華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪10年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

経験は宝。でも…

2013年06月01日 21時06分03秒 | Weblog
本日午後シフト。もう一人の看護師とペアで12名担当。基本は6名担当で、休憩時間やその他手が回らないときにお互いを助け合うという感じ。私は昨夜とほぼ同じ患者さんを担当した。
週末はドクターの指示等がないので楽なときは楽なんだけど、同時にスタッフの数も減らされるので、要アシストの患者さんが揃うと忙しくなってくる。私たちが今日担当した12名はちょうどそんな感じで、2人して朝からドッタバッタ。投薬を済ませたらすぐにシャワー開始。その間にベッドメイクやら何やら。12名のうち2名ほど2人かかりでないと動けない人がいて、その人たちに時間を取られつつ、週末を利用してやってくる家族へ対応もしていたら、時間などあっという間に過ぎていく。
本当に息を付く暇もないぐらい忙しく、7時から仕事を始めて11時半ぐらいまでトイレに行く暇もなし。すべてのシャワーが終わって、患者さんがランチを待つ頃になるとようやく少々落ち着いてきた。よし、早めに看護日誌を書くぞ!と意気込んでデスクに座ると、ペアの看護師が彼女の患者の一人で認知症の男性がイスからずり落ちそうになっているのを発見。

この患者さんはここ一週間ほどで認知症が一気に進み、何を話しかけても通じなくなってきていた。しかも何をしようとしてもすべてに対して抵抗する。2人がかりでちゃんと座らせたところ、患者さんの膀胱があるあたりが腫れ上がっていることを発見。おしめを見たらまったく濡れている様子がない。そしてペアの看護師いわく、朝、排泄はしたけど排尿はしていないとのこと。

尿閉だよ。

年齢を重ねるにつれて排尿に困難をともなうことが多々ある。尿閉は排泄障害のひとつで、この患者さんの場合、前立腺が肥大して尿道を圧迫。尿が出ない状態になっていた。
急いでベッドに寝かせ、機械でお腹の上から膀胱をスキャン。すると膀胱内に1リットル以上の尿が詰まっていることが判明。膀胱はだいたい500ミリリットル程度の尿を保持する(個人差あり)。そして膀胱内に150~200ミリリットルほど溜まると尿意を覚えるものなので、この量がいかに大量かがわかってもらえると思う。
急遽尿道カテーテル挿入を決定(チューブを排泄口から尿道を通じて膀胱へ差し込み、自動的に尿を排出させる。チューブの反対の先にはバッグがあり、そこに尿が溜まる)。私は実はこの作業をほとんどしたことがないので、志願してやらせてもらうことにした。
器具を用意してさぁ!となったら、何が起こっているか理解できない患者さんがすごい力で抵抗する。先輩看護師を応援を呼んで3人がかりで、言葉は悪いけど力ずくでカテーテルを挿入しようとしたら、断末魔の叫びとともに暴れだし、その手が私のお腹にヒット。いろんな状況があるとはいえ、患者さんがスタッフに暴力を振るったことになる以上、この時点で作業は私たち看護師の手を離れ、ドクターのものとなる。急ぎ本日担当のドクターを呼んで作業再開。私とペアの看護師は足や手を押さえる係り。再びすごく叫んで暴れるので、それを聞きつけてベテラン看護師も応援にやってきた。なんとかかんとかカテーテル挿入。しかし尿が流れてこない。どうやら尿の中にチューブの穴をふさぐ何かが浮遊しているらしい。気の毒にも3回もカテーテルを再挿入され、そのたびに大騒ぎ&大暴れ。結局患者さんには筋弛緩剤が投与され、最終的にすべてが落ち着いたのは約2時間後だった。
この間も他の患者さんからナースコールはあるし、お昼の投薬だってある。それらに遅ればせながら対応していたらあっという間に終業時間。とうとうお昼ご飯は食べられずじまいだった。病院を出るときは本当にグッタリしていた。

お腹を空かせて帰宅したのが4時ごろ。Dも中途半端にブランチを食べたためお腹を空かせており、即夕食の用意。ささっと鍋の用意をして今夜も水炊き。味付けに入れた料理酒が効いたのか、食後猛烈な眠気に襲われて2時間ほど仮眠。起きて片づけをして、コーヒータイムの今に至る。

普段と違うことを経験するのはいい勉強になる。今日のこともたくさん学ぶべきことがあった。この先もいろんなドラマを経験するやろう。願わくば忙しくない日に起こってくれることを願う。…無理か。
明日もあさっても午前シフトでおそらく同じ患者さんを担当。ドラマはないとしてもシャワーは必要なので忙しいやろうなぁ。ちょっと憂うつ。不貞寝してしまおっと。
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