[写真]「三位一体改革で地方が衰退した」と岸田首相に認めさせた、2009年初当選で、立憲民主党・鳥取2区当選2回の湯原俊二さん、同党の議決機関「常任幹事会」の中国ブロック代表席、衆議院第二議員会館で、おととし、宮崎信行撮影。
第213回通常国会は、150日の会期のうち13日間を消化しました。
科学的にみて、「総選挙後3度目の通常国会」に新規提出された閣法が解散前に成立する割合は低い傾向があります。が、「黄金の3年間の後半」の風向きからか、官僚が力を込めて作成している法案が多い傾向があります。
法務省は、「共同親権と単独親権を離婚後も選択可能とする民法改正案」(213閣法 号=未提出)を来月8日ごろの閣議で決定する意向です。きょうの衆議院予算委員会ではそれを先取りした頭出し審議があり、偽DVといった弁護士が指南した配偶者の実子連れ去りビジネスについて、首相と法相が「こうした実態があると報告を受けている」と答弁しました。
そして、旧統一教会で、旧岸田派が大炎上。盛山正仁文部科学大臣と林芳正官房長官が「点検漏れ」があったと報じられました。その一方、上川陽子外相は意気軒高。「伝統ある」と評された旧宏池会はあっという間に空中分解しました。
●参議院憲法審査会はきょう水曜日が定例日だとされていますが幹事懇談会も開かれていません。
【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年2月7日(水)】
「令和6年度予算案」の基本的質疑は最終日。あすは一般質疑、あさっては集中審議「外交と農業等」。
複数の議員が「衆院選で、文科相が統一教会関連団体の推薦確認書に署名をして、推薦状を受け取っていたことは極めて重大だ」。首相の任命責任を問いました。首相は「自民党としての基本的な方針、度々申し上げておりますが、要は、盛山大臣を初め、過去の関係以下に関わらず、現在は当該団体との関係を一切有していないこれを前提として任命いたしました」とし、点検のうえ「未来に向かって関係を断つ」との答弁を正当化しました。
点検漏れを指摘する更問いに首相は「新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に説明責任を果たす。これが自民党の基本的な方針」としました。首相は「現在は当該団体との関係を一切有していないこれを前提として任命をいたしました」と述べました。
立憲の坂本祐之輔さんは、東京五輪会長だった橋本聖子さんや長野五輪メダルの堀井学さんらが「自民党の国会議員が日本のスポーツを牽引すべきオリンピアンの名を汚した」とし首相は「ご指摘の橋本議員、そして堀井議員。オリンピック選手として我々にもたらしてくれた夢や希望は色あせることはありません」と断言しつつも「元オリンピック選手であるか否かに関わらず、政治資金収支報告書の訂正は真摯に反省し説明責任を果たさなければならない」と答弁しました。
●立憲・湯原俊二さん「9年間浪人したが地方創生とはなんだったのか」
米子など鳥取2区の立憲の湯原俊二さんも質問しました。「地方創生、果たして日本の地方は良くなったのかどうか。私は学校出た後ですね、鳥取県の自民党の相沢英之事務所に入りました。旧会館ではですね第一議員会館7階721号室という角部屋でありました。その隣が、宮下創平さん、渡辺秀央さん、その先がですね広島から出ておられる岸田文武さんという先生がおられました。今から40年ほど前の話でありますけども、当時の自民党は中選挙区制ということもあったせいもありますけども、競い合ったように議論し、国土の均衡ある発展、産業間の格差がない社会を、作っていた」としました。
湯原さんは「佐藤栄作内閣のときに過疎法ができました。以前の民主党政権時代と比べるとですね、過疎地域が57.3%から地方創生、地方創生と言いながら、岸田政権で63・2%、過疎地域が拡大してきている。東京一極集中が加速しながら地方から人口が減少してきている」としました。
湯原さんは「私、実は9年間浪人をしておりまして、9年間鳥取の地元をずっと歩いて、いろんな方々の声を聞いて参りました。日銀の金融政策の結果での円安・物価高でですね生活が苦しくなってきた。そしてまた、地域において、特に中山間地域で若者が流出している。生活は、厳しくなってますから人口減少、空き家が増えていっている。地域が崩壊しかねない、こういう状況を見て、あるいは米価が下がって、これは涙ながらに私におっしゃったんですけども、コンバイン、稲刈り機が壊れたらもう稲作を廃業しなきゃいけないんだと。こういう声も聞いております」と述べました。「この原因が何かというと、私は、小泉政権から三位一体の改革が始まりました新自由主義的な国作りが結果として地方を切り捨て国民の生活を危うくした」との問いました。
