踊る小児科医のblog

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喫煙率ゼロ達成年は2032-36年に後退 20代男女の急降下カーブでJTは観念 JT調査解析 (2)

2014年08月18日 | 禁煙・防煙
JT調査の喫煙率データ解析の第2弾。(書いていたのですがアップするのが遅くなりました)
前回は単純に前年からの減少率で喫煙者絶滅年を予測しましたが、同じJT調査のデータが過去から積み重ねられているので、最新データを追加してみました。


X軸が13年までになってますが最後のデータが2014年です。
男女合計は過去の分もあるはずですが探して入力できてません。(必須ではない)

これをみて、男性は直線的に低下してきているけど、女性はほとんど変わらない、という表現がこれまでの定番でした。しかし、


男性を年代別でみると、2000年代になって20代(水色)が急降下してきて60歳以上に迫る勢い。逆に、30-50代が滞留している。(水色の<青>印は青森県の父親の喫煙率)


女性の方はもっと明らか。2000年頃から20代が急降下、それに伴って30代も2004年頃から同じ傾きで低下。今や40代50代のオバさんが吸うものになってきている。(同じく<青>印は青森県の母親の喫煙率)

このグラフをみて、この商品を売っている会社の未来は明るいと言う人は一人もいないはず。


2012年までのグラフから、男性は2000年、女性は2005年を起点としてに喫煙率ゼロ年を予測していました。(既報)

男性 2031年
女性 2034年


今回の2014年までのデータを付け加えて計算してみると、

男性 2032年
女性 2036年
合計 2033年

2年経って、男性は1年、女性は2年先に延びてしまいました。
この2年間の間に、有効なタバコ規制政策というのは何一つ実施されていません。
このままの状況が続けば、更に延々と先に延びていってしまう可能性が示唆されました。


同じ方法で未成年の喫煙率ゼロは2020年、成人は2030年代前半と予測していたのですが、今回のデータでちょっと怪しくなっています。
しかし、政府の2022年で12%という目標は、このまま何もしないで自然に低下する速度よりずっと遅い「まやかし」であることには変わりません。

なお、こんな単純な予測法は学術的じゃないじゃないとか、起始年を男性2000年、女性2005年とするのは恣意的じゃないか、などといった批判はお受けしません。

起始年はグラフを読み取って「恣意的に設定」したものであり、予測方法は正確さを求めるためではなく、実際の規制政策を反映させるために誰でも理解して比べられるよう仮想的に引いたものだからです。

(富士山のように傾斜が緩くなることは容易に想像されますが、そうさせずに直線的に降下させる、あるいは傾斜を更に急にさせるための規制政策をとっていくことが肝要)