二胡工房 光舜堂

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木軸間の幅!最近考えていること

2023-01-21 10:43:51 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
今夢中になってやっていることの一つに、二胡の木軸の事があります。
今までに、沢山の二胡を見せていただいて、薄々は考えていたのですが、木軸と木軸の間の長さにかなりはっきりと違いがあるということです。
左が古楽器と言われる50年以上前の物、もっとかもしれません。
右は現在多分ここ1,2年で作られたものです。
はっきりと、木軸間の長さが違いますね。
約、7ミリほど昔の物の方が長いのです。
これは何故???
また、比較的最近の物ににしろ、

約2ミリほどの違いがあるのです。
左は購入されたのが18年ほど前、右は昨年。
これは単にメーカーによって違うのかとも考えましたが、どうやら年代によって違うようなのです。
最近工房に沢山の二胡が集まっています。
理由の一つは私が腰を痛めて(老人病)思うように仕事が進んでいないということもありますが、なんだか毎月2,3台皮の張替えが各地から各社から届いているという事もあります。
まあ、それはともかく、皮の張替えるくらいに古い二胡が集まってきてこの木軸の幅に差があることがはっきりと分かったようです。
古楽器と言われる楽器は絹弦を使っていました。
中国製の絹弦を張ってみると、まったく問題もなく良い響きになります。
ところがこの古い楽器に最近のスティール弦を張って調弦し、弾いてみると外弦だけが揺れてしまう。なんだか柔らかく感じてしまうのです。
最近の二胡に絹弦を張ると反対に外弦が緩く音が安定しません。
このことは木軸間の幅の違いによるのだと考えたのです。
二番目の画像の18年前の二胡と最近のを比べて、同じ弦(ピラストロ)を張ると、わずかですが、18年前の物の方が内弦がすこち緩いかなと、駒の位置を少し下げてみたら、ぴったり合ったのです。
また、敦煌牌など古くからある二胡弦は、この18年くらい前の物の方が内外の弦がとても安定しています。
弦の張力の問題でしょうね。
これらの木軸間の幅の違い、音にも弾く具合にも関係しています。
メーカーによっても多少の差はありますが最近の物は、1ミリ以内の誤差に集まっているようなのです。
ところが二胡は現在の二胡が作られたといわれる1958年以後細かく変化してきているようなのです。
弦の変化はさらに大きいです。20年くらい前からピラストロやトマスティークなどのヨーロッパの弦メーカーのものなど現れてきています。
それらは明らかに、持ってみただけで弦の弾みに違いがあるのが分かりますしね。
尚私の作っている二胡はこのピラストロに合わせています。
二胡は擦弦楽器ですから、その弦の質の違いというのはとても大きいですし、その質を活かすための木軸間の長さというのもあると思います。
それらに合わせて、弦を選ぶというのも大切かもしれません。
ヴァイオリン系は、さらに多くの弦メーカーがありますが、ペグ(木軸)の間(位置)は現在ではかなり決まっていると思うのですが?
昔のガット弦のころと.違いがあるのかは、今度知人に聞いてみようと思います。
今後集まって来るものを、お客様に購入時期を聞いたりして、さらにデーターを取ってみようかと考えています。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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