かわ遊び・やま遊び雑記

アユ・ワカサギ・ヒメマスなどの釣り情報と自然観察や山菜採りなど自然の中で遊び回った記録や雑記

本の紹介20:虫捕る子だけが生き残る

2009年12月30日 | 

私は某中学校の後援会の会長をかれこれ8年ほどやっています。後援会と言うのは地域の人たちが中学校の部活を中心に後援している組織なのですが、卒業式に出たり入学式や体育祭で挨拶したりと結構仕事があります。特に大変なのが卒業・進級シーズンに発行される生徒会誌への寄稿があります。
今年は何を書こうかなと思っていたら
グッドぐんま(こにタン)の「虫捕る子だけが生き残る」の記事が目にとまって、この本を題材に毎年同じような内容なのですが、下のような文章を書いてみました。(こにタン、ありがとう。早速、本を買いました)



この文章で本の紹介に替えてしまいますね。

『先日、怪しげなタイトルに興味を引かれて読んだ本がありました。主題は「虫捕る子だけが生き残る」で、副題は「脳化社会の子どもたちに未来はあるのか」と付けられていて、虫好きの三人が対談している内容です。その三人とは「バカの壁」で有名な解剖学者の養老孟司さん、生物学者の池田清彦さん、仏文学者で日本昆虫協会長の奥本大三郎さんです。

それぞれの分野で名をなした人たちですが、共通点は虫捕りが好きということなのです。その虫好きのおじさんたちの言いたい放題が三章から構成されている本で、第一章のタイトルなどは「虫も殺さぬ子が人を殺す」となっていて少し大げさすぎる部分もあるのですが、現在のように子どもたちが山や野原や川で遊ばなくなって、本や映像だけでのみ断片的な知識を得ることが出来ても実体験や実感が伴わないことを嘆いている人たちの共感を呼ぶ内容の本です。

確かに、最近は虫捕りと言っても、その対象がカブトムシやクワガタといった人気のある虫だけで、それも山に入って捕ってくるのではなく、どこかで買ってくるとか街路灯の下で捕まえるということが多くなっているようです。



ですから、虫がどんなところに棲んでいてどんなものを食べているかが分からないから上手く飼うことが出来ない。
どのようにして捕まえるかも知らないし、手を挟まれたり刺されたりしないような持ち方も知らないから上手く捕まえることができないということになります。
さらに、野外では目的の虫以外に毒針を持ったハチや毛虫などがいますし、ヤマウルシのようにかぶれやすい植物も生えているのですが、その危険性をよく知らないから被害を受けやすくなってしまうということもあるのです。

「危険だから、山や川になんか行かない方が良いんだ。ムシキングや虫捕りゲームで遊んでいた方が良いよ。」と言う声が聞こえて来そうですが、本当にそうなのでしょうか?

この三人はこう言っています。「山に入って虫を探して捕る、水田でヤンマを捕る、池や沼をのぞき込んで虫や小魚を捕るということは自分で考え工夫をして実行するということ。そしてカンを働かせ、気配を感じ、じっと我慢して、すばやく的確に動くと言った様々なことが必要とされ、これらは本来人間にとって必要なものなのだ。」と、さらに「標本を作ることによって器用さが養われるし、美意識やセンスが育つ。虫について調べることで文章を読み、考え、不思議に思い、学問の世界に入っていくのだ」と・・・。

虫に限ったことではなく、山や川や野原など自然の中で動物や植物などを追いかけたり見たり実際に手に取ったり、魚をすくったり釣ったりすることによって生きた学習ができるのだと思います。
もちろん、学校での勉強や部活動は基本的な知識や体力を付けるためにはとっても大切なことです。ぜひ皆さんには学校での勉強や部活動に頑張るとともに、さらに一回り大きな人間となるために時間を見つけて自然の中でもいろいろな活動をしていって欲しいと思います。』

虫捕る子だけが生き残る-「脳化社会」の子どもたちに未来はあるのか-
小学館101新書:養老孟司・池田清彦・奥本大三郎 著、価格735円(税込み)

なお、中学校生徒会誌への今までの寄稿文はこちらに掲載してあります。気が向いたらご覧ください。


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