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最短命県脱出へ~寿命を10年縮めるタバコ

2010年03月07日 | 禁煙・防煙
 ご存知のように青森県は男女とも平均寿命が一番短く、がん死亡率もワースト1であり、県の最重要課題として喫煙率を下げることに官民協力して取り組んでいるところです。

 特に男性の平均寿命はトップの長野県と3.5歳もの開きがありますが、弘前大学の中路教授から、この差は青森県の男性が30~69歳の年代で長野県の1.5倍も多く死んでいる結果としての数字であり、一朝一夕に追いつくことは困難と聞いて驚きました。

 一方、喫煙者は非喫煙者より平均10年も寿命が短く、40~60代では倍以上も多く死亡していることが、英国人男性医師の50年にわたる追跡調査で明らかになっています。



 35歳の喫煙者、非喫煙者の同級生が100人ずついたとして、70歳で非喫煙者は19人しか死んでいないのに対し、喫煙者は42人も死亡しているという大差がつくのです。

 よく「うちのおじいちゃんはタバコを吸って90歳まで長生きした」などと言う人がいますが、それは100人のうちたった4人の幸運に恵まれただけであり、非喫煙者はその歳でも24人も長生きしているのです。

 ニコチン依存症と喫煙による合併症を合わせてタバコ病と呼んでいますが、実はタバコ病は子どもがかかる病気です。喫煙者の約9割は20歳より前に吸い始めているのです。

 タバコ病にかかると、約半数は喫煙による病気で早死にし、壮年期死亡者の損失余命は平均22年になります。タバコ病は完治することが困難でしたが、禁煙治療の進歩により苦しまずに治すことが可能になっています。

 かつて医師ですらタバコの害を知らず、多くの人が喫煙していました。いま日本医師会でも喫煙率ゼロを目指して取り組みを進めています。この問題は医療、教育、経済、政治などの糸がからみ合って解決が困難でしたが、ようやく突破口の光が見えてきたところです。

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