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安倍首相が「昭恵を国会に呼ぶなら辞める」と漏らした理由 2018.5.17 AERAdot.

2018-05-17 18:25:57 | 森友学園疑惑

安倍首相が「昭恵を国会に呼ぶなら辞める」と漏らした理由


今西憲之,亀井洋志,上田耕司,森下香枝
2018.5.17 07:00
昭恵夫人(撮影/東川哲也) 昭恵夫人(撮影/東川哲也)

 

 

 柳瀬唯夫元首相秘書官の国会招致で「加計ありき」疑惑が再燃した。さらには廃棄されたはずの森友文書が大阪地検特捜部の捜査で次々とよみがえる。勢いづく野党は森友改ざん文書の国会提出や安倍昭恵首相夫人らの証人喚問などを突きつけるが、自民党には頑なに拒否せざるを得ない“ある事情”があった。それは──。

【独自入手!財務省理財局が起案した文書はこちら】

「柳瀬氏は与党とはある程度、あうんの呼吸で調整しているのに、かなりミスったなという感じがする。野党に攻め入るスキをたくさん与えてしまった。細かいことを覚えてないのに、安倍(晋三)さんの関与だけは一貫して否定するので、逆に『加計ありき』の印象を与えてしまった。安倍さんは、得意の外交で苦境を乗り切ろうとしているが、きつい。大阪地検特捜部が捜査し、破棄したと佐川(宣寿前国税庁長官)が言った森友関連の文書がボロボロと出てきてメディアで報じられる。野党は次は昭恵夫人の証人喚問を要求してくるだろう」(自民党国対幹部)

 自民党はこれまで18日をメドとしてきた改ざん前の財務省の決裁文書などの国会への提出を一転し、23日まで延期する考えを野党側に伝えた。

 与党の豹変に野党は反発し、18日の提出を前提に21日で調整されていた集中審議は行われない見通しとなった。

 財務省は5月中にも、500ページにも及び国有地払い下げをめぐる森友側との交渉記録を国会に提出する予定だが、こちらも与党によって引き延ばされる可能性も出てきた。

 しかし、安倍側近の今井尚哉首相秘書官が「文藝春秋」(6月号)のインタビューで、昭恵夫人が、森友学園が開設をめざした小学校の名誉校長を「うかつにも引き受けたのは間違いだった。首相にも間違いなく道義的責任がある」と語るなど包囲網は敷かれつつある。

 自民党内のみならず、総裁派閥・細田派でも昭恵夫人の「蟄居」を求める声も強まっているが、安倍首相は一貫してかばい続けている。

「昭恵さんが4月、ボロボロと泣きながら、『私の問題で皆さんにご迷惑かけて申し訳ない。どんなに批判されても矢面に立って私が直接、謝りたい』と申し出たところ、安倍さんは『自分が謝るので、そんなことしなくてもいい』と断ったそうです。安倍さんは昭恵さんの国会招致だけは絶対にさせたくない。もし、二階(俊博)幹事長が国会へ『差し出せ』と言うのならば、『自分が辞める』と周囲に漏らしている。それぐらいの覚悟なので二階幹事長も絶対に言いだせないんです」(前出の幹部)

 離婚の危機も報じられたが、安倍首相と昭恵夫人は、4月の訪米後、イスラエルなど中東を歴訪し、ゴールデンウィークの休みは山梨県の別荘に行き、ゴルフ三昧。仲睦まじさは健在だった。安倍夫妻のキューピッド役を務めた元山口新聞東京支局長の濱岡博司氏がこう語る。

「昭恵さん、ああ見えてゴルフはシングルプレーヤーです。晋三さんの母、洋子さんは気が強く、怒ると大変。昭恵さんの軽率な行動を怒ったら、自宅に寄りつかなくなり、晋三さんが間に入ってなだめたそうです」

 自民党にとって「昭恵案件」はいずれにせよ、アンタッチャブルなようだ。(今西憲之/本誌・亀井洋志、上田耕司、森下香枝)

週刊朝日 2018年5月25日号より加筆

 

 【関連記事】

 「妻を国会に呼ぶなら首相を辞める」…一億総ダチョウ倶楽部「どーぞどーぞ」 / 安倍首相が逆ギレ発言! -週刊朝日(5月15日発売、5月25日号) 

 

 

 

 

 


財務省と森友 新たに500ページ以上の交渉記録が見つかる。佐川氏は無いと答弁!昭恵夫人や複数の政治家の名前が! 2018.5.9 Qテレニュース24

2018-05-09 21:52:55 | 森友学園疑惑

【大量過ぎ】森友と財務省との交渉記録が新たに500ページ以上見つかる!佐川氏は「無い」と答弁!文書には昭恵夫人や複数の政治家の名前!

