異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

【写真】■ 石手寺「集団的自衛権不要の訴え」の大看板 (四国霊場第51番札所 )

2015-06-04 11:50:22 | 平和 戦争 自衛隊

ttp://urano.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-327d.html

「2014年11月10日 (月)四国全周ハイライト参加で四国が身近に②」より、一部転載


四国霊場第51番札所
■ 石手寺「集団的自衛権 不要」の訴え

四国霊場第51番札所の石手寺(松山市)から朝の行動が始りました。
全く関心なく石手寺に着いたのですが、そこで眼にしたのが「集団的自衛権 不要 不殺生祈りの会」の大看板でした。
 早朝でもあったので、お遍路さんが何人かいましたが、寺の奥に進むと大門(後で知ったのですが国宝)があり、そこに「海外での武力の行使 殺人の疑儀」と「集団自衛権 不要」の大看板が掲示されていたのです。

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「すごいお寺があるものだ」と驚きと、宗教人として平和を願い人殺しは許さないという、強い思いを感じました。
 旅が終わってから調べてみると昔のことがわかってきました。
「fusetsushosengen.docx」をダウンロード
 2003年3月11日に石手寺に僧侶やキリスト教者が集い、「不殺生の宣言」を行っていて、今も運動を続けていることを知りました。
 境内には「平和祈願連句」「再生」「平和の祈り」などいくつもの掲示があり、他のお寺とは違うことを感じました。
 私には今回の旅で最も強烈に印象づけられた石手寺でした。

 

=転載終わり



山本参議院議員 国会質問、東電原発事故「自主避難者のみなし仮設住宅打ち切り問題について」

2015-06-04 11:17:46 | 福島、原発

参議院議員 山本太郎

http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/4644

国会質問

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動画↓

2015.6.1 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会 自主 ...

https://www.youtube.com/watch?v=V5Cs9tFAICk
2 日前 - アップロード元: 山本太郎参議院議員

 

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質疑に使用した黒塗り資料こちらPDFファイル10枚

 

○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。

本日は、いわゆる自主避難者のみなし仮設住宅の打切りという、とんでもない問題について質問をしたいと思います。

東電原発事故の自主避難者のみなし仮設住宅期間延長に関し、安倍総理は四月九日の参議院予算委員会の答弁で、「政府としては、お住まいになられている皆様の安心にしっかりと沿えるよう、被災自治体と緊密に連携しながら適切に対応していく考えであります。」。一年ごとの延長という将来が見通せず、不安の中にいる避難者に対しましては、「そうした皆様の不安にしっかりと沿えるように、被災自治体とよく相談をしていきたいと思っております。」。
この総理の答弁を受け止めまして、四月二十二日、本委員会では竹下大臣に質疑させていただいたところ、大臣は、延長に係る各県の対応、検討や内閣府の状況を踏まえて適切に対応していきたいと答弁いただきました。
安倍総理は、被災自治体と緊密に連携しながら適切に対応していくと答弁されました。内閣府は被災自治体と打切りについてどのように緊密に連携したのか、説明してください。


○国務大臣(山谷えり子君) 応急仮設住宅の提供期間につきましては、福島県において、避難者意向調査の実施、市町村を訪問しての意見聴取等を行うとともに、災害公営住宅等、恒久的な住宅の整備状況等の復興状況を総合的に勘案しながら検討を行っていると承知しております。
国としては、福島県から延長協議を受けた際には、福島県からそのような取組や復興状況等をお伺いしながら適切に対応をしてまいります。
打切りという報道でございますけれども、現時点において正式な協議書が福島県から提出されていないということで、そのような状況の中で、具体的な内容についてお答えできる状況にはございません。


