【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

6増0減法案が参議院で可決し衆へ、正道・羽田雄一郎対邪道・吉田博美の代理戦争だ、石井浩郎・不信任動議が委員会否決、山本順三・議運委員長「我が愛媛」発言で本会議も紛糾

2018年07月11日 20時06分12秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

(午後12時40分投稿で、午後8時たぶん最終更新)

[写真]吉田博美・参議院自民党幹事長、2018年の先々月5月、国会内で、筆者・宮崎信行撮影。

 輝く女性、橋本聖子会長を神輿にかつぎ、吉田博美幹事長のやりたい放題がとまりません。特定秘密保護法打ち切り動議の石井浩郎さん、平和安保法制代表質問の山本順三・議運委員長ら「手を汚した部下」たちが、6増0減法案を強行採決しました。

【政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 平成30年2018年7月11日(水)】

 午後12時26分頃、審議中の4案のうち、「自民党6増0減法案」(196参法17号)の質疑を打ち切る動議を、自民党の森屋宏さんが提出。一瞬騒然としましたが、野党からは「もう少し大きな声で言わないと聞こえないよ」との声も聞こえました。自民党の石井浩郎さんが議事を進めようとしましたが、ここで、国民民主党の羽田雄一郎さんが正道の委員長不信任動議を提出。

 特別委員会の委員長は、委員同士の互選で選ばれており、本会議ではなく、委員会で議論されます。

 打ち切り動議と委員長不信任動議が同時に出たため、石井浩郎委員長が退席。自民党の石井準一理事(吉田博美幹事長の懐刀)が委員長席にのぼり、議事をしました。

 まず、羽田雄一郎さんが動議の趣旨説明。その冒頭で、こういう場合も、まずは休憩して理事会で野党の声を聞くべきだとたしなめ、粛々と発言しました。この後、自公が反対討論。続いて、共産が賛成討論。希望の会(自由)の青木愛さんが賛成討論。そして、小西洋之さんが登場し、頼もしい限りの賛成討論。沖縄の風の伊波洋一さんは「合区対象の県の代表を自民党が決めてはいけない」ともっともな討論。

 動議には、国民民主党、立憲民主党、共産党、自由・社民、沖縄の風が提出。前日本会議に提出された決議案は維新の単独提出。

 この後、午後12時53分頃に採決。野党の賛成少数で、石井浩郎委員長不信任動議は否決されました。

 石井浩郎委員長が復席。

 すみやかに、午後12時54分頃、打ち切り動議を採決し、採択。

 この後、

 「自民党6増0減法案」(196参法17号)を採決し、自公の賛成多数で可決しました。

 速やかに、公明党の西田実仁幹事長が付帯決議を朗読。ちなみに働き方改革関連法の附帯決議は厚労省をけん制しますが、この決議は来夏以降の参議院議員と事務局職員をしばるだけで、あまり意味が無いものです。

 今回は、悪の枢軸・吉田博美・西田実仁幹事長コンビが、手先の、石井準一・石井浩郎の両石井を使って、目的をかなえた形。

 来夏の参院選に向けて、国民民主党の羽田雄一郎さんらを非改選の立憲小西洋之さんらの「正義コンビ」がたたかっていく構図が描かれつつあるといえそうです。

 きょうの本会議に緊急上程のはこび。

 196参法22号、196参法24号、196参法25号は採決されませんでした。散会。

【参議院本会議 同日】

 緊急上程された「6増0減法案」(196参法17号)が、投票総数204、賛成149、反対55の賛成多数で可決し、衆議院に送られました。公明党提出の「11ブロック法案」(196参法21号)は投票総数204、賛成25、反対179で否決され、廃案となり、衆には送られません。討論では、小西洋之さんが「特定枠の導入で、参議院でも衆議院同様に、政党幹部の発言に縛られる議員が(今以上に)増える」、共産党の井上哲士幹事長が「全国民の代表だ」などと反対しました。

 これに先立ち、「平成30年8月豪雨の災害対策を求める決議」が投票総数234、賛成234、反対0の全会一致で可決しました。ただし、趣旨説明に立った山本順三委員長が「私の地元愛媛県も大変厳しい状況になっている」と前置きしてから案文を朗読。議場内が騒然となり、議運理事が協議しました。この経緯は他のエントリーで速報しました(

かなり変だぞ、参議院自民党、全党派発議の豪雨決議で、山本順三議運委員長「私の地元、愛媛県は大変」と前置き

)。予定よりもおそらく10分弱の遅れでの採決となり、水をさしました。これについては、その後の法案討論で、国民の足立信也さんが「山本順三委員長の発言は許せない」などと強く反発。今後、議運で協議されることになりそうです。

【参議院議院運営委員会 同日】

 維新が出した「石井浩郎特別委員長問責決議案」について、委員会審査省略要求報告書を本会議に報告するかどうかを議論。討論では維新が賛成討論をしました。この後、採決で、立憲・共産・維新の3党は賛成しましたが、それ以外の会派の委員は反対しました。賛成少数で、委員会審査省略要求報告書が否決されました。よって、維新が前日に出した石井特別委員長問責決議案について、きょうの本会議で言及されることはありませんでした。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 参考人質疑。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「医療法及び医師法改正案」(196閣法60号参先議)の審議。

 自民党の三ツ林ひろみさんは、「私の地元埼玉県では、さいたま市は医療過剰。でも、北部は医療過疎だ」と、父や兄がかかわった、埼玉医科大学の意義も含めて、自身は、日本大学(日大)医学部出身者として、「大学病院から1~2年、地方の中核病院に出ると、医師は順調に伸びていく」と強調しました。

 各党一巡。自民党側理事の橋本岳さんが辞任しました。岡山県内の広範囲豪雨の関係だと思います。次回はあさって。散会。

このエントリーの本文記事は以上です。

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かなり変だぞ、参議院自民党、全党派発議の豪雨決議で、山本順三議運委員長「私の地元、愛媛県は大変」と前置き

2018年07月11日 18時31分09秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 異例の出来事がありました。

 参議院本会議は前日の衆議院本会議同様に、平成30年7月豪雨の犠牲者に黙とう。

 続いて、議院運営委員長による、院の決議案の趣旨説明がありました。

 ところが、きょうの参議院では、山本順三委員長=画像は参議院インターネット審議中継からスクリーンショット=が、案文朗読の前に、「私の地元愛媛県は大変厳しい状況」と前置き。全会派一致の発議で、議運委員長が地元選挙区に言及したことから、「おかしいぞ」などの野次。今回、岡山県に次いで、愛媛県が死者が多くなっています。

 山本さんは、2015年の平和安保法制国会で、参議院自民党の改選組で唯一特別委員をつとめ、本会議での代表質問も経験。汚れ役の論功行賞として、国土交通副大臣になり、ちょうど2年前の2016年参院選へ。このときは国土交通副大臣でありながら、四国の自民党公認候補で唯一劣勢のという中盤情勢。しかし、自民党の組織の力でしょうか、最後にプッシュがあったようで、最終盤で逆転。議席がつながり、参議院議院運営委員長の重役をつとめています。

 山本発言については、この後の他の法案の討論演説で野党各党が問題視し「許せない」「憲法第43条により、参議院議員は全国民の代表だ」などと批判が相次ぎました。

このエントリーの本文記事は以上です。

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