伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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災害対応 プロアクティブの原則

2014-02-23 19:16:07 | 政治・政策・経済

(プロアクティブの原則)

務台俊介氏によれば、アメリカには
「プロアクティブの原則」という危機管理の原則があります。

大規模災害時にトップに立つ者の行動原理で、
米国では組織のトップはこの行動原理が徹底的に叩き込まれます。

災害が大規模であればある程、
現地は混乱し、情報は入りません。
その際、トップはどのようなスタンスで危機に臨むべきか、
という判断基準です。

プロアクティブの原則
一つは、「疑わしきときには行動せよ」、
二つ目は、「最悪事態を想定して行動せよ」、
三つ目は、「空振りは許されるが、見逃しは許されない」



(災害時に一番貴重なのは?)

災害時に一番貴重なのは何?
情報、食料、水、電気、人手など、いろいろ大切なものありますね。
私が考えた結論は「時間」です。

大災害時には、いろいろなものが壊れたり、不足します。
でも一番大事なものは「人命」です。
では、人命を守るためには何が大事でしょうか。

災害時には、
大怪我をして救助や手当てが間に合わなくて
なくなる方もいます。

でも、もし火災や大水が発生しても、
逃げられない人のところまで来るのが、
すぐではなくて、100年後だったら、
余裕を持って助けられます。

出血多量で命の危機にある人も、
あと30分で死亡するのではなく、
1年後だとしたら、十分助けられます。

最災害時に一番重要で、
取り返すことができないのは「時間」です。

だとすれば、
事前に準備しておくことが、
災害対応の時間の節約になるのです。
必要な物資の備蓄や、訓練、情報広報手段の確保など。

次に、災害発生後の大組織のトップの対応として
良くない例として「プロアクティブの原則」の逆を
考えてみましょう。

 1 状況を甘く考える。
 2 思った以上に状況が悪く、対応が後手後手になる。
 3 もっと早く資機材や人員を投入していれば軽くすんだのに、
   タイミングが遅れ被害が拡大してしまう。



(かもしれない運転)

プロアクティブの原則の三つ目は、
「空振りは許されるが、見逃しは許されない」です。

自治体のトップが住民の命に関わるかもしれないと考え、
自衛隊の派遣要請をしたとします。
結果的に軽くすんだ場合は、大げさな対応だったね、
ですみますが、
本当は必要なのに要請しなかった場合、取り返しがつきません。

安全運転の心がけとしても、
「だいじょうぶだろう」の「だろう運転」でなく、
「子どもが飛び出すかもしれない」という
「かもしれない運転」が安全の秘訣です。

災害対応において、
「プロアクティブの原則」を心においておくことは
重要だと思います。



(後藤田五訓)

名官房長官と言われた後藤田元官房長官の訓示。

1 省益を忘れ、国益を想え
2 悪い本当の事実を報告せよ
3 勇気を以って意見具申せよ
4 自分の仕事でないというなかれ
5 決定が下ったら従い、命令は実行せよ

後藤田さんは五訓を守るようになった部下から、
悪い情報であるほど、どこまでも追いかけられて
伝えられたそうです。

悪い情報ほど、早く伝えろ、
と後藤田さんは部下を教育しました。
第一報は、ラフ・アンド・レディ。
大雑把で手元にある情報でいいのです。



(緊急時には「一段命令、二段命令、三段命令」)

後藤田さんを支えた佐々淳行さんによれば、
国籍不明機が日本上空に侵入したと報告を受けた場合、
 一段命令 とっさの命令として、離陸せよ
 二段命令、高度1万メートルへ上昇せよ
 三段命令、東へ向かえ
となります。



(参考図書)
・「3.11以後の日本の危機管理を問う」務台俊介(晃洋書房)2013.1
・「人の上に立つ人の仕事の危機管理術」佐々淳行(三笠書房)2001.8
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