二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡は弦が張ってあってこそ楽器になります・

2017-03-28 09:42:20 | ■工房便り 総合 
そして、その弦を擦る弓があるからこそ、擦弦楽器になります。

二胡二弦胡琴)は、弓で弾かなくとも楽器になります。

指ではじくなり、撥やピックあるいは爪ではじけばかなり良い音になります。

その上、弦を張らなくとも、蛇皮を張った太鼓にもなるのです。

むしろその順番を反対にたどると、二胡の成り立ちが素直に分かります。

何も伝統や、言い伝え、あるいは思わせぶりな解説など無く、

太鼓に弓(武器の)を取り付け、それを棒切れで擦れば、まさに二胡の最初の姿が現れます。

最初から蛇皮だったのか、あるいは、レバーブなどと同じように牛の皮や羊の皮だったのか

たぶん、その地方地方で、生活に近い動物の皮が使われたのでしょうね。

いつか蛇皮を張った二胡が、皮も緩みにくく張りのある良い音がしてそれが、他の地方まで伝わったのかもしれません。

弓にしろ最初はその辺に落ちている棒切れで擦ったら、音が続くということで、

いつの時代にか、(西野という)人種がいてあれこれ違う材料を試してみて。

むしろ弓で弓を弾くほうが良い音になるのに気が付き、

さらに進化して、馬毛を使うようになったのでしょうね。

弦は、相当昔から、ガットが使われています。

これは武器の話ですが、

植物の蔦の繊維をより合わせたりもして使っています。

絹であったり、ガットであったり、どちらも武器の弓の材料の一つです。

絹にしろ、ガットにしろどんどん伸びていきまして時々閉めなおさなければいけませんね。

そこへ行くと馬毛はそれほど伸びもせず、最初からより合わせたり、裁断したりする手間というのは少ないですね。

こうやって、ただ太鼓の上に弓を乗せただけの楽器が、

固定化された伝統という権威主義を重んじたい人たちによって、

いかにも昔からそのままの形で伝わってきて、

伝統という言葉を付けたためにそのまま維持しなければ、ということになってきたのでしょう。

伝統とは、物事あるいは物を作り出すための、その地方地方に根付いた考え方であり、方法論であるはずが、

一部の、現状のものを維持し、その権威によって生活を成り立たせている人々の作り出した教条的な経済政策と化しています。

という難しい話は置いておいて、

二胡の調整の基本は、どんな弦を使うかです。

どんな弦を使うかその弦の種類によって楽器は調整されなければならないということです。

固定化された、指板やあるいは上駒、あるいはフレットなどで規制されていない二胡は、

弦そのものが鳴っている要素がとても大きく、その弦の種類によっては、調整し直さなければいけない要素が多いのです

まず弦を選び、それから駒や千斤を調整するべきでしょう。





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