暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

引き戸

2021年05月21日 | 古民家
 チリリンと鳴きながら扉を滑らせる・・・
ガリゴリと、両手で引く扉・・・。
扉と言えば引き戸を思い浮かべ・・・木の板や障子に襖・・・
カサカサと頼りないガラス戸も・・・日本の景色にはとても似合う室礼です・・・。

開き戸も見ない事は無いけれど、古い農家の造りは引き戸が多く・・・
間仕切りとして襖を並べ、家族時間として・・・大勢が集まれば、外して大広間として使える・・・。
招き入れる造りの日本家屋と比較して・・・招き入れない、人を拒む造りの欧州の住まい造り・・・。
歴史の違いで・・・文化の違いで、ずいぶんと開け閉めの様子も変わってしまいました・・・。

加工技術が拙い時代は・・・開き戸も引き戸も無くて・・・
屏風や衝立だったり・・・板を吊ったような扉だったりもして・・・。
あかりや風を迎え入れる開放的な住い造りに、引き戸のような建具は必要だったと思う・・・。
ひしめき合う暮らしに、あかりも風も・・・自然の営みは必要とされなくなって・・・
外と内を分けてしまう住まい造りに・・・隙間だらけの引き戸は似合わないと言っているみたいに・・・
伝統的な暮らしが薄れゆく住まい造りになってしまったような気がします。






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一生育てる

2021年05月20日 | 古民家
 手で触れると・・・ザラリと感じ、フワリと心地よく・・・
スルリと滑らかに・・・チクリと荒々しく・・・。
木の感触は・・・極彩色豊に表現してくれます・・・。
樹種の違いもあるけれど・・・木目の穏やかさに激しさ・・・
仕上げ方でも、いろんな表情を見せる時があり・・・
人工的に作られ・・・騙されそうなくらいのフェイクの材料でも・・・
触れればその心地よさの違いが・・・自然の力を感じさせてくれます・・・。

木肌を表した木造住宅は少なく・・・最近では、壁や天井の一部に板張りを見つけますが・・・
木の表面を樹脂の塗料で潰してしまった仕上げ材も多くて・・・
呼吸する無垢板・・・木に触れ、少しづつ褪せて色合い良く育つ姿も減って・・・
木を生かした住まい造りに出会わなくなりました・・・。

伐採後も呼吸をする木材は、歪んだり縮んだり・・・生きている声を聞きいてほしいのに・・・
手当てをするのが面倒で・・・傷や音がするのを嫌がり・・・
木材なのに・・・木材とは言えない商品に加工してしまい・・・
死んでしまった標本のような木を、並べているように思います・・・。
一生育てる自分の子供のように・・・大きくなっても子供なんだと思えるように・・・
住いも・・・一生育てなければいけない、大切な関係なんだと思います。
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お手本

2021年05月19日 | 古民家
 毎日続ける仕草のように・・・繰り返す大切さ・・・。
人の手が包み込む優しさは・・・いつも変わらない自然な姿に癒されます・・・。

味噌や醤油を家庭で育み・・・ぬか漬けに漬物は家庭の味となり・・・。
自然の力を借りて暮らしを整えるには・・・ささいだけれど、毎日の手当てが必要です・・・。
伐採の時期を見ながら育てた自然の乾燥材・・・海藻糊や土、麻を混ぜた漆喰・・・
自然を相手にするには、我慢と辛抱が無ければいけなくて・・・
思い通りに行かない事も度々あるようで・・・
人件費が安かった頃とは違い・・・思ったよりも費用も必要になる・・・。
それでも・・・日々、少しのお手入れがあれば・・・
それは50年・・・100年、と暮らしを守ってくれます・・・。

一生のお付き合いが出来るモノとは・・・
姿カタチが普遍的で・・・いつの時代も安心を与えてくれるもの・・・
そんな風に思うと・・・
いつでも変わらない自然の様子を、お手本に暮らして来た時間は・・・
この先も、ずっと安心出来る住まい方なんだろうと思います。



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ガサガサと

2021年05月18日 | 古民家
 水面がサワサワ鳴く音と一緒に・・・チロリと鳴く鳥の声と歩いて・・・
気付かれないように昇る、おひさまの明るさを受けながら・・・
ぼんやり散歩をするのも・・・
ジュワリと沈むおひさまを背に・・・帳の中に入って行くのも・・・
何か目的が造らないと・・・1歩前に、足は重たくて・・・。
せめて・・・楽しい風景を見ながらの散歩に、想いをめぐらせます・・・。

同じような建物に・・・同じような川の端を歩いて・・・
窓に映る景色のつまらなさを感じても・・・人工的な建物に、草花が元気の無い公園では・・・
今日はどこへ向かおうか・・・?どんな道筋を歩こうか・・・?
森の中は様子はどうだろうか・・・?
毎日の変化に心躍らせる楽しさが、住まいの近くを囲んでいるのは、とても幸せだと思う・・・。

ゆっくりと流れる時間の中では・・・そんな暮らしの変化を楽しみ・・・
変わらない毎日も・・・どこかで違いを見つけ、肌で感じて・・・
子供にその変化を教えてもらい・・・親子でも楽しむ毎日が繰り返されていました・・・。
派手な生活はでは無いけれど・・・家族や兄弟でガサガサと、暮らしの騒がしさは・・・
かけがえの無い時間を育てているのだろうと思います。

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TVの中

2021年05月17日 | 古民家
 あの主人公が暮らした住まい・・・50年変わらない家族の暮らす住まい・・・。
小説やアニメに漫画・・・ドラマや映画の中での小気味よいやり取りが思い出され、印象に残る住まいはいくつも思い出されます・・・。
大家族の小さな住まいに、憧れるモダンな部屋・・・想像の世界に入り込んだ場所や、手の届きそうに無い景色まで・・・
時代と共に、その様相も変わって来ました・・・。

木造のイメージが悪くなるのは・・・時代遅れな感覚と、災害や社会の情勢が追い風になり・・・
プレハブやコンクリートの住まい作りが生まれて来て・・・
無粋な和風建築と思われながらも・・・ほそぼそとその名残が地方に残っていました・・・。
戦後、ずいぶん過ぎて・・・古民家の良さも見直されては来ましたが・・・
箱モノばかり目新しく・・・住まいの変化の流れは今も止まりません・・・。

頭の中には・・・穏やかな場所で、素朴な住いを思い浮かべるのに・・・
実際の住処は新しくて快適でも、本当に求める居場所では無いような気がします・・・。
ドラマのみたいに・・・アニメの世界のようにも暮らせないと思うかも知れませんが・・・
なんて事の無い質素な台所や・・・昭和の時代溢れる住まいは・・・
それが当たり前の暮らしで・・・
何かに付けて心を引き付けるのも・・・そんな時代の暮らし方です・・・。
TVの中には・・・今も昔も、夢が詰まっているんだと思います。



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