雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

18時25分から撮った「北アメリカ星雲 (南部)」

2023年11月08日 | 天体写真(星雲・星団)
2日夜は頑張って設営したものの、あまりの透明度の悪さで早々撤収しました。

翌3日夜もSCW予報では22時ころには雲量”0”となり、早朝3時ころまで雲なしの予報。
ただ下弦前の明るい月が21時頃には上ってくるという悪条件は変わらずで、
前夜の透明度の悪さから期待しないで早い時間に機材を設営。
予報では夕暮れ時は雲量20%だったのですが、思いがけずすっきりした空。
そこで薄明終了直後の18時半ころから撮影を開始しました。
(こんな早い時間から星雲や銀河を撮るのは初めて?)

この夜の1タイトル目は この星雲なら近隣の灯火の明かりに負けないだろうと、
はくちょう座の北アメリカ星雲でも特に明るい南部です。

 北アメリカ星雲 (南部) (はくちょう座) 
( 元画像の 65%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2023/ 11/ 3 18:25’~ Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出 360秒 × 20枚 (Gain150) ASI533MC Pro(冷却-10℃) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています

今回も ASI533MC Proによる撮影ですが、Gain設定をユニティーゲインの”100”にするか悩みました。
結局、やがて月が上って撮影時間が限られることから Gain”150”を選択し、
「撮影効率」と、「ダイナミックレンジの広さ」 の両立(妥協点)を図ることにしました。
( *自前の検証結果ではGain150ならGain100の約6割の露光時間で 同じ輝度レベルが得られる )

撮影画像を見ると明るい星雲の割には ”ねむたい” 画像となっています。
これは薄明終了直後で灯火で空が明るいせいもあるのですが、
今回は 画像処理の過程で星の色が飽和しないように
意識して表示レベル広めで処理しているせいかも知れません 。

比較のため、2018年に同じR200SS鏡筒でフルサイズのデジ一眼EOS 6Dで撮影した
北アメリカ星雲・ペリカン星雲になります。 ↓
総露光時間は少ないものの、こちらは灯火の暗くなった深夜帯での撮影です。

更にしつこく、両画像の同じ範囲を切り出しての比較です。↓
(参考データ) ピクセルサイズ: 533MC 3.76μm   EOS 6D 6.58μm

ピクセルサイズのちがいによる星像の分解能のちがいは明らかですが、
533MCのGain"150"によるワイドレンジ(諧調の豊かさ)は というと ・・?
撮影画像では星の色が飽和していなくても、
画像処理で暗く淡い星雲を浮かび上がらせる過程で明るい星は白く飽和してしまいます。

明るい星と暗い星雲の輝度差は極めて大きく、
仮に撮影画像ではワイドレンジで輝度データが保存されたとしても、
モニター画面やプリント用紙上でそれを再現することは困難(不可能)なのでは?
と思ってしまいます。

撮影時の空の状態の記録にもなる「只今撮影中ショット」です。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年11月 3日 19時58分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

写真でみると北の方角(右上)が灯火で明るいのがわかります。


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5日夜はさらに期待できる雲予報だったのですが、
親戚の一周忌の法要参加で外泊したため撮影できず。
まさに”逃がした魚は大きい!” でした。
宿泊した越後川口の宿から見えた夕日がきれいでした (スマホにて撮影)


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空がひどけりゃ尻尾を巻いて退散の巻『IC1396・象の鼻』

2023年11月04日 | 天体写真(星雲・星団)
まだ月は下弦前で新月期ではないのですが、贅沢が言える状況でないので
2日夜のSCWの雲予報に期待して機材を設営しました。
太めの月が上ってくるのが20時過ぎ、予報で雲が無くなるのも同じような時間帯。
月が高くなるまでの早い時間帯に 1タイトルでも撮れれば
ブログ記事が書ける・・ という魂胆でした。

20時後半になってやっと雲が無くなったのですが、肉眼では北極星も見つけにくいような空。
21時過ぎの空  これでも30秒露光6枚コンポジットで画像処理しています

すでに機材を設営した以上は何か撮らねば、ということで
ASI533MCでケフェウス座のIC1396の通称『象の鼻』を狙いました。
総露光時間2時間をかけたのですが、
もっと明るい「北アメリカ星雲」にしとけばよかったと後悔。

 IC1396 象の鼻  (ケフェウス座) 
( 元画像の 30%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2023/ 11/ 2 20:54’~ Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出 360秒 × 20枚 (Gain150) ASI533MC Pro(冷却-10℃) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理のみ行っています
今回は空の状態からユニティーゲイン(Gain100)はあきらめて、それに近いGain150に初挑戦。
それでも感度が低下するので、露光時間を6分に延ばしています。
本来ならば Gainを下げた事による諧調の拡がり等の効果の検証もやりたかったところですが、
空が悪すぎました。
空の悪さはどうしようもなく 更に月も高くなってきたので、早ばやと撤収しました。

これだけではさみしいので
自宅の”庭撮り”でも、空がよければもう少しまともな写真が撮れる証拠の過去画像。
( 黄色の枠内が今回の533MCの撮影範囲です )
2022年10月26日撮影 今回と同じR200SS鏡筒ですが、
カメラがフルサイズのEOS 6Dのためほぼ星雲全体が入っています
上の画像の撮影時のブログ記事および撮影データは ⇒ こちら

当初の目的であったブログ記事には、なったのですが ・・・・


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実はこの翌日3日夜も同じような雲予報だったので、
期待しないで設営したのですが、かなりいい空でした。
室内からリモートで撮影しながら、このブログ記事を書いていました。
一本どころか、4本分の記事になりそうです。

裏庭のリンドウ、夏の猛暑に焼かれて てっきり全滅かと思っていたのですが、
不思議な事に なぜかいつもの年より元気に咲いています


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