かえるところ

田舎のおうちで何をしよう。ひとまず家族でリフォームし、私は野菜を作ってみよう。

小児科

2005-10-23 07:03:17 | こども
三男が咳と共に呼吸が乱れて
苦しそうなので小児科へ。

ぜんそくのような感じだけど、
まあ心配ない、風邪でしょうとのことで
以下を処方。

アスベリンシロップ「調剤用」2% 1.5ml
ビソルボンシロップ0.08%      3ml
メプリンシロップ0.0005%      3ml  3日分

ホクナリンテープ0.5mg       7枚  1調剤

このホクナリンテープというのは初めて処方された。
ちいさな、1cm角強の四角い、半透明のシール。
これを胸や背中などのはがれにくいところに張る。
すると、皮膚を通って体の内部に薬が吸収されるという。
体に直接張り付けて使う気管支拡張剤(経皮吸収型気管支拡張剤)
ということらしい。
ほォー、へェー。

ついでに、以前から気になっていた
次男の不整脈も調べてもらった。

ご機嫌取りに看護婦さんが差し出した
ミニカーを尻目に、
僕は赤ちゃんじゃないから、
もうそんなんいらんのや。
とのたまい、
余裕しゃくしゃくで
診察イスに座った。

その後ベッドに寝転んで、
心電図をとるための装置を
胸や腕に取り付けられた。

まるでガリバーみたい
という私の声に
どうやらご満悦なようす。
ふんっ、と満足げに鼻を膨らませてにやりとしたから。

結果は、これまた、心配ないでしょうとのこと。
脈は確かに一定ではないけれど、
心臓がどうにかなってのことではなさそうで、
呼吸器系の影響だということ。

よかった。

この、小児科の先生は
絵本作家のかこさとしさんにとても似ている。
きっと心の中もかこさとしさんに似ているに違いない
と、勝手に思い込んでいる。

ピアノ調律

2005-10-22 01:44:22 | 古民家再生
黒い革張りの、
様々な道具がぎっしりと、几帳面に詰められた
アタッシュケースを開き、
その人がここまで運転してきた
シルバーの、
傷ひとつない車と同じ色の
スタイリッシュな時計を
かちゃりと外し、
慣れた手つきで
ピアノを分解し始めた。

その繊細な容貌とはうらはらに、
ピアノの重たい部品を
まるで赤ん坊を扱うかのように
軽々と丁寧に、
大切そうにてきぱきと取り外す。
複雑な鍵盤も
見る見る間にただの棒となっていく。

日常に繰り返される作業で
心もち猫背になった後姿、
白い細い指、
地味だけど洗練された
仕立てのよい服。

落ち着いた暖かな、
ささやくような声で
理論的にピアノの内部の説明をする。

ピアノの中で何が起こっていたかをつきとめて、
それを私に報告することに
喜びを感じているかのような、
そんな印象だった。

私はそこで、想像した。
もしここが戦場で、
まわりに弾丸が飛び交っていても、
ときどき銃弾をよけながら
この人は淡々とピアノを分解し
低くゆったりとした情熱的な声で
その役目を果たすのかも知れない。

まわりでは父が柱を削り、
こどもが走り回って
柿やら栗やらを取り合いして
ぎゃーぎゃー言って、
だけどその人は、
ピアノ以外のことを何も聞かず話さず、
ただピアノを取り囲む環境について、
それはピアノのために言っておかないとという調子で、
親切に教えてくれた。

ピアノの調律師は
やはりピアノの調律師だった。



ねずみの巣

2005-10-22 01:17:17 | 古民家再生
なんと、
ピアノ本体と鍵盤の隙間に
ねずみの巣が。

この緑色の巣、
ピアノ内部の
クッション機能を果たす
フェルトでできている。

フェルトをかじり
せっせと運び、
巣を作り上げていた。

ぬくぬくと
なんだか暖かそう。

楽器屋

2005-10-20 22:48:40 | つれづれ
楽器屋に行った。
楽器屋の店主は
やっぱり
楽器屋の店主だった。

日に焼けていないきれいな肌、
華のある立ち居振る舞い、
ギターを弾き続けてきたような爪、
加えて営業トーク。

いとこに借りていた一五一会の弦が切れたので
(いとこさんごめんなさい)
弦を変えてもらおうと思って楽器屋へ。

前日に他店で問い合わせたところ、
そう値段も張らないことが分かり、
たぶん、同じような値段で張り替えてくれるだろうと
家からより近い、この楽器屋を選んだ。

ところが
お客様、こちらの弦はとても音色が美しゅうございます。
と値段の高い弦をすすめられ、
お客様、張替え代はそれなりに頂きます。
と。

他のお店では弦は940円で、張替え代は一弦につき100円だったよ。
と言うと、
では、弦の値段は940円に値引きさせていただきます。
どうせなら、いい音を楽しんでいただきたいから。
張替え代は従来の値段で頂きます。
と。