○山本太郎君 一年ごとの延長、これ、安倍総理、発言されたときに、一年ごとの延長という、将来が見通せず不安の中にいる避難者に対しましては、そうした皆様の不安にしっかりと沿えるように、このようにおっしゃいました。いつ住宅支援が打ち切られるか分からない、そのような被害者の皆さんの声、総理や大臣の皆さんには直接届いていますか。不安にしっかりと沿うというなら直接声を聞いていただきたいんです。
今回、みなし仮設に暮らす東電原発事故の被害者の方々にコメントを幾つかいただきました。少しお伝えさせてください。
自立しろ、自立すべきだ、自立という言葉を聞くたびにつらくなります。私たちは、原発事故の前は自立していました。一生懸命正社員として働き、税金を納め、ローンを組み、家を建て、子供を育てていました。その自立を一瞬で奪ったのが原発事故です。もう一度自分たちの足で立てるようになるまで住宅支援で力を貸してください。私たちは自立できます。住宅支援だけが唯一の支えです。どうか切り捨てないでください。
ほかにも、もうこのおうちから出ていかなきゃいけないの、毎朝、小さな息子に聞かれます。やっと住み慣れてお友達もできたこの土地から追い出される恐怖を小さな息子も感じています。
ほかにも、原発事故前は専業主婦でした。母子での避難生活を支えるために、現在はパートの仕事に就いています。しかし、二重生活はこれまでよりも出費がかさみ、住宅支援がなくなってしまえば路頭に迷ってしまいます。
ほかにも、違う例えを使ってメッセージをくださった方もいらっしゃるんですね。現在の心境をこのように表現してくださいました。横断歩道を歩いていたら突然車にはねられた。でも、はねた運転手は痛くて立てない私を見るなり、おまえは大したけがじゃない、病院に行きたいなら勝手にタクシーでも呼べばいい、とにかく早くそこをどけ、車が動かせないじゃないかと言って、けたたましくクラクションを鳴らされている気分です。
たった一年十か月、たったそれだけの期間しか私は議員をやっていないんですけれども、その自分自身でさえも、政治の仕事というのは、最も立場の弱い人たちの、声も出せない人々の声をすくい上げるのが大切な仕事の一つだと感じる毎日です。
昨年九月、千葉の銚子の県営住宅で家賃滞納を理由に住宅明渡しの強制執行が行われる日、母親が中学二年生の娘の命を奪い、自分も死のうとした無理心中未遂事件が起こりました。このみなし仮設の延長問題でも、一歩間違えれば同じシチュエーションに追い込まれかねない区域外避難者、いわゆる自主避難者が全国にいらっしゃいます。
山谷大臣、大臣は子宮頸がんワクチンの問題で、本当に被害者の少女であったり御家族であったりという方々の声に直接耳を傾け、そしてその方々の力になるために本当に問題に取り組まれてきた方だと私知っております。本当に心のある政治家だと僕は思っています。
大臣にお願いがあります。どうかみなし仮設問題を抱える被害者の方々のお話を直接大臣が聞いていただけるような場を設けさせていただけませんか。


○国務大臣(山谷えり子君) 様々の自治体の皆様からもお声を聞いているところでありますけれども、被災者の心に寄り添いながら丁寧に、そして適切な対応をしていきたいと考えております。


○山本太郎君 本当に急なむちゃぶりで本当に申し訳ないんですけれども、お忙しいと思うんです、大臣のお仕事というのは。いろんなところに行かなきゃいけないし、いろんな人の話を聞かなきゃいけないし、だからこそたくさんのスタッフがいらっしゃって、皆さんが声を拾い上げて大臣にお届けするというようなシステムになっていると思うんですけど、どうか、このみなし仮設でもう全国に散らばった方々、どこかのタイミングで是非この方々の生の声を大臣に聞いていただきたいんです。大臣、よろしくお願いします。いかがでしょうか。


○国務大臣(山谷えり子君) 福島県の応急仮設住宅の提供期間については、先ほども申しましたけれども、正式な協議書が福島県から提出されていないことから、具体的な内容についてお答えできる状況にはございませんが、正式な協議書が提出された際には、福島県の検討結果を踏まえ、速やかに対応してまいりたいと考えています。不安な気持ちの皆様の声を丁寧に聞きながら速やかな対応というのが大事だと考えております。


○山本太郎君 ということは、直接このみなしの、被害者の方々の声を聞いていただける機会はつくっていただけるんでしょうか、大臣が直接。


○国務大臣(山谷えり子君) 福島県が今様々な調査をしながら、協議書が提出されるのではないかというような状況にありますけれども、速やかな対応というのは大事だと考えております。


○山本太郎君 本当に何度も済みません。協議書が出る前であればいいんですけど、出た後でも結構です。スケジュールとにかく忙しいと思われるので、とにかく直接、その苦労を抱えた原発被害者たちの声を直接、防災担当大臣であられる山谷大臣に聞いていただきたい。その弱い方々の立場の声をすくってこられた山谷大臣に是非直接聞いていただけないでしょうか。そのような場を設けさせていただけないでしょうか。いかがでしょうか。


