踊る小児科医のblog

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救急車の有料化は避けられない

2005年03月16日 | こども・小児科
「救急車有料化を本格検討へ 消防庁」(産経)ということで報道され話題になっていますが、この問題は既にこれまでにも調査や議論が行われてきたもので、ネット上でも主な論点は出揃っているようです。ここ数日のブログで注目すべきは、救急車、有料化について思うコト(空の庭@楽園)救急車の有料化が検討か(Herr DoKtor)のように、医療関係者から救急車の有料化はやむを得ないという意見が多数表明されていることです。私も、救急医療の現場から離れて長くなるので最近の実態については言えませんが、以前からみられた傾向が更にひどくなったのであれば、有料化はやむを得ないものと考えます。

ごく簡素化して考えれば、
A)有料化して不必要な救急車出動を抑制することにより、救急車の到着が遅れて本来なら助かるべき人が助からないという事態を避ける
B)有料化によって本来救急車を利用すべき人が不必要な自制をしてしまい、手遅れになる
この2つの兼ね合いで、A>>Bなら有料化、A≧BやA<Bなら無料維持やその他の対応を考えるということになると思います。

C)-1)このまま無料を続け、現場の努力にまかせる
C)-2)このまま無料を続け、救急隊や救急車、救急医療に莫大な予算を投入して対応する
C)-3)このまま無料を続けるが、国民のモラルにまかせて適正な利用状態を維持する
3)は不可能とほぼ断言できるし、1)ではA)に書いたようなケースで手遅れになる人が続出し、救急医療体制が維持できなくなってきている(ここが議論のスタート)。そういった非常識な使い方をする人のために2)のように税金を投入して無料を維持すべきという意見が多いとも思えません。

そのほか運用上の問題点などもありますが、結局は大きな選択をしていくのは国民自身だということになります。「重症かどうか一般の人には判断できない」といったご意見があるかと思いますが、有料化論議は「救急車を呼ぶな」ということではありません。若干微妙な部分もあるかと思いますので、誤解のないようにリンク先の資料などをご覧いただければ幸いです。

国政モニター お答えします 救急車の有料化について
ディベート甲子園論題を読む~中学「救急車有料化」編
ディベート甲子園論題を読む~中学「救急車」編
救急車の不足と有料化を考える(MEDAMA Cafe)

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Tbありがとうございます。 (Docter-D)
2005-03-17 16:17:17
初トラバ頂きありがとうございます。Bのような問題についても考えることがありますので、また書きたい思います。しかし、この問題は言及の難しさ故に放置されてここまで来てしまった感がありますね。
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