ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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民主党7奉行がひな壇にそろい踏み 閣外の守護神、仙谷由人さんが野田内閣をただす

2012年10月31日 16時24分57秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]野田首相ら7奉行内閣をただす仙谷由人さん、2012年10月31日、衆議院本会議、民主党ホームページから。

 ついにこの日が来ました。

 第181回臨時国会冒頭の野田佳彦首相の所信表明に対する各党代表質問が行われ、総理ら民主党7奉行のうち、 唯一閣外にとどまり党の留守番を任された民主党副代表、仙谷由人さんが演壇に上がり、野田内閣を身内ながら厳しく叱責。

 ひな壇の向かって左には、野田佳彦首相、玄葉光一郎外相、前原誠司国家戦略相、樽床伸二総務相、ひな壇向かって右には岡田克也副総理、枝野幸男経産相が着席。これにより、2012年(平成24年)10月31日(水)午後2時、初めて民主党7奉行全員がひな壇に上がった状態になりました。

 民主党7奉行そろい踏みは、憲政史上初めて。

 これは岡田さん、仙谷さんが1990年2月18日に初当選、野田総理ら5人が1993年7月18日に初当選して以来、19年目の秋の臨時国会で実現しました。とはいえ、全員が第45期衆議院で初入閣。鳩菅および小沢一郎氏につぐ「第二期民主党・反小沢」のエース格の7人ですが、鳩山内閣(小沢一郎幹事長)では、岡田さん、仙谷さん、前原さんの3人しか入閣しておらず、人材を使えずスタートダッシュに失敗しました。それでも反小沢を貫き、あまりにも経験の多い第45期のしめくくりとして実現しました。

 きょうは民主党のまた新しい出発の日です。

 渡部恒三先生が選び、名付け、育てた民主党7奉行ですが、安住淳さん、松本剛明さん、細野豪志さん、長妻昭さん、山井和則さん、馬淵澄夫さんらを加えた方が良いとの声もあり、各々がより若い世代を取り込む動きが活発に繰り広げられてきました。

 仙谷さんは「今の日本は4重5重の構造的危機にあります」として、震災、原発事故、失われた20年、欧州政府債務危機らとしっかり闘うよう、閣内6奉行に覚悟を迫りました。押っ取り刀で、特例公債法案の成立を呼びかけ、「野党にも健全野党は何かを考えてほしい」として、7奉行が対峙する自民党らに呼びかけました。

  さらに閣外にいる自由な立場から、喫緊する最大の的である「参議院自民党」を名指しし、「参議院自民党は問責決議を振りかざし、自縄自縛に陥っている」とし、議員席を見渡し「自民党総裁のガバナンスを疑わざるを得ない」と痛烈に皮肉りました。

 定数是正法案については、「違憲の衆議院の首班指名には、legitimacyが欠けている」との原理を示し、次の任期に禍根を残さないよう呼びかけました。

 復興予算にシロアリがたかった経緯など閣外だから質問できること、日本再生戦略のように省庁横断的課題、パッケージインフラのように閣内だと言及がはばかられる雰囲気がある政策課題を積極的に取り上げました。そして、仙谷さんの政治家としての譲れない一線だったのでしょう、民主党結党時の党綱領的文書「私たちの基本理念」に触れ、「総理にはど真ん中の中道をどこまでも進んでほしい」として、民主中道の道を歩むよう質問をまとめて、降壇しました。

 これに先立つ代表質問には安倍晋三・自民党総裁が登壇。首相経験のあるシャドウ首相が現首相を冒頭でただすのもこれが初めて。憲政史に残る一日となりました。

 日本デモクラシーの新しい一日でした。そして、今、政権にあって国難にあたっているのが7奉行であるということです。ようやく「もはや小沢ではない」当たり前の政治が戻りつつある新進党解党から15年目の秋です。

 7奉行とともに日本再生に国民全員の総力を結集しましょう。



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松野頼久代表、不信任案「反対」も含めて検討 衆議院5議席、日本維新の会

2012年10月30日 22時47分41秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 日本維新の会(にっぽんいしんのかい)国会議員団の松野頼久代表(衆院熊本1区)は2012年10月30日のBSフジ「プライムニュース」で、「政局とは一線を画す」として、自公など野党2党が年内解散を迫るために今国会に内閣不信任案を提出した際に、「反対」も含めて対応を検討することを明らかにしました。

 松野代表は、第46回衆院選で日本維新の会公認候補が勝利し、「橋下チルドレン」と呼ばれる新人議員が大量にできるのではないか、と問われ、「私は日本新党の職員をしていたが、(1993年の第41回衆院選で)公募で枝野幸男さん、(キャスターから比例単独参院議員になっていた)小池百合子さんが出てきてしばらくしたら能力のある人が磨かれて、今の日本の政治に中核になっている」として、橋下チルドレンの中から官僚主導・中央集権的な政治に風穴をあける人材が見られるとの考えを示しました。

 そのうえで、民主党衆院議員から今国会で離党者が出ていて、さらに6人が離党すると、内閣不信任案が可決されかねない状態になっていることについて、「マジック6、などと言われているが、不信任案を通すために、理念の違う人を勧誘するということはしない」と述べ、現職の候補(予定)者は厳選する考えを示しました。小選挙区での候補(予定)者については、第3極各党で「棲み分けをする」として候補者一本化への調整を加速する考えを示しました。

 内閣不信任案に関する発言について、同党幹部は同日夜「自分たちだけでは内閣不信任案を提出する人数がいないので、他党が出してきた場合は中身を見て、政治状況を勘案して考える」と述べ、内閣不信任案に対して必ずしも賛成するわけではなく、反対する可能性がある」と松野発言を解説しました。

 維新の会の衆院議員は5人。仮に同党が青票(反対)に回れば、「民主党・無所属クラブ・国民新党」の第45回衆院選直後はおよそ315人(追加公認含む)から「234人」と無所属の横路孝弘議長が党議に従い青票(反対票)を投票すれば、内閣不信任案を否決できる公算となります。

 維新の会の支持基盤である自治体首長・議員らが地方交付税凍結に反発していることから特例公債法の成立を優先したい考え。「年内解散」を打ち出す自民党など野党から日本維新の会国会議員団への働きかけが活発化しそうです。

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10月29日(月)のつぶやき

2012年10月30日 01時13分27秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

第181回国会(第181臨時国会)はきょう2012年10月29日(月)召集されました。午前10時から参議院本会議でスタートです。#kokkai #seiji #nhk

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#kokkai 細かい話ですが、召集詔書には「29日に、国会の臨時会を東京に召集する」と書いてあるので、NHKニュースの「きょう召集されます」という表現は「きょう召集されました」だと、私は思います。前の原稿を踏襲するだけでなく、国難だからこそ本質に立ち戻った報道を期待します。


いよいよ今日、臨時国会が召集。午後の野田総理の所信表明演説に野党が出席するかが未定。最後まで、野党に出席を呼び掛け続けたいと思います。参議院では野田総理の所信表明演説が行われません。非常に残念です。

国会実況 国会中継さんがリツイート | 13 RT

参議院の会派別所属議員数→ sangiin.go.jp/japanese/joho1…

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参議院では午前10時から、「院の構成」を定める本会議が開かれます。常任委員長人事(選挙を省略して議長が指名)などです。webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php #kokkai #seiji

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本日より第181回臨時国会が開会です。衆院本会議10時~shugiintv.go.jp/jp/index.php参院本会議10時~開会式13時~webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.phpニコ生でも放送してますNHK総合国会中継「所信表明演説」 14時~#kokkai

国会実況 国会中継さんがリツイート | 3 RT

秋の臨時国会冒頭で委員長・委員の人事を決め、翌年の通常国会会期末になだれ込むのが通例です。このため、二大政党の党首選はたいてい9月ですし、国会や政党では秋が人事の季節になります。#kokkai #seiji  

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参議院本会議は、議院運営委員長に岩城光英さん(自民党)、法務委員長に草川昭三さん(公明党)、予算委員長に石井一さん(民主党)、財政金融委員長に川崎稔さん(同)ら15人の委員長を選び、休憩しました。この後は正午から衆議院本会議の予定です。#kokkai

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参議院では7つの特別委員会が設置されたので、委員長を互選する委員会が開かれています。これはほとんど儀式です。#kokkai

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参議院の7つの特別委員会が開かれ、政治倫理の確立および選挙制度に関する特別委員長は互選(省略)で民主党の轟木利治さん。理事には西田昌司さんら7人。また、東日本大震災復興特別委員会では委員長互選、あいさつ、理事選任に続き、東電福島原子力発電所への国政調査のための委員派遣の報告。


岩城光英・議院運営、礒崎陽輔文教科学、石井準一国交、川口順子環境、金子原二郎決算、森まさこ行政監視各常任委員長と、牧野たかお災害対策、猪口邦子沖縄および北方、伊達忠一ODAの3特別委員長です。RT @akynon @jiminto_jp 自民党の委員長一覧で下さい!

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第一議員会館の地下四階で、離党届の提出が遅れているみたいなんで直接向かいます、と携帯電話で話している人がいたんだけど、誰がどこへ???

国会実況 国会中継さんがリツイート | 50 RT

日常茶飯事。RT @konotarogomame 第一議員会館の地下四階で、離党届の提出が遅れているみたいなんで直接向かいます、と携帯電話で話している人がいたんだけど、誰がどこへ???

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政府、同じ文面の特例公債法案を提出 公明党が衆本で反対、追い込まれた山口代表

2012年10月29日 23時59分59秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

(このエントリーの初投稿日時は2012-10-30 17:57:14)

 政府は2012年10月29日(月)早朝に臨時閣議を開き、「新特例公債法案(財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案)」(第181国会閣法1号)を決定しました。同日、衆議院に提出しました。これは先の通常国会で、民主党・国民新党の賛成、公明党の反対、自民党の欠席で衆議院で可決(8月28日)した法案(180閣法2号内閣修正)とまったく同じ文面です。

 第180通常国会で、特例公債法案は、

 2月21日、委員会に付託。
 2月29日、安住淳財務大臣が提案理由説明。
 3月2日、質疑入り。
 8月1日、3党合意による年金特例公債(つなぎ公債)の発行に関する規定を追加して、タイトルを改題する内閣修正要求がかかり、安住財務大臣が説明。
 8月3日、参考人から意見を聴取。
 8月24日、野田内閣総理大臣入りでの質疑、質疑終局、討論、採決。
 8月28日、衆本で、民主党・国民新党が賛成、公明党・国民の生活が第一が反対、自民党が欠席のもと、起立多数で可決。
 8月28日、衆議院が参議院に送付。
 9月8日、参・議院運営委員会が付託せず、会期末で審議未了廃案。

 となっています。

 そして、10月29日、3党首会談で野田佳彦代表(総理)が自民党の林芳正さんらがつくった財政健全化責任法案(第177国会で審議未了廃案)を抱き込んだ「
成長戦略と財政健全目標入りの新・特例公債法案」を提案しましたが、安倍晋三・自民党総裁、山口那津男・公明党代表は「ひたすら解散時期の明示を求め、堂々めぐりに終わった」(野田代表の説明)ことによる破談。そして、政府が10月29日召集を決定。という流れです。

 ここで、野田内閣が同じ文面の特例公債法案を決定したのは、8月28日の衆本で反対した公明党に対して、匕首(あいくち)を突きつけたと、私は見ています。ご存じの通り、山口那津男代表、井上義久幹事長と、野田総理、岡田克也副総理、藤村修・内閣官房長官らは、新進党の同僚であり、小沢一郎被害者の会のメンバーです。しかし、当初は融和的な公明党の態度は、ころころと変わり、3党合意後の8月8日の参院採決前に「近いうち解散」を約束させ、さらには、ことし最後の大安吉日の日曜日である「12月9日解散」を迫るなど、野党の分を越えています。

 野田首相が、健全な財政運営と、諸外国との金融関係に配慮し、新特例公債法案を決定したことで、衆院財政金融委員会(五十嵐ふみひこ委員長)での審議はすぐにでも、しめくくり総括質疑に入れるでしょう。そこで、公明党は反対した法案と同じ文面の法案にどう対応するのか。そして、自民党には、財政運営のため、欠席して衆参で可決・成立させるアイディアが浮上している、と報じられています。民主党が「賛成」、自民党が「欠席」、公明党が「反対」となれば、公明党にとって、新進党を解党した小沢一郎氏が代表を務める「国民の生活が第一」と同じ投票行動になります。あるいは、特例公債法案が参議院で否決される事態になっても、公明党は自らの投票行動の整合性を主張することができるのでしょうか。国難の時こそ、政党にとって言行不一致は致命的になりかねません。

 そして、山口さんは「12月9日投票」が仮に実現しなかった場合、組織内でどう、言い訳をするのでしょうか。同床異夢か、異床異夢か。新進党仲間でありながら結婚も離婚もせず、ここまできた公明党。そろそろハッキリとしてほしいと考えています。野田さんの本気度に少し慌てているようにも思えますが、はたしてどうなるか。

 野田さんがすべきこと。それは明日への責任と同時に、今まで一回も総括されていない、新進党解党の歴史的清算をすることです。たとえ、巻き添えで討ち死に(落選)する人がでようと、私は何のためらいもない。新進党解党の歴史的清算のために、衆議院解散はいつか。それは自ずから分かることです。

 9月の有効求人倍率は政権交代後初めて前月比マイナスになりました。消費者支出は2世帯で26万円台に落ち込み、失業率も上がり、鉱工業指数もあり得ないくらい落ち込みました。9月10月の内閣・民主党・自民党支持率の変化は、自民党総裁選挙による露出の増加だけでもなく、内閣改造でもなく、景気低迷が最大の原因だと、私は考えます。震災後不況はこれからが本番です。民主党政権の経済政策はまとまりがなく、不勉強のそしりは免れませんが、誰がやっても厳しい状態に変わりがありません。国難です。国難だからこそ、総理は一歩もたじろいではいけません。

