折立教室だより   子育てのちょっとしたヒントになればうれしいです

公文式の教室を初めて23年になります。たくさんの小さな「できた!」と大きな「ワクワク」に囲まれて私も日々成長しています。

ほめる育児は正しいか?

2023-03-04 08:28:05 | 子育てもろもろ


 ほめて伸ばす、ということが最近は定番のようになっています。確かに叱られるよりは褒められた方が誰でも嬉しいですが・・・・はたして、ほめる子育ては正しいのか、ちょっと考えてみましょう。

 ほめる指導、と言って真っ先に思い出すのは、故小出義男監督です。岐阜市出身の金メダリスト高橋尚子さんを始め、有森裕子さん、千葉真子さんなど、有名選手を続々輩出した名監督です。彼は、自分が担当のどの選手にも「世界一になれる」と言い続けたそうです。
 小出監督のやり方が有名になって、真似をする人が続出したそうですが、特に良い結果にはつながりませんでした。最近は「叱らない育児」というのもありますね。ひたすらほめて育てる、親も子も嫌な気持にならなくて、ハッピー。

 実はこれには落とし穴があります。ほめられるだけで育てられた子は、「失敗しそうなことにはチャレンジしない」ようになる、という実験結果が出ています。子どもにもプライドがあるので、これまで当たり前のように大人にほめられていたのに、次はほめてもらえない、というのは傷つくからでしょう。
 
 では出来たらほめてご褒美を、失敗したらご褒美なしで叱る、というのはどうでしょう?これは、多少のことは良いですが、多用するとどこかで急にやる気を無くす、という現象が起きます。はじめは「面白そう」と思ってやっていたのが、行動の目的が「報酬をもらう」ことに置き換わってしまうためです。報酬無しではやる気が出なくなってしまうのです。これをアンダーマイニング現象と言います。基本的には、おもしろそう、やってみたい、と思わせるような働きかけをするのが大切だと言えます。教室ではよく、算数・数学の世界のワクワク感、国語の奥深さ、英語の便利さなどを話しています。今日やった教材が難しくても楽しかった、と思ってもらえるよう心がけています。
 「ほめる子育て」は正しいか?
 それは、何をほめるかに掛かっているように思います。結果をほめると次は失敗できなくなります。チャレンジできたこと、努力できたことを一緒に喜んでやれば、子どもは達成感や、自己肯定感を感じるのではないかと思います。