○国務大臣(山谷えり子君) お声に耳を傾けながら被災者の心に寄り添うということは大切なことだと思っております。


○委員長(櫻井充君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。


○山本太郎君 なかなか難しいと思うんですけれども、じゃ、聞いてみましょうと、お会いしましょうというお答えが本当は欲しかったです。いろいろな事情がおありだと思いますけれども、でも、じゃ、次に行きます。
続きまして、竹下大臣です。申し訳ありません。
大臣は、先ほどから答弁を聞いていてもう皆さん御存じのとおり、去年九月の就任以来、とにかくプライベートの時間をお削りになって、自分の体を休める暇もなく本当に被災地に足を運ばれたと。岩手に六回、宮城に九回、福島に十四回、これ、この回数重ねようと思ったら自分の時間なんてないと思うんですよ。本当にそれぐらい一生懸命人々の声に耳を傾けてこられた方だと、市民に寄り添う政治を大臣になられても実践してこられた方だと私は思っております。
どうか、みなし仮設問題を抱える被害者の方々のお話、大臣が直接聞いていただけるような場を設けさせていただけないですか。是非お願いします。大臣、お願いします。


○国務大臣(竹下亘君) あんまり褒めないでくださいよ。
正直言いまして、今日、浜田副大臣来ておりますが、彼、全国のそういった避難をしていらっしゃる皆さん方のところをもう何か所も訪ねて実際に話を伺っております。
いろんな悩みも聞かさせていただいており、そしてその上で様々な、例えば福島県と協議したり、あるいは総務省と協議したり、お金の話、財務省と協議したりと。それは、机上の空論ではなくて、特に浜田さんがその担当として全国のそういった、全国で避難をしていらっしゃる方、これは自主避難の方ばかりじゃありません。全ての避難者の皆さん方を対象にして、浜田さん、何か所ぐらい行った。(発言する者あり)八か所、八県ぐらいは多分間違いなく行っていると思いますので、そういうことで話をしながら対応させていただいておるのが実情でございます。


○山本太郎君 浜田副大臣も全国を動かれているということなんですけれども、実質、この自主避難者に対してはどれぐらいの数がいてということは詳しくは把握していないと。先ほどの答弁でもあったと思います、違う方の質疑で。
要は、それは省庁としてしっかりとそこに手を入れていないと、NPOだったりそれぞれの地方の自治体任せであるということなのであれば、本当にその本当の声が届いているのかどうか、浜田副大臣の耳にも届いたのかどうか、これはやっぱり完璧だとは言えないと思うんです。本当に今まで皆さんが聞いてこなかったような声を直接聞いていただきたいという思いでいっぱいなんですけれども、これ、もう本当に前に進まないので、次に行きたいと思います。
配付資料の七枚目、もう皆さんにはおなじみになりました、この毎度の黒塗りでございます。これの七枚目、三の資料を御覧ください。平成二十六年七月二十八日、福島県庁で行われた応急仮設住宅供与期間の延長関係についての福島県の生活環境部避難者支援課と内閣府防災担当の被災者行政担当の意見交換の記録。
内閣府、もうこのときに打切りの協議していたんじゃないですか。協議書が出されていないだけで、その協議の中身、書類ができていないだけで、この中身のときにはもう既にそのようなやり取りあったんじゃないのって。でも、これ出してくれないんですよね、言っても。要するに、打切りの協議が知られたら困るので、べったり黒塗りしたんじゃないんですかという話なんです。
当事者たちは協議にも入れません。避難の継続、避難の打切り、それらを一方的に線引きするのが加害者側。被害者は泣き寝入りするしかないんですよ。そんな理不尽、それが世の中だ、当然だというんだったら、この国に政治が存在する理由なんてないと思うんです。だから、直接聞いていただきたいんです、お声を、皆さんの声を。
不透明過ぎるプロセスで、いきなり結論だけ突き付けるんですよ。こんなやり方、余りにも卑劣でしょう。加害者側なんですよ、国は、東電と同じ。以前にもずっと指摘されてきたじゃないですか。原発の危険性、津波、危ないんじゃないかって、二つの電源のシステムが壊れたらどうなるって。問題ない、問題ないってずっと言い続けていた。吉井英勝さんでしたっけ、共産党の議員さんにもいろんな質問されていたけれども、それは全く問題ないって言い続けてきたのが今の安倍総理なんですよね、第一次安倍政権時代に。
じゃ、今やるべきこと決まっているじゃないですか。大丈夫だって言い続けてきたことが大丈夫じゃなくて、それによって被害が生まれた人たちがいるんだったら、そこの部分に手を差し伸べてくださいという、物すごくシンプルな話だと思うんです。