 言行不一致はないか。至誠にもとるなかりしか。試されています。

[特例公債法案(181閣法1号)、財務省ホームページから全文引用はじめ] 

財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律

(趣旨)

第一条

この法律は、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、平成二十四年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるととも
に、平成二十四年度及び平成二十五年度において、基礎年金の国庫負担の追加に伴いこれらの年度において見込まれる費用の財源を確保するため、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)の施行により増加する消費税の収入により償還される公債の発行に関する措置を定めるものとする。

(平成二十四年度における特例公債の発行等)
第二条
政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定及び次条第一項の規定により発行する公債のほか、平成二十四年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定による公債の発行は、平成二十五年六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、同年四月一日以後発行される同項の公債に係る収入は、平成二十四年度所属の歳入とする。
3 政府は、第一項の議決を経ようとするときは、同項の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。
4 政府は、第一項の規定により発行した公債については、その速やかな減債に努めるものとする。

(平成二十四年度及び平成二十五年度における年金特例公債の発行等)
第三条
政府は、財政法第四条第一項の規定にかかわらず、平成二十四年度及び平成二十五年度における基礎年金の国庫負担の追加に伴い見込まれる費用(この項の規定により発行する公債に係る平成二十四年度及び平成二十五年度における利子の支払に要する費用を含む。)の財源については、当該各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定により発行する公債及び当該公債に係る借換国債(特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)第四十六条第一項又は第四十七条の規定により起債される借換国債をいい、当該借換国債につきこれらの規定により順次起債される借換国債を含む。次項において同じ。)についての償還及び平成二十六年度以降の利子の支払に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入をもって充てるものとする。
3 第一項の規定により発行する公債及び当該公債に係る借換国債(次項において「年金特例公債」という。)については、平成四十五年度までの間に償還するものとする。
4 年金特例公債は、特別会計に関する法律第四十二条第二項の規定の適用については、国債とみなさない。

附則
この法律は、公布の日から施行する。

[引用終わり]

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野田首相が所信表明演説、「特例公債法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろう」

2012年10月29日 16時42分07秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]所信表明する野田首相、2012年10月29日(月)、衆議院本会議、首相官邸ホームページから。

 野田佳彦首相は第181臨時国会召集にあたり、所信表明演説をしました。野田第3次改造内閣としては初めてのひな壇で、憲政史上初めて衆議院だけで所信表明演説が行われました。参議院議員は4人の閣僚がひな壇に座りましたが、それ以外の傍聴者はいませんでした。ひな壇には、田中角栄首相の子、田中眞紀子文科相、羽田孜首相の子、羽田雄一郎国交相ら経世会首相の子と、民社党結党メンバーの子である小平忠正・国務大臣国家公安委員長が座りましたが、国会議員の二世はこの3人だけでした。

 野田さんは「私を突き動かしてきたものは、この国の将来を憂える危機感です。今、何とかしなければならない、という切迫した使命感です」と切り出しました。そして、「先の国会で、社会保障・税一体改革の関連法が成立しました。「決断する政治」への断固たる意思を示した画期的な成果です。温もりあふれる社会を取り戻し、次の世代に引き継いでいくための大きな第一歩です。しかし、まだ宿題が残ったままです。「明日(あす)への責任」を果たすために、道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません」と語りました。これは野田さん自らが評価するとおり、通常国会で、予算以外に、社会保障と税の一体改革関連8法のような「大玉」の法律が成立したことは稀。このため、臨時国会の議題はあまり残っていないのですが、大玉を仕上げた分、本来は3月31日までには成立していなければならない特例公債法と、本来は2月25日の数ヶ月前にあたる昨年の臨時国会会期末(12月9日)までに成立させていなければならなかった「1人別枠方式を廃止し定数是正する法律」。この2本はまさに残ったままの宿題です。

 「誰もがやらなければならないことを徒(いたずら)に政局と結び付け、権力闘争に果てしないエネルギーが注がれてしまうような政治をいつまでも繰り返していてよいはずがありません」とした場面では「民主党・無所属クラブ・国民新党」議員席(248人)からひときわ大きな拍手がわきました。

 きょうの演説は、8割方が経済政策だったといえます。本会議場に行く前、私は、デパートの売上高を調べていたのですが、ここ1年以上、お総菜の売り上げは伸び続け、お菓子も8ヶ月プラスとなっています。これは金額ベースですから、値引きをしても総額が増えているわけで、まさに不況期も「デパ地下」強しと感じますが、震災後17ヶ月間一貫してマイナスが続き、今でも前年比2割落ち続けている品目が、一つだけあります。これは「商品券」です。先行き不透明・不安が今の不況の最大の根源であることが分かります。ただ、政府としても、アメリカ大統領の「ニューディール政策」だとか、「月に人類を送る」だとか、そういった目に見える夢を国民に見せる必要があります。

 そういった観点で、衆議院本会議場で演説を聴いていると、残念ながら野田演説にそこまでの具体性はありませんでした。基本的には、各府省からの「短冊方式」にとどまっています。これではダメです。成長戦略がまるで見えません。だいたいが、農林水産業の六次産業化で、金額ベースでのGDP押し上げ効果などあってないようなものでしょう。もう少し、「iPSで再生医療」だけの短冊止まりではなく、「iPSで再生医療、創薬、知的財産、それにかかわる雇用の創出で、経済効果は1兆、10兆、100兆円」とか「ボーイングジェット機の東レのカーボンファイバーなど、日本の石油化学製品は円高知らず」とでも演説すればよかったのです。

 とはいは、散発的に印象に残る文句は複数、ありました。

 「最高裁判所から違憲状態との警告がなされている衆参両院における一票の較差の是正と、定数削減を含む選挙制度改革は、もはや一刻の猶予も許されません。必ず、この国会中に結論を見出してまいります」

 「いかなる政権であっても特例公債なしで今の財政を運営することはできません。既に地方予算などで執行抑制が余儀なくされており、このままでは身近な行政サービスなどが滞って国民生活にも重大な支障が生じ、経済再生の足を引っ張りかねません」

 「ねじれ国会の制約のもとで、政局第一の不毛な党派対立の政治に逆戻りしてしまうのか。それとも、政策本位で論戦を戦わせ、やらなければならないことにきちんと結論を出すことができるのか。その最大の試金石となるのが、特例公債法案です」「毎年の特例公債法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろうではありませんか」としました。

 政府はきょうの臨時閣議で、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案」を決定し、国会に提出したようです。まだ中身を見ていませんが、正面突破するだけでもこの臨時国会の意義はあると考えます。あまり、法律の成立数・成立率を意識する国会ではありません。

 そして、意外と今までなかったテレビ越しのアピールで、「この演説をお茶の間や職場でお聞きいただいている、主権者たる一人ひとりの皆さん」「皆さんが願うのは、党派対立が繰り返され、大局よりも政局ばかりを優先してしまう政治なのでしょうか。それとも、やるべきことを最後までやり抜き、明日(あす)への責任を着実に果たしていく政治なのでしょうか。主権者たる皆さんには、政治の営みを厳しく監視し、明日(あす)への責任を果たす方向へと政治の背中を押してほしいのです」と呼びかけました。

 これは、特例公債法案が成立しなければ、解散に踏み切っても良いのではないかと思います。定数是正法案は8月28日の衆本で可決しているので、最高裁が「違憲状態」と断じるのは確実ですが「選挙無効」に関しては事情判決となることは間違いない、と私は予想しています。そして、長期金利が投機筋などに操作されたら、参議院の緊急集会を開くという手もあります。

 かなり経済政策が入ってきたのは評価しますが、グランドデザインはまったく見えません。商品券が2割マイナスはまだまだ続くでしょうが、せめてお菓子が8ヶ月連続プラスの現状だけは何とか維持しないといけません。かなりギリギリの状態が続きますが、頑張れる人は走らないといけません。

第181臨時国会での野田総理大臣所信表明演説(首相官邸ホームページ)全文引用はじめ] 

一 はじめに ~明日の安心、明日への責任~ 

 第百八十一回国会に当たり、謹んで所信を申し上げます。

 内閣総理大臣を拝命してから一年余。この間、私を突き動かしてきたものは、この国の将来を憂える危機感です。今、何とかしなければならない、という切迫した使命感です。

 東日本大震災が我が国に突き付けた難題。そして、それ以前から我が国が背負ってきた重荷の数々。いずれも、このまま放置すれば、五年後、十年後の将来に取り返しのつかない禍根を残してしまうでしょう。立ち止まっている時間はないのです。

 二年目の厳しい冬を迎える被災地の復興。今も続く原発事故との戦い。事故に起因して再構築が求められるエネルギー・環境政策。不透明感を増す足下の経済情勢と安全保障環境。そして、歴史に類を見ない超少子高齢化社会の到来。全ての課題は複雑に絡み合い、この国の将来を覆っています。

 先の国会で私は、先送りを続ける「決められない政治」から脱却し、「決断する政治」の実現を訴えました。一体、何のための「決断する政治」なのか。今こそ、その原点を見定めなければなりません。

 今日より明日(あした)は必ず良くなる。私は、この国に生を受け、目の前の「今」を懸命に生き抜こうとしている全ての日本人に、そう信じてもらえる社会を作りたいのです。年齢や男女の別、障がいのあるなしなどにかかわらず、どこに住んでいようと、社会の中に自分の「居場所」と「出番」を見出して、ただ一度の人生をたくましく生きていってほしい。子どもも、地方も、働く人も、元気を取り戻してほしいのです。

 「明日(あした)の安心」を生み出したい。私は、雇用を守り、格差を無くし、分厚い中間層に支えられた公正な社会を取り戻したいのです。原発に依存しない、安心できるエネルギー・環境政策を確立したいのです。

 「明日(あす)への責任」を果たしたい。私は、子や孫たち、そして、まだ見ぬ将来世代のために、今を生きる世代としての責任を果たしたいのです。

 「決断する政治」は、今を生きる私たちに「明日(あした)の安心」をもたらし、未来を生きる者たちに向けた「明日(あす)への責任」を果たすために存在しなければなりません。

 先の国会で、社会保障・税一体改革の関連法が成立しました。「決断する政治」への断固たる意思を示した画期的な成果です。温もりあふれる社会を取り戻し、次の世代に引き継いでいくための大きな第一歩です。

 しかし、まだ宿題が残ったままです。「明日(あす)への責任」を果たすために、道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません。

 誰もがやらなければならないことを徒(いたずら)に政局と結び付け、権力闘争に果てしないエネルギーが注がれてしまうような政治をいつまでも繰り返していてよいはずがありません。やみくもに政治空白を作って、政策に停滞をもたらすようなことがあってはなりません。

 将来世代を含む全ての国民を代表する国会議員の皆さん。やるべきことを、きちんとやり抜こうではありませんか。明日(あす)への責任を堂々と果たすため、先の国会で熟議の末に見出した「はじめの一歩」の先に、確かな「次の一歩」を、この国会で力強く踏み出そうではありませんか。

 

二 「明日への責任」を果たすための諸課題

(明日への責任 ~日本経済の再生に道筋を付ける~)
 明日(あす)への責任を果たす。それは、将来不安の連鎖を招くデフレ経済と過度な円高から抜け出すことです。そして、日本経済の潜在力を覚醒させ、先行きに確かな自信を取り戻すことです。

 日本経済の再生に道筋を付け、雇用と暮らしに安心感をもたらすことは、野田内閣が取り組むべき現下の最大の課題です。

 欧州の債務危機の余波や新興国経済の減速によって、世界経済の先行きは決して盤石とは言えません。かつてない規模での貿易赤字など、日本経済の足下にも不安が広がっています。

 今、日本経済が失速してしまっては、雇用や暮らしに直結するだけではなく、将来に向けた改革の推進力までもが失われかねません。切れ目のない経済対策は、改革を断行するための将来投資でもあるのです。

 内閣総理大臣に就任して以降、日本各地で、明日(あす)への挑戦を続ける先駆者や経済の現場を縁の下から支える偉人たちと出会いました。彼らの自信に満ちた笑顔を思い出すとき、私は、日本の潜在力に確信を持つことができます。

 大田区の小さな町工場でミクロン単位の切削を難なく手作業でやり遂げる現代の名工。消費者との絆づくりに農業再生と故郷・群馬の明日(あす)を見出す若き農業者。万国(ばんこく)津(しん)梁(りょう)、世界の架け橋とならんとの使命を自ら体現すべく、沖縄でソフトウェア開発にいそしむ起業家たち。そして、挫折を繰り返しながらも挑戦を続け、感謝と責任感を胸に、知のフロンティアを切り拓いた山中伸弥教授。こうした姿は、私たち日本人の底力を示すほんの一端に過ぎません。

 経済再生を推し進める第一の原動力は、フロンティアの開拓により力強い成長を目指す「日本再生戦略」にあります。これは、疲弊する地域経済の現場で明日(あす)のために戦う人たちへの応援歌でもあります。戦略に描いた道筋を着実にたどっていけるよう、日本再生を担う人材の育成やイノベーションの創出に力を入れるとともに、「グリーン」「ライフ」「農林漁業」の重点三分野と中小企業の活用に、政策資源を重点投入します。

 その先駆けとなる新たな経済対策の策定を指示し、先般、その第一弾をまとめました。新たな成長のエンジンとなるグリーンエネルギー革命。画期的な治療法を待ち望んでいる人たちの心に光を灯(とも)す再生医療の推進。情熱ある若者を担い手として呼び込む農林漁業の六次産業化。今般の経済対策によって、これらを始めとする将来への投資を前倒して実施します。また、金融政策を行う日本銀行とは、更に一層の緊密な連携を図ってまいります。

 国民生活と経済の根幹を支えるエネルギー・環境政策は、大震災後の日本の現実に合わせて再構築しなければなりません。

 東京電力福島第一原発の事故は、これまで進めてきたエネルギー政策の在り方に無数の反省をもたらしました。あたかも事故がなかったかのように原発推進を続けようという姿勢も、国民生活への様々な影響を度外視して即座に原発を無くそうという主張も、明日(あす)への責任を果たすことにはなりません。

