国民が「改憲議論の拒否」を選択しなかった選挙になりました。
今後、改憲の動きが出てくると思うが、改憲勢力の自民、公明、おおさか維新らの立場もかなり違う。実は、みんなで合意している改正点はない。
憲法9条改正には、公明とおおさか維新に反対意見が多く、国民投票になっても世論調査などを見る限り難しい。

 改憲議論が始まった時、私たちが最も注意すべきは緊急事態条項です。
自民党改憲草案の同条項が評判が悪いのは確かですが、議論の蓄積があまりなくウソ、誇張、デマによって誤った方向に世論が誘導される可能性がある。たとえば「東日本大震災の時にこの条項があれば、こういうことができた」というようなデマ。実際に災害が起きたら、自治体の首長権限を首相に集約しても良い対応にはならない。国民は慎重に議論を注視していくべきです。

 自民党としても改憲を争点にするには詳しい条項を1つずつ出すべきで、国民は今後、その改正案を詳しく見ていくべきです。
9条改正問題とは、あくまで日本が多国籍軍に参加していくかということ。9条の究極目標は、日本が非武装で丸腰になることではなく「非武装を選択できるような、安定した国際社会をつくろう」ということ。憲法に国防軍を明記してしまうと「軍隊をなくしてはいけない」という憲法になってしまう。「軍隊をなくせるなら、なくしてもいい」という9条方式は悪くないと思います。(談)