法務省は、民間組織である「民事執行手続に関する研究会」の論点整理を受けて、ことし平成28年2016年秋以降に、法制審議会に
「民事執行法(昭和54年法律4号)」の改正案の要綱づくりを諮問する見通しとなりました。
論点は、
(1)離婚後の養育費などの債務者に対する出頭確保や、第三者からの情報収集の明文化の是非
(2)ハーグ条約国内実施法が定める子の返還の強制執行に関する規定を明確化する
(3)ヤクザを不動産競売・公売から締め出す規定の整備
--となっています(法務省作成資料より)。
(1)養育費などの金銭債権については差し押さえの規定が民事執行法第155条などにありますが、支払いが滞った際に債務者本人が出頭しない場合は、支払い可能状況などの情報が得られないため、出頭手段を確保したり、第3者から現状を情報収集することが可能かどうか検討します。
(2)「ハーグ条約国内実施法(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律48号))」は、その第134条などで、「子の返還の強制執行は民事執行法の第171条などによる」としています。ただ、民事執行法の「動産の引き渡しの強制執行」については、「物と幼児を同一視すべきでない」という判例もあります。そのため、法律で明文化したい意向のようです。
(3)ヤクザの締め出しについては、民事執行法の第71条に、「売却不許可事由」などがあり、ヤクザを排除することになりそうです。
国会では、法務委員会関係の法案が渋滞する状況が続いており、実際の法律改正は、平成30年2018年以降になる公算です。
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