 今後のエネルギー・環境政策については、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するとした「革新的エネルギー・環境戦略」を踏まえて、遂行してまいります。その際、立地自治体との約束を守り、国際社会と責任ある議論を行うとともに、国民生活への深刻な打撃が生じないよう、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら対処します。

 戦後早くから長年続けられてきた原発推進政策を変えることは、決して容易なことではありません。それでも、困難な課題から、目をそらしたり、逃げたり、あきらめたりするのではなく、原発に依存しない社会の実現に向けて大きく政策を転換し、果敢に挑戦をしていこうとするものです。

 そして、この新たな挑戦は、経済再生を推し進める第二の原動力ともなります。原子力に依存しない社会を一日でも早く実現するためにはもちろんのこと、日本経済が元気を取り戻すためにも、徹底した省エネ社会の実現と、再生可能エネルギーの導入拡大が鍵を握っています。そのためには、市民の主体的な参画も欠かせません。「グリーン政策大綱」を年末までに策定し、経済対策と併せて、日本から世界へと広がるグリーンエネルギー革命を思い切って加速させます。再生可能エネルギーの導入拡大に不可欠な電力系統の強化や安定化にも取り組みます。オールジャパンの力で、共にこの革命を成し遂げようではありませんか。

 世界の歴史の流れの大局を見据えた時、通商国家たる日本がその繁栄を託すべき術は、思慮深い経済外交にあります。経済外交は、中長期的な我が国の立ち位置を示すだけでなく、経済再生の第三の原動力ともなるものです。

 約半世紀ぶりに東京で開催したIMF・世界銀行総会は、戦後も今も、世界と共にあってこそ日本の繁栄があることを再確認する機会でもありました。通商国家の要諦は、国際環境の変化への即応です。アジアの片隅に浮かぶ、老いていく内向きな島国として衰退の道へと向かってしまうのか。それとも、世界の発展の中心にあるアジア太平洋地域の核として、二十一世紀の新たな繁栄の秩序づくりを主導し、活力に満ちた開かれた国を目指すのか。後者の道を果敢に選ばなければ、明日(あす)への責任は果たせません。

 アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現という目標は、既に内外で共有されています。高いレベルの経済連携を引き続き推進し、自由な貿易・投資が各国に豊かさをもたらし、地域の互恵関係を強化する新たなルールづくりを主導します。そのため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定と、日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に推進します。併せて、日豪EPAなどの交渉を推進し、日EUの早期交渉開始を目指します。

 また、アジア太平洋地域の玄関口として大きな潜在力を持つ沖縄については、その自立的な発展を引き続き力強く支援します。

 さらに、エネルギー・環境政策の革新を図る過程において、資源国との関係を強化する資源外交を展開し、エネルギー安全保障に万全を期してまいります。

(明日への責任 ~被災地の復興と福島再生を途切れさせない~)
 明日(あす)への責任を果たす。それは、大震災のもたらした試練を乗り越えるための支援を一刻たりとも滞らせることなく、被災地の復興への歩みを確実に前へ進めることです。

 発災から一年半以上の歳月が流れました。故郷を愛する住民たちの不屈の精神に支えられ、被災地の街の再生に様々な進捗が見られる一方で、政府の取組には、まだまだ不十分な点、至らぬ点があることも事実です。私は、これまで何度も被災地を訪れ、仮設住宅で暮らされている方々の切実な声に接してきました。そうした声にこたえ、厳しい冬を乗り切るため、お風呂に追い炊き機能を付けるなど、寒さへの備えに万全を期してきました。被災された方々のお住まいがなくなるとの懸念にこたえ、仮設住宅の二年の入居期限を延長しましたが、更に災害公営住宅の整備や住宅の高台移転を精力的に進めます。また、被災地からの御要望が特に強い中小企業グループ化補助金の拡充を始めとする予備費の機動的な投入も決めたところです。

 これからも、復興庁が司令塔となり、改善すべきは改善しながら、継続的な人的支援、復興特区、復興交付金などの支援を進めます。がれきを処理し、活力ある故郷を甦(よみがえ)らせるために奮闘する住民と自治体の努力を、企業やNPOなどとも連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。

 復興予算の使途に、様々な批判が寄せられています。被災地の復興に最優先で使ってほしいという声に真摯に耳を傾けなければなりません。被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については、厳しく絞り込んでまいります。

 原発事故との戦いは、今もまだ続いています。私が先日訪問した福島第一原発の構内では、過酷な作業を続ける現場の作業員に向けて、全国から送り届けられた応援と感謝の言葉が、壁を埋め尽くしていました。風評被害を払拭しようとする地元の人たちの懸命な努力にこたえ、被災地の産品を食べて応援しようという動きも広がっています。福島を愛し、福島の再生に格闘する人たちの不屈の精神は、それを支えようとする、心ある全国の人々とつながり、確かに響きあっているのです。

 福島の再生なくして日本の再生なし。政府全体で共有しているこの強い決意が揺らぐことはありません。内外から寄せられる支援や励ましが止むこともありません。事故原発の廃炉に向けた作業を着実に進めるとともに、除染、賠償、インフラの復旧、産業の再建など福島再生を具体化していくために、予備費による福島企業立地補助金の拡充を始めとする最大限の政策を実施してまいります。

 先の大震災は、国全体の防災対策にも大きな警鐘を鳴らしました。これまでに得た教訓を将来発生が懸念されている南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの対策に活かしていくことも、私たちに託された明日(あす)への責任です。平素から、大規模自然災害だけでなく、テロやサイバー攻撃なども含め、国民の生命・財産を脅かすような事態への備えを徹底し、常に緊張感を持って危機管理に万全を期します。

(明日への責任 ~国民生活の安心の基盤を固める~)
 明日(あす)への責任を果たす。それは、私たちが日々の生活を送る上で感じている将来への不安を少しでも取り除いていくことです。

 明日(あす)に希望を持てない若者たちが数多くいます。明日(あす)を担う子どもたちを育てる喜びを実感するよりも、その負担に押し潰されそうになっている親たちがいます。貧困や孤独にあえぎ、あるいはその瀬戸際にあって、明日(あした)の生活さえ思い描けない人や、いじめに怯(おび)える子どもたちもいます。

 そうした現実から目をそらさず、社会全体として手を差し伸べなければなりません。一人でも多くの人が、働くことを通じて社会とつながる実感を抱くことができるよう、経済全体の再生やミスマッチの解消を通じて、雇用への安心感を育みます。行政の手が行き届かないところにも社会の温もりを届ける「新しい公共」が社会に根付くための環境整備にも努めます。

 国民生活の将来に不安が残るのは、年金、医療、介護といった社会保障の道行きに依然として不確かさがあるからです。

 チルドレン・ファーストの理念に立脚した子ども・子育て支援については、歴史的な拡充に向けて、既に新たな扉が開かれています。

 公党間の約束である三党合意を基礎に、社会保障の残された課題について更に議論を進めなければなりません。早急に「国民会議」を立ち上げ、年金や高齢者医療など、そのあるべき姿を見定め、社会保障の将来に揺るぎない安心感を示していこうではありませんか。

 消費税率引上げの意義は理解できても、生活への影響に不安を感じるという声も聞こえます。低所得者対策や価格転嫁対策を具体化するとともに、きめ細やかな社会保障や税制の基盤となるマイナンバー制度を実現しなければなりません。また、所得税や相続税の累進構造を高めるなど、税制面から格差是正を推し進めなければなりません。積み残しとなっている関連法案の早期成立も含め、こうした社会保障・税一体改革の残された課題に、一つひとつ道筋を付けていこうではありませんか。

(明日への責任 ~国家の矜持を保ち、平和と安定に力を尽くす~)
 明日(あす)への責任を果たす。それは、国家としての矜持(きょうじ)を保ち、アジア太平洋地域の平和と安定に力を尽くしていくことです。

 我が国をめぐる安全保障環境は、かつてなく厳しさを増していることは間違いありません。領土や主権をめぐる様々な出来事も生じています。我が国の平和と安全を守り、領土・領海を守るという国家としての当然の責務を、国際法に従って、不退転の決意で果たします。先の国連総会において、私は、こうした我が国の立場を明快に申し述べました。憲法の基本理念である平和主義を堅持しながら、今後とも国際社会への発信を続けるとともに、周辺海域の警備体制の強化に努めます。

 同時に、人と人との国境を越える交流は、かつてない深まりを見せています。大局観を持って、中国、韓国、ロシアを始めとする周辺諸国と安定した信頼関係を取り結ぶことは、我が国と地域全体が平和と繁栄を享受するための礎であり、国が果たすべき重大な責務の一つです。

 あくまで基軸となるのは、日米同盟です。その基盤をより強固なものにしなければなりません。そうであればこそ、先般、沖縄で発生した許し難い事件は、日本国民、特に沖縄県民の心を深く傷つける事件であり、決してあってはならないものです。事件・事故の再発防止はもちろん、普天間飛行場の移設を始めとする沖縄の基地負担の軽減に向け、全力で取り組んでいくことを改めて誓います。

 北朝鮮との関係では、四年ぶりとなる政府間協議を再開すべく調整しています。日朝平壌宣言に則って、拉致、核、ミサイルの諸懸案を解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針を堅持しつつ、拉致問題の全面的な解決に全力を尽くします。

 先の国会で述べたとおり、首脳間の信頼関係の強化に努め、周辺諸国との友好・互恵関係の更なる充実に努めてまいります。

(明日への責任 ~政治・行政への信頼回復~)
 明日(あす)への責任を果たす。それは、政治と行政への信頼を取り戻すことです。

 最高裁判所から違憲状態との警告がなされている衆参両院における一票の較差の是正と、定数削減を含む選挙制度改革は、もはや一刻の猶予も許されません。必ず、この国会中に結論を見出してまいります。

 いかなる政権であっても特例公債なしで今の財政を運営することはできません。既に地方予算などで執行抑制が余儀なくされており、このままでは身近な行政サービスなどが滞って国民生活にも重大な支障が生じ、経済再生の足を引っ張りかねません。

 「ねじれ国会」の制約のもとで、「政局」第一の不毛な党派対立の政治に逆戻りしてしまうのか。それとも、政策本位で論戦を戦わせ、やらなければならないことにきちんと結論を出すことができるのか。その最大の試金石となるのが、特例公債法案です。一刻も早い法案の成立を図るとともに、予算の裏付けとなる法案の在り方に関して与野党が胸襟を開いて議論を進め、解決策を見出さなければなりません。毎年の特例公債法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろうではありませんか。

 行政改革の歩みも止めてはなりません。地域主権改革は、民主党を中心とする政権にとって改革の一丁目一番地です。関係者の意見を踏まえながら、義務付け・枠付けの更なる見直しや出先機関の原則廃止などを引き続き進めます。また、独立行政法人・特別会計改革、国家公務員の総人件費の抑制、公務員制度改革を引き続き推進するとともに、退職給付の官民較差解消を図ります。さらに、復興に向けた国民負担を軽減できるよう日本郵政の株式売却の準備を進めるとともに、郵政三事業の一体的な運営とユニバーサルサービスの義務付けを基本とする郵政事業改革も着実に進めます。

 

三 おわりに ~中庸の姿勢で、「明日への責任」を果たす決意~

 誰しも、十代遡れば、そこには一〇二四人の祖先がいます。私たちは、遠い昔から祖先たちが引き継いできた長い歴史のたすきを受け継ぎ、この国に生を受けました。戦乱や飢饉(きん)の最中にも、明治の変革期や戦後の焼け野原においても、祖先たちが未来の世代を思い、額に汗して努力を重ね、将来への投資を怠らなかったからこそ、今の私たちの平和と繁栄があるのです。

 子や孫たち、そして、十代先のまだ見ぬ未来を生きる世代のために、私たちは何を残していけるのでしょうか。

 夕暮れ時。一日の仕事を終えて仰ぐ夕日の美しさに感動し、汗を流した充足感に包まれて、明日(あした)を生きていく力が再び満ちていく瞬間です。十年先も、百年先も、夕日の美しさに素直に感動できる勤勉な日本人でありたい。社会に温もりがあふれる、平和で豊かな日本を次の世代に引き継いでいきたいのです。

 私たちの目の前には、国論を二分するような、複雑で困難な課題が山積しています。あまりに先行きが不透明で、閉塞感に包まれているが故に、ややもすると、単純明快で分かりやすい解決策にすがりたいという衝動に駆られてしまうかもしれません。しかし、「極論」の先に、真の解決はありません。

 複雑に絡み合った糸を一つひとつ解きほぐし、今と未来、どちらにも誠実であるために、言葉を尽くして、進むべき道を見出していく。共に見出した進むべき道を、一歩一歩、粘り強く、着実に進んでいく。私たちの背負う明日(あす)への責任を果たす道は、中庸を旨として、意見や利害の対立を乗り越えていく先にしか見出せません。

 国会議員の皆さん。まずは、目の前にある課題に向き合わなければなりません。あくまで政策本位で、未来を慮(おもんばか)り、明日(あす)への責任をひたすらに果たしていく政治文化を確立しようではありませんか。

 そして、この演説をお茶の間や職場でお聞きいただいている、主権者たる一人ひとりの皆さん。「今が良ければそれでよい」という発想では、国としての明日(あす)への責任は果たせません。主権者たる皆さんの力が必要です。

 日本経済の再生の先頭に立つのも、グリーンエネルギー革命を担うのも、活力ある故郷の町を甦(よみがえ)らせるのも、皆さんです。国を守る姿勢を貫くのも、日本の将来への危機感を共有して負担を分かち合っていくのも、全て皆さんです。

 皆さんが願うのは、党派対立が繰り返され、大局よりも政局ばかりを優先してしまう政治なのでしょうか。それとも、やるべきことを最後までやり抜き、明日(あす)への責任を着実に果たしていく政治なのでしょうか。主権者たる皆さんには、政治の営みを厳しく監視し、明日(あす)への責任を果たす方向へと政治の背中を押してほしいのです。