2018年5月9日

どんなにゅーす?

佐川元理財局長が当時に「無い」と答していた、森友学園と財務省との500ページ以上にわたる交渉記録が新たに見つかったという。

・交渉記録は2014年から16年にかけてのもので、そこには森友学園の名誉校長だった昭恵夫人や複数の政治家の名前が記されているという。

 

 

財務省と森友 500ページ以上の交渉記録

5/9(水) 12:07配信

森友問題をめぐっては14の決裁文書の改ざんが明らかになっているが、関係者によるとそれとは別に2014年から16年までに財務省側が森友学園などと面会や交渉をした際の記録500ページ以上が残っていたことがわかった。

記録の中には2016年3月に当時の理財局の幹部と森友学園の理事長だった籠池被告とのやりとりも詳細に記されている。さらに安倍首相の昭恵夫人や複数の政治家の名前もあるという。去年の国会で佐川氏は記録は残っていないと答弁し続けていた。

大阪地検特捜部もこうした記録を把握しており、財務省も来週までに記録を国会に提出する方針。

【日テレNEWS24 2018.5.9.】

 

 

 

 


自殺した近畿財務局職員父親の手記「息子は改ざんを許せなかった」 文藝春秋 2018年5月号  /遺族が抗議・文春記事は「極めて不公正な取材」2018.4.10

2018-04-11 09:58:46 | 森友学園疑惑
 

2018/4/10 18:43

 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんに絡み、10日発売の雑誌「文芸春秋」5月号が、神戸市内で自殺した同省近畿財務局の男性職員の「父親の手記」とする記事を掲載したことを受け、職員の遺族が10日、発行元の文芸春秋社に抗議した。代理人弁護士を通じ、遺族が手記を作成したことはないとする通知書を同社に送った。

 職員は50代で3月7日に同市灘区の自宅で自殺。上からの指示で「書き換えをさせられた」との内容のメモを残していたとされる。

 弁護士や通知書によると職員の父親は、訪ねてきた同誌記者に息子を亡くした思いを話したが、「手記」として載るとは聞いておらず、「極めて不公正な取材手法」「多大な精神的苦痛を被った」としている。

 同誌の編集部は「記事は適切な取材を行い掲載したものです。原稿についても、直接ご本人に確認いただいております」とのコメントを出した。

 

 

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自殺した近畿財務局職員父親の手記「息子は改ざんを許せなかった」

 学校法人「森友学園」との国有地売買に関する決裁文書を財務省が改ざんしていた問題で、関係者に大きな衝撃を与えたのは、実際に文書を書き換えたとされる近畿財務局の上席国有財産管理官・A氏(享年55)の死だった。

国会で答弁する安倍首相 ©杉山拓也/文藝春秋

 A氏は、3月2日に朝日新聞が第一報を報じた5日後、神戸市の自宅マンションで首を吊って自殺した。A氏は〈勝手にやったのではなく、財務省からの指示があった〉などと記したメモを残していたという。

佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問 ©杉山拓也/文藝春秋

 A氏の自殺ついて、文書が改ざんされた当時、理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官は、3月27日に行われた国会での証人喚問で次のように述べた。

「本省の理財局と近畿財務局の間で、担当職員であられ、そういうこと(自殺したこと)というなら、それは本当に申し訳ないことだと思っております」

 そんな中、A氏の父親(83)が、月刊「文藝春秋」に現在の心境を綴った手記を寄せた。

「なぜわが息子だけが死ぬ必要があったのだろうか――。今、こうして息子の遺骨と二人きりで家にいると、延々と考えてしまいます」

 父親は、息子の死から2日後に、病院の一室で遺体と対面した。

「穏やかな顔をしており、まるで寝ているようで、今にも起き上がってきそうでした。Aは本当に死んでしまったのか、この時点でも、私はまだ信じることができませんでした」

 父親は、息子の死を受け入れられず、いまも気持ちを整理することも出来ていないという。

麻生太郎財務大臣 ©杉山拓也/文藝春秋

「Aの命が無駄にならないためにも、誰が、何のために、改ざんするような指示をくだしたのか、真相を究明してもらいたいと願います。責任の所在を有耶無耶にされたまま、終わらせては絶対にいけないと思います」

