くまぷーの海外ドラマblog

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CSI:マイアミ3 第9話「危険な集団」

2005年11月30日 | CSI:マイアミ
漂流の学生たちを助けたヘリが降りてくる時、「ヘリとホレイショ」の、キレイな構図に大笑い。
んもぉ、マイアミのスタッフったらホレイショ侍のキメかたに命かけてますね。
今回は「後悔するがいい」とか「マイアミが深刻な危険地帯になった」とか、侍のキメ台詞は爆裂度合いが中規模だったので、あのヘリとホレイショのコラボレーションを堪能させていただいた。
もうひとつキメ台詞では「死人にも血があったのか」があったのだが、それを受けたアレックスの
まぁホレイショ、それって全然面白くないわ」みたいな、生暖かい微笑が物語っていたような気がする。ホレイショ、狙いすぎはよくない。

しかし演出が派手だ。多分ベガスと制作費はそんなに違わないのだろうが、明らかにハデだと感じる。ヘリにボートに爆破シーンに。
中古車ディーラーの車を全部調べる時、時間を短縮するためか、デルコが検知器を使っていたのも「マイアミデイド署は金あるなー」って感じ。もしベガスだったら、グレッグとかニックが「検知器つかったほうが早くありませんか?」とか言ったらグリッソムが「機械に頼ると見落としが出る」って却下しそう。

移民国家アメリカの病理が今回の話の根底に。フランスの暴動事件の例を挙げるまでもなく、あちこちで移民との軋轢は問題となっており、マイアミという南米と接する地域の抱える問題の一端を垣間見られた格好だ。
元々はアメリカ自体が移民から建国したわけで、白人のモーガンの「正統なアメリカ人」などという物言いはお笑いであり、何にも考えなければ「裕福な白人の差別ってひどいよなー仲良くやれればいいのにー」っていう結論になるのだろうが・・・・でもそんな簡単なものではないだろう。
ベガスでは、無知から差別発言をしてしまう役回りは、なぜか大抵ニックになっている。その損な立場が今回はトリップに割り振られていた。もしスピードルが生きていたら彼がやらされただろうか?とふと思った。普段プエルトリカンが犯人の時にはここまでわかりやすい構図で語ったりはしないだろうに、気を使うものなんだな。
確かに共存が理想だろうが、30年間も言葉を覚えようともしない彼らの対策に税金が使われ、なのに犯罪や麻薬を持ち込んで被差別者面、雇用は奪われる一方というのでは、健全な隣人関係を築けと言われても結構難しいものがあるだろう。だからと言って銃を手にするのは間違いだが、彼らの忌避感すら主人公たちを味方につけて否定するのでは、問題の根本的解決にはならないような気がする。
でも既に、許容か銃かみたいな選択肢しか残されていないのがマイアミの現状なのだろうか。そりゃアレックスが連続残業になるわけだわと。

「ザ・ホワイトハウス」のシーズン1パイロットで、バートレット大統領がキューバ人の難民ボートが到着したことについてこういう台詞がある。
 「背中に服をまきつけて彼らは嵐を超えてきた。
  生き延びてきた者はよりよい生活を求めている。
  なんと感動的だ。私が言いたいのは・・・・ さぁ、気を引き締めろ」
この時にバートレットが言った「気を引き締めろ」よりもさらに強い覚悟が、今アメリカに求められているんだろう。他から憧れられ、移民たちがこぞってアメリカを目指し、さらにアメリカを強くするという幻想はもうすでにない。
この間横浜で、「ひらがなや漢字でない看板」ばかりの通りを歩いて耳慣れない言葉ばかりが耳に飛び込んできて、「ここは日本?」と思った。日本もすでにそういったことから他人事ではないのかも。

ウルフくんは一番最初の勢いはどうした、という感じで、今回もちょっとグレッグ化していた。「目の液体」の採取は私も正視できないけれど。
それでもヒラメキが事件の解決に役立っていたようだし、ヴァレーラに案の定ちょっぴり冷たくされても、気にしない~といったマイペースがいい感じだ。
しかし今回はデルコファンが喜んだのではないだろうか。久々の「水を得たデルコ」だったし。

今回、湾岸警備隊の女性(Malaya Rivera Drew)がカワイイ感じだったので、調べてみたけど全然ひっかかりがなかった。まだ女優になって2年位みたいなので、これからに期待。
しかしマイアミでは、今回出てたラボ娘二人ヴァレーラとシンシア・ウェルズといい、キャスティングのひとの好みが一貫してるような気がしないでもない。黒っぽい髪の細身の、気が強そうな子。プエルトリカンなマイアミ美人てことなのかな。