 政権交代以降、民主党を中心とする政権のこれまでの取組は、皆さんの大きな期待にこたえる上では未だ道半ばでありますが、目指してきた社会の方向性は、決して間違っていないと私は信じます。それは、今を生きる仲間と「明日(あした)の安心」を分かち合い、これからを生きていく子や孫たちに「明日(あす)への責任」を果たしていくという強い意思です。中間層の厚みを取り戻し、格差のない公正な社会を取り戻していこうとする断固たる姿勢です。

 暮らしや雇用の不安に怯(おび)える人たちは、今この瞬間にも、社会の温もりが届けられるのを待っています。未来を生きる声なき弱者たちは、常に、私たちの責任ある行動を待っています。明日(あした)の安心をもたらし、明日(あす)への責任を果たすのは、今です。

 今こそ、全ての日本人が手を携えて、分厚い中間層に支えられた、温もりあふれる社会の実現に向けて、更なる一歩を踏み出そうではありませんか。あらん限りの底力を発揮し、将来への自信を確かなものへと変えていこうではありませんか。そして、未来に向かって永遠の時間を生きていく将来の国民たちの声なき期待にこたえていこうではありませんか。

 この国会が、明日(あした)の安心をもたらし、明日(あす)への責任を果たす建設的な議論の場となることを強く期待して、私のこの国会に臨んでの所信といたします。

[全文引用おわり]

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「3代目参議院の天皇」に脇雅史大先生が就任 所信表明演説は衆院のみ

2012年10月29日 16時08分16秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院自民党国会対策委員長に再任した「3代目参議院の天皇」脇雅史大先生、2012年10月5日(金)、本人公式ホームページから。

 第181回臨時国会(181臨時会)は2012年(平成24年)10月29日(月)召集されました。

 ところで、NHKニュースおはよう日本で「きょう召集されます」と何度も連呼していましたが、召集詔書には「29日、東京に臨時会を召集する」とだけ書いてあり、衆議院・参議院規則第1条に「午前10時に参集する」と書いてあるので、朝の時点ではすでに「召集された」のではないでしょうか。虎ノ門事件の反省から自動的に会期がカウントされるようなしくみなので、ぜひ、NHKも前例踏襲ではなく、確認していただきたく思います。

 会期は、衆議院本会議で採決され、2012年(平成24年)11月30日(金)までの33日間と決まりました。

 先の通常国会で参議院で審議未了廃案になっている「特例公債法案」と「1人別枠方式を廃止し定数是正する法案」(ともに今国会では未提出)の成立が焦点になります。ただ、この2法案は、「日切れ指定」で自動的に成立させておいてしかるべき法案であり、「積み残し宿題処理国会」となりそうな気配です。

 きょうの衆議院本会議から、議事進行係が早川久美子さん(東京17区比例復活)になりました。前任の鷲尾英一郎さんも威厳があって良かったのですが、農水政務官に昇格したので、短い期間で交代したようです。今国会にしろ、次の通常国会にしろ、解散当日の本会議では、内閣不信任案が緊急上程されるパターンが大半なので、歴史的な場面で早川さんが登場することになりそうです。


[画像]議事進行係をつとめる早川久美子さん、2012年10月29日、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 参議院は8月29日の本会議で野田首相と民自公3党合意を問責する決議を可決していることから、脇雅史・参議院自民党国会対策委員長、鶴保庸介・参議院議院運営委員長(自民党)らが所信表明演説を拒否しました。なお、午前10時からの参議院本会議で、議運委員長は岩城光英さんに交代しました。ジェントルマンの岩城なので、休憩後から急に方針が変わるのではないかと期待しましたが、休憩のまま所信表明なしに散会しそうです。

 衆議院先例484は「会期の始めに内閣総理大臣が施政方針に関して、外務大臣が外交に関して、財務大臣が財政に関して、経済財政政策担当大臣が経済に関して演説する」としています。「臨時会においては、開会式の後に、内閣総理大臣が所信に関して演説するのが例である」としていますが、少なくとも過去20回以上の臨時国会で所信表明演説はされていません。衆議院だけで所信表明演説があり、もう一つの院(参議院、貴族院)でないのは、憲政史上初めてだそうです。

 ただ、国民は、所信表明演説が衆・本会議で行われ、その十数分後に参・本会議でも同じ演説原稿を首相が読み上げていたという事実をどれだけ知っているのか疑問に思います。というのは、NHKの中継はもともと衆本だけだからです。ここは有権者としてメディアを通して国会を知る間接民主制において、非常に大きな本質的な課題があるところです。衆本と参本を両方NHKが中継すれば、NHKや新聞投稿などは「時間のムダ」という意見であふれかえるでしょう。しかし、通常国会冒頭の政府4演説、臨時国会冒頭の所信表明演説の国会中継(ただし衆本だけ)の後には、「首相が下を見て棒読み」、「野次がひどい」という2つの意見が多いように思います。前者について言えば、施政方針・所信表明演説は閣議決定文書なので、その通り朗読するのが筋です。後者について言えば、衆本の最後に、議事進行係の「国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る○○日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます」という動議が可決しており、この日は野党はひと言も演壇に上がる機会がありません。ですから、与党だけが発言している本会議に野党議員が不規則発言をしたとしても、一定の秩序の中に収まっていれば、「野次がひどい」との批判は当たらない。私はそう考えます。

 小泉純一郎首相が衆参で同じ演説をするのはムダだから一本化したらいい、との発言をしたことがかつてあったと思います。今回は所信表明演説とそれに対する代表質問はボイコットしながら、参議院予算委員会での集中審議はするようですから、参議院自民党の戦術はシッチャカメッチャカで訳が分かりません。村上正邦さん、青木幹雄さんにつぐ「三代目参議院の天皇」脇雅史さんは、本人の活動記録の8月28日に 「野田佳彦内閣総理大臣問責決議案提出(8月29日、本会議で可決)」とするpdf文書を挙げていますが、これは、実際に参本で可決されたものとは違います。現時点でも議事録ができあがっていないのですが、実際に可決されたのは「野田首相を問責し、民自公3党合意を問責する決議」です。(参照谷垣さんが落ちた問責落とし穴にちらつく小沢一郎氏の影 やはり可決したのは14号議案だった 参議運議事録)。脇さんは平成研所属のようで、経世会の系譜を継ぐ「自民党にいるお兄さん」のように感じますが、これ以上意地を張っても、小沢氏のぬかるみにはまるだけです。

 
[写真]お花が似合う、脇雅史大先生。本人公式ホームページから。一部トリミングさせていただきました。

 えてして、小泉首相が求めた国会改革の一つが先例として残った格好になります。英議会のエリザベス女王の施政方針演説(内閣執筆)や、米国議会の大統領教書演説や両院合同になっていますので、参院議員が衆院本会議場に集まる体裁でもいいのかもしれません。きょうの衆本では、参院議員の傍聴者は一人もいませんでした。今の参院には能動的な議員は少なく、脇さんのような能力のある人が出てくると、あっという間に会長や幹事長をおしのけて、参院自民党を仕切るようなことになります。昨年秋の臨時国会では、人事の内紛で新しく就任した溝手顕正・参議院自民党幹事長が、第3次補正予算案提出に伴う安住淳財務大臣の財政演説に対する代表質問に登板し、「総額11兆円の補正のうち、基礎年金国庫負担分の穴埋め2・6兆円の歳出がもっとも大きいのは復興予算とはいえない」という趣旨の演説をしました。これは、最後の埋蔵金となった国鉄を継承した法人からの溜まり金の国庫返納分などの税外収入を1次補正で復旧財源に回したことへの穴埋めで、とくに公明党が強く主張していた増額補正だったのですが、溝手さんはまるっきり見当違いな演説をしました。1次補正の時点で、執行部でなかったために経緯を知らず当事者意識に欠ける結果となりました。そのため、脇国対委員長の主導権が高まったのだろうと考えます。3次補正については、衆本で谷垣禎一・自民党総裁も「全国防災対策費とは、公共事業ではないのか」という趣旨の演説をしています。その一方で現場ベースでは復興基本法に全国防災が書き込まれたわけで、自民党が衆参、執行部と執行部外議員がバラバラになっていることが浮き彫りになります。もはや政党とは言えない状況になりつつあると言えそうです。


[写真]ステキなクールビズを着こなし、国土強靭化法案について記者会見する脇雅史大先生、本人公式ホームページから。

 さて、第181臨時国会ですが、正直、あまり重要な法案があるようには、私には思えません。ただ、第45期衆議院では最後の秋の臨時国会ですし、波乱要因はいろいろとあります。ていねいにしっかりと見ていきたいと思います。

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「岡田かつや、ロングロングウェイ。」にカテゴリーを改名

2012年10月28日 05時02分25秒 | 岡田克也、旅の途中

 おはようございます。

 さあいよいよ、今週から第181臨時国会のスタートです。

 あの暑い夏の総選挙から3年2ヶ月。第45期衆議院、民主党第1次与党期においては、最後の秋の臨時国会になります。

 天高く馬肥ゆる秋。

 今月の内閣改造では、安住淳幹事長代行、鉢呂吉雄選挙対策委員長、中川正春財務委員長の「岡田3人衆」が、党の存亡をかけた「80日間世界一周」に飛び立ちました。

 もし、民主党政権がダメになったらどうするか。それはまだ野党時代、あの暑い夏の総選挙のさいちゅうに、岡田さんが語っています。

 

 政権交代ある政治を根付かせる。二大政党がともにお互いをチェックし、権力、しがらみ、情報を交代させることによって国民の手に政治を取り戻す。あの日(1993年6月18日、宮澤解散)から始まった試みです。

 その試みは、いったん潰えました。言うまでもありません。1997年12月28日、小沢一郎氏による新進党解党の暴挙によってです。そして、2009年8月25日、民主党本部8階の役員室で再び暴挙が起きました。それは、岡田克也幹事長が作成した、第45回衆院選勝利から第22回参院選までの300日間の日程表である「岡田300日プラン」をあろうことか、与党権力の私物化をねらっていた小沢一郎氏が回収し、代表・鳩山由紀夫が黙認した事件です。まさに一度裏切る人間は二度裏切る。

 これにより、鳩山代表が首相官邸に引っ越した後に、民主党本部の留守番は、国民が選んだ岡田幹事長ではなく、悪の枢軸・小沢一郎氏となりました。民主党政権への信頼は失墜しました。ナント300日の間に、内閣支持率が80%から20%に真っ逆さまに落ちました。憲政史上最大の右下がり。第22回参院選で我が党は比例代表では得票数・議席数とも断然トップとなりましたが、選挙区では得票率1位ながら、議席数は自民党に大きく負けました。自公は改選過半数に迫りました。

 それでも、政権交代ある政治のメリットは、この3年2ヶ月間、どぶさらいの汚泥に目を背けながらも、多くの日本国民が理解するようになりました。政権交代ある政治は、体感では風向きの関係で回り回っているように感じますが、前に進みました。

 野党一筋15年。自民党同期当選の福田康夫さん、細田博之さん、同じ経世会の佐田玄一郎さんらに大きく遅れて初入閣した岡田さんですが、外相、副総理と当選7回生の59歳にしては大きすぎる官職を歴任しました。そして、閣議・閣僚懇談会の議事録作成と30年後の公開、製薬・医療機器の規制緩和と薬事法と新医療機器法の分割・改正、そして、JAの金融・葬祭事業などの廃止も含めた見直し、農地の宅地転用の規制強化、農業委員会の制度見直しなど、「平成の農地改革・農民解放」という大きなテーマにかかわっています。とても勇気のある政治家だと考えます。


[写真]当選7回生、59歳の副総理、2012年3月23日、首相官邸ホームページ内副総理の記者会見から。

 民主党政権は事業仕分けで歳出を削り、「控除から手当てへ」の税制改正で租税特別措置を削りました。これにより、次の選挙では特定業界からの支持を受けづらくなり、今までの与党の強み(しめつけ)を使えなくなりました。それは必定であり、民主党がしなければならなかったことです。

 安住淳幹事長代行は2012年10月19日(金)の定例記者会見で「幹事長と、私と、選対委員長の3人で、それぞれの選挙区を抜き打ち的に歩きます」と述べました。そして「任期を考えると、もともとの民主党の支持団体と地元の議員の間で、どのようになっているかの確認したい」としています。逆風の選挙こそ、足腰の強さが求められ、そして、頼りになるのは雨天の友です。衆議院小選挙区の特質を理解しないで、もともとの支持団体ではないJA農協と交わったり、野党時代は招待状をくれなかった各種行事であいさつして地元周りと称するような議員は落選すればいい。裏切り者です。

 議員仕分けが必要になってきます。鉢呂選対委員長は、新しい公募から能力ある新人を擁立しようとしています。元自由党副党首、中井洽議員(三重1区)も自ら今期限りの引退を表明しました。

 岡田さんは23日の記者会見で野田総理の発言を巡る受け止め方について、「それを勝手に一部のメディアは3条件というふうに伝えているということです。もちろん議員の中にもそういうふうに受け取って、発言している方はいらっしゃるわけですが、それは間違いであるということを伝えている、私は申し上げているわけです」と述べ、最近顕著なメディアが誤解し、議員が誤解し、メディアが報じるという誤解の拡大再生産に警鐘を鳴らしています。伝言ゲームがきちんとできるかどうかは、選挙や政治活動の基本であり、新聞をスマートフォンで読んで、そのまま信じるような一部議員には消えてもらわないと、次の有事でも脚を引っ張りかねません。

 東日本大震災で、この国は大きな歴史の転換期を迎えました。岡田幹事長は震災の時に、1期生にこう言いました。「こういうときこそ人は見られている」。その後の日本政治はご存知の通り、第177通常国会の6月1日に小沢一郎氏にそそのかされる格好で、自公が菅内閣不信任案を提出し、否決されました。それから1年経って、またしても小沢一郎氏が暗躍し、社会保障と税の一体改革法案の衆院採決を迎えましたが、可決に成功しました。そして、8月29日(水)には自公を批判する野田内閣問責決議が参院で可決しました。これも政党助成法の関係で早期解散は困る小沢氏の差し金で、3度騙された谷垣禎一さんは自民党総裁を追われました。ケミストリーの合う、宏池会・谷垣総裁の失脚は残念でしたが、3度も小沢に騙されるようでは、リアル首相として外交は任せられません。私は思いました。「こういうときこそ人は見られている」と。