 親としての葛藤、先立った息子への想い――。A氏の父親による手記全文は、4月10日発売の「文藝春秋」5月号に8ページにわたって掲載される。

文藝春秋 2018年 05 月号 [雑誌]

文藝春秋
2018年4月10日 発売

 

 

 


全てはシナリオ通り? 森友疑惑で炙り出された「影の総理」の存在 by 新恭 2018.4.6 MAG2NEWS

2018-04-06 23:09:05 | 森友学園疑惑

全てはシナリオ通り。森友疑惑で炙り出された「影の総理」の存在

arata20180405

森友学園に関する財務省の改ざん問題は、佐川宣寿前国税庁長官への証人喚問を経てもなお真相は明らかにならず、野党側は安倍昭恵首相夫人や今井尚哉(たかや)首相政務担当秘書官の証人喚問を求めています。
 その今井秘書官とは一体どのような人物なのでしょうか。元全国紙社会部記者の新 恭さんが、自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で彼の素顔と森友問題への「関与」について、あくまで推測の範囲内であるとことわった上で詳述しています。

財務省の森友隠ぺいは今井秘書官の指示だったのか

森友問題をめぐり、野党は安倍首相の政務担当秘書官、今井尚哉氏の証人喚問を求めている。

言うまでもなく疑惑の核心は安倍首相の関与だが、首相の意向をくみ、汚れ仕事の代行を引き受けているのが政務担当秘書官だとすると、今井氏が森友学園への国有地叩き売りと公文書改ざんの全貌を知っているという仮説は十分成り立つだろう。

「私や妻は関係していない」「指示はしていない」と安倍首相は言う。それはそうかもしれないが、代わりに今井秘書官が各省庁の官僚に命じ、それを総理の意向として受け止めた省庁が言われるがままに動くことはありうる話だ。

「今井ちゃんは本当に頭がいい。何を聞いてもすぐ答えが出るんだよ」

安倍首相はそのように今井氏をほめているらしいが、当然、官僚たちは総理の“今井依存症”を知っている。

首相が「改造内閣の目玉政策が欲しい」と言えば、今井氏がわずか3日で「一億総活躍社会」という答えを出した。政策というより空疎なスローガンだが、それこそが今井氏の真骨頂だ。アベノミクスを提言したのも今井氏とされている。

自分で考えるより、今井氏に問う方が早い。依存し操られる。国家トップの肖像の内部に秘められた構図だ。

小泉純一郎政権の政務担当総理秘書官、飯島勲氏も裏の権力者として恐れられる存在だった。

その著書『小泉官邸秘録』に次のような記述がある。

(総理の外遊日程について)私の了解なしに相手国との調整にはいったりしないように、外務省に厳命した。

総理がバックにひかえる秘書官という立場は、そもそも特殊だ。ふつうの秘書よりもはるかに忖度される度合いが強い。「外務省に厳命」という表現が示すように、おそろしく“上から目線”なのである。

 

補佐官も、人によって強弱はあるものの、立場は似通っている。加計学園の獣医学部新設計画について、前文部科学事務次官、前川喜平氏は2016年9から10月にかけ、和泉洋人首相補佐官に何度か官邸へ呼び出され、「総理は自分の口から言えないので」と、獣医学部新設を早く認めるよう求められたという。

つまり、総理は自らの口で指示を伝える必要がない。秘書官、参事官、補佐官らが、総理の意向をくんで各省庁を動かしてゆく。首相は「関与していない」という態度をとり続け、秘書官らは総理に忠誠を尽くして真実を隠ぺいする。

結局、割を食うのは総理秘書官らから難題をふっかけられたあげく、国会で追及され、詰め腹を切らされる各省庁の幹部たちである。上ばかり見るヒラメ官僚のきらいがあったが、前国税庁長官、佐川宣寿氏などはその一人であろう。