ちょっと驚いたのですが、湯原さんの指摘に対して首相は「三位一体改革は、国から地方への税源移譲、国庫補助金改革で地方の自立や地方分権の進展に取り組む改革であったと思いますが、他方で、地方交付税の急激な削減など財政力の弱い自治体にとっては厳しいものになった」と三位一体改革による地方の衰退を認めました。
[写真]湯原俊二さん、衆議院第二議員会館で、おととし、宮崎信行撮影。
●維新・市村氏が共同親権を先取り質問
共同親権は、維新の市村浩一郎さんが問いました。市村さんは「離婚後の相談制度とか支援制度を悪用して、ビジネスモデルを作り上げて、お金にしているというような実態があると。(離婚後の父ら)本来被害者である方が加害者とされて、DVであるとか児童虐待であるとか汚名をでっち上げて、出ていく。そして子供と会えなくなる。心を病んで中には自殺、自死を選ぶ人もいる。こういう実態があるのは今までご存知でしょうか」と首相に質問しました。
首相は「離婚後におけるこの養育に関する事案に、様々なものがあり、その父母の一方が連れて別居するケース一つとってみても、不当な連れ去りという見方もあれば、DVや虐待からの避難という見方もある。その中で、裁判手続きにおいて、当事者の一方が自己の立場を有利にする目的で、DV等支援措置制度の申請を行うなど、DVを受けたかのように偽装して主張する場合もある。そしてこれを批判する意見がある。こうした実態があるという報告は受けました」と述べ、偽装DVの存在を認めました。小泉龍司法相も同様の答弁をしました。
市村さんは「去年11月、とある自治体主催のセミナーがあって、弁護士が登場して、早くあのこどもを連れて出なさい、そうするといい。離婚を奨励し、手ほどきするセミナーがあった。もう私は本当に悲しくなります。昔は、夫婦げんかは犬も食わないと、おばあちゃん、おじいちゃんたちが定めていた時代。今は、自分たちの利得のために離婚を推奨して、でっち上げさせ、そのために相談窓口を悪用する弁護士がいる」としました。市村さんはそのような悪徳弁護士は「一部だと思いますが、本当にそういう専門家がいる」と強調しました。
法相は「離婚などの裁判手続き等において、当事者の一方の立場を有利にする目的でDVを受けたかのように偽装して主張することを弁護士が促して、報酬を得ている場合もあるとしてこれを批判するご意見があることはよく承知をしております」と存在を認めました。
裏金、旧統一教会点検漏れ、こども・子育て支援で紛糾する今国会ですが、一部から「離婚禁止法案だ」との批判もある家族をめぐる法改正を審議できる状況になるとはとうてい思えません。
【参議院3つの調査会 同日】
学者からヒアリングをしました。
第213回通常国会は、150日の会期のうち13日間を消化しました。
科学的にみて、「総選挙後3度目の通常国会」に新規提出された閣法が解散前に成立する割合は低い傾向があります。が、「黄金の3年間の後半」の風向きからか、官僚が力を込めて作成している法案が多い傾向があります。
法務省は、「共同親権と単独親権を離婚後も選択可能とする民法改正案」(213閣法 号=未提出)を来月8日ごろの閣議で決定する意向です。きょうの衆議院予算委員会ではそれを先取りした頭出し審議があり、偽DVといった弁護士が指南した配偶者の実子連れ去りビジネスについて、首相と法相が「こうした実態があると報告を受けている」と答弁しました。
そして、旧統一教会で、旧岸田派が大炎上。盛山正仁文部科学大臣と林芳正官房長官が「点検漏れ」があったと報じられました。その一方、上川陽子外相は意気軒高。「伝統ある」と評された旧宏池会はあっという間に空中分解しました。
●参議院憲法審査会はきょう水曜日が定例日だとされていますが幹事懇談会も開かれていません。
【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年2月7日(水)】
「令和6年度予算案」の基本的質疑は最終日。あすは一般質疑、あさっては集中審議「外交と農業等」。
複数の議員が「衆院選で、文科相が統一教会関連団体の推薦確認書に署名をして、推薦状を受け取っていたことは極めて重大だ」。首相の任命責任を問いました。首相は「自民党としての基本的な方針、度々申し上げておりますが、要は、盛山大臣を初め、過去の関係以下に関わらず、現在は当該団体との関係を一切有していないこれを前提として任命いたしました」とし、点検のうえ「未来に向かって関係を断つ」との答弁を正当化しました。
点検漏れを指摘する更問いに首相は「新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に説明責任を果たす。これが自民党の基本的な方針」としました。首相は「現在は当該団体との関係を一切有していないこれを前提として任命をいたしました」と述べました。
