二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

待つのが仕事です。

2023-11-22 10:05:40 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
良い花梨ですね!このくらい密度が詰まっているとかなり木に詳しい方でも小葉紫檀(コウキ)と間違えるでしょう。
そもそも小葉紫檀は花梨の仲間ですから。
先日電話があり木場にこの材を買いに行ってきました。もう30年も前に仕入れたのが倉庫の中に積み重なっていて出てきたそうです。
30年も経っているのでもう使えるくらいに乾いているかというとそうでもないのです、表面的には含水率は25%くらいですが、中の方はまだ50%以上ありました。二胡を作るにはせめて20%以下にしたいのです。
そのためにはこれを使うくらいの太さに製材して、更に数年待たなければいけません。
これは二胡を作り始めた15年ぐらい前から製材して乾かしている棹の部材です。当時は西野二胡の頭は白い人工大理石で作ったのが残っています。
木工は基本的に待つのが仕事です。
大きく製材して板に作り、数年して使う材の近い大きさにしてまた数年。
仕上上げる前に、光舜堂のオリジナルな乾燥機にかけます。
但し、いわゆる人工乾燥のように無理やり10%以下の乾燥度にするわけではありません、自然乾燥の十分な乾燥度17%に近づけるのです。
最近中国では無理やり強力な人工乾燥をした紫檀類で作った二胡が出回っています。これ内部の油分が分解して良い音にならないのです。(しかし後々メンテナンスしなくても良いくらいに乾かします)
まあ気持ちも分からないではないですね、ヴァイオリンにしろ二胡にしろ木でできた楽器はメンテナンスあるいは修理が必須ですから。
二胡はさらに、蛇皮という生ものを扱います。
これはゆっくりゆっくり伸ばしてやらないと後々良い振動にならないですし、無理やり伸ばすと亀裂が入ったりあるいは反対に伸ばしが甘かったりします。
以前は皮の張替えなども、ですからお客様に大変長い間お待たせしてしまっていたのです。
ところが最近になって、それこそこの春くらいから西野二胡もなんだかたくさん注文いただき、また蛇皮の張替えなどもずいぶん増えてきて、ご注文の度に蛇皮を伸ばしているというわけにはいかなくなりました。
そこで、
締め具も沢山作り、常に先行して2回工程締めあげたものを用意しています。
お陰でこの夏ぐらいからそれほどおお客様を待たせないでも良くなりました。
お待たせするのは最後の一工程くらい10日前後ですかね(気候の乾燥度にもよりますが)
それに良いのはそれこそ慌てず良く締められたものから使う事が出来むしろ良い状態!これ昔からほぉさんに言われてたのです、「何時かはたくさん注文来るからいつも皮の準備しておいて」と!
流石ほぉさん!今は常に一台から二台は張れるようになっています。
それより木が問題!
欅の良いのが十分乾燥したのが無くなりました。
こんなに和胡が売れると思っていなかったのですよ。
この和胡の材料同じ欅でも、千葉の養老渓谷の欅なのです。
欅などは関東の方はどこにでも見られて珍しくないかもしれません。
しかし、この養老警告の欅はその密度が高く狂いにくく江戸時代から銘木として扱われてきてなかなかに手に入りにくいのです。
和胡を作り始めた6年前に手に入れていたのが、何とか来年には、、、
欅の方がまだ乾きやすいですね、今回入手したこの良い花梨もしかしたら、使えるのはネオちゃんかもしれません。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ。ネオ



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