[写真]民主党代表代行の蓮舫さん、2015年2月5日(木)、民主党本部、筆者(宮崎信行)撮影。
民主党代表代行の蓮舫さんは2015年2月5日(木)午後5時から定例記者会見を開きました。代表代行の定例記者会見は長妻昭さんと蓮舫さんが隔週で、基本的に木曜日の午後5時から行うことになっており、蓮舫さんの定例会見は今回が初めて。
司会は、民主党衆議院議員で役員室次長の山尾志桜里(山尾しおり)さん。
[写真]司会を務めた、山尾志桜里・民主党役員室次長、2015年2月5日(木)、民主党本部、筆者(宮崎信行)撮影。
代表代行2人の役割について、長妻さんは党共生社会本部などの党の理念、蓮舫さんは党改革創生実行本部などの党の再生を担うイメージだと、岡田克也代表が描いているとしました。
ところで、きのう(2015年2月4日)付の読売新聞 15面に「論点 民主 岡田新代表選出 バラバラ政党脱して」と題して石田勝之・日大教授の論考が載っていて驚いてしまいました。
先々月の第47回衆院選埼玉2区から石田勝之さんが立候補しなかったので、どうしたのだろうと思っていましたが、母校である日大教授になっていたようです。私は学校法人日本大学グループに多少詳しいのですが、石田さんがいる学部、キャンパスは現在全国の日大を束ねるリーダーがいるところだと思います。
石田さんの論考について、私の方でまとめさせてもらうと、民主党は良い政策を打ち出しながらも、党内対立で一致した対応ができず、消費税論議などの重要政策でも党が割れ国民が嫌気をさす「バラバラ政党」になった。努力しても周りからは認められない悪循環が続き、人材が集まらなくなり、候補者を衆院全選挙区に立候補できなくなった。だが、約60年続いた自民党と比べても、政治家としての資質や政策立案能力などで負けない人材もたくさんいるはずだ。議員数が減り、少なくなった人材を一つにまとめて生かし切ることが何より大事だろうーーとしています。
そのうえで、石田論文は、「岡田民主党は箱根駅伝で初優勝した青山学院駅伝部を見習え」とまとめます。「今年の正月、恒例の箱根駅伝は、青山学院大学が初めて総合優勝を飾った。同校は以前、古豪といわれる伝統校の選手から、青学なんかと軽く扱われ相手にされず冷たい視線を感じたという。その敗北感、屈辱に諦めることなく、監督・コーチ・選手が一丸となって、あわてず、焦らず鍛え抜いた成果が初勝利につながったのだろう」と、石田日大教授は論文をまとめています。
さらにきょうの日経新聞で青山学院陸上競技部の原晋(はら・すすむ)監督がインタビューに答え、他大学出身で「中国電力の伝説の営業マン」だった原さんが、「3~4年で箱根出場、7~8年でシード権、10年で優勝争い」ーーというスケジュール感を青学側に示してから、陸上競技部監督に就任したことを明かしています。
[画像]2015年2月4日付読売新聞15面。
で、きょうの民主党本部に戻って、蓮舫さんに聞いてみました。蓮舫さんは間髪入れず、「青学は私の母校だ」と語りました。そして、「4年前にも順位が上がってきた時期があって、寮におじゃまして、原監督にも、奥さんにもお会いしましたが、『10年かけて青学を強くするためにはまず人材だ』として、まずは、全国から優秀な高校生をスカウティング(人材発掘、採用)するために、全国行脚をした』と聞いた」とのエピソードを披露しました。
そのうえで、蓮舫さんは「(青学駅伝と)民主党の再生とつながるところもある」と語り、「民主党はこれまで、二大政党だから、旗があるから集まってこい、というおごりがあったのではないか」と分析し、今後は「民主党は県連がしっかりと地域にねざして、本部と支部のつながり感をもっと濃厚にしたい」と語り、県連、総支部が評価する人材を党本部が速やかにスカウティングできる体制をとっていきたいとしました。
ただ、これに先立ち、「さしせまっている統一地方選が大事だ」として、各地方組織のローカルマニフェストの方向性について、党本部が速やかにお墨付きを与えるようにしたいとの認識も示しました。
岸田文雄外相が、再来週の18日(水)、19日(木)のニューヨークでのテロに関する国際会議に出席したい意向を示していることについて、「私たちは与党にいるときも、野党にいるときも、何が何でも閣僚が予算審議の場にいなければならないという立場ではない」との民主党の基本原則を発信しました。
なお念のため付け加えると、きょうは見てませんが、ニコニコ生放送で「仕込みだろ」とコメントしている人が散見されますが、こんなこと仕込んでませんよ。蓮舫さんが青山学院出身だというのは公開情報です。特定秘密も大事ですが、まずは、公開情報がイチバン大事です。
【追記 2015年2月9日 午後10時】
記者会見の記録は次のとおり。
○党勢回復に向けて
【フリーランス・宮崎記者】
昨日の読売新聞に(元民主党所属国会議員の)石田勝之日大教授が提言を寄せている。その中で、今年正月の箱根駅伝で青山学院大学が初めて総合優勝を飾ったことに触れ、民主党も青学のように歯を食い縛り、悔しい思いをいつの日か晴らせる努力を重ねることだと。青学の原監督は10年で優勝争いをするとビジョンを掲げて立て直し、11年後に優勝した。原監督の話を聞いてみる考えは(党改革創生)担当の代表代行としてあるか。
【代表代行】
青学は私の母校でもありますので、今年の箱根駅伝はひときわ感動していたのですが、4年前になりますか、あの時にも青学が健闘して徐々に順位を上げてきたのですが、その時に私、陸上部の寮にお邪魔させていただいて、後輩でもある学生たちと意見交換をする時に、原監督とも奥様とも話をしました。その時に、10年かけて優勝するのだと。それにはまず人材育成が大事だということで、原監督はスカウティングを人に任せないで、自らが高校生に実際に行って、両親やきょうだいにも話を聞いて、友だちからも話を聞いて、本人の意向をしっかり聞いて、それで青学にお迎えするかどうかを判断する、「全国行脚」をされてきたという話をされました。
ある意味、民主党の改革にもつながるところだと思うのですが、民主党の看板だから、二大政党を担うから、自民党じゃない政党だから、旗を揚げるから寄ってこい、という時代ももしかしたらあったかもしれません。
でも、私たちはもうそういう時代ではなくて、しっかりと今の自民党に対抗する“旗”である政策、それは長妻さんのもとで今作っていますが、それをしっかり担ってくれる方たちを、岡田代表をはじめとして地域に密着して、その地域から発掘して一緒に育っていって、一緒に党をつくっていく。この作業は、やはり今ご指摘いただいたように、我々も学ぶべきところで、とても大切なところだと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
自民党は、どちらかと言えば派閥がスカウトするというところがあったが、民主党としては党の中のどういった組織でやりたいとお考えか。
【代表代行】
基本的に私たちは地域に立脚した政党ですから、やはり都道府県連のあり方、都道府県連からしっかりとそこは市町村の人たち、あるいは県の人たちの議論を尽くして、我々に上げていただく。そのことによって民主党と地方支部のつながり感をもっと濃厚にしたいなとは思っています。
【追記おわり】
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