二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を鳴らす、その9.

2012-12-12 10:44:59 | ■工房便り 総合 
弦楽器の振動板は、垂直に動かしてこそその役割を果たします。

ですから、三味線などは、皮に向かって叩き込むように引くというのが基本です。

そうすると二胡も同じですね、弓を胴と平行に弾いて行かないと、弦は皮に対して垂直には振動してくれません。

弓を弾く時に、弓の毛が棹を擦る位に、胴と平行に弓を動かすのが良いのですが、棹がある以上は完全には出来ません。

それでも、なるべく、垂直に弾いた方が太い安定したクリアーな音が出ます。

たまに良く鳴らしている人で、それほど、胴と平行に弾いていない方もおられますが、この弾き方だと強く弾くと、弦が横揺れを起こし当然駒も横揺れを起こし、ガーガー言ってしまいます。

確かに胴を少し斜めにすると、弓の毛が弦を引っ掛ける感じが凄くありますので鳴っているように感じますが、強く弾けない難点があります。

この時には、駒を作り変えないといけません。

バイオリンは弦を横に振動させます。

振動板が、局面になっていますので多少は横方向の振動を縦に近くすることもできます。

それをさらに振動板に対して縦に振動させる役目を果たしているのが、バイオリンの駒の形状なのです。

それに近い形を作れば、多少斜めに弾いたとしても、弦は縦に振動させることが出来ます。

これはまだ完成はしていませんが、来年にはこの駒を光舜堂に置こうと思います。

まだまだやる事は沢山有りますね。

しかし基本的には、二胡を鳴らしその本来の音色を作る為には、棹を擦るぐらいに弓の毛を胴と平行に弾く方が良くなります。

やってみて下さい、最初の内は棹に弓の毛を触るように引くと内弦も外弦もぎーぎー鳴りますが慣れて来ると相当良い音色になります。

どうぞお試しください。

それから弓を相当緩く張る方もいらっしゃいます。

これも、物理学的には、弦を縦に振動させる方向にはなります。

ですから緩く張るのでしょうが、結局、それも外弦だけで、内弦は、緩く張ろうとシッカリ貼ろうと同じ状況ですね。

緩く張る分、弦に対する弓の毛の面積が増えますから、強くも鳴るとは思うのですが、

慣れないと難しいのと、弦の回転も促進してしまいます。

それでも良く鳴らす人は鳴らすので、何かコツみたいなものがあるのでしょう。

私の書いて来たのはあくまでも物理学的な事ですので、それを超えた人の手の働きと言うのがあるのだと思います。

それには一音一音丁寧に鳴らす事を意識したボーイングの練習と言うのが大切なのでしょう。

皆さん、沢山弾いてやって下さい。


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