山谷大臣、打切り問題、期間延長問題について、正々堂々と議論するのが筋だと思います。国会議員の資料請求に対して、こんな真っ黒な資料、これしか出さず議論もさせないというのは、これ、国会と国会議員、随分軽く見られているなという証拠だと思うんです。大臣、公開にお力を貸していただけませんか。
そして、大臣の、このお話でもう時間切れが来ちゃったら駄目なので、委員長、是非この資料、黒塗りしていないものを本委員会でお取り計らい、お願いできないですかね。済みません、ありがとうございます。


○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。


○山本太郎君 ありがとうございます。
それでは、山谷大臣、是非この黒塗りの元のものを出していただけないでしょうか。お願いいたします。


○国務大臣(山谷えり子君) 議員御指摘のとおり、平成二十六年七月二十八日、福島等と内閣府防災の担当者が打合せを行っております。
福島県における応急仮設住宅の提供期間については、現時点において正式な協議書が福島県から提出されていない状況であり、何らかの方針が決まった、定まったというものではございません。
このため、審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じるおそれという行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条第五号に該当するものとして不開示としたものであります。
ただ、方針が固まった後にどのような考え方に基づいてそうした方針となったのかという、それはきちんと説明をさせていただきたいと思います。


○山本太郎君 ありがとうございます。
みなし仮設の一年延長に関しては三回行われたわけですから、決着付いたものに対しては公開できるはずです。是非公開してください。お願いします。
ありがとうございました。



 


年金機構個人情報流出事件は、外部機関による監視をなくした安倍政権の大罪

2015-06-04 02:13:39 | 政治 選挙 

http://www.huffingtonpost.jp/nobuo-gohara/pension-japan_b_7498526.html?utm_hp_ref=japan

年金機構個人情報流出事件は、外部機関による監視をなくした安倍政権の大罪

投稿日: 2015年06月03日 10時49分 JST 更新: 2015年06月03日 11時18分 JST
PENSION


日本年金機構は、職員のパソコンに外部からウイルスメールによる不正アクセスがあり、国民年金や厚生年金などの加入者と受給者の個人情報が外部に流出したことを、昨日(6月1日)、記者会見で発表した。国民年金・厚生年金などの加入者に付与される10桁の基礎年金番号と、氏名、生年月日の3情報が約116万7000件、3情報と住所の計4情報が約5万2000件、基礎年金番号と氏名の2情報が約3万1000件の合計約125万件に上るとのことだ。

外部からのメールの添付ファイルにウイルスが入っていたのに、複数の職員が不用意にファイルを開いたこと、その後機構が「不信なメールは開けないように」との指示をしたが、その指示が徹底されず、別の職員もメールを受け取り、添付ファイルを開いてしまったことが原因だ。しかも、機構で管理する個人情報には、パスワードをかける決まりになっていたのに、半数はパスワードがかかっていなかったとのことだ。

年金業務に関して公的に管理されている個人情報が大量に流出した今回の事件は、国の情報管理システムの根幹にかかわる重大な問題だ。

私は、2010年に総務省に設置された年金業務監視委員会(国家行政組織法8条に基づく行政委員会)の委員長として、日本年金機構や厚労省年金局の年金業務を監視する職務に携わってきた。その委員会が、昨年3月末に廃止される際、「厚労省や年金機構の外部に、年金業務を監視する機関が必要である」との意見を、委員会として取りまとめ、総務大臣への意見具申も行った。(【外部機関の設置検討を 年金業務監視委が意見書】

年金業務の監視の役割を担ってきた立場から、日本年金機構や厚労省年金局の組織の体質や業務の現状には多くの問題があり、外部機関による監視体制がなくなってしまうと、重大な問題が発生することが強く懸念されたからである。この問題については、年金業務監視委員会の設置当時の総務大臣であった原口一博議員が、監視委員会廃止直後の衆議院総務委員会で取り上げ、元委員長の私を参考人として招致し、監視委員会を廃止した政府を厳しく批判した。(原口議員の質問は、2014年4月1日総務委員会 53分30秒ころから)