 小沢一郎を倒さなければなりません。小沢グループ新党「国民の生活が第一」を根絶やしにしなければなりません。小沢一郎を亡き者にして、それで二大政党の定着は終わりではありません。80年前の二大政党制が失敗したと我が物顔で言う人間がいますが、まったくの勉強不足です。80年前の失敗はすべてテロリズムです。例えば立憲政友会に限定しても、初代党首の伊藤博文、3代党首の原敬、4代党首の高橋是清、6代党首の犬養毅が暗殺されています。2代党首の西園寺公望は元老として暗躍し、5代党首の田中義一は首相在任中に板垣征士郎・石原完爾による満州侵略を防げなかったので、いわば暗殺されるまでもなかったのです。大正デモクラシーの二大政党が官僚(陸軍省)に権力を奪われたのはテロリズムが最大の要因であり、政争にその責を負うのは本質を捉える能力のない歴史家にすぎません。人間の一生は重い荷物を背負って、遠い道を行くようなものです。岡田さんは政権交代ある政治の前に立ちはだかった「衆参ねじれ」に対して、「例え狭い道(ナローパス)でも前に進む」「走りながら考える」として、辞任3条件と3党合意にもとづき、平成23年度特例公債法を成立させました。そして、毎年総理が特例公債法という人質の交換条件として辞任する連鎖を経つために、第180通常国会では会期末を9月8日に設定して、「特例公債法案が成立しないと11月に財源が枯渇する」という論法を打ち出し、総理を救いました(「淳が総理を神隠し」)。第181臨時国会では、3代目参議院の天皇・自民党の脇雅史・参院国対委員長が所信表明を本会議の議題にしないことにしました。でもそれもいいのではないでしょうか。小泉純一郎首相(清和会自民党総裁)も「(施政方針)演説を衆参で2回でやるのは無駄なので改善してほしい」と国対に告げ、参議院の反発を招きました。

 新しい時代の幕開けです。

 新生党羽田内閣が倒されたとき、次の総選挙で与党になれると思っていました。甘かった。牛丼一筋80年ならぬ野党一筋15年。しかし、その間、一瞬たりとも、与党になったらどうするという観点を持ち続けた。それが岡田さんです。ですから、2009年5月の民主党代表選で岡田さんが当選していれば、2011年3月11日以降の日本の姿は変わっていたかもしれません。ひょっとしたら、原子力発電所が爆発することはなかったかもしれません。まあ、それは詮無いことなので、やめておきましょう。

 2007年8月のブログ開設からしばらくは、羽田孜再登板をあきらめて、新生党最年少の岡田首相をめざしていることは、ずっとこのブログでは隠してきました。それが思いの外、2009年5月という早いタイミングで岡田さんが代表選に出馬。当ブログは説明不足のまま、岡田首相に向けてダッシュすることになり、政治ブログランキング2位だったのが、「応援クリックが激減する」という何とも陰湿なイジメにあい、ランキングを退会しました。8月政権交代。もともとリスクヘッジからブログを止めるとしていましたが、鳩山代表が岡田幹事長を更迭し、新進党解党者・小沢一郎氏を幹事長にするという暴挙をみて、ブログを再開。足がすくんで物が言えぬようになった政治家と支持者、私はこの時誰が足がすくんで物が言えなくなったか、一生忘れないと思いますが、それを横目に、2010年6月に小沢を引きずり降ろすことに成功。野党内野党(民主党副代表)を密かに応援してから、2年10ヶ月でついに与党内与党へと。そこから歴史の流れが速くなり、さらに「3・11」でジェットコースター状態になり、ついには、2年4ヶ月間、与党内与党のもっとも官邸に近いブログとなりました。書けないことも増えました。その割に、書いておかないと気が済まないことが増えて、文章量は圧倒的に多くなりました。与党というのは何もかも驚くことばかりでした。たとえナローパスでも、第45期衆議院を最後の最後まで走り抜けなければなりません。

 まっすぐに、ひたむきに。そこから逃げるのではなく、この国が好きだからこそ、ロングロングウェイ。例えナローパスでもロングロングウェイ。次の次のそのまた次の選択のために、二大政党政治の完成に向けて、第181回臨時国会も全力で駆け抜けていく所存です。

 岡田かつやの可能性への挑戦は、まだスタートラインに着いたばかりです。

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陛下、詔書を交付 第181臨時会、平成24年10月29日(月)午前10時東京に召集

2012年10月25日 18時50分07秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]お稲刈りをなさる陛下、宮内庁ホームページから。

 天皇陛下は詔書を発せられ、 「日本国憲法第7条および国会法第1条によって、平成24年(2012年)10月29日(月)、国会の臨時会を東京に召集」されました。25日付官報特別号外30号に掲載されました。衆議院規則・参議院規則第1条により、「議員は、召集詔書に指定された期日の午前10時に、衆議院(参議院)に集会しなければならない」としています。

 会期は召集日から計算されます。これは、戦前の帝国議会の議院法が開院式当日から会期を計算することにしていたところ、開院式に出席しようとした天皇(摂政の宮さま、後の昭和天皇)が共産主義者に銃撃された「虎ノ門事件」により、関東大震災の復興が遅れた反省を踏まえて、戦後の国会の国会法では、開会式当日ではなく、召集当日から自動的に計算するように改まったものです。

 会期は2012年11月30日(金)までの33日間を予定しており、衆議院多数派(すなわち与党)の優越規定があるので、決められる見通し。

 
[インターネット官報から。] 

 なお、召集を伝達する衆議院議院運営委員会理事会に、自民党の坂本哲志理事(熊本3区)、高木毅理事(福井3区)、 公明党の遠藤乙彦理事は欠席。自民党の鶴保庸介・参議院議院運営委員長は理事会そのものを設定しませんでした。自民党の安倍晋三総裁は、審議拒否をしない方針を示していますが、自民党の脇雅史参議院国会対策委員長は審議拒否する方針で、この安倍さんと脇さんとの自民党内のかけひきも今国会の見所となりそうです。かりに召集に遅れる場合は、応召延期届の提出が必要で、提出がない場合は、「未応召議員」として衆議院公報・参議院公報に掲載されます。

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正力松太郎・小林与三次親子の後輩が法相で読売新聞安堵か 

2012年10月24日 18時11分28秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 福島県浪江町出身で元神奈川県議会議員の田中慶秋さんが法相から引きずり降ろされ、滝実さんが法相になりました。滝さんは東大法学部卒の旧内務官僚(旧自治省・旧警察庁、現在の総務省・国家公安委員会)の出身。読売新聞社の事実上の創業者といえる正力松太郎元社主・小林与三次元社長親子も同じく東大法学部卒の旧内務官僚で、公正取引委員長の国会同意人事を控える中、読売新聞社内には安堵が広がったでしょう。東大法学部卒の自治・警察官僚の法相起用は多く、宮澤内閣の後藤田正晴副総理・法相などがいます。ただ、後藤田先生なら顔が有名なのでいいのですが、下稲葉耕吉元法相(ご健在)にいたっては、元警察庁ナンバー2(元警視総監)だったとはいえ、ヒラの参議院議員のときから、警護官(SP)がつくという不思議な議員で、「脅迫があったから」ということで職務権限に基づく、警察権力の国会介入だったのではないかと感じられます。

 私が見たところ、最近の読売新聞は単価が安いと思われる通信販売の広告が目立ち、朝刊一つで3000万円ぐらいしか広告収入がないようにも思えます。3000万円といえばすごいようにも感じられますが、年間売上高は100億円程度にしかならず、社員一人あたり1000万円以下です。新聞業は販売収入と広告収入の2本立て。が、部数が減ると、販売収入と広告収入が同時に減るので、とてもリスクの大きい商売で、読売会館をビックカメラに貸したり、遊園地(よみうりランド)を保有するなど、平時から不動産保有を多くしているのはこのためです。景気の先行きは、少なくとも来春まで好転しない見込みで、しばらくは地獄が続きそうです。

 公正取引委員会委員長人事をめぐる国会同意人事をめぐって、民主党政権が右手で握手をしながら、左手の拳を振り上げているような気もします。来年4月の日本銀行総裁人事では武藤敏郎前副総裁(初代財務事務次官)の指名を私は望んでいますが、公取委員長については適任者が思い当たらず、第181臨時国会で国会同意人事をしないという選択肢もあるかもしれません。

 もちろん、再販売価格維持制度を突然やめることはないでしょうが、そもそもブロードシート判の在京紙は6紙も必要なのか。選別があってしかるべきです。警視庁はきょうも、住吉会系の「団長」を称するヤクザを逮捕しました。「フィリピンで4人が食中毒になり、金塊入りのバッグを盗まれたから」として、海外損害保険を200万円騙し取ったという犯罪です。ホントウにヤクザが時代遅れになり、生活費稼ぎに必死になっていることがみてとれます。まさに「警視庁グッジョブ」であり、警視庁が住吉会、稲川会を壊滅させることを期待します。ヤクザは時代遅れです。警視庁がヤクザを撲滅することは是か否か、マスコミが世論調査をすれば、支持率は100%でしょう。むしろ、時代遅れになっているのは、読売新聞などマスコミの方です。

 読売新聞社はこの法相交代劇で満足しているのでしょうか。

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野党3党が召集伝達の衆・議運理事会欠席 世襲貴族、安倍ちゃんの「常識」とは誰の常識か?

2012年10月24日 17時00分20秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 第181回国会(第181臨時会)の召集(天皇の国事行為=日本国憲法第7条)を国会に伝達するため、責任政党・民主党は衆議院議院運営委員会の理事会を2012年10月24日(水)午前11時に設定しました。通常国会の委員長が入閣したことから、高木義明・委員長代理理事が職権で設定しました。ところが、「年内解散」を要求する自民党・国民の生活が第一・公明党の3野党(坂本哲志、高木毅、太田和美、遠藤乙彦の4衆院議員)が欠席。午後3時から再度集まったものの、待ちぼうけとなり暫時休憩。このまま流会する見通し。

 国会法第1条は「国会の召集詔書は、集会の期日を定めてこれを公布する。常会の召集詔書は、少なくとも10日前にこれを公布しなければならない。臨時会および特別会の召集詔書の公布は、前項によることを要しない」となっており、臨時国会の召集は、当日でも可能で、その名の通り「臨時国会」となっています。「臨時国会の場合は召集7日前」とも言われますが、これは慣例に過ぎず、法的根拠がありません。ですから、きょうの野党の欠席戦術は法的根拠がない作戦です。たしかに第45期衆議院では、民主党が法的根拠のない「事業仕分け」大作戦をしましたが、民主党には憲法73条により予算編成権があります。国会においては野党は、憲法や現行法を盾に抵抗しなければならず、法的根拠のない抵抗は、それこそ「理由なき反抗」でしかありません。

 野田内閣は日本国憲法第7条に基づき、国会の召集を断行する構え。

【「常識番長」安倍ちゃんの常識は誰の常識?】

 さて、ここで問題になるのは、自民党総裁の安倍晋三さんが就任以来記者会見で18回言及している「常識」とは何か。広辞苑によると、「常識」はcommon sense の翻訳後で「普通、一般人が持つ、また、待っているべき知識。専門的知識でない一般的知識とともに、理解力・判断力・思慮分別などを含む」とのことです。就任以来の1年弱で「常識」を18回記者会見で繰り返した、元首相、父方も母方も祖父が衆院議員の安倍ちゃんの「常識」とは、憲法・国会法でなく、何の常識なんでしょうか。安倍ちゃんの「常識」にひそむ、「一般人」とは誰のことなのでしょうか。

[自民党本部ホームページから引用はじめ]

10月19日(金)

これは今までの常識からいって、政党間の交渉ではなかったことではないかと思います。

我々がかつて政権にあった時は、そういう努力を重ねて法律を通し、予算を通し、必要な対応をお願いしていたわけであります。そういう常識に則って、責任をもう少し感じて対応していただきたいと思います。

それは常識だろうと思いますね。

10月18日(木)

これは政治の世界では常識的な政府の努力ですから、そういう努力は当然していただけるだろうと思います。

10月11日(木)


これは何回も申しあげております通り、国民との約束であり、この約束の上に立って三党合意を進めていく、法律の成立に協力したわけでありますから、当然「近いうち」というのは、誰が考えたって年内、これが常識であろうと思います。この常識の中で、当然総理はいつにするか考えておられるんだろうと思いますね。

その中において、明確に国民との約束を交わしたんですから、それを果たすんだろうという常識の下で、党首会談に応じていきたいと思いますね。
10月5日(金)

ですから、その通常の形、常識に則ってですね、ちゃんとやってもらいたいということですね。

10月4日(木)

これは常識的に考えて政府・与党が考え、そして譲歩すべき点は譲歩していくということではないでしょうか。ですから、これはあくまでも彼らが、今私が申し上げている常識的な問いかけに答えていくことがまず第一ではないかと思います。

常識を一にするという常識の範囲内でですね、そしてその上に立って、しかし賛成するためには、これは当たり前のことですが与野党が交渉をすると。

民主党の特徴というのは、この重要な常識、国益とは何か、主権とは何か、国を維持していくということはどういうことかという認識が欠落しているとしか思えませんし、法務大臣ですからね、法の番人ではないだろうかと思います。


でもそれは、どういうスケジュールで、いついつまでにやっていくということはですね、これは常識的に考えて政府・与党が考え、そして譲歩すべき点は譲歩していくということではないでしょうか。ですから、これはあくまでも彼らが、今私が申し上げている常識的な問いかけに答えていくことがまず第一ではないかと思います。


10月1日(月)

その中に置いてですね、常識で考えなければいけませんけれども、その常識についてですね、お互いに認識をともにしていきたいと思います。

9月28日(金)


