二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

皆で作ろう疑似福音弓。!

2015-05-15 12:07:25 | ■工房便り 総合 
当然のことながらもうやっている人もいらっしゃると思います。

福音弓の先端には、手元とのバランスをとるために、

そして弓先にまで手元の力が伝わりやすいように、銅線が巻いてあります。

これは何も私の発明ということではなく以前にも、先端に重りを付けた練習用の弓と言うのが発売されていたようです。

どうやら、かなり重かったらしく、いつの間にか消えてしまいました。

二胡の弓は基本的には力を入れずに、(先生に良く言われますね)弾いていくのが良い音になるコツなのですが、

何しろ先端まで80センチもありますから、力を入れずに先端まで綺麗に弾いていくというのが難しく、

初心者の方はそこでかなり途惑うのでしょう、

というより初心者でもない私がかなり途惑っていたのですついこの間まで。

ヴァイオリンの弓を作っていて何故この形なのか考えた時、何も、毛だけを止めるためにこの大きさが必要ではないと気が付いたのです。

そこで昔のヴァイオリンの弓の進化など見ていると、昔の物は二胡と同じように、先端に毛が結んであったのです。

それが進化して、今の形になりました。

ヴァイオリンの弓の作家によって、木の重さによって、方祖弾力によってこの先端の形は変わりますし、重さも変わります。

量産品の、難点はここにあります。

木の硬さや質量などに関係なく一定の形と大きさに削っていますから、運よく良いバランスの弓に当たるという感じになりますね。

たぶん10万円以下の物は殆ど偶然に良い弓に当たるということが言えます。

流石に50万円クラスになると、そんなばらつきと言うのは無いでしょうね、

二胡の弓は天然のままですから、先端の重さと言うのはホントにバラバラですし、使い良い先端までスーッと細くなっている弓は余計軽いです。

それでも上級者は、手の指と梃子の原理で、先端にまでうまく力を伝えていきます。

ここにこそ、二胡の良い音がなかなか出ないという秘密があります。

ですから、皆さんどうぞ疑似の福音弓作ってみてください。

先端に銅線を巻きつけるだけです(だけではないのですが)

重さはいろいろ研究してみてください。

福音弓の良さと言うのは初心者の方にとても喜ばれています。(おかげで10ケ月で350本ぐらいも作りました)

また、プロの方あるいは本当に良い音色を作る人にもとても喜ばれています。

重さが先端にあるためにかえって運弓は軽くなるのです。

変に力が入っている方にはどうもそれほど違いは感じないとも言われます!

やはり今までの弓の先端に重さが無い為に、梃子の原理以外の力を使ってしまっているのでしょうね。

ま、ともあれ、先端を重くするというのはこれからの二胡の弓の進化としては絶対必要な事です、、

まあ、ここで自慢させてもらえば、福音弓は、ただ先端が重いだけではありません。

跳ね返ってくる竹を使っていますし、強度も上げています。

たぶんふつうに使えば20年30年と持つでしょう、そして毛が違います。

先日、チェリストの重松涼子さんに実験で東風の毛をチェロの弓に張ってもらいました。

その時には毛替えをしてくれた、ヴァイオリンの弓の工房の方さえ、この毛の良さにはおどろいていました。

毛の良さと、竹の良さそしてバランスの良さと言うのは絶対必要なのですが、

デモです。皆さんせめて、嘘だと思って、だまされたと思って、先端に重りを付けてみてください。

今までの弓でもかなりの効果は出るはずです。


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