たとえば、安倍首相に政治家や識者が面会を希望しても、今井秘書官が「会わせたくない」と思えば「スケジュールがいっぱいで」と断わられる。さまざまな重要情報のうち、首相の耳に入れたくないものは握りつぶす。安倍首相は今井氏が選別した情報しか与えられず今井シナリオ通りに動くほかなくなる。

してみると、安倍政権の本質は、今井氏を抜きに語れないということにもなるであろう。

今井氏については当メルマガでこれまで何度も書いてきた。だが、その実像は、われわれ国民には見えない。官邸記者クラブのメンバーはオフレコの懇親会などで彼に接しているが、その言動が報じられることはまずない。

しかし、知り合いの政治部記者からその人物像が漏れ伝わることはある。しばしば耳にするのは「剛腕」「傍若無人」といった評判だ。昨年9月4日の「NEWSポストセブン」にこんな記事が載った。

『取扱厳重注意』と印字されたA4判2枚のペーパーがある。今井氏が官邸詰め記者とのオフレコ懇談(8月16日)で語った内容を記したメモだ。そこには決して漏れてはいけないはずの官邸での総理との生々しいやりとりがこう書かれている。

 

〈ある記者に安倍総理が、「最近今井さんが僕に厳しい」と漏らしたと聞いたから、僕は机を叩いて、「国民のために総理をお支えすることに命をかけている。総理がそんな姿勢なんだったら今すぐ秘書官を辞めてやる」と言ったんだ。そしたら、安倍総理が謝ってきた〉

安倍首相が謝ってきたと自慢げに語るのはどうかと思うが、今井氏が激しい気性の持ち主であり、力づくででもコトを進めるタイプであることがよくわかる。

 

ご記憶の方もいるだろう。昨年4月13日号の週刊文春は、「東芝“原発大暴走”を後押しした安倍首相秘書官 今井尚哉」という記事を大々的に掲載した。

原発の海外輸出に向けて突っ走る東芝がいかに経産省時代の今井氏を頼りにしていたかを、担当者の手帳や、原発部門の幹部たちが交わしたメールを暴露することで明らかにした記事である。

福島原発事故から約3か月後、東芝の原子力フロントエンド営業部グループマネジャーから送られた社内メール。

トルコプロジェクト関係の皆様 本日付で、今井審議官はエネ庁次長兼任発令が出ましたので、お知らせいたします。…原子力システム輸出について、エネ庁次長としての立場で、より一層熱心に主導されます。

東芝が、政府における原発輸出政策の推進役として今井氏に大きな期待をかけていたことがよく分かる文面だ。

その後、秘書官として官邸に戻った今井氏は福島原発事故で滞っていたトルコへの原発輸出プロジェクトを本格的に再開させるため安倍首相に進言して2013年5月、二人一緒にトルコ、UAEを訪問している。脱原発を公言していた大阪市の橋下徹市長を説得して再稼働に方向転換させたのも今井氏だといわれる。

今井氏は経産省官僚のなかでも、財界にとっては特別な存在だ。叔父である経団連会長今井敬氏は現在も経団連名誉会長、新日鐵住金相談役名誉会長として財界に隠然たる影響力を持っている。

あえて邪推をするなら、今井敬氏の財界人脈をバックに、前国税庁長官、佐川宣寿氏が証人喚問で余計なことを言わないよう、近い将来の再就職を匂わした可能性すら否定できない。

安倍首相自身、財界のレジェンドを叔父に持つ今井秘書官との絆は、集票集金の面からもとりわけ重視しているに違いない。第一次政権で事務担当の総理秘書官だった今井氏を気に入っていた安倍首相は第二次政権で政務担当秘書官に抜擢、よほど気が合うのか、個人的にも家族ぐるみの付き合いを続けている。

経団連が2014年から献金の呼びかけを再開し、16年から大手銀行が18年ぶりに自民党への政治献金を復活させた背後に、今井秘書官の暗躍があったという噂もある。あながち的外れとはいえまい。

森友問題に戻ると、昨今ではあからさまに今井氏やその周辺に疑いの目を向ける識者も増えてきた。

法務相の事務担当秘書官の経験がある住田裕子弁護士はテレビ番組でこう発言した。

総理答弁と関連がある場合、省庁の官房文書課が総理のところと連絡調整する。総理の秘書官がある程度、ちゃんと采配してらっしゃるはず…総理秘書官、総理補佐官あたりの総理周辺の事務方にはちゃんと情報があがっている。