そんな中において、民主党は先の総選挙で、消費税を上げなくても自分たちの政策的な課題は行えるよと、全く逆のことを今言っているんですから、普通であれば、「その前に解散総選挙をやってくださいよ」これが常識だろうと思います。

[引用おわり]

 そして、安倍総裁を選んだ自民党国会議員・党員の「常識」とは何か。そして、竹島に不法上陸する韓国大統領と安倍さんの「常識」とは何か。尖閣諸島の領有権を主張する中国首脳と安倍さんの「常識」とは何か。

 説明責任が問われますし、安倍総裁をたしなめる人が今の自民党にいるのでしょうか。例えば、菅義偉・幹事長代行の安倍内閣のときに官房長官をねらっていた風情から安倍さんを注意できるとは思えません。かつて家庭教師だった平沢勝栄さんも未入閣の状態で総裁に物言えるのでしょうか。石破茂幹事長は自分が総裁になりたいと思っているでしょうから言わないでしょう。せめて、清和会の年長者で先輩官房長官である細田博之総務会長が言えるかどうかでしょう。それができなければ、自民党は世襲貴族のインチキ政党であることを明確な対立軸として提示して、第46回衆院選に臨むべきでしょう。

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衆院民主党秘書会の「心合わせ」中止 安倍ファミリーの毎日新聞はふざけるな

2012年10月24日 08時21分10秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 少し毎日新聞の報道ぶりが前以上にえげつなくなってきて、猛省を促したいところです。新聞社は12月決算が多いので、広告収入ねらいもあって「年内解散」という社論を打つところがあります。具体的には、利益率の低い読売新聞、親会社(フジテレビジョン)の支配が強い産経新聞が必死。一方、朝日新聞、日経新聞などはそれほど「年内解散」を煽らなくても良いという風情が私にはみてとれます。

 毎日新聞社はナゴヤキャッスルホテルも含めて、かなり苦しいようです。社員の父親が公正取引委員長から退任したことも不安なのでしょう。ただ、この会社はいつからかしりませんが、新聞業界では極めて珍しい3月決算のようです。

 大変残念なことに、衆議院民主党秘書会が主催した「旅行会」が毎日新聞の報道をきっかけに中止になってしまいました。ところで、宿泊を予定していた宿は、国会内に支店を持つ旅行代理店の社員だった人が、若女将を務めているようで、きょう(2012年10月24日)夜8時から9時のテレビ東京「いい旅夢気分」で放送されるようなので、ぜひこれを見て行った気持ちになったり、余裕のある方はお出かけになってはいかがでしょうか。

 衆議院民主党秘書会が宿泊予定だった温泉宿の若女将のブログはこちら

若女将のブログから引用はじめ]

北四大祭・元ミス花笠&元JTB社員が平家の庄の若女将に!

「いい旅夢気分」出演!

10月24日 20:00~ テレビ東京にチャンネルを合わせましょう♪

お見逃しなく

[引用終わり] 

 で、中止になった毎日新聞のマッチポンプのような記事はこれ。

 ◇ 

民主党秘書会:緊張感ゼロ?温泉ツアー計画 12月初め

毎日新聞 2012年10月23日 02時30分

 衆議院の民主党秘書会が12月1、2の両日、1泊2日の日程で栃木県日光市などを訪れる旅行会を計画していることが分かった。今月29日に召集される臨時国会の会期中に衆院解散・総選挙になる可能性がある中、身内から「緊張感がなさ過ぎる」(民主党秘書)との批判が出ている。

 案内文は今月15日付で、衆院議員会館の部屋に手渡しで配布された。

 初日は宇宙航空研究開発機構(JAXA)を見学し、湯西川温泉(日光市)に宿泊。日光東照宮や美術館めぐりも予定している。

 野田佳彦首相が8月、「近いうち」に衆院を解散すると発言し、野党は年内解散を求めて攻勢を強めている。そんな中での親睦旅行で、野党側を刺激することにもなりそうだ。【岡崎大輔】

 民主党:秘書会が旅行会中止

毎日新聞 2012年10月23日 19時59分

 衆院の民主党秘書会は23日、12月に1泊2日で栃木県日光市などを訪れる予定だった旅行会の中止を決めた。湯西川温泉(日光市)に宿泊する計画だったが、「国会情勢に鑑みて中止する」との文書を23日付で配布した。29日召集の臨時国会で衆院解散・総選挙をにらんだ与野党の攻防激化が予想される中、民主党内でも「緊張感に欠ける」との批判が出ていた。

 ◇

 というわけで、読む人が読めば、「今月29日に召集される臨時国会の会期中に衆院解散・総選挙になる可能性がある中、身内から「緊張感がなさ過ぎる」(民主党秘書)との批判が出ている」という記事中に、救いようのない政治センスの悪さが紛れ込んでいることは分かる話で、毎日新聞も落ちた物としか言い様がありません。同社は安倍晋太郎さんが記者だったことから、西山記者事件に端を発した倒産のときに、自民党安倍ファミリーには頭が上がらない状態が続いています。景気の先行きでは、旅行業界が大きく落ち込む見通しとなっており、キャッスル次第では重大な局面を迎えそうです。

 衆議院民主党秘書会は10月15日(月)に案内を出しており、臨時国会召集はその後に決まりましたが、時期を考えれば、顔合わせ、心合わせ、力合わせに絶妙なタイミングでした。もちろんはじめから「日程は調整中であり、変更となる場合がございます」と書いてありましたが、毎日新聞の報道後に、「国会情勢に鑑み、中止することといたしました」と伝えました。

 健全財政といえば、徳川家康。そのお墓である日光東照宮に行くことになっていました。国会や皇居(旧江戸城)から見て、日光東照宮は「北辰の道」といって、北極星が出る方向にあります。北極星という揺るぎなき目標が初代将軍の墓ということで、江戸時代280年間の天下泰平につながりました。利根川の改修による関東平野の開拓で財力をつけて天下を取った徳川。3代将軍家光が大幅に改築した今の東照宮は、予算は「費用おかまいなし」。年間の国民総生産の2・8%の金56万両がかかっていますが、家光は決算を聞いて「思ったよりも安かった」と言ったとされています。実際には、経済大名でありながら軍縮など緊縮財政をした家康の遺産は、尾張徳川家だけでも、94万両だったとされていますので、その範囲内の額に過ぎないということになります。この公共事業をして緊縮財政をしたという財政運営が280年間政権を持たせたことになります。

 有名な「見ざる」「言わざる」「聞かざる」の3匹の子どもの猿。何か秘書のように思えますが、実は意味合いは違って、「子どもの内は母親の愛情の下、悪いことは見ない、聞かない、話さない」という意味。この後、の、青年の3匹の猿のうち1匹は下をのぞき込んでいて、「人生の曲がり角」というように、人生を示しているのが、神厩の猿の彫刻の意味合いです。ところが、宿は桓武平氏ゆかりの宿ですが、そこから2日目に視察予定だった東照宮の徳川は清和源氏なので、総選挙後の、二大政党の枠を越えての秘書稼業もありだよ、という暗示が込められていたのでしょうか。

 ところで、なぜ北にあるのに、「東照」なのかというと、これは驚くべきことに、アマテラスを暗示しています。江戸城(現皇居)と不忍池の位置関係は、京都御所(旧皇居)と琵琶湖の位置関係と同じですが、不忍池にも東照宮があります。これは風水学に興味をお持ちの方なら詳しいところでしょう。けっしてタブーではなく、文庫本などでもたくさん出ています。

 このような権威(ヘリテージ)を構築した上での、権力(パワー)だったから、国民総生産の2・8%のお金を使っても、280年間政権が続いたことになります。こういった研修の機会が失われました。ちなみに、日光東照宮については私が学生時代にご縁があり、台湾(中華民国)の学生とともに、日教組の県組織の専従の方に運転などをしていただき、日光東照宮の文庫長さんにご案内していただく良縁をいただいた際、帰り際に日教組の専従の方が東照宮で購入されたご本を「お土産に」と頂いたので、今それを引っ張り出してきてご紹介しました。あまりにもよくしていただいたので中華民国の学生たちから「申し訳ないからこのまま日帰りで帰ろう」と相談を持ちかけられ、私が日教組の方にお話を聞いたところ「ご恩返し」とのことで、いろいろ聞いて私が総合的に判断して「ご恩に甘えないとかえって先方が心苦しく思われる」と台湾人の学生たちに伝えしていただいた良縁でした。湯葉もおいしかったです。この場を借りて、あらためて御礼申し上げます。

 それはさておき、こんや8時からテレビ東京「いい旅夢気分」、12月1日(土)、2日(日)は東照宮に行って、帰りにスーパー銭湯に行って、「毎日新聞ふざけるな」と言いましょう。ちょっと、毎日新聞、産経新聞、読売新聞の3紙はいくらなんでも一線を越えています。よっぽど経営が苦しんでしょう。民主党は負けてはいけません。言うまでもなく、私は100%民主党の味方です。

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岡田克也外相が訪問したタンザニアの住友化学蚊帳工場 読売新聞社が国際協力賞を授賞

2012年10月23日 05時28分43秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]タンザニアを訪れた岡田克也外相、2010年5月3日。

 岡田克也外相が2010年5月の大型連休を活用して視察した、タンザニアの住友化学の蚊帳工場が第19回読売国際協力賞を受賞しました。2012年10月23日(火)付の読売新聞1面で発表され、特集面が組まれています。

 岡田さんは衆議院議員としてのブログ「岡田かつやTALK-ABOUT」の2010年5月11日付「アフリカ訪問(3)―現場に行って初めて見えるものがある」のなかで、「まず、第1に行きましたのが、タンザニアの蚊帳工場です」「非常に効果があって、マラリアによる死亡が半分になったという国がいくつか出てきました」「そういった素晴らしい技術を日本の企業が提供しているというだけではなくて、このタンザニアの蚊帳工場では、合わせて6000名の雇用を作り出しています」「いずれにしても、私は、日本の企業が頑張っている姿を嬉しく思いました」と感想をつづっています。

 岡田さんのブログは、現在衆議院議員としてはきわめて珍しく、コメント欄が開設されていますが、ハンドルネーム「いいちこ」さんから「蚊帳技術が外国にしっかりと定着した事は、とっても嬉しいです。でも、蚊が触れただけで死んでしまうような殺虫剤を糸に混ぜて、それを人間が使用して、身体に害は無いのでしょうか?小さい子が謝って端っこを口に入れたりしても大丈夫なのかなぁ・・・などと、ちょっと心配してしまいました」 とのコメントが寄せられました。

 この後、住友化学の米倉弘昌会長は経団連会長に就任しました。

 読売新聞によると、この「殺虫剤が練り込まれた蚊帳」は「オリセットネット」と呼ぶそうで、同社は1985年頃から開発。同社の研究員、伊藤高明さんが、マラリアの流行でアフリカを中心に年間100万人が亡くなっていることを知り、マラリア撲滅をライフワークにすることを決心。洗濯しても殺虫剤が落ちにくくしたり、寝苦しくならないよう通気性を高めたりして開発に成功しました。ただ、売れるかどうか見通しは立たなかったそうですが、タンザニアで青年海外協力隊員としてマラリアにかかった経験がある川崎秀二部長が背中を押しました。2003年にタンザニア企業に技術を無償提供し、2005年に現地企業と住友化学の合弁企業を設立。岡田さんの2010年のブログでは、6000人の雇用となっていますが、きょうづけの読売では、7000人の雇用を生み出しているそうです。

 現地リポートによると、タンザニア・マガディニ村のティパイ・ワガディコ村長は、「SUMITOMOの名前は、誰でも知っている」と、高く評価したそうです。


 
[写真]タンザニアの住友化学の蚊帳工場を訪れた岡田外相、2010年5月、岡田かつやTALK-ABOUTから。 

 これとは別に、先の通常国会の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会の審議でもタンザニアの日本人が紹介されています。元外交官で公明党の遠藤乙彦さん(第45期衆議院で勇退)が、2012年5月31日、「
今、タンザニアで、もう援助の時代は終わってビジネスの時代になって、非常に活性化して成長も進んでいる中で、日本からやってきた三十歳の若者がビジネスで非常に大きな成功をおさめて脚光を浴び、有名人になっている、タンザニア政府からいろいろな助言まで求められるぐらいの存在になっているということであります。沖縄出身の男性らしいんですが、24歳のときにタンザニアに定着して、そこでビジネスに開眼して、今や、5年間で41社を立ち上げ、100人以上の従業員を使い、何と年商300億という話を聞きまして、通称タンザニアのプータロー君というように呼ばれているそうなんですが、ドロップアウトしたような青年でも、国際的に活躍して、実際にそういった起業家精神を発揮して成功している例もあるわけであります」と紹介しています。

 一方、岡田さんのブログには、ハンドルネーム「レイ」さんが次のような具体的提案を寄せています。「孤児である子達が大きくなった時、教育を十分に生かして、悲しい思いをせずに暮らせるようになっていればいいなあ、、と思います。それから、岡田さんのお話にあった、アフリカの大地に広がる、日本と同じ田んぼの風景、をふと思い浮かべてみて、そういえばアフリカでお米を作る、、というのは一体どういうことかな?という疑問がわきました」「それで少し今調べてみたら、色々分かりました。まず、アフリカでもお米の需要が今はとても高くなっていること、(祖先が東南アジア人であるマダガスカルの人たちは、もともと主食がお米なのだそうですが)、ネリカ米という、アジアイネとアフリカイネを掛け合わせた、アフリカの環境にあったお米ができて、生産が十分にできるようになったこと、また、お米に関する優れた技術・支援のノウハウを日本が持っていることなどがあるのだそうですね。なるほど、、と思いました!アフリカでもお米の消費が増えた理由の一つに、調理が簡単、ということがあるらしいのですが、確かにテレビでみたところ、トウモロコシの粉をお鍋の中でこねるのは、力が要りそうで大変そうでした、、。でも美味しそうだし、立派な食文化として、これからも主食の座を守っていってもらいたい気持ちです!」

