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先月upした『ドキドキバレンタイン』の続編を書いてみました。
バレンタインの告白で付き合い始めた設定なので、本家の吉恋の2人とは少し違った展開になっております。(;^_^A
♥♥♥♥♥♥♥
ワクワクホワイトデー~その7
〈百花〉
ケーキバイキングのお店を出た後、マスターは可愛い雑貨屋さんに連れて行ってくれた。
二つ目の店でアクセサリーを見ていると
譲二「気に入ったものがあれば、プレゼントするよ」
百花「え?いいんですか?」
譲二「うん。今日はホワイトデーだし、スリッパのお礼もしたいからね」
スリッパはお揃いで自分のも買ったんだけど、そんな風に言ってもらうと本当に嬉しい。
百花「あ、これって…」
私が気になるペンダントを見ていると店員さんが寄ってきた。
店員「そのデザインは面白いでしょう?」
百花「もしかして、ハートが重なってるんですか?」
店員「ええ、それで一見ハートには見えないから、男性が着けても違和感がないんですよ。
ペアで買われる方もいらっしゃいます」
ペア⁈
マスターとペアのペンダントをつけれたら…。
私はマスターを振り返った。
譲二「え?俺?」
百花「ペアのペンダントなんて子供っぽくて嫌ですか?」
〈譲二〉
雑貨屋さんで、百花ちゃんのためのアクセサリーを選んでる。
百花ちゃんが気に入ったらしいペンダントを店員さんがペアで着けてもいいですよと勧めてる。
百花ちゃんはそのペンダントを俺にもつけて欲しいみたいだ。
参ったなぁ~。
俺は今までペンダントなんてつけたことはないんだけど。
譲二「え?俺?」
百花「ペアのペンダントなんて子供っぽくて嫌ですか?」
いつかの夜のように上目づかいで見つめられて、俺は観念した。
♥♥♥♥♥♥♥
支払いの時にペンダントのタグも外してもらって2人で身に着ける。
そこからは自然に手をつないで歩いた。
夕食もどこかで食べて帰ろうかと思っていたが、ずっとはしゃぎ続けたせいか百花ちゃんは疲れているようだった。
譲二「夕食の食材を買って帰ろうか?バレンタインの時みたいに2人で夕食を作ろう」
百花「はい」
バレンタインデーのことを思い出したのか、百花ちゃんの頬がうっすらと桃色に染まった。
♥♥♥♥♥♥♥
2人で夕食の買い物をし、2人で料理をした。
俺にとっては今日のデートよりも楽しいくらいだった。
テーブルのセッティングができるとキャンドルグラスに火を灯し、電気を消した。
俺は百花ちゃんの椅子を引いた。
譲二「どうぞ、お姫様」
百花ちゃんは照れ臭そうに微笑んで椅子に座った。
百花「ありがとうございます」
♥♥♥♥♥♥♥
キャンドルグラスの灯りで、食後のコーヒーを飲みながらおしゃべりする。
百花「マスター、今日は本当にありがとうございました」
譲二「楽しんでもらえた?」
百花「はい。マスターと一緒に過ごせて、なんだか夢みたいな一日でした」
譲二「それは良かった…。ねぇ、百花ちゃん」
百花「なんですか?マスター」
譲二「…あのさ、その…マスターっていう呼び方なんだけど…」
百花「恋人らしく…ないですよね?」
譲二「うん…。もし良かったら、今みたいに2人だけの時は名前で呼んでもらえると…嬉しいなぁ~なんて」
百花「じょ、譲二さん…」
譲二「うん」
百花「譲二さん」
譲二「なんだい?百花」
思い切って、俺も呼び捨てにするとなんだか照れくさい。
百花「譲二さん」
百花ちゃんは例の上目づかいで俺の顔を見上げている。
そんな可愛い顔をするなんて、反則だ。
譲二「百花、大好きだよ」
俺は小さく囁くと彼女の蕾のような唇にそっとキスをした。
百花「⁈」
驚いて目を見開く姿も可愛らしい。
譲二「ごめん…。嫌だった?」
百花ちゃんがブルンブルンと首を振る。
百花「マスタ、譲二さんにだったら何をされても、いいです、私」
本人は分からずに言っているのだろう、大胆な発言に苦笑した。
譲二「そんな可愛いことを言われたら、こんなことをしたくなるよ…」
百花ちゃんを抱き寄せると…また唇にキスをした。
今度はもっと長く。
唇を離すと百花ちゃんは大きな息をする。
譲二「大丈夫?」
百花「だって、あんなに長いと苦しくって…」
譲二「もしかして…、息を止めてた?」
百花「息は止めなくていいんですか?」
俺はくすりと笑った。
譲二「息はね、鼻でするんだよ。口が塞がってる間はね。こんな風に…」
その夜、俺たちは何度もキスの練習をした。
♥♥♥♥♥♥♥
ワクワクホワイトデー~おわり