前川喜平氏もテレビ番組のインタビューで次のように指摘した。

総理答弁だったら官邸に持っていって、官邸の秘書官や関係の人たちとすり合わせるわけですね。大臣の答弁と局長答弁が食い違わないように調整しますよね。そういうことを、前の日の夜にやるはずです…佐川さんの一存で無茶なことを言っているんじゃなくて、私は官邸とかと調整した上での答弁だと思いますけどね。

佐川氏は官邸の操り人形のように答弁させられていたのではないか。そうさせた張本人として、今井秘書官が浮かび上がるのは当然であろう。

昭恵夫人の“秘書役”をつとめ、森友学園のために財務省に問合せをした谷査恵子氏を経産省から送り込んだのは今井氏である。疑惑の焦点は佐川氏から今井氏に移っている。

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

新 恭(あらた きょう)この著者の記事一覧

記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。

 

 

 

 

 


「安倍一強」を揺るがした大阪地検の女性特捜部長 異常なまでの執念と覚悟 週刊ポスト2018年4月13日号

2018-04-06 00:08:53 | 森友学園疑惑

 

ざっくり言うと

  • 森友問題をめぐり安倍一強を揺るがすのは大阪地検だと週刊ポストが伝えた
  • 執念と覚悟で官邸を追い詰める女性特捜部長は「出世頭」だと大阪の司法記者
  • 国有地払い下げ疑惑の報道直後から関心を持ち、資料を集めていたという

野党の追及よりずっと厳しい大阪地検の女性特捜部長は何者か

官邸が日本で一番恐れる女性?(2008年撮影)

 政権支持率の大幅低下をもたらした森友学園問題をめぐり、安倍一強を揺るがしたのは野党でもメディアでもない。大阪地検特捜部である。異例の女性特捜部長を中心とした捜査チームは、異常なまでの執念と覚悟で、官邸を追い詰めている。

「訴追を受ける恐れがあるので答弁を差し控えたい」

 証人喚問に立った佐川宣寿・前国税庁長官はそう繰り返し、約50回にわたって証言を拒否した。

 自民党内では、佐川氏が安倍晋三首相夫妻をかばい続けたことから、「これで佐川は逮捕を免れる」という見方もあるが、政権が検察捜査を意のままに操れると考えているとすれば思い上がりだろう。

 佐川氏にすれば、ダンマリで逃れられる証人喚問での野党の追及は怖くない。だが、刑事訴追され、証言拒否できない検察の捜査を受けることは本気で恐れていたのだ。

 公文書改竄事件で財務官僚が検察の取り調べに“全面自供”すれば捜査が政界に波及する事態もありうる。森友事件を取材してきたジャーナリスト・伊藤博敏氏が指摘する。

「財務省の公文書偽造の事実がはっきりした以上、大阪地検特捜部は籠池前理事長夫妻だけを逮捕・起訴し、財務官僚は不起訴にするという“予定調和”の捜査はできなくなった。佐川氏が逮捕、起訴される可能性は十分あります。その場合、検察は、財務官僚たちが、国有地を安く払い下げたという背任を隠すために公文書の改竄を行なったという容疑を組み立てるはずです。そして『官邸の指示があった』という証言を得られれば、政治家や官邸中枢も事情聴取の対象になる」

 検察の森友事件捜査は、今後、財務省から政界を視野に入れた展開になる。その指揮を取るのは“酒豪”で知られる山本真千子・大阪地検特捜部長だ。大阪市立大学出身で京都、大阪、東京の各地検を経て法務省人権擁護局総務課長から2年半前、女性初の特捜部長に抜擢された。

「独身で化粧気が全くなく、おしゃれにも無頓着で、記者とも気さくに赤提灯で飲む。これまで大型事件の捜査を手がけたことはなかったが、テキパキ事件を処理するタイプで上司に信頼されている。女性検事の中では出世頭です」(大阪の司法記者)

 趣味は酒とテレビドラマ。とくに木村拓哉主演の検事ドラマ『HERO』の大ファンで、DVDボックスまで買いそろえたといわれている。その山本氏が特捜部長に就任すると、国民の注目を集める森友学園事件に遭遇した。