 ということで、冒頭の写真は、タンザニアの大規模水田を見る岡田外相。規制制度改革で、JA潰しを狙っているとされる岡田さんですが、別段海外から安い輸入米で日本を席巻するようなせこい人ではありません。

 読売国際協力賞は、読売新聞創刊120周年を記念して1994年に創設。選考委員は、「佐藤謙・世界平和研究所理事長」ら5人。

 まあ、読売新聞ももっと、岡田さんの活動を中立公正に報道して欲しいものですね。

 それはさておき、岡田克也59歳。極端な新自由主義者との観測もありますが、「今思い切って国を開かないと日本は潰れる」と公言する岡田さん。日本のセールスマンとして、世界の中のJAPANへ。岡田克也の可能性への挑戦はまだまだ続きます。

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田中法相「集団イジメ」の深い闇 ヤクザと新聞社の根深い仲、公取人事に潜む真実【追記あり】

2012年10月21日 19時34分39秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散


 このニュースは知らなかったのですが、報道によると、警視庁は2012年10月9日、稲川会理事長の容疑者を「金融とヤクザ」がらみの案件(クレジットカードが使えない神奈川県内の性風俗店の決済を飲食店の白紙伝票に付け替えた)で、逮捕したそうです。これにまつわる手数料5万円を受け取ったとされる容疑者は稲川会のナンバー2にあたるそうで、「負け組ヤクザ」稲川会が、追い込まれ、高利貸しもできずに、人間の最終的な欲望である「性欲と金欲」につけこみ、わずかな手数料で食いつなぐ、阿鼻叫喚に追い込まれてると察することができそうです。


[画像]ヤクザである稲川会理事長、内堀和雄容疑者逮捕を伝えるニュース、日テレニュース24から。

【追記 2012年10月30日 午後7時半】

 報道によると、東京地方検察庁(東京地検)は内堀和雄氏を嫌疑不十分で不起訴とする方向で、2012年10月30日、釈放しました。本人が容疑を否認しており、起訴後に確実に有罪にするメドがたたなかったものと推測されます。

【追記おわり】

 この2日後に、三文雑誌「週刊新潮」にヤクザが田中法相との関係をしゃべって記事になっており、ネタ元のヤクザも同様に追い込まれていることでしょう。ですから、「暴力団(ヤクザ)と付き合いのある田中法相では、暴力団は追放できない」との論は、皮肉にも、稲川会ナンバー2の神奈川県内での犯罪を警視庁が逮捕する、というように、時計の針はドンドン進んできたということになります。これを機会に、負け組ヤクザ・稲川会を潰すべきです。せっかく自民党が野党で、せっかく与謝野馨・衆議院議員が引退を表明したいのですから、住吉会も潰すべきです。国粋会なんてのはすでに実態がなく形骸化しているのだから、警察庁が指定を外せば自動的に潰れるのではないでしょうか。工藤会の組員だって学校一つ分ぐらいないし、立件材料は山ほどあるのですから、撲滅できるでしょう。そして、山口組も含めて、日本からヤクザを根絶し、地上から消し去りましょう。マフィアは隠然たる犯罪組織ですが、ヤクザは顕然たる犯罪組織。 すなわちヤクザは日本人のムラ社会、物言わぬ社会の裏返しであり、一人一人の心の弱さ、社会の絆の弱さの裏返しです。そして、ヤクザを消し去るためには、小遣い稼ぎに三文雑誌にしゃべったヤクザの圧力で法相が辞任すべきではありません。まあ、政治家の出処進退は本人が決める。けいしゅうさん次第ですが、けいしゅうさんは政界に良い優れた友人がいることもあり、まったく心配はいりません(^_-)

 さて、心配なのはむしろ、私の古巣である、新聞社の方です。議員宿舎から病院まで追いかけまわし、「田中法相進退論」「田中法相辞任論」「田中法相辞任不可避」「田中法相辞任へ」とマインドコントロールさながらの集団イジメ。こんなのリンチですよ。なぜこのような陰湿なイジメをするのか。その背景のうち、知っていることの3分の1ぐらいをきょうは書きたいと思います。

 戦争中、岸信介商工大臣は戦時経済統制をつよめ、日本中の地方紙を各県1紙に統合したほか、業界紙を1紙に集約し、「日本経済産業」としました。これが戦後すぐに改題したのが「日本経済新聞」です。岸さんは山口出身でのちに首相を務め、その孫は首相も務めた安倍晋三・自民党総裁(山口4区)です。

 
[写真]岸信介首相、首相官邸ホームページから。

  新聞販売店のうち、新聞社側から見て、自分の新聞をメーンに配達してくれている新聞販売店を「専売店」と呼びます。例えば、ASAは朝日新聞社の専売店で、YCは読売新聞社の専売店です。よく「日経の専売店は東京など首都圏にしかない」と言われますが、実際には、日経専売店の1号店は神戸です。戦後まもなく、神戸港の港湾荷役の主導権争いに敗れた集団が、神戸市、姫路市、川西市などで港湾荷役のメソードを応用して、新聞配達を始めたそうです。この専売店社長らは、今でも「神戸会」(こうべかい)という組織をつくっています。とはいえ、神戸会系の新聞販売店で、配達や集金をしている新聞奨学生などの若人は、未来ある純朴な青年たちです。ぜひ素晴らしい未来があってほしいと思います。

 このように、新聞社とヤクザの関係は浅からぬものがあります。そして、ヤクザではありませんが、かたぎの用心棒を新聞社はかかえています。例えば、読売新聞社重役である、佐藤謙・元防衛事務次官(大蔵省出身)は小林与三次元社長(警察官僚出身、故人)の娘婿です。新聞は「再販売価格維持制度」で割引ができないことになっています。だから、新聞販売の現場では「オマケ」が充実しているわけですが、この新聞は割り引きできない制度は、戦後すぐに出された公正取引委員会告示にもとづくものです。この公正取引委員会の竹島一彦・前委員長(大蔵省出身)の子息は、毎日新聞で小沢一郎氏の番記者をつとめた竹島一登記者です。日経新聞の紙面製作のトップであるT元編集局長は大蔵省銀行局長から公取委員長に転じたTさん(故人)の子息であり、朝日新聞にも公取事務局職員でトップをつとめた父を持つY記者がいます。日本新聞協会は民主党政権に対して次の公取委員長をめぐる国会同意人事へ圧力をかけています。毎日新聞は9月26日の竹島委員長退任記者会見を伝える記事で、「政治の混乱で自らの後任が決まっていないことに「残念だがいかんともしがたい。一日でも早く補充をお願いしたい」と話した」と伝えています。

 もちろん、公取はかたぎですし、大蔵官僚らが多いわけですが、こうやってしっかりかたぎの大蔵官僚をおさえて、再販売価格を維持した上で、新聞販売システムが成り立ってきました。そうやって、現在の日本の新聞業はなりたっているわけです。これを象徴するかのようなエピソード。東映ヤクザ映画の主演俳優・菅原文太さんの娘は日経新聞の記者です。事情を知らない若い同僚が「うちの会社には菅原文太の娘がいてすが、ニックネームで、菅原文子(ぶんこ)と呼んでいます」とうれしそうに話し、取材先の他業界の社長さんに当惑され、会社命令で禁止されました。ちなみに、女性の記者は結婚しても姓は変えない人が多いのですが、彼女は姓を変え、「小菅(こすげ)記者」になりました。「菅原」から「小菅(こすげ」)へ。これはリアルな話だなあと思いました。

 実につまらない話をしてしまい、反省しておりますが、ファンの方には申し訳ありませんし、有名人の親を持つ気持ちはてんで分かりませんが、すばらしい演技力を持つ菅原文太さん。しかし、ヤクザとの会食するなど交遊関係があったのは事実。なによりも、役柄と名演技のためとはいえ、しょせんは娯楽の映画産業とはいえ、「ヤクザ(YAKUZA)」の存在感を国内外に高めてしまいました。これは大問題です。結果責任です。そして、カップルも親子も脚を運ばないヤクザ映画の「東映」の経営は当然にして傾き、現在では健全経営の旧財閥系「東宝」の配給収入の3分の1しかないジリ貧に追い込まれてました。ヤクザと付き合った会社は傾き、労働争議を経験した会社はやがては栄えるということです。


[写真]自民党の安倍晋三総裁(元首相)、山口4区、清和会、自民党ホームページから。

 過去に短い期間で辞任に追い込まれた閣僚にはある共通点があります。リクルート事件で4日間で辞めた竹下内閣の長谷川峻法相は、宮城県出身。安倍内閣の遠藤武彦農相は山形県出身。羽田内閣の永野茂門法相は大分県出身、福田内閣の中山成彬国交省は宮崎県出身、野田内閣の鉢呂吉雄経産相は北海道出身、橋本内閣の佐藤孝行国務大臣・総務庁長官も北海道出身。というように、東北・北海道および(薩摩・肥前・熊本以外の)九州出身者です。全員がメディアスクラムで辞任に追い込まれました。これは言うまでもなく、明治維新で負けた方です。佐藤氏に関しては、もともと国民が持っていた情報をもとにした辞任要求が首相官邸に殺到した経緯もあります。永野法相辞任は、毎日新聞のオフレコ破り報道で辞任に追い込まれたのですから、まさに毎日新聞こそヤクザとしか言いようがありません。また全員が非世襲です。

 勝った方の山口、岸首相のおかげで現在の繁栄があることへの新聞社の恩返しが浮き彫りになります。まして、田中法相は福島県出身。この150年間、イチバン辛い思いをした地です。挙げ句の果てに原発爆発ですよ。ここまでヒドイ思いをした福島県出身の法相をたたき続けるイジメ体質。そして、東海道五十三次の宿場町戸塚に出てきて当選6回、落選3回という非世襲をたたく体質。非世襲議員が戸塚で勝ち上がるためには、様々な努力が必要です。ヤクザとまったく付き合いのない政治家が戸塚で当選できるわけがないでしょう。そういう、福島県出身で、戸塚で勝ち上がった非世襲政治家が法相になったとたんに集団イジメで突き落とそうとする新聞社。世も末に思えますが、その間隙に、稲川会ナンバー2を逮捕した警視庁という存在もあります。「官尊民卑」を地でいく、新聞社がまさに、ジレンマに陥り、ますます官尊民卑のあり地獄。とはいえ、「官」の中でも、警視庁と神奈川県警の「仕分け」がなされています。


[写真]小泉純一郎・元自民党総裁(首相)、自民党ホームページから。

 このような新聞社の集団イジメは許せません。新聞とヤクザ、金融とヤクザ、原発とヤクザ、廃棄物とヤクザ・・・そして基地とヤクザ。例えば、小泉純一郎首相は、米軍池子住宅の建設に携わったことから、その周辺では絶頂期でも情勢は芳しくなかったようです。このようなヤクザがわずかにしのぎをえている分野をしっかりと仕分ける。新聞だって、ページ数を減らして値段を下げて夜回りを廃止すれば、もっと良い商品がつくれるでしょう。軽減税率を適用して、新聞は無税にすべきです。そのうえで、今、何が何でも公取委員長人事で影響力を行使したい新聞社が自分たちの力で法相を辞めさせるという実績を作ろうとしています。それが時代遅れであることは自明の理。

 ヤクザはつぶすべきです。彼らは日本列島以外に居場所がありません。日本から消せば、地上から消えます。今こそヤクザを完膚無きに根絶すべきです。田中法相になって、警視庁が稲川会ナンバー2を逮捕したという事実を受け止めるべきです。権力と権力の攻防。私たちカタギは今こそヤクザに対して一歩も退いてはなりません。ヤクザは追い込まれています。今こそ、一人残らずヤクザを消し去るときです。ヤクザ撲滅は最大の景気対策です。

 ところで、「中華民国籍の男性」を「台湾出身の男性」といいかえて記事が分かりにくくなっています。ちなみに、横浜中華街では中華人民共和国系の中華民国系は10対1くらいの比率ですが、そもそも、東京など日本生まれがほとんどです。中華民国籍でも、中国福建省などがルーツの人も多いです。政治に対してしっかりした考えを持っている人が多いように感じました。駐日経済文化代表のことを「大使」と呼ぶので、私も「大使」と呼ぶと、突然「宮崎さん、大使じゃないですよ。国交がないから大使はいませんよ」と訂正されました。私が記事に書いてしまったら不憫だとおもんばかってくれたのです。学校も持っています。

 朝鮮日報電子版の記事が面白かったので添付します。

朝鮮日報(日本語)電子版から引用はじめ]

 NHKが19日報じたところによると、暴力団関係者との交際が発覚した日本の田中慶秋法相(74)が、近日中に辞任する見通しとなった。今月1日の内閣改造で入閣した田中法相は最近、暴力団幹部との交際や、中国人から政治献金を受け取っていたことなどが週刊誌に報じられ、辞任を求める声が強まっていた。労働運動家出身で当選6回の田中法相は、今回が初めての入閣だった。

  田中法相は「神奈川県議会議員だった30年前、暴力団幹部と付き合ったことがあり、暴力団関係者の結婚に当たって仲人を務めたこともあるが、20年前からは(暴力団幹部と)会っていない」と釈明した。だが「暴力団との戦い」を指揮しなければならない法相として適任ではない、と指摘する声が出ている。日本では2-3年前から、暴力団との付き合いや取引がある企業関係者のリストを公開するなど、暴力団の根絶に向けた運動が繰り広げられている。

  暴力団は政治家や芸能人と切っても切れない関係にある。自民党の安倍晋三総裁も2008年、日本最大の暴力団・山口組の金庫番とされる幹部と一緒に撮った写真が最近公開され、問題になった。また、ある週刊誌によると、城島光力・財務相も選挙の際に暴力団系列の企業から支援を受けていたとの疑惑が浮上した。このほかにも、多くの国会議員が暴力団と関わっていたといううわさが飛び交っている。

