チリリンと鳴きながら扉を滑らせる・・・
ガリゴリと、両手で引く扉・・・。
扉と言えば引き戸を思い浮かべ・・・木の板や障子に襖・・・
カサカサと頼りないガラス戸も・・・日本の景色にはとても似合う室礼です・・・。
開き戸も見ない事は無いけれど、古い農家の造りは引き戸が多く・・・
間仕切りとして襖を並べ、家族時間として・・・大勢が集まれば、外して大広間として使える・・・。
招き入れる造りの日本家屋と比較して・・・招き入れない、人を拒む造りの欧州の住まい造り・・・。
歴史の違いで・・・文化の違いで、ずいぶんと開け閉めの様子も変わってしまいました・・・。
加工技術が拙い時代は・・・開き戸も引き戸も無くて・・・
屏風や衝立だったり・・・板を吊ったような扉だったりもして・・・。
あかりや風を迎え入れる開放的な住い造りに、引き戸のような建具は必要だったと思う・・・。
ひしめき合う暮らしに、あかりも風も・・・自然の営みは必要とされなくなって・・・
外と内を分けてしまう住まい造りに・・・隙間だらけの引き戸は似合わないと言っているみたいに・・・
伝統的な暮らしが薄れゆく住まい造りになってしまったような気がします。