持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

つかこうへいの新世界

2005-04-07 00:59:20 | 演劇:いろいろ
B5変形版 『つかこうへいの新世界』
メディアート出版


劇場で販売されていると。噂にきいた本が店に入荷していた。「つかワールド」を愛しているなら、これはバイブルと呼んでいい。

つか氏の芝居では。様式美とは真逆な世界が繰り広げられる。
観届ける為にはある種の体力が必要だ。最大値の読めない感情の波が、どこまでも際限なく膨れ上がってくる。客席にいるのに、まるで激流に襲われているかのようで。
ほんとうはしっかりと受け止めたいのだけれど。せめて流されないようにと、いつもその場に踏みとどまるので精一杯だ。なにも知らずにいた最初の回は。なんの身構えもなく座っていて。気おされて、気がとおくなった。誇張でなく、椅子の背もたれがあんなにありがたかったことはない。

たぶん。このひとは命を削って作っているのじゃないか、と考える。演者もそうなんじゃないか、とも考える。台本が無く、口立てで芝居がつくられていくというのは有名な話で。徹底的に演者のリアリティを探し当て、躰の奥底から発せられるものをセリフにしていくのだと聞いている。だから。本番を迎えるときには本人も知り得なかった人格が、つか氏によって形成されていたりするのだと聞いている。
そんな舞台だから。観る側も、客ではなく当事者になるべきで。気など抜いていられない。疲れるけれど。それを引き換えてありあまるものがあるから、また足を運ぶのだ。

なんだか妙に熱くなってきているので。ちょっと間をあけて続きを書くことにする。