「山本特捜部長は森友学園への国有地払い下げ疑惑の報道直後から重大な関心を持って内偵捜査を進めさせ、土地売却の資料を集めた。最初から立件に向けてやる気満々だったが、政界がからむだけに捜査は難航した」(同前)

 籠池夫妻の逮捕(2017年7月31日)は「国策捜査」と批判され、その後、籠池夫妻を異例の長期勾留していることも「政権の口封じに加担している」との批判を浴びている。そこに強力な助っ人が現われた。東京地検特捜部である。東京の司法記者が語る。

「大阪地検特捜部は文書改竄問題で財務官僚を大阪に呼び、任意の聴取を行なっている。いずれ佐川氏の聴取も行なわれるはずだが、最高検は大型事件の経験が乏しい山本特捜部長だけでは財務省の捜査は荷が重いとみている。そこでリニア事件捜査が一段落して手が空いた東京地検特捜部と大阪の特捜部が合同で財務省本省に強制捜査に入るという情報が流れています」

 東京地検の森本宏・特捜部長は特捜経験が長い文字通りエース。法務省刑事局刑事課長を経て昨年9月に特捜部長に就任すると、安倍政権肝煎りのリニアに関わる談合事件捜査と、やはり安倍人脈がからむスパコン疑惑を次々に立件し、特捜部の「最強の捜査機関」としての威信を回復させた人物だ。

 最高検は強力な助っ人投入で女性特捜部長に大手柄を立てさせようとしているのである。

◆最高検の“リーク”か

 その背後に検察の安倍政権との因縁がある。法務省・検察組織は検事総長を頂点とするピラミッドで、「検察官の独立」を守るために実質的な人事権も検事総長が握っている。他省では官僚トップの事務次官は検事総長への出世コースにあたる。

 だが、安倍政権は内閣人事局の人事権を盾に検察人事に介入した。

「法務・検察首脳部は2016年7月の人事でエースの林真琴・前刑事局長を事務次官に就任させる人事案を官邸に上げた。ところが、官邸は人事案を突き返し、同期の黒川弘務・官房長を次官に据えた。

 黒川氏は政界捜査の際には情報を逐一官邸にあげることで官邸の覚えがめでたく、甘利明・経済再生相の斡旋利得事件の際に特捜部が甘利事務所への家宅捜索さえ行なわずに不起訴処分にしたのも、そのパイプで政治的取引があったからだと見られています」(伊藤氏)

 その後も、法務・検察首脳部は昨年7月、同12月に林氏を次官にする人事案を上げたが、官邸は拒否して黒川次官を留任させ、ついに林氏は次官になれないまま名古屋高検検事長に異動した。法務・検察は煮え湯を飲まされ続けたのだ。

 安倍官邸の人事介入への反発は、黒川氏の存在で政界捜査に“待った”をかけられてきた特捜部など捜査の第一線に立つ検事ほど強い。

 それからほどなく、朝日新聞が財務省の文書改竄問題をスクープし、安倍政権は追い詰められた。伊藤氏が言う。

「朝日の情報源は改竄前と後の文書を持っていた大阪地検ではないかと見られていますが、流出を疑われるのを覚悟でやったとは考えにくい。むしろ、最高検の検察首脳部が安倍政権に痛打を与えるために出したのではないか」

 オール検察の安倍政権に対する“宣戦布告”だったという見方だ。折しも佐川喚問の後、改竄の全責任を負わされた形の財務省サイドから不穏な情報が流れ出した。

「文書改竄にあたって、官邸と財務省本省の間で書き換える文面の調整が行なわれていた。窓口となったのは双方の中堅キャリアだった」

 という内容で、その話には調整役となった2人の官僚の個人名や関係性などもあって妙に具体性を帯びていた。現時点では真偽不明だが、大阪地検特捜部が財務省への強制捜査と佐川氏ら財務官僚への取り調べで、官邸と財務省が改竄の協議を行なっていたという証拠をつかむことができれば、今度こそ、安倍官邸は決定的なダメージを被ることになる。

 そこまで踏み込めるか、それとも官邸の顔色を窺って籠池夫妻立件で終わるのか、山本特捜部長の真価が問われる。

※週刊ポスト2018年4月13日号

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