立憲の坂本祐之輔さんは、東京五輪会長だった橋本聖子さんや長野五輪メダルの堀井学さんらが「自民党の国会議員が日本のスポーツを牽引すべきオリンピアンの名を汚した」とし首相は「ご指摘の橋本議員、そして堀井議員。オリンピック選手として我々にもたらしてくれた夢や希望は色あせることはありません」と断言しつつも「元オリンピック選手であるか否かに関わらず、政治資金収支報告書の訂正は真摯に反省し説明責任を果たさなければならない」と答弁しました。
●立憲・湯原俊二さん「9年間浪人したが地方創生とはなんだったのか」
米子など鳥取2区の立憲の湯原俊二さんも質問しました。「地方創生、果たして日本の地方は良くなったのかどうか。私は学校出た後ですね、鳥取県の自民党の相沢英之事務所に入りました。旧会館ではですね第一議員会館7階721号室という角部屋でありました。その隣が、宮下創平さん、渡辺秀央さん、その先がですね広島から出ておられる岸田文武さんという先生がおられました。今から40年ほど前の話でありますけども、当時の自民党は中選挙区制ということもあったせいもありますけども、競い合ったように議論し、国土の均衡ある発展、産業間の格差がない社会を、作っていた」としました。
湯原さんは「佐藤栄作内閣のときに過疎法ができました。以前の民主党政権時代と比べるとですね、過疎地域が57.3%から地方創生、地方創生と言いながら、岸田政権で63・2%、過疎地域が拡大してきている。東京一極集中が加速しながら地方から人口が減少してきている」としました。
湯原さんは「私、実は9年間浪人をしておりまして、9年間鳥取の地元をずっと歩いて、いろんな方々の声を聞いて参りました。日銀の金融政策の結果での円安・物価高でですね生活が苦しくなってきた。そしてまた、地域において、特に中山間地域で若者が流出している。生活は、厳しくなってますから人口減少、空き家が増えていっている。地域が崩壊しかねない、こういう状況を見て、あるいは米価が下がって、これは涙ながらに私におっしゃったんですけども、コンバイン、稲刈り機が壊れたらもう稲作を廃業しなきゃいけないんだと。こういう声も聞いております」と述べました。「この原因が何かというと、私は、小泉政権から三位一体の改革が始まりました新自由主義的な国作りが結果として地方を切り捨て国民の生活を危うくした」との問いました。
ちょっと驚いたのですが、湯原さんの指摘に対して首相は「三位一体改革は、国から地方への税源移譲、国庫補助金改革で地方の自立や地方分権の進展に取り組む改革であったと思いますが、他方で、地方交付税の急激な削減など財政力の弱い自治体にとっては厳しいものになった」と三位一体改革による地方の衰退を認めました。
[写真]湯原俊二さん、衆議院第二議員会館で、おととし、宮崎信行撮影。
●維新・市村氏が共同親権を先取り質問
共同親権は、維新の市村浩一郎さんが問いました。市村さんは「離婚後の相談制度とか支援制度を悪用して、ビジネスモデルを作り上げて、お金にしているというような実態があると。(離婚後の父ら)本来被害者である方が加害者とされて、DVであるとか児童虐待であるとか汚名をでっち上げて、出ていく。そして子供と会えなくなる。心を病んで中には自殺、自死を選ぶ人もいる。こういう実態があるのは今までご存知でしょうか」と首相に質問しました。
首相は「離婚後におけるこの養育に関する事案に、様々なものがあり、その父母の一方が連れて別居するケース一つとってみても、不当な連れ去りという見方もあれば、DVや虐待からの避難という見方もある。その中で、裁判手続きにおいて、当事者の一方が自己の立場を有利にする目的で、DV等支援措置制度の申請を行うなど、DVを受けたかのように偽装して主張する場合もある。そしてこれを批判する意見がある。こうした実態があるという報告は受けました」と述べ、偽装DVの存在を認めました。小泉龍司法相も同様の答弁をしました。
市村さんは「去年11月、とある自治体主催のセミナーがあって、弁護士が登場して、早くあのこどもを連れて出なさい、そうするといい。離婚を奨励し、手ほどきするセミナーがあった。もう私は本当に悲しくなります。昔は、夫婦げんかは犬も食わないと、おばあちゃん、おじいちゃんたちが定めていた時代。今は、自分たちの利得のために離婚を推奨して、でっち上げさせ、そのために相談窓口を悪用する弁護士がいる」としました。市村さんはそのような悪徳弁護士は「一部だと思いますが、本当にそういう専門家がいる」と強調しました。
法相は「離婚などの裁判手続き等において、当事者の一方の立場を有利にする目的でDVを受けたかのように偽装して主張することを弁護士が促して、報酬を得ている場合もあるとしてこれを批判するご意見があることはよく承知をしております」と存在を認めました。
裏金、旧統一教会点検漏れ、こども・子育て支援で紛糾する今国会ですが、一部から「離婚禁止法案だ」との批判もある家族をめぐる法改正を審議できる状況になるとはとうてい思えません。
【参議院3つの調査会 同日】
学者からヒアリングをしました。
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