私が店の前に車を止めたときに感じた、
店主への第一印象。
なんとなく、おもしろいと思ったので、
この買い物を楽しもうと思った。

そして、古家のぼろピアノのことを思い出して、
ぼろピアノを再生したいと申し出た。

お客様、お見積もりは無料ですから。

ということで一度ピアノを見てもらうことに。

なかなかの商売人の、もとミュージシャン。

ちょっとくらいぼったくられても、
おもしろいお店で買い物するのがおもしろい。

だいたい、長靴にぼさぼさ頭の寝ぼけ顔の、
どう見たって580円くらいの弦がお似合いの客(私)に、
高級な美しい音色の弦をすすめる自体、おもしろい。

帰ってから分かったのだけど、
その楽器屋の店主は、
私の高校時代の同級生のお父さんだった。


ねんど

2005-10-18 23:00:31 | 古民家再生
古家の床下の
土をかき出し
池のほとりへ。

床下の土
というのは、
30年前に裏山の
土砂崩れで
流れ落ちてきた土が
床下にたまっていたもの。

湿った土のお陰で
その真上の部屋だけ
浸食がひどかった。

その土砂を
かき集めて
池のほとりの
百日紅の木の下へ。

そこへこども達が
集まって、
こねこね
こねこね。

なんとそれは
ねんど。

レンガ色の赤土。

動きのある遊びの後、
静かだなと思うと、
たいてい
百日紅の木の下で
創作活動に入ってる。

こりゃ
いいや。

かんな

2005-10-18 22:42:57 | 古民家再生
床を取り去り
壁を取り去り
床下の土を削り取り
朽ちた柱を取り替えて。

今は相変わらず
もくもくと
古い柱を
磨き中。

たいてい
電気サンダー
(ディスクグラインダー)を
使う。

あれを使うと
見る見る間に
一皮向け
木の表面がつるつる!

見てると
簡単にできるように見えるけど、
実際はなかなか。
結構力と技術を要する。

そして、
柱によっては
松脂かなにか、
塗料が塗ってある場合、
電気サンダーでは
焦げ付いてしまうものがある。

そのときに登場するのが
かんな。

刃を濡らし
とぎ石でとぐ。
金槌で調節し、
いざ出陣。

サンダーよりさらに
労力と技術が要される。

かしっ
かしっ
かしっ。

電気サンダーの
キュイーンキュイーンキュイーン
とは趣が違う。

もちろん
仕上がりも違う気がする。

もし
古家の再生が完成したら、
柱の一本一本を
確かめてみよう。

電気サンダーと
かんなの違い、
果たして
わかるかどうか…。


月に惑う

2005-10-18 22:25:08 | つれづれ
毎日同じ道を通る。
今朝も同じように。

すると
猫が車道の真ん中に
倒れていた。
もう息絶えて。

少し進むと今度は
狸がやはり
うずくまり、
その屍を
避けるように
車が走っていた。

このような光景を
目にするのは
あまり
ない。

なのに
同じ日に
同じ一本道で
二匹も
みかけるなんて。

きっと
昨夜の月のしわざに
違いない。

月に誘われ
ふわふわと。

もっとも
美しい月の光に
魅入られて
その一生を終えるのは
本望なのかもしれないな。

ウォーン

2005-10-17 22:31:12 | つれづれ
今日は月がすごい。

夕飯のあと
電気を消して
窓を開けて、
みんなで座って
月を見た。

数秒間見つめたあとに
三男は、
怖い怖いと
父にしがみつく。

圧倒的な存在感で
ただそこにある
月。

静けさは、
時には
静けさという音になって
心に迫ってくる。

きっと
子供には、
完全なる月の
迫り来る光と
つきささる静けさが
怖いのだろう。