【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

与党、無人野党席を無視して衆参とも審議を強行の異常、衆では子ども子育て法案とNATO日本代表部法案審議入り

2018年03月09日 16時24分43秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]筆者・宮崎信行作成。

 野党6党は、森友文書改竄事件「消えた項目」に反発し、全欠席しました。ところが、自民党は何もないかのように無人のまま国会を運営しました。AIで自動化された工場のよう。欠席戦術をしているのに、国会が止まらない状況は私は初めて見た思いです。それにつけても、2012年12月16日に二大政党「民主党」を56議席にまで叩き潰した日本人の陰湿ないじめに、むべなるかな、と達観しております。

【参議院本会議 平成30年2018年3月9日(金)】

 議運を、民進党は欠席、共産党は退席。

 このため、質問では指名されず、空回しもなく、淡々と散会しました。

 「平成30年度税制改正のための所得税法改正案」(196閣法1号)の趣旨説明と代表質問がありました。

【衆議院本会議 同日】

 委員会の審査が終わっていた、上がり法案の処理。

 「出国税改め国際観光旅客税法案」(193閣法2号)。野党が欠席しているので、起立採決の結果は、ほとんど総立ちの、賛成多数。可決され、参議院に送られました。

 この後、「子ども子育て支援法及び特別会計法108条改正法案」(196閣法6号)が審議入りしました。松山政司・内閣府一億総活躍担当大臣が趣旨説明。答弁には、加藤勝信厚生労働大臣が立つことの方が多かったようです。自民党は、神奈川県連に多い志公会の中山展宏さん。公明党は「ミスター茶靴」中野洋昌さんが質問。こちらも野党は初めから指名されませんので、空回しはありませんでした。

 子ども子育て支援法及び特別会計法108条改正法案は、子ども子育て拠出金の料率を現行0・25%から0・45%に引き上げるもの。私は毎月給与明細書を執筆しているから分かるのですが、使用者に来る、健康保険料・厚生年金保険料・子ども子育て支援金のうち、子ども子育てだけ使用者負担なので、計算が面倒なんですよね。すべて労使折半なら、半分に割ればいいだけなので、暗算でできます。こういうところも、官僚は実務を知らないで、制度設計しているんだろうなと感じさせるところです。

【衆議院外務委員会 同日】

 「在外公館位置・給与法を改正して、NATOに日本代表部を設けるなどする法案」(196閣法19号)が趣旨説明されました。

 これに先立ち、大臣所信に対する一般質疑がありました。昨年は「逮捕へ」の噂が議員会館で流れた、自民党三世議員、中山泰秀委員長は、野党の質問時間を空回しする暴挙に出ました。河野太郎外相は法案の趣旨説明で在外公館基本手当が予算案に盛り込まれているから4月1日に施行する必要があるとする、身勝手な説明をしました。自民党三世議員の暴走が止まりません。

【衆議院内閣委員会 同日】

 大臣所信に対する一般質疑。自民党と公明党の与党が一巡。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 加藤勝信厚生労働大臣の所信表明がありました。加藤大臣は「リカレント教育の充実が必要だ」としました。しかし、労働保険特別会計雇用保険勘定にお金がたまっているからこういうことを言うんであって、ハローワークのパソコン教習はいいですが、リカレント教育は文科省や金持ちの老人に任せればいいのではないでしょうか。また厚生年金保険を国民年金保険と言い間違える場面があり、今話題の財務省(旧大蔵省)で共済が当たり前の環境にいたことをうかがわせる場面もありました。

●衆議院経済産業委員会のみ大臣所信無し

 衆議院は省別に設置された常任委員会は12ありますが、ここまで、経済産業委員会のみ開かれていません。委員同士のスケジュールの問題で、来週には開かれる見通し。同委員会には今国会5法案が付託されるとみられ、うち2法案は※法案と指定されています。ただし、アベノミクス関連法案で、必ずしも年度内に成立させる必要は無さそうに見えます。参議院経済産業委員会は、野党が委員長ポストを握っており、2013年には6月に4法案廃案、その12月には委員長解任と物議を醸してきました。

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(C)2018年、宮崎信行。

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