暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

伝える言葉

2021年05月26日 | 古民家
 コチコチと遠くから聞こえる音が・・・ギューンと響く音に変わり・・・
ザシザシと籠る音が・・・イーンと引き裂く音になって・・・。
木造の建築現場から聞こえる音が変わり始めたのは、いつの頃からなのか・・・?

無造作に・・・腰の袋に手を突っ込んで・・・
ワシッと口に、鉄くぎをほお張る・・・
タタタン・・タンタン、と小気味よく・・・玄能を振る音・・・
鉋や鑿を使う機会も少ない木造の住まいが増えて・・・
組立模型の住まいが立ち上がって行く・・・。
全部が手作業で進む住まい造りは・・・もうお目にかかることも無いだろうけれど・・・
基本の作業や、仕事に向かう姿勢は変わず・・・。
手作業が出来るから学んで・・・繋げる技術も伝えられるんだと思います・・・。

古臭く・・・時代錯誤だと言われても、伝統の文化が残されて来た意味はあって・・・
今は解らなくても・・・必ず後で後悔する繰り返しが数多くあって・・・
そうして残されて来た文化が、今も消えようとしています・・・。
忘れないで伝える言葉が残っている今を・・・大切に繋げて行ければと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笑顔

2021年05月25日 | 古民家
 たぶん・・・どこの駄菓子屋さんも、おばあさんがヨッチラと降りて来て・・・
暖かい笑顔で迎えてくれるか・・・
ムスリと仏頂面で、めんどくさそうな動きに、ヤキモキしながらのやり取りをするのか・・・。
八百屋さんや、お肉屋さんと違い・・・子供の世界のお買い物・・・
少しドギマギしながらも・・・握りしめたお金で、好きなモノを選んで買える楽しみは・・・
大人も子供も関係なく必要で、大切な暮らしの一部だと思う・・・。

望めばどんなものでも手に入る・・・
世界中に散らばるものが、その場所に行かなくても・・・自分の手の平に届く・・・。
便利なようで心もとない感覚が生まれているのかも・・・。

物々交換がしたい訳では無いけど・・・原始的なやり取りに心動かされる人も多いはず・・・
意味の無い・・・子供じみた話題でニヤケ合いながらのひと時・・・
見知った顔ばかりで、うんざりしながらも・・・仕方が無いな、と・・・毎日が繰り返す・・・。
派手な毎日は刺激的だけど・・・変わらない暮しの中に、安心があって・・・
暖かい笑顔は生まれるんだと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夢の世界

2021年05月24日 | 古民家
 ポツポツと、明りが灯る時・・・
いつもと違う時間の流れに・・・心がここちよくザワついていると・・・
友達が迎えに来て・・・いつも歩く町までの道も、違う世界に入る不思議な入り口のように感じていた・・・。

娯楽の乏しさが・・・お祭りやお正月に彩りを添えて・・・
ささいな変化が、日々の喜びに変えてくれる・・・。
子供以上に、大人達が騒がしいお祭りの夜は・・・
屋台の裸電球も眩しくきらびやかな中で・・・子供達は夢のような時間を過ごしている・・・。
今思えば、怪しいお菓子におもちゃや・・・一癖あるおじさん達・・・
田舎の小さな町に、数日現れる夢の世界も・・・
お祭りが終われば・・・狭くて気にも留めない普段の通り道・・・。

古民家の残る町並みも・・・活気ある田舎町も・・・
人の暮らしが町を育てて・・・町が人を守ってくれる・・・。
大きな人の流れに・・・人の息遣いが聞こえなくなる町の暮らしが寂しく・・・
失われる速さは止められないかも知れないけれど・・・。
守り残す想いは、この先もゆっくりと繋げられるんだろうと思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食わず嫌い

2021年05月23日 | 古民家
  ものごころ付く前から、漆喰(石灰石)は人の暮らしの中にありました・・・。
紀元前2500年以上前から存在があったようで・・・石造りの神殿に使われ・・・
日本のお城の白壁にも、漆喰に加工されて使われていました・・・。
工業製品・・・鉄鋼業、農業にも無くてはならない素材として、今も変わらず大切な資源として広く使われているのに・・・
住い造りの中では・・・本来の役割が発揮出来ない、さみしい役割になってしまいました・・・。

大切なモノを守る土蔵は・・・盗難から守る堅牢な造りですが・・・
それ以上に、火災に強い造りが必要で・・・厚い土壁造りが生まれて・・・
竹小舞の技も・・・地域の環境や職人さんの工夫で、ずいぶんと変化して来ました・・・。
立派な造りの住まい以上に・・・土蔵の普請には大きな費用も必要で、財を成した証だったものが・・・
今では厄介者扱いになり・・・解体するにも一筋縄ではいかず・・・
板金を壁に被せる悲しい補修の後・・・朽ち果てるのを待つ姿を良く見かけます・・・。

良いモノと解ってはいても・・・負担と思う考え方が先に来てしまい・・・
食わず嫌いになっている伝統の技・・・。
大人になって食べてみたら、意外に行けた・・・。
見てみたら・・・すごく興味を持てた・・・。
気軽に経験出来る機会も増えて・・・姿を変えて受け入れやすくなったりもして来た伝統技術もたくさんあります・・・。
土壁や漆喰・・・本来の良さを住まい造りに生かせる使い方を知る機会を・・・
多くの場所で創って行けたらな・・・と、思います。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さくなる

2021年05月22日 | 古民家
 小さくて低い鉄棒・・・
近づくと・・・自分の腰よりも低くて、逆上がりしようにもずいぶん低すぎて・・・
ブルンと回れば、オデコでもぶつけてしまいそうなくらい・・・。
もういいかい・・・と、いそいで隠れた・・・半分地面に埋まったタイヤの中・・・
見下ろせば・・・自分の膝よりも低くて・・・
融通が効きそうできかない成長に・・・流れた時間の速さを感じます・・・。

公園があった場所が・・・お城だったり・・・。
名前も知らない小さな川が・・・道路だったり・・・。
町の姿は絶えず変化して・・・思い出の残る場所が、知らない街になってしまう・・・。
時間が止まった場所に、そこかしこで出会う偶然が・・・少しづつ無くなり・・・
見聞きした穏やかな暮らしぶりも・・・記憶に残せなくなって来てしまったのか・・・?

三軒両隣のお付き合いでさえ、ままならない暮しの中では・・・
人を受け止める心が・・・その先に繋がる事は無いのだろうと思います・・・。
おはようございますとこんにちは・・・何時からがこんばんわ?の他愛のない言葉のやり取りが・・・
小さな子供と、大人とで自然に交わされる暮らし・・・
住いの窓が小さくなるように・・・心も窓も、ずいぶんと小さくなってしまったのかも知れません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする