ニューイングランド地方のかつて工場で栄えた町エンパイア・フォールズは、いまやすっかりさびれてしまっていた。
その中で「エンパイア・グリル」というレストランを営むマイルス(Ed Harris)は、ろくでなしの父親マックス(Paul Newman)の存在に手を焼きながら、ただ流されるままに日々を送ろうとしていた。
マイルスの妻ジャニーン(Helen Hunt)は夫から愛されていないことに気づき、不倫の果てに離婚、マッチョ自慢のイヤな男と再婚しようとしており、娘クリスティーナ(Danielle Panabaker)はそんな母親に反発し傷ついていた。
そして弟のデヴィッド(Aidan Quinn)はジャニーンの母と組んで店を大きくしようとマイルスに持ちかけるが、マイルスは煮え切らないのだった。
町の名家ホワイティング家のフランシーン(Joanne Woodward)は、町のすべてに通じ長く支配的に抑え込んでおり、誰も逆らえなかった。マイルス達の計画もフランシーンの支配の前に実現不可能に見えた・・・
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WOWOW エンパイア・フォールズHP
風邪で寝てる間たまった録画を見ていた中で、これが非常にガツンときました。
リハビリを兼ねてちょっと語ってみます。
エド・ハリス、ポール・ニューマン、ヘレン・ハント、ロビン・ライト・ペン、フィリップ・シーモア・ホフマン・・・って、ハリウッドの大作ですかな感じの顔ぶれがよくぞそろったという、それだけでも興味が惹かれるところなのですが。
エド・ハリスとポール・ニューマンが親子、って。
そんなことはありえるのか?と思ったら、ありえるんですね・・・。
ニューマンが薄汚れたダメダメじじいになっていて、自分の頭の中の最新の記憶=「ロードトゥパーディション」のダンディなギャング姿が完全に粉砕されてしまい、ニューマンの役者としての底力を堪能させられました。
エド・ハリスも、言いたいことも言えずに口ごもってばかりの不器用な中年男の悲哀を丁寧に演じています。この二人が最後には「あぁ、親子って似るもんなのね」という錯覚に陥らせてくれるのです。
一本一本のしっかりした素材の糸が、決して華やかさはないけれど、地味でも風合いのしっかりした、長くそばに置いておきたいタペストリーを作り上げているような、そんな感じの作品じゃないかと思います。
アツ苦しい演技合戦があるわけじゃなく、個性派俳優それぞれが持ち場をしっかり守りながら、かつ意外性を発揮しつつ、アンサンブルを奏でている感じですね。
でも最後はちゃんとニューマンが宮本信子においしいところを持っていかせ(違)。
前後篇のドラマとして制作されたわけですが、映画の尺では入りきらないぎっしり詰まった人間模様があって・・・
父と子、母と娘、元夫婦、幼馴染、奪った者と奪われた者、愛されたかった者と愛せなかった者の相克が、押し流されていく川の流れのように淡々と描かれる前半。
しかしその流れは、川と同様作られた不自然な中に押し込められているために、大きなうねりとなって氾濫を招き・・・後半の避けようのない悲劇へと導かれていきます。
これ、4月2日と3日にまたWOWOWで放送があるようなので、よろしければご覧ください。派手な演出がお好きな方には向かないかもしれませんが、心にしみる佳作がお好きな方にはオススメです。
あとネタバレしても大丈夫な方は、ジョン役の子のHPに撮影の時の写真が出てましたので、これもどうぞ。
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で、上の公式ページに載っていない海外ドラマ偏りな脇チェックをあっさり目にちょっと。
◆マイルスの娘クリスティーナ(ティックス) .... Danielle Panabaker
彼女の妹Kay Panabakerが「CSI:6」から登場する新しいキャサリン娘リンゼイ役。
◆マイルスの幼馴染で警察官ジミー .... William Fichtner
「インベイジョン」の保安官トム役。「プリズンブレイク2」からはレギュラー。
◆ジャニーンの再婚相手ウォルト .... Dennis Farina
「ロー&オーダー」のフォンタナ刑事役
◆フランシーンの娘シンディ .... Kate Burton
「グレイズアナトミー」のメレディス母エリス・グレイ役。何か似たような役だったなぁ。
◆グリルの店員でデヴィッドの恋人シャリーン .... Theresa Russell
ニコラス・ローグ的宮本信子。そのために「マリリンとアインシュタイン」でマリリンをやってしまう無茶も許されている。
◆ジャニーンの母で酒場のおかみビー .... Estelle Parsons
「俺たちに明日はない」でクライドの兄の妻ブランシュ役でアカデミー助演女優賞受賞。
◆いじめっ子でウォルトの息子ザック .... Trevor Morgan
「ジュラシックパーク3」のエリック坊やとか、ERアンスポー部長の息子がこんなに大きくなりました。
◆若き日のマックス .... Josh Lucas
「ステルス」の主演とか「ビューティフルマインド」とか「ハルク」とかの彼をあんなちょっとだけ使うとは。
ちゃんとヤングニューマンに見える!