総務省年金業務監視委員会が設置されていた4年間、委員会では様々な問題を取り上げてきた。2011年のサラリーマンの専業主婦にかかる年金、いわゆる「運用3号」問題、2013年の「時効特例給付に関する問題」、委員会廃止直前の2014年の「失踪宣告者に対する死亡一時金の給付に関する問題」などが、主な問題だが、いずれも、厚労省や年金機構が自主的に委員会に報告してきたものではなく、社会保険労務士等からの問題の指摘や、機構職員の内部告発など、外部からの指摘によって、委員会が問題を把握したものだった。(これらの問題の詳細については、前記衆議院総務委員会の中で(58分頃~)説明している。)

「運用3号問題」は、保険料を支払っていなかった主婦に、年金全額の支給を認めることにするという重大な事項を、厚労省は「課長通知」だけで指示をし、しかも、明らかに国民年金法に反し、重大な不公平を生じる問題であった。この問題に対して、年金業務監視委員会が総務大臣へ意見具申を行い、厚労大臣が、当時野党であった自民党から国会で厳しく追及されたことで、「運用3号」の課長通知は廃止され、新たな立法措置がとられることになった。

「時効特例給付に関する問題」と「失踪宣告者に対する死亡一時金の給付に関する問題」には共通の要因があった。年金業務の現場を担う日本年金機構の組織には「重要事項の周知徹底ができない」、「現場の問題意識が上層部に伝わらない」という重大な欠陥があり、それに起因して発生したのが、これらの問題だった。

今回の情報流出問題は、まさに、そのような機構組織の重大な欠陥によるリスクが顕在化したものである。これまで、組織の無謬性にこだわり、責任回避に終始して、そのような機構組織の問題に正面から向き合おうとしなかった厚労省にも重大な責任がある(【郷原信郎氏、激白!「誤りを認めず、無謬性にこだわる厚労省の体質が年金行政を混乱させた」(上)】【同 (下)】  ) 。

そのような日本年金機構の組織の根本的な問題や、機構を監督する立場の厚労省の組織の体質の問題を、具体的な事例を通して指摘してきたのが、外部機関としての総務省年金業務監視委員会だった。

委員会の議事はすべて公開され、マスコミにもフルオープンで行われた。そのような場で、年金問題の専門家も含む外部機関としての委員会から厳しい指摘を受けることは、厚労省や機構に緊張感を持たせることにもつながっていたであろう。

その年金業務監視委員会の設置期限は、2014年3月末と定められていた。もちろん、政令を改正すれば、設置期限の延長は可能であり、それまでの委員会での活動状況や、年金業務の実情を考えたら、当然、設置期限は延長されるべきであった。

ところが、2013年12月、総務省の行政評価局長が私の事務所を訪れて、「年金業務監視委員会は設置期限の翌年3月末で廃止し、それ以降は厚労省の社会保障審議会の中に部会として第三者機関を作り、そこで年金業務について審議してもらう。年金記録第三者委員会も廃止し、総務省は年金問題から手を引く。」ということを伝えてきた。

ほぼ終息しつつあった年金記録回復に関する「年金記録第三者委員会」をどうするかはともかく、現に多くの問題が発生していた年金業務については、年金業務監視委員会が、継続して問題を指摘し続けていた。「厚労省の審議会などという身内同然の組織の中に、第三者による審議機関を設けても、厚労省外に独立した組織として設置されてきた年金業務監視委員会の機能を代替することには全くならない」と私の意見を述べたが、総務省と厚労省との間の協議で既にその方針は決まっており、官邸の了承も得ているということだった。行政評価局長は明確には言わなかったが、省庁間の問題なので、総理官邸の意向が強く働いているということのようだった。

その1年前に発足した第二次安倍政権は、アベノミクスによる円安、株高によって支持率も高く、安定政権として基盤を形成しようとしている時だった。安倍首相にとっては、第一次安倍政権の際に、「消えた年金問題」が発端で政権が崩壊した悪夢から、「年金は鬼門」との認識があったのだろう。それだけに、総務省年金業務監視委員会が厚労省年金局や年金機構の問題を厳しく追及する中で、また年金に関する重大な問題が露見することは避けたいという思いがあったのかもしれない。

