今思うこと

政治経済 / 2012年02月29日

あなたが年収３００万円で暮らしているとしよう。そして、この年収３００万円を使い切らずに遣り繰りしながらなんとか１００万円の節約に成功したとする。年間１００万円の貯蓄が可能になることは個人としてはまことに結構な話だが、こと国家経済の話になるとあまり喜ばしい話ではない。何故ならば日本において、誰かが１００万円を貯蓄するということは他の誰かの収入が減るということであり、これはつまり日本国家のＧＤＰが１００万円減少するということに他ならないからである。税収は全てＧＤＰが源泉であるから財政健全化を目指すということはつまるところＧＤＰを上昇させるということである。

日本は、バブル崩壊以来２０年（世界中の国々が２倍近くＧＤＰを伸ばしているなか）ＧＤＰが伸びていないそうだ。現在の日本のＧＤＰが約５００兆だからもしも日本も同じくＧＤＰが倍増していれば現在のＧＤＰは約１０００兆円になるということになる。政府の年度予算が９０～１００兆とかで税収が４０～５０兆と約半分だから、このままでは日本は破綻するとか政府はムダを削れとかいう話になっているけれど、そもそもＧＤＰが倍増していれば税収も少なくとも倍増しているはずで最低でも財政としてはチャラになっているはず。

今日本は世界一お金持ち国家だそうで、個人や企業が銀行に貯蓄しているお金が有り余っているそうだ。銀行はお金を預けられたままでは負債でしかないのでこれを運用しなければならない。しかし今日本はご存知のとおりデフレだから誰もお金を借りたがらないので銀行は仕方なく国債を買うしか運用先が無く、結果日本国債は超低金利だ。

お金は使わなければ回ってこない。金は天下の回り物とは良く言ったもので、自分が使わなければ（誰かの収入にはならず）結局自分のところにはかえってこない。ＧＤＰも個人や企業の貯蓄はＧＤＰにカウントされないのである。ではどうすればいいのか。答えは簡単で政府がお金を使えばいいだけだ。実は政府の支出（投資や消費）もＧＤＰにカウントされるのだ。公務員の給料や公共投資もこれら全てＧＤＰにカウントされることになる。

良くテレビなどで消費税を増税する前にまず政治家や公務員の給料を減らせとかいう市民のインタビューがあるが、例えば公務員給料を削減するということはつまりＧＤＰの減少を意味することになる。公務員の給料を減らすということは公務員の給料が減るだけでなくこれまた誰かの収入が減るということなのだ。そんなことをするよりは職を失った人を公務員として採用するほうがＧＤＰは増加する（生活保護などの社会保障は単なる政府からの所得移転のためＧＤＰには全くカウントされない）のだ。

公共投資も減少しているが、公共投資を増やすことはＧＤＰの増加を意味している。マスコミでは常日頃公共投資悪玉論を展開しながら、いざＧＤＰが中国に抜かれると途端に政府は何をやってるんだと猛烈に非難しているが、はっきり言って滅茶苦茶な論調である。コンクリートから人へという民主党のマニフェストは公共投資を減らして社会保障を増やすというＧＤＰ減少政策なのだ。こんなことでは日本はいつまでたってもデフレから脱却出来ない。

日本全土に漂う閉塞感の最大の原因こそがデフレである。少子化だからでも、世界に打って出ないからでも無い。日本国内でお金が回っていないから不景気なのである。かといえここまでデフレが深刻になってしまって個人にお金を使えと言っても将来が不安で使えるはずが無い。だから政府が代わりにお金を使うのだ。そのお金は銀行に有り余った企業や個人の貯蓄だ。これを国債として借り入れ公共投資して市場にお金を無理矢理吐き出して経済を活性化するのだ。

東日本大震災の復興も遅々として進まないが、この復興にお金をつぎ込むべきだし、そのお金は結して増税によるものではなく長期な建設国債であるべきだ。また、１０年以内に起こるといわれている関東圏の大地震に向けて今からでもインフラ対策すべきだ。今こそ人からコンクリートへなのだ。そもそもお金を回して経済成長しＧＤＰを増やして財政の健全化を図らなければ人への政策など出来るはずがない。人への社会保障政策はタダじゃないしそのお金とは税金のことでありその税金の源泉はＧＤＰなのだ。

まさか次期政権与党に民主党が選ばれるとは思わないが、万が一民主党が与党であり続ければそのときこそ日本は本当に破綻すると思う。今年は総選挙があるかもしれないがそのときは必ず選挙に行くつもりだ。勿論僕が民主党を選ぶことは死んでも無い。

ＳＮＡＰ－ＳＨＯＴ！
今日はチト堅い話だったけど気にしないで。将来の自分への単なるメッセージだからね。てわけで今日も行くぞ！