  暴力団はもともと、国粋主義の政治家の支援を受けて成長してきた。帝国主義の時代には、政治家たちが暴力団を侵略の手先として活用し、戦後は右派・左派の対立に利用してきた。戦後、芸能界やスポーツ界を通じ、企業のような形態になった暴力団は、建設業や不動産業、金融業、人材派遣業などに手を広げてきた。「反韓」を唱え街宣する一部の団体も、暴力団を母体としていることが知られている。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

[引用終わり]

 とにもかくにも、稲川会がしゃべって法相が辞任することは、稲川会の影響力を高めてしまうことになります。私たちが潰すべき敵が稲川会であることは党派に関係なく、当然のことです。

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平成24年10月29日(月)召集 野田総理「成長戦略と財政健全目標入りの新・特例公債法案」提案

2012年10月19日 21時07分30秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]党首会談の結果を記者に説明する野田佳彦・民主党代表(首相)、2012年10月19日(金)午後4時50分、国会内民主党代議士会室、筆者撮影。

 まず、朗報で、東海大学が経営する病院に入院した田中けいしゅう法相は「元気だ」ということが、その筋からの情報として入りましたので、どうぞご安心ください。

 さて、2012年(平成24年)10月19日(金)、国会議事堂中央部3階正門側(皇居側)の委員長室で、党首会談がありました。ところがこれ、見かけない光景がありました。民主党の野田佳彦代表(総理)が3時56分、部屋に入りました。ちなみに山口那津男・公明党代表は総理より2分前に入り、安倍晋三・自民党総裁は総理より2分後に入りました。ところが民主党の輿石東幹事長は野田総理が入った2分後に入りました。私、与党の党首(総理)が先に入り、与党の幹事長が後から入るというシーンは、私の知る限りでは初めてです。

 党首会談は40分間で、やや長めだったと思います。この後、総理と輿石幹事長は、民主党の衆議院側控え室に入り、記者ブリーフィングにのぞみました。ここでも見慣れない光景があり、会談の内容をすべて総理が説明し、記者からの質問にもすべて総理が話しました。隣にいた輿石さんはひと言も発しませんでした。見慣れない光景で、報道では、自民党の安倍総裁は記者会見で、幹事長会談で解散時期について総理から具体的な説明がある、との話になっていたことから、「今までの政党間の常識ではない」と語ったようです。しかし、総理自ら記者ブリーフィングをする政治なので、安倍さんの常識が勝つか、野田さんの常識が勝つか、それはこれからの歴史的局面で結果が出るでしょう。

 野田さんは3つの提案をしましたが、自公党首は衆議院「解散の時期を明示してほしいとのやりとりに終始した」(総理)とのことでした。3つの提案のうち、2つめは、衆参の定数是正法の成立に向けて幹事長レベルで協議してほしい、3つめは社会保障制度国民会議(設置時期は来年8月まで)は「解散があると40日以上(政治的空白期間が)空くので」(総理)速やかに設置させてほしいとのことでした。

 そのうえで1つめの提案ですが、特例公債法案については、少なくともどの党が政権をとってもしばらくは特例公債を発行せざるをえない財政状態が続くので、ルールとして、平成24年度特例公債法案(参院で審議未了廃案)の本則のところや付則を書き直して再提出したり、3党間で覚書を交わしたりしたいとの提案でした。そして、自民党が提出した「財政健全化責任法案」(林芳正さんら提出、直近では、第177参法1号=第177国会で審議未了廃案)の第5条を活用して、「平成24年度から平成27年度、あるいは(平成24年度から)平成32年度まで」の期間について、経済成長と財政健全化目標を法案に明示して、その間は予算と一体的に審議・成立させると本則に書いたり、付則に書いたり、3党間で覚書を交わしたりしたいとの提案でした。

 「平成24年度から平成27年度まで」は、2012年度から2015年度までで、実質的には3年と3ヶ月間ほどになります。
 「平成24年度から平成32年度まで」は、2012年度から2020年度までで、実質的には8年弱ということになります。

 なお、ここで総理が提案した自民党の財政健全化責任法案の該当部分は次の部分だと考えられます。


第177国会議案から引用はじめ]
第一七七回
参第一号

   国等の責任ある財政運営を確保するための財政の健全化の推進に関する法律案

(前略)

 (財政健全化目標)
第五条 財政の健全化の推進は、一会計年度の国及び地方公共団体の財政赤字額が生じないようにすることを目指しつつ、次に掲げる当面の目標(以下「財政健全化目標」という。)を達成するよう行われるものとする。
 一 平成三十三年度以降において一会計年度末の国の長期債務残高及び地方公共団体の長期債務残高の合計額の当該会計年度の国内総生産の額に占める割合が安定的に低下する財政構造を実現すること。
 二 前号に掲げる財政健全化目標の達成のため、平成三十二年度までを目途に、一会計年度の国の基礎的財政収支額及び地方公共団体の基礎的財政収支額の合計額の黒字化(当該合計額が零を上回ることをいう。)を確実に達成するものとし、遅くとも平成二十七年度までに、当該合計額の対国内総生産比(当該合計額を零から差し引いた額の当該会計年度の国内総生産に占める割合をいう。以下この号において同じ。)を平成二十二年度の当該合計額の対国内総生産比の二分の一以下とすること。(後略)

[引用おわり]

 この法案は自民党が下野直後に林芳正さんらが参議院に提出。その後、国会戦術上の理由から衆法として財務金融委員会筆頭理事の名前で出し直し、再度、参法として提出されました。この法案は、私は最初に精査したところ、たいへんな「噛ませ犬法案」だと気づき、民主党国対幹部に伝えたところ、「あんなの審議入りしないよ」と言うことでしたが、その後、菅直人首相がふたたび審議入りしても良いと発言し、最終的には、 昨年の第177通常国会で審議未了廃案となりました。この法案は、一度成立させると、翌年度から野党・自民党は「民主党は財政健全化責任法に違反した法律破りの無責任与党だ」というキャンペーンをしたでしょう。それを野田さんがここで持ち出して、新・特例公債法案に入れようと提案したのはすぐれた政治センスです。なぜなら、今の任期では、今年度と来年度予算しかないのですから、自民党が当初想定していた「噛ませ犬」はできないでしょう。

 自民党も一度出した法案なのですから、野田さんの「新・特例公債法案」を審議し、賛成すべきでしょう。公明党は平成24年度特例公債法案(180閣法2号内閣修正)に衆院で反対しましたが、参院では審議未了廃案となりましたので、再度、「新・特例公債法案」の野田提案に乗ってみた方がいいでしょう。いずれにしろ、この提案への答えがないのに、衆議院を解散するわけにはいかないでしょう。

 野田総理はこのほか、「6月の3党合意は重い」「(8月8日の3党首会談の)「近いうちに信を問う」という言葉も重い」と語りました。さらに「ダラダラと政権の延命をするつもりはない。条件が整えば信を問う」と述べました。さらに「特定の時期を明示してほしいという自公の要求に対して、近いうちという表現はギリギリの表現だ」ともしました。まったくその通りで、3党合意があるにもかかわらず、8月8日の一体改革法案の参院採決の直前にあのような振る舞いをした自公に対して野田さんは十分すぎるほどの誠意を示しています。

 山口さんは、「近いうち」「12月9日」がともに結果として「嘘」となり、支持母体で突き上げを食らうのではないでしょうか。安倍総裁は私の常識にはないと言っているようでは戦後レジームからの脱却はできません。

 責任ある政治、どちらに分があるかは民主党。そして、民主党の中にもいろいろな民主党がありますが、野田民主党。私は責任を持って断言します。

 なお、この後、開かれた政府・民主三役会議で第181回国会(第181臨時国会)が平成24年(2012年)10月29日(月)に召集され、当初会期は1ヶ月程度とすることが決定されたようです。確認できたら、改めてエントリーをおこそうと思います。

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白浜体制6年目に突入 参議院公明党、白浜一良会長続投、国対委員長には西田実仁さん

2012年10月19日 21時07分12秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院公明党会長続投が決まった白浜一良さん

 第181臨時国会(2012年10月29日召集)をみすえて、参議院公明党(19議席)は、2012年10月18日(木)、議員総会を開き、役員を互選しました。

 この結果、白浜一良さんが会長に6選し、白浜参院公明党が6年目に突入。来夏の第23回参院選まで、臨時国会、通常国会での野党にしろ、与党にしろ、3党協議にしろ、さまざまな対応に柔軟に取り組む体制ができました。白浜さんは、大阪選挙区で来夏改選を迎えますが、いまだに公認は出ていません。同党は「任期中に66歳を超えない」という公認の不文律がありますが、参院会派会長という幹部としての特例が適用される可能性が出てきました。幹事長には、引き続き木庭健太郎さん(コバケン)が当選。国会対策委員長には、活動量の多い、西田実仁(にしだ・まこと)党広報局長がつくことになりました。これまで、国対委員長を務めてきた新進党1995年東京都連100万票トップ当選の魚住裕一郎さんは来夏の参院選比例代表候補としての運動に専念するためでしょうが、副会長になりました。顧問には、衆参最年長の草川昭三さん、副会長のもう一人には、今期での引退を表明し後継者の公認が出ている松あきらさんが当選しました。

 副幹事長には来夏改選の山本香苗さんと山本博司さんがつきました。西田新国対の筆頭副委員長には、先の通常国会で議運理事をつとめた長沢広明さん、副委員長には若手の谷合正明さんが続投したほか、新しく第22期参議院2010年初当選組の、東京選挙区・竹谷とし子さん、大阪選挙区・石川博崇さん、比例の横山信一さん、秋野公造さんがつきました。

 政策審議会長には質問主意書連発男で有名な浜田昌良さん。

 このなかで、来夏改選ながら東京選挙区で公認が出ていない、山口那津男党代表が会派役員にはつきませんでした。この辺の、「山口・白浜」の緊張感が気になるところです。このほか、来夏改選の医学博士・渡辺孝男さん、地球環境博士・加藤修一さんの「博士コンビ」は役員にならず、おそらく引退されるのだろうと考えられます。気になるところでは、2016年改選の荒木清寛さんも役についていません。ただ、公明党は第180通常国会の途中、国民の生活が第一結党にともなう院の構成の変化で、どういうわけか常任委員長ポストが1つから2つに増えました。なぜそうなったのかは、参議院の伏魔殿で、報道はまったくされないのですが、西田さんが法務委員長、草川さんが総務委員長でしたが、おそらく西田さんが交代するのではないでしょうか。


[写真]西田実仁・公明党参院国対委員長。

 さて、草川顧問の4月4日の予算委員会での「国会日程の立て方」についての総理へのアドバイスを紹介したいと思います。通常国会が9月8日に閉会し、臨時国会が10月29日に召集されるのですから、そのブランクは例年に比べて短いくらいです。ところが、この間、野党、有識者、新聞投稿などで「早く臨時国会を開け」「難問山積」「臨時国会を開かないのは民主主義の危機」などという世論がわき上がったのでしょうか。そもそも、「難問山積」という人に限って、具体的に審議すべき法案名をあげられなかったような気もします。

 草川さんは次のように話しています。

 「通常国会というのは、御存じのとおり、まず予算をつくる、予算を皆さんに審議していただく、だからこれが最大の条件ですよ。だから、百五十日間という憲法できちっと保障された通常国会というのがあるわけですよ。それで、様々な問題がありますね。例えば今度だって、大災害があったわけですから、早急に規制庁もつくらなければいけない、あるいはエネルギー問題についてもどうしなきゃいけない、あるいは四月一日からもスタートをするという様々な問題を我々は抱えているわけですから、そういうことは通常国会でさっとやらなきゃいかぬわけですよ。そして、こういう税を変更するという問題は、過去の歴史から考えたってやっぱり臨時国会ですよ。それで、臨時国会に集中して議論をするというようなことがどうして今の内閣の頭に浮かばなかったかということに、私は、天下を牛耳られる、これから運営をされる民主党内閣としては大変根本的に私は欠けているのではないだろうか。単純なスケジュールの問題じゃないと思うんです。歴史を見れば分かるはずです。その点についてどうお考えか、お答え願いたいと思います」。

 つまり、通常国会で予算を仕上げて、その他の法案を成立させて、超大型一般法案は臨時国会でやってきたのです。それは野田内閣は衆参ねじれでありながら、当初予算の成立と一体改革法案の成立という2つの案件を第180通常国会で仕上げたのです。だから、会期は229日間という実質的には最長のロングラン国会になりましたし、特例公債法案、定数是正法案が残ってしまいました。さらにすでに10月中旬なのに、一回も補正予算をしていません。だから、通常国会から臨時国会まで、心の空白感を感じたのでしょう。これはクラシック音楽で言えば、休符の問題。ベートーベン、ブルックナーが好きな人なら耐えられた空白です。沈黙がこわい人。テレビを消すのがこわい人。それは死を恐れる人です。しかし、輪廻転生、人は必ず死にます。必ず死ぬから、子供が生まれることが許されるのです。3000年、いや4000年生きたい。しかし、人はいつか死ぬ。しかし、国は生き続ける。臨時国会を開け開けと言っていた人は国会議員だろうとなかろうと、与党だろうと野党だろうと死ぬのがこわい人です。もう見抜かれているんです。そして、何よりも、定められた会期内のなかでしっかりと法案を仕上げる。テキパキとメリハリをつけて、手際よく、きょう1日をしっかりと生きる。その姿勢が問われているのです。

 公明党もある一定の時期から議員の顔が変わりました。新進党や、小渕恵三・経世会内閣を経験している人と、森・小泉・安倍・福田清和会自民党内閣を知っている人。朱に交われば赤くなるとはこういうことだなあと感じます。しかし、例えば、山口那津男さんが12月9日解散が実現せずに、立場が悪くなっても心配はいりません。私はあなたが新進党公認候補として、小選挙区でよく闘ったことを覚えています。自民党公認の新人、平沢勝栄さんと言っても正直誰だか分かりませんでしたが、今になってみると、山口さんは新進党として小選挙区の恐さを身を以て証明した人だと感じます。新進党の志があれば、どんな格好でも国政に居場所があるでしょう。公明党の真価が問われることになる、白浜体制6年目となります。

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