[写真]「日本民主党と中国共産党の交流・協力に関する覚書」に調印した交流協議機構の輿石東会長と王家瑞会長、2012年3月24日(土)、北京にて、民主党ホームページから。
民主党は2012年3月28日(水)未明、消費税増税法案の党内手続きを終え、3月30日(金)の閣議で決定、国会に提出するが決まりました。
◇
さて、2012年3月23日(金)から25日(日)にかけて、「交流協議機構」(会長・輿石東さん)が北京を訪れました。そのもようは民主党ホームページのニュースに載っています。
交流協議機構は民主党が野党だった2007年に発足し、2007年12月に訪中団として国会議員140人を含む450人が訪問しました。私も一般団員として参加しました。交流協議機構は、民主党と中国共産党の政党間交流のスキーム、枠組みです。中華人民共和国は日本とは違って、中国共産党(中共)が国の上にあって支配しています。このときの団では、胡錦涛さんと記念撮影を私もしました。この胡錦涛さんは中共総書記としての胡錦涛さんであり、彼が中国国家主席も兼ねているということで、国家主席と野党議員・支持者500人ほどの記念撮影となりました。この中には、羽田孜さんもいました。そして、菅直人さん(交流機構長=当時)や、民主党広報委員長だった野田佳彦さんもいました。天安門事件で同国が国際的に孤立していた1989年に第1回があった長城計画を主催してきた小沢一郎さんが当時の民主党代表として団長を務めました。日中国交樹立から四半世紀(25周年)ということから2007年末というスケジュールを設定していたのですが、第168臨時国会中ということもあり、日本国内の批判を浴びました。会期の設定は与党・自民党にボールがありましたが、結果として会期は延長され越年国会となりました。このときは、自民党総務会長だった二階俊博さんが急遽同時期に訪中したほか、その月に福田康夫首相も訪中しました。テレビでは「民主党の訪中は政党外交の限界を示しました」という決め文句で終わりましたが、仮に交流の枠組みを越えていたら「野党による二元外交」というもっと深刻な批判になります。マスコミがもうすぐやってくる二大政党時代の到来と外交の要諦を知らないこと、そして、自民党の半世紀の支配下でひたすら野党を罵倒する世論には北京で日本のテレビを見ながら、かなり怒りを覚えました。その実態を開設間もないこのブログで、2時間睡眠の日も含めて書いたら、かなり多くの人がイメージギャップ(政治に関する報道と実像のひずみ)を持ってくれたようで、それが2年後の政権交代につながったと自負しています。
今回は民主党が与党になり、2党間で交わした「覚書(おぼえがき)」を読んで、その思いを強くしました。
2党は、「両党間のハイレベルでの相互訪問と対話の良い伝統を守り、国際・地域情勢および両国関係に関わる問題をめぐって、タイムリーに意見交換を行い」、「中国共産党は、日本民主党の歴代代表の訪中を歓迎する」。「両党の若手幹部の交流プログラムを設立し、中国共産党側は毎年民主党若手政治家15名を招待し、民主党側は中国共産党若手幹部1名の日本留学を実施する」。「重大事件や突発事故が発生する時、両党の国際担当部門責任者が電話会談や実務訪問などのかたちで早急かつ効率的に意思疎通を実現するためにも、両党間でホットラインを設立する」という覚書を交わしました。これを読むと分かるとおり、民主党が日本で与党にいても野党にいても有効ということになります。民主党若手政治家として、そのときに現職議員であるかどうかも問わないことになっています。このような「機構」は「組織」ではありません。東京や北京のどこかに看板を設ける必要がなく、民主党は総務委員会の国際担当(国際局)や幹事長室の中に事務局がある格好になります。中国では中連部(中国共産党中央対外連絡部)という政府ではなく、党と党の外交を司る組織の中に事務局が存在することになりますから、双方ともその存在自体で歳出・支出は生じません。ですから、民主党が野党になり、交流協議機構があまり機能しなくなっても、例えば尖閣諸島の問題のときに、そのときの与党と協力しながらホットラインが開くかもしれません。こういうものはあって損ということはありません。
2007年の団では、小沢グループや菅グループの参加が多く、いわゆる民主党7奉行では、野田さんだけの参加でした。だから今、野田さんが総理なのかなと感じます。今回は党政調会長代行の仙谷由人さんらが参加していて、オール民主党という雰囲気になりました。2007年の団では第21回参院選で初当選した新人参院議員が多かったのですが、国民新党から自見庄三郎さんも参加しました。2009年の団では、政権獲得直後ということで、新人衆院議員ら650人が参加する事態となり、これが「権力のおごり」とみられ、翌年夏の参院選大敗・衆参ねじれの遠因になったと考えられます。
参院の現状を考えると、2013年夏かおそらく2016年夏まで、民主党・新緑風会が第1会派である可能性が高い現状です。仮に衆院で過半数を失い下野してもです。2016年夏というと、震災後5年ということになり、がれきの処理も99%(放射性がれきの中間貯蔵含む)となっているでしょう。そのころには多少なりとも日本経済も回復してくるのは確実。
私も前回は参加費など合計31万円を払って一般団員になりました。帰国後、胡錦涛さんとの写真は、在東京の中国人の人から、「政治体制が変わっても2007年の国家主席であるという歴史は紛れもない事実だから、中国人に見せたら信用されるよ」ということでした。まあ、中国でビジネスをする考えはないのですが。私としては障害を得てからしばらく海外に出るきっかけがなかったのですが、8年ぶりに海外に行って、自信ができたし、我が国の国力が落ちている実態を肌で感じて政権交代に向けた思いを強くしました。その後、北京オリンピックを成功させた中国の国際的影響力は高まるばかりですが、それは聖徳太子が小野妹子を中国に派遣して、対等な二国間外交であることを宣言して以来、日本と中国は付かず離れずの関係です。日中には文化的な友好関係というのはあっても、友好関係というは存在しないという考えを私は持っています。あるのは、WIN-WINの関係、すなわち「戦略的互恵関係」です。
私も微力ながら、日中友好の架け橋のひとつとなる「機構」の最初の訪中団に参加できて、良かったと思い、リンゴの木を植える役割をできたと自負しています。あのとき、民主党を「国会軽視」「朝貢」となじっていた有権者も7%ほどはすでに亡くなった計算になります。インターネットをお使いの方は、ぜひ後世に残るものをつくっていくという意識を頭の一隅に入れておいてほしい。
ホットラインがそんなに頻繁にひらかないことを望みます。
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[お知らせおわり]
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