実際に、民主党政権下で立ち上げられた年金業務監視委員会による問題の指摘が、「運用3号問題」では、当時の民主党政権にとっての重大なリスクにつながった。参議院予算委員会で民主党の細川大臣を厳しく追及したのが、現在、総理官邸で官房副長官を務める世耕弘成参議院議員だった。当時野党議員であった世耕議員は、年金業務監視委員会での厚労省追及の一部始終を傍聴し、それを材料に、国会での追及を行ったものだった。(当時の細川厚労大臣は、違法な課長通知の責任を問われ、辞任(ダウン)寸前まで追い込まれたが、その直後の3月11日に東日本大震災が発生したことで、かろうじてゴングで救われた形になった。)

しかし、それは本末転倒の考え方だ。総務省という外部に設置された組織による監視機能も確保し、年金業務の適正化に万全を期すことが、政権として年金問題によるリスクを最小化する方法だったはずだ。

今回の個人情報の大量流出は、まさに機構の組織の構造に関わる問題であり、それを防止できなかったことには厚労省に重大な責任がある。1年余り前、総務省年金業務監視委員会が廃止される直前まで、外部機関による年金業務監視の必要性を訴え続けてきた私の懸念が現実の問題になってしまったことは誠に残念だ(ビデオニュース【年金業務監視委員会を廃止して日本の年金は本当に大丈夫なのか】)。

政府は、国民にとって重大な関心事である年金業務について、厚労省年金局と、日本年金機構の現状にいかなる問題があるのかについて調査し、監視体制の整備を早急に行うべきだ。構造的な問題を抱えた日本年金機構、そして、無謬性にこだわり根本的な問題解決を行おうとしない厚労省に委ねていたのでは、今回の問題からの信頼回復はあり得ない。

(2015年6月2日「郷原信郎が斬る」より転載)


<関連>

年金情報流出、「ネットに接続された端末で個人情報を扱うなど論外」と専門家




情報開示請求、 黒塗りさえも出てこなくなった ― 政府の秘密は不存在

2015-06-04 02:05:39 | 報道

田中龍作ジャーナルhttp://tanakaryusaku.jp/2015/06/00011318

黒塗りさえも出てこなくなった ― 政府の秘密は不存在

2015年6月3日 22:03 

情報不開示を知らせる内閣府の書面。右下に「不存在」と記されている。

情報不開示を知らせる内閣府の書面。右下に「不存在」と記されている。

 特定秘密保護法の下、権力にとって不都合なことは、「存在しない」ことにできることが分かった。

 「IS人質事件」をめぐる政府の対応について、フリージャーナリストの林克明氏が政府に情報開示を求めたところ、「不存在」という回答が返ってきた。

 きょう東京地裁で行われた「特定秘密保護法・違憲訴訟」の証人尋問のなかで、原告の林氏が明らかにした。

 林氏は「人質解放交渉」と「安倍首相のカイロ演説に関する周辺情報」の2件について内閣府に情報開示請求をした。

 内閣府副官房長官補の名前で返ってきた回答は「『当該行政文書を作成または取得しておらず、保有していない』不存在」。

 情報開示請求に対してこれまで政府は「黒塗りの書類」で回答していたが、特定秘密保護法の施行後は黒塗りさえも存在しなくなった。

法廷で証言台に立った寺澤有氏(左から2人目)と林克明氏(右隣)。左右の端は原告代理人弁護士。=3日、弁護士会館 写真:筆者=

法廷で証言台に立った寺澤有氏(左から2人目)と林克明氏(右隣)。左右の端は原告代理人弁護士。=3日、弁護士会館 写真:筆者=


 政府にとって不都合な事、それ自体が存在しなくなったのである。秘密さえも存在しないのだ。

 人質事件の対応のまずさは、安倍政権がどんな手を使ってでも隠したいところだ。

 日本政府による人質解放交渉の実情をよく知るヨルダン人弁護士の入国を拒否しているのはそのためだ。

 きょうはフリージャーナリストの寺澤有氏も証言台に立った。寺澤氏は「省庁に足を踏み入れて証拠写真を撮り、省庁関係者から情報を取得してきた」ことを明らかにした。

 秘密保護法ではこうした取材手法も違法行為となる。情報にコンタクトするのが極めて難しくなるのだ。

 山本太郎参院議員はきょうの法廷を傍聴した。

 「情報がなければ国会で追及のしようもない。国会議員(野党議員)の存在理由がなくなる。翼賛体制になる。特定秘密保護法の施行にあたっては国会議員の知る権利は担保されていたはずだが・・・」。山本議員は呆然とした表情で語った。