その中で「エンパイア・グリル」というレストランを営むマイルス(Ed Harris)は、ろくでなしの父親マックス(Paul Newman)の存在に手を焼きながら、ただ流されるままに日々を送ろうとしていた。
マイルスの妻ジャニーン(Helen Hunt)は夫から愛されていないことに気づき、不倫の果てに離婚、マッチョ自慢のイヤな男と再婚しようとしており、娘クリスティーナ(Danielle Panabaker)はそんな母親に反発し傷ついていた。
そして弟のデヴィッド(Aidan Quinn)はジャニーンの母と組んで店を大きくしようとマイルスに持ちかけるが、マイルスは煮え切らないのだった。
町の名家ホワイティング家のフランシーン(Joanne Woodward)は、町のすべてに通じ長く支配的に抑え込んでおり、誰も逆らえなかった。マイルス達の計画もフランシーンの支配の前に実現不可能に見えた・・・
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WOWOW エンパイア・フォールズHP
風邪で寝てる間たまった録画を見ていた中で、これが非常にガツンときました。
リハビリを兼ねてちょっと語ってみます。
エド・ハリス、ポール・ニューマン、ヘレン・ハント、ロビン・ライト・ペン、フィリップ・シーモア・ホフマン・・・って、ハリウッドの大作ですかな感じの顔ぶれがよくぞそろったという、それだけでも興味が惹かれるところなのですが。
エド・ハリスとポール・ニューマンが親子、って。
そんなことはありえるのか?と思ったら、ありえるんですね・・・。
ニューマンが薄汚れたダメダメじじいになっていて、自分の頭の中の最新の記憶=「ロードトゥパーディション」のダンディなギャング姿が完全に粉砕されてしまい、ニューマンの役者としての底力を堪能させられました。
エド・ハリスも、言いたいことも言えずに口ごもってばかりの不器用な中年男の悲哀を丁寧に演じています。この二人が最後には「あぁ、親子って似るもんなのね」という錯覚に陥らせてくれるのです。
一本一本のしっかりした素材の糸が、決して華やかさはないけれど、地味でも風合いのしっかりした、長くそばに置いておきたいタペストリーを作り上げているような、そんな感じの作品じゃないかと思います。
アツ苦しい演技合戦があるわけじゃなく、個性派俳優それぞれが持ち場をしっかり守りながら、かつ意外性を発揮しつつ、アンサンブルを奏でている感じですね。
でも最後はちゃんとニューマンが宮本信子においしいところを持っていかせ(違)。
前後篇のドラマとして制作されたわけですが、映画の尺では入りきらないぎっしり詰まった人間模様があって・・・
父と子、母と娘、元夫婦、幼馴染、奪った者と奪われた者、愛されたかった者と愛せなかった者の相克が、押し流されていく川の流れのように淡々と描かれる前半。
しかしその流れは、川と同様作られた不自然な中に押し込められているために、大きなうねりとなって氾濫を招き・・・後半の避けようのない悲劇へと導かれていきます。
これ、4月2日と3日にまたWOWOWで放送があるようなので、よろしければご覧ください。派手な演出がお好きな方には向かないかもしれませんが、心にしみる佳作がお好きな方にはオススメです。
あとネタバレしても大丈夫な方は、ジョン役の子のHPに撮影の時の写真が出てましたので、これもどうぞ。
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で、上の公式ページに載っていない海外ドラマ偏りな脇チェックをあっさり目にちょっと。
◆マイルスの娘クリスティーナ(ティックス) .... Danielle Panabaker
彼女の妹Kay Panabakerが「CSI:6」から登場する新しいキャサリン娘リンゼイ役。
◆マイルスの幼馴染で警察官ジミー .... William Fichtner
「インベイジョン」の保安官トム役。「プリズンブレイク2」からはレギュラー。
◆ジャニーンの再婚相手ウォルト .... Dennis Farina
「ロー&オーダー」のフォンタナ刑事役
◆フランシーンの娘シンディ .... Kate Burton
「グレイズアナトミー」のメレディス母エリス・グレイ役。何か似たような役だったなぁ。
◆グリルの店員でデヴィッドの恋人シャリーン .... Theresa Russell
ニコラス・ローグ的宮本信子。そのために「マリリンとアインシュタイン」でマリリンをやってしまう無茶も許されている。
◆ジャニーンの母で酒場のおかみビー .... Estelle Parsons
「俺たちに明日はない」でクライドの兄の妻ブランシュ役でアカデミー助演女優賞受賞。
◆いじめっ子でウォルトの息子ザック .... Trevor Morgan
「ジュラシックパーク3」のエリック坊やとか、ERアンスポー部長の息子がこんなに大きくなりました。
◆若き日のマックス .... Josh Lucas
「ステルス」の主演とか「ビューティフルマインド」とか「ハルク」とかの彼をあんなちょっとだけ使うとは。
ちゃんとヤングニューマンに見える!