ところで、今回珍しく食事の時間に放送がぶつかってしまった。どうしても見たかったのでテレビをつけて、最初のほうはグロなので「音声だけ聞いて、画面は見ないほうがいいよ」と注意したら、相方が「どうして?」と顔を上げて画面を注視。
・・・・ちょうど「」のシーンで・・・・。


【 脇俳優チェック 】

◆足を食べられた漂流学生チップ .... Will Collyer
オフィシャルサイトあり。祖父は50年代の映画プロデューサーRichard V. Heermanceで、その姉妹(June Collyer)や配偶者で芸能ファミリーになっていたが、Willの親は芸能界の道には進まなかった(父はソフトウェアエンジニア、母は教師)。しかし血は争えないのか、俳優の道に進むことに。
「チャームド」や「ボストンパブリック」などにゲスト出演あり。

◆中古車ディーラーでダリルの父のモーガン .... Mark Derwin
過去に何本かデイタイムソープのレギュラーをやっている。
「CSI:4」22話「潰れた手」に、サム・ブロウンの弁護士役で登場している。しかし第5シーズンには別の役で登場予定らしい。

◆海賊に襲われた船のオーナー .... Paul Dillon
「ザ・プリテンダー 仮面の逃亡者」のアンジェロ役。映画の「オースティン・パワーズ」シリーズ1作目でアイリッシュの殺し屋パティ・オブライエン役で登場。
「CSI:6」の2話に登場予定。

◆SWATの隊長 .... Teddy Lane Jr.
オフィシャルサイトあり。船への突入の時に合図したり、武器庫跡を発見してホレイショに報告していたひと。
「Nip/Tuck」「CSI:」「ザ・ホワイトハウス3」「ビバリーヒルズ青春白書」「メルローズプレイス」等々、数多くのドラマで「警官」の役で登場しているポリスアクター。

◆人種差別主義者ダリル・モーガン .... Dave Power
「ER Ⅸ」9話「独りぼっち」で、母親が恋人に虐待を受けている息子、ジェレミー役で登場。ジェレミーは二日後海軍に入隊するので、母メロディは恋人の虐待を息子に知られたくない。スーザンがその気持ちを汲んでメロディを拡大解釈な入院させた。
他「ボストンパブリック」など。「コールドケース3」3話、「CSI:NY」19話などにゲスト出演予定。


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4 コメント

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移民の歌 (がろと)
2005-12-01 19:37:28
といきなりZEPではありませんが(笑)

トリップの差別発言、私もとっさに「お前も先祖は移民だろうが!」と叫んでおりました。

ネイティブ・アメリカンの方々に失礼です。



そして命を投げ出して?決めのポーズにこだわる侍。

彼は本当に防弾チョッキを着ているのか、とってもきになってしまいました。
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がろとさんへ (くまぷー)
2005-12-01 23:51:29
アメリカはほぼ移民だらけですからねー。

正統な国民もへったくれも、って感じではありますが、それでも治安を預かる立場のトリップからしたらプエルトリカンのお行儀の悪さには普段から辟易していたのでしょう。

それを罪もない被害者のコンビニのおやじに当たっちゃいけないですけどね。しかし、トリップにそれを割り振るってのがどうもいけすかない脚本だなーと思ったり。



侍、命かけてますよね!

イェリーナと職場代わったほうがいいんじゃないかと思うくらいにバリバリで。

「私の体は弾を通さない。私の信念が防弾チョッキだ」くらいは言いそう。
返信する
( д) ゜ ゜ (まうゆう)
2005-12-03 03:52:23
くまぷーさん!それが一番銃弾を通さない侍理論ですね!



TWWのシーン、よかったっすよねー!

移民問題、今年のハリケーンにどんな火種をつけたのかなぁとか思いましたです。



返信する
まうゆうさんへ (くまぷー)
2005-12-03 11:30:27
こちら↓のblogで素晴らしい侍ビジョンが。

http://blog.goo.ne.jp/monaluna/e/485dd4cc84d540408ec8a83f5814319d



確かにしゃがみこんでぱんつをゴシゴシするホレイショとか、一枚一枚畳んでるホレイショとか、非常に見たくないというか、想像すると侍が斬りにきそうでかなり怖いんですが。



ハリケーンの時みたいな極限状態だと、アメリカは暴動と略奪がお約束で起きますからね、強奪するほうもされるほうも、普段の鬱憤を晴らしてたりするところが怖いんですが。

しかしあの実際のハリケーン見た後は、この間の津波なんてうそ臭く見えるから、今後大変そうですねー。
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