踊る小児科医のblog

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食品の放射性物質 年齢の数字を目安に キノコとタラに注意

2012年03月30日 | 東日本大震災・原発事故
 4月から食品の放射性セシウム濃度の基準値が100ベクレル(Bq)/kg、乳児用は50Bq/kgになります。これまでの暫定基準値が500Bq/kgでしたから、かなり厳しくなったようにも見えますが、子どもにはこの値で安心することは到底できません。

 目安として、核実験が盛んに行われていた頃のお米の放射性セシウム濃度でも10Bq/kgを超えなかったということを覚えておいて下さい。

 それ以外にはチェルノブイリ後の経験しかないのですが、セシウムの影響は全くなかったという説から重大な影響が続いているという説まで幅がありすぎます。

 わからないときはなるべく危険な方を考えて予防的に行動する。津波の対策と同じです。

 以前紹介した「原発と放射線」を書いた中山幹夫氏は、「年齢と同じ数字」を目安にするように主張しています。5歳なら5Bq/kgというように。

 放射性物質について「どこまでなら安全」ということは決して言えません。私もその数字なら「ガマン値」として妥当なところかとは思いますが、十代以降では高くなってしまうので、乳幼児は5Bq/kg、未成年で10Bq/kgを目安にしたいと考えます。(繰り返しますが新基準値は乳児で50Bq/kgです。)

 ただし、現在行われている検査では検出限界以下(ND)の値が20Bq/kgのことも多く、実際買う時には何も情報がない場合が大半です。八戸市、青森県、岩手県などのホームページにサンプル検査の情報が掲載されています。サンプル数が少なすぎるのが難点ですが、おおよその傾向がわかるかと思いますので参考にしてみて下さい。注意が必要なものについては気がついた時にブログやtwitterでも情報を発信しています。

 現在、八戸市で流通している食品については「年齢の数字」を下回っているものがほとんどだと推定されますが、念のため食材の種類と産地をチェックするようにすれば安心度は高まるでしょう。

 シイタケなどのキノコ類は岩手県産のものが多いのですが、県南部は注意が必要で県北部は(たぶん)大丈夫。情報が表示されていれば良いのですが、ただ岩手県産とだけ書かれていると困惑します。三陸のタラも秋から冬にかけて数十Bq/kgのものが散見されていましたが、3月のデータは20未満か非検出になっています。タラは底にいる魚なので高めになる可能性があるようです。このまま下がっていってくれれば良いのですが、今後の推移に注目しているところです。