ジョシュ・ルーカスやカポーティことフィリップ・シーモア・ホフマンが、ちょい役というか脇役なのは結構びっくりでした。
WOWOWさんは発掘上手です。
これは原作は小説なんですよね(CMで言ってたような)。読んでみたいです。邦訳があることを祈ります。
P.S.、本つながりで恐縮ですが、3月29日に徳間書店さんから「ミディアム」のアリソン・デュボアさんが書いた本が出版されるそうです。ドラマ公式HPにあった自伝かどうかはわかりませんが・・・。
俳優の使い方が何しろ贅沢で、内容もブラボー。終わった後にみっちり満足感でため息が出てしまいました。
原作ですが、日本では翻訳されてないらしいんですね。私もこれは絶対原作を読まなきゃいけないドラマだなと思ったんですが・・・
イヤーほんとこれはいい。
一瞬頭の中でパトリシア・アークェットの自伝かぁ、かなりハードだなとか思ってしまいました(爆)違いますね(^_^;)
↓これですね。多分自伝的エッセイみたいなのですかね。
http://www.tokuma.jp/CGI/book/base/books.cgi?proc=4&isbn=4-19-862304-3
Amazonでは現在ペーパーバックのみ、しかも7月発売ってどういうことだみたいな(^_^;)
http://www.amazon.co.jp/Are-Their-Heaven-Allison-DuBois/dp/141652679X/
徳間もずいぶん長い邦訳タイトルをつけましたね。
Amazonで売ってないと、うちの近くじゃ売ってなさそうな本かも・・・
情報ありがとうございましたm(__)m
エド・ハリスもポール・ニューマンも当たり前に好きだけど、もうね、CB!! ああっ!わたしの理想の男!! リアルならもっとダメ男がいいんだけど、物語の中ならCB!!
ダメ男と出会いたいなあ(笑)。CBはわたしにはあり得ない男だからなあ。
もっと多くの人に見てほしいですね、この名作。
CBとジミーという、そのチョイスにもろ手挙げて死ぬほど笑いながら大賛成です。
CBがねぇ、娘の「ワキャー!パパァ~~~!!」を聞いた後の絶望の表情とか、もう持って行きすぎでしょう。このダメ男の中のダメ男!!
ジミーもなんていうか、すべてにおいて3センチくらいずつ現実認識がズレてるあたりがたまりませんでしたね(^_^;)
ザックが多分10年後立派なダメ男に成長してることも期待できるつーか。
ダメ親父ポールニューマン、すごく良かった~。
実物はあれに近かったりして・・・なんて勝手に想像してみたり!
エド・ハリスも、フィリップ・シーモア・ハフマンも ん~~~、すごく豪華でしたね。
インヴェイジョンのトム、あ、エリス・グレイだ!とか 一人でウキウキしながら見ていました。
でもあの乱射事件、入れなきゃいけなかったかなぁ?と。エドハリスが記憶をたどっていき、やっと過去を乗り越えて行く・・・見たいな方向で十分じゃなかったか
なんか・・・んー、まぁしょうがないですかね。でも こういうドラマ、もっと見たいですよね!映画よりも濃かった感じが (長々失礼しました)
ほんとにゴージャスなキャストなのでニヤニヤわくわく見ちゃいますよね。
あの乱射事件は唐突さが否めなくて、盛り上げるにしても他の方法はなかったのかなぁとか、過去のいわくにちなんだ事件じゃだめだったのかなーとか思ったりしました。
あのいじめられっ子を活かす道があれしかなかったんでしょうかね。ちょうど乱射事件が社会背景的に注目されてたから、とか。
そこが残念ですが、心に残るドラマですよね。