剤を薦める医者も多いですが、実際にはひきつけてから熱に気付くことが多く、間に合わないことが多いです。下熱剤に副作用があることや、熱が出るのは人間の身体が病気と闘っている為で、下熱剤は闘う力を薬で抑えてしまうため、使わない方がよいです。
〇予防の方法は、
最近はジアゼパム(ホリゾン、ダイアップ)という抗けいれん剤(精神安定剤)の予防投薬で、発熱時に間欠的に坐薬または飲み薬で、使用する方法がアメリカのNIHから1980年に熱性けいれんの管理に関する見解として出され、日本でも普及しています。(0.3~0.5㎎/㎏/日)しかし、この量だと多すぎて、翌日にも残り、ふらふらすることが多く、私は、もう少し少なめに使っています。坐薬を希望の方は申し出て下さい。
そのやり方は、熱が37.5゜C前後になったり、寒気や頭痛がして熱が出そうだったりした時に、すぐ薬(1回目)を飲ませるか、坐薬を入れます。その後5~10分後には効き始めます。
その後38゜C以上の熱が出たら、1回目から8時間後に2回目の坐薬を入れるか、薬を飲ませます。もし熱が出なかったならば、2回目は使わずに終ります。
熱が続いても、2回で終りにし、2回薬を使えば2回目から36時間以上効いていますので、その間ひきつけません。熱性けいれんは、熱の出始めに多いので、ある程度時間がたてば、ひきつけないことが多いです。
普通の病気で、48時間以上熱が続くことは稀ですし、熱が長引く時は熱の原因を確かめる必要があります。
★熱性けいれんを繰返した時に、脳波検査が必要な場合は
①熱性けいれんを3~4回以上起こした時
②1回の発熱する病気で2回以上起こした時
③無熱か、38.5゜C未満でひきつけた時
④症状が、対称的でない時や持続時間が20分以上と長い時、
⑤ひきつけ後入眠したり、麻痺が残ったりした時