  ◇      ◇
『田中龍作ジャーナル』は読者が支えるメディアです。取材制作にはコストがかかっています。

   ◇
現在、取材助手を募集しています。時給、交通費当日払。ジャーナリスト志望の若者を歓迎します。学生可。詳しくは…tanakaryusaku@gmail.com

  ◇

 

 

 


田原総一朗「首相、防衛相、官房長官の発言が矛盾する安保法制の混乱」

2015-06-04 02:01:29 | 政治 選挙 

http://dot.asahi.com/wa/2015060200096.html

田原総一朗「首相、防衛相、官房長官の発言が矛盾する安保法制の混乱」


(更新 2015/6/ 3 07:00) <iframe src="http://jp-u.openx.net/w/1.0/pd?plm=6&ph=b5df81f9413b9e95ee35f8fd2dbf309ec9d0322f" width="0" height="0"></iframe>

 国民置いてけぼりの状態で政府・与党が進める安全保障関連法案。ジャーナリストの田原総一朗氏は、国民に対して政府の幹部たちは今一度、誠実な説明をすべきだという。

*  *  *
 集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が、5月27日の衆院特別委員会で実質、審議に入った。

 だが、国民のほとんどは、なぜ今、日本が集団的自衛権の行使を容認しなければならないのか理解できていない。もちろん集団的自衛権の行使とはどういうものなのかもわかっていない。例えば、25日に日本経済新聞が世論調査を発表しているが、安全保障関連法案についての政府の説明が「不十分だ」という答えが80%もあり、「十分だ」はわずか8%しかない。そして安倍晋三首相の「米国の戦争に巻き込まれない」との説明に「納得する」は15%、「納得しない」が73%もある。

 政府は、中国が異常なまでに軍備を増強し、東シナ海や南シナ海で強引に領域拡大を推し進めていること、そして北朝鮮が核開発を進めていてアジアの現状が緊張度を高めていることが集団的自衛権の行使容認の要因としているが、防衛力の強化を飛び越えて、なぜ一挙に集団的自衛権の行使となるのか。さらにそれが周辺事態法の改正となり、なぜ自衛隊が地球の裏側にまで活動範囲を広げなければならないのか。さっぱり理解できない。

 また、安倍首相は公明党と新3要件を閣議決定したことで、集団的自衛権とはいっても専守防衛の範囲内であり、海外派兵は認められておらず、だから他国の領域で戦闘行為を行うことはないと明言している。

 だが、中谷元・防衛相は、24日のNHKの番組で、自衛隊の武力行使について、他国の領域内で敵基地を攻撃することも可能だとの見解を示した。そして25日には、菅義偉官房長官が「新3要件に当たれば、他国での戦闘も、敵基地への攻撃もあり得る」と明言した。

 自民党の議員の数は多く、議員たちの発言でつじつまが合わないのならばわかる。だが、首相、防衛相、官房長官という直接の責任者の発言でつじつまが合わないのは、そもそも法案が無理なつじつま合わせの上に成り立っているためではないのか。

 国際平和支援法案では、現に戦闘行為が行われていない場合は、戦争中の他国軍のための後方支援が、特別措置法ではなく、恒久法でいつでもできることになる。そして安倍首相も中谷防衛相も、自衛隊のリスクについては否定的である。「リスクが高まることはない」と言明している。

 だが、後方支援だから安全だということにはならない。何よりも、実際の戦闘で、どこからどこまでが前方で、どこからが後方なのか判別のしようがなく、また武器、弾薬の類を運んでいても、相手国は当然戦闘行為、つまり武力行使ととらえて攻撃するはずである。それに、戦闘現場となれば後方支援を中止するとなっているが、それは具体的にどうするということなのか。支援していた友軍を見捨てて逃げ出すということなのか。第一、戦闘現場になって逃げることなどできるのか。

 政府の幹部たちの矛盾した発言を聞いていると、新3要件そのものが、実はあいまいで歯止めの役割を果たしていないのではないかとさえ思えてしまう。

 国民に納得してもらうためには、政府、自民党の答弁者こそが真摯に集団的自衛権の行使の範囲を国民に示すべきである。それを無理なつじつま合わせをしようとしていると、どんどん歯止めのないことが露呈してしまうのではないか。

週刊